平成30年度第二回定例会 代表質問 加藤拓

墨田区議会自由民主党の加藤拓です。会派を代表いたしまして、山本区長及び加藤教育長に質問いたします。

初めに、保育所の待機児童対策について伺います。
墨田区ではこれまで待機児童の解消を目指し、保育所定員の拡大に努めてきました。特に、直近2か年の実績は、951名の拡大と、平成28・29年度の墨田区待機児童解消計画で設定した800名の定員増を超えるものとなりました。その結果、平成30年4月1日時点での保育所整備率は53.2%となり一定の水準を超えたものと認識しています。この結果を高く評価するとともに、関係部署の職員の皆様のご尽力に感謝申し上げます。
一方で、本年4月1日時点での待機児童は193名と、待機児童の定義の変更があったこともあり、昨年度を上回る結果となってしまいました。
引き続き待機児童対策を行う必要がありますが、一般会計予算における保育所関連費用は公立保育園の人件費を除いても、昨年度比で約25億円増となり、150億円を超えています。今後もこれまでと同様のペースで認可保育所を増設していくと、近い将来財政に深刻な影響が出ることが懸念されます。

区内での単身者向けマンション建設の急増などの要素を踏まえて、直近の未就学児人口の推計を取りつつ、必要な定員は確保していくべきですが、その一方で、認可保育所の増設以外の待機児童対策を講じることで、墨田区の子育て支援を、着実に持続可能なものにしていく時期に来ているのではないでしょうか。
山本区長の見解を伺います。併せて来年10月から予定されている幼児教育の無償化について、区の財政や事務量の負担はどの程度の規模になるか、見通しがあれば伺います
現在では、定期利用保育等の定員が少なく、時短勤務やパートタイムの労働を希望していても、認可園以外に受け皿がありません。そのために、フルタイムでの勤務を続けたり、待機児童になったりしているケースには、定期利用保育の拡充を行い、利用時間の割り振りを行うことで、認可園だと3人分必要な枠が2人分で済む可能性があります。
また、育児休業を取得することが可能でも、早期に保育所に入所する理由の一部に保育の不安があるかもしれません。28年度から行っているなかま保育のように、保育の不安を軽減する取組を拡充することで、自発的な育児休業の取得の促進につながる可能性があります。

加えて、子育て広場のような在宅での子育て支援施策の拡充により、保育所入所ではなく在宅での子育てを選ぶ可能性があります。
このような保護者の選択肢を増やす施策を充実させることは、認可園の増設よりも財政負担の少ない待機児童対策になると考えます。早急に未就学児の保護者への意向調査を行い、来年度以降に認可保育所増設以外の待機児童対策の施策展開を行うべきです。区長の見解を伺います。
また、東京都では、今年度から「働くパパママ育休取得応援事業」を始めました。これは、1年以上の育児休業を取得させ、育児中の雇用を継続する環境整備を行った中小企業や、男性従業員に育児休業を連続して取得させ、育児参加を促進した企業に対して奨励金を交付するものです。
このように、企業側にも育休取得を促進する取組を行ってもらうことも待機児童対策につながります。待機児童対策は23区共通の課題であるため、国や東京都に対して、企業に対する協力を得られるよう、特別区長会として働きかけていただきたい。区長の所見を伺います。

次に、新保健センターの整備について伺います。
第一回定例会でのわが会派の代表質問に対して、「デザインビルド方式」の採用と、コンストラクションマネジメント業務委託の導入により、「墨田区新保健センター等複合施設整備基本計画」で示している45億円を超えないように整備を進めていくとの答弁がありました。同時に、今年度にはコンストラクションマネジメント業務委託を活用して、新施設のデザインビルド発注に向けて要求水準を作製していくとの答弁もありました。
本区の非常に厳しい財政状態を考慮し、品質を維持しつつも建設費45億円の水準は厳守していただきたいと考えています。現在検討している方策について伺います。
公共施設の整備にあたっては、その内容について、将来を見据えたビジョンを持ち、様々なステークホルダーを交えたワークショップ形式で練り上げていくことが重要であると指摘しました。これに対し、要求水準等を作成する際に、区民の方や新施設の関係者に、ワークショップ形式などの意見を伺う機会を検討したいとのことでしたが、時期やメンバーについて、具体的にお知らせください。

一方で、新たに整備する公共施設は60年先まで使用する前提であり、この新保健センターも同様です。開設当初は綿密に練り上げた内容であっても、長期間での社会情勢や区民ニーズの変化により、公共施設の再編等による機能変換にも備えておく必要があります。
これまでの公共施設マネジメント実行計画で「将来の機能転換等にも柔軟に対応できる設計を推進します。」と示されている方針を順守していただきたい。また、デザイン性の高い施設は、改修の際の高額の負担や、低利用の空間の発生等の恐れがあります。維持補修の負担が少なく、建物を隈なく活用できる、汎用性の高い設計にすることを強く求めます。区長の見解を伺います。
加えて、今定例会の報告事項にもありますが、建設候補地である都有地の下水道工事を行っていない部分について、土地開発公社による先行取得の方向性が示されています。建設候補地を分割して取得すること、下水道工事と並行して建設が進むこと、下水道工事の進捗状況などの要因によって、新保健センターの工期に影響があるのか伺います。

次に、葛飾北斎の作品を通じた国際交流について伺います。
平成31年度は、日本とポーランドが1919年に国交を樹立してから100周年に当たります。19世紀から20世紀にかけて、ポーランドには「フェリクス・ヤシェンスキ」という葛飾北斎の作品を始め多数の日本美術を集めた収集家が居ました。彼のコレクションは、かつてのポーランド王国の首都であった古都クラクフにある、「日本美術・技術博物館」に所蔵されています。ヤシェンスキは、特に「北斎漫画」を熱愛しており、「マンガ」を自身のペンネーム使用していたことから、このセンターには「マンガ館」という愛称が付いています。
昨年8月に、山本区長は、駐日ポーランド大使がすみだ北斎美術館に来館した際に、前駐ポーランド大使、当時の菊田館長及び外務省の審議官を交えて懇談し、北斎美術館とマンガ館の交流を、国交樹立百周年の記念交流事業の目玉にすることで意見が一致したと聞いています。これは、本区選出の松島みどり衆議院議員が経済産業副大臣だった平成26年、出張でポーランドを訪問した際に、すみだ北斎美術館と「マンガ館」との交流話が持ち上がったことが発端となったとのことです。

懇談の結果を受けて、北斎美術館へ今後の交流の進め方についての問い合わせの書簡が送られていましたが、先月18日に1年程度経過しても返事がないことを指摘されたとのことで、誠に遺憾に思います。
やや減少傾向にある来館者数の回復のためにも、この節目の事業に協力することで、北斎美術館の海外へのPRや、他の美術館との連携の強化につなげることを期待しています。資料の貸出等、可能な限り協力するべきであると考えますが、来年に向けて、今後どのように進めていくのか、区長に伺います。
また、このような交流は、周年事業に対する外務省からの補助や、地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業等、文化庁の補助事業の対象になる可能性が非常に高いと思われます。こちらの検討状況についても合わせて伺います。
ポーランドは、18世紀のロシア等による領土分割により国家を喪失してしまいます。以来、独立運動を行った多くのポーランド人がシベリアに流刑となった他、第一次世界大戦ではポーランドの地がドイツ軍とロシア軍の戦場となった結果、流民となった人々がシベリアに流れていきました。

その後、ロシア革命とそれに続く内戦により、シベリアのポーランド人は難民化し、多くの孤児が飢餓と疫病で悲惨な状態にありました。日本政府と日本赤十字社は、この孤児たち765名を1920年と1922年の2度にわたって受け入れ、東京の児童養護施設と大阪の日赤病院看護婦寮に収容し、全員の健康を回復させたうえで、独立を回復した祖国ポーランドに移送しました。この孤児の方々が、「極東青年会」という団体を組織し、日本の素晴らしさを祖国で紹介してくださったおかげで、ポーランドは世界でも屈指の親日国となったと聞いています。
親日国の都市とは、国際交流がより円滑に進むことが期待できます。この度の葛飾北斎の作品を通じた記念交流事業が実現した後も、クラクフ市等、ポーランドの都市との交流を検討するべきと考えますが、区長の見解を伺います。また、葛飾北斎を通じたポーランドとのつながりや、日本とポーランドの歴史的な経緯についても、区民に周知する機会を設けることを望みます。合わせて伺います。

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への取組について2点伺います。
1点目は、「あしたのジョー」を用いたPRについてです。
墨田区では、国技館がボクシング会場になること、有名ボクシング漫画「あしたのジョー」の作者であるちばてつや氏が本区と非常に深い縁のある方であることから、気運醸成のために「あしたのジョー」を用いたPRキャンペーンを行うことになっています。シティドレッシングを含め、積極的な展開を期待しています。
現在、区内事業者の方々にも商品の販売等によって一緒に大会を盛り上げていただくために、6月1日から商品化許諾申請の受付が始まっています。
「あしたのジョー」のファン層は50代から60代が多く、比較的消費力の高い世代です。ゴールデンウィークに行われた「あしたのジョー×すみだ」企画展示と同時に同じフロアで開催された連載50周年記念「あしたのジョー」展では、この世代の方々が多くの物販品を購入している姿が見受けられました。ファン心理をつかむことができれば、価格に関わらず購入していただけると思いますので、区内事業者の方々に多くの商品を開発・販売していただき、大いに機運を醸成していただくとともに、区内産業の活性化につながることを期待しています。
商品化許諾申請に先立つ説明会には、どの程度の事業者が参加され、どのような商品が予想されるか、まず区長に伺います。
また、商品を開発しても、販売する機会が限られてしまうと、気運醸成の効果も限定的になってしまいます。まち処や観光案内所以外の販売場所の確保や、イベント等での販売機会の創出も行うべきと考えますが、区長の見解を伺います。
また、オリンピック会場となる両国国技館では、年に数回ボクシングのビッグマッチが行われます。ボクシングファンには「あしたのジョー」に親しみを覚える方も多いでしょう。商品販売により気運醸成及び周知を行う大きな機会ではないでしょうか。現在、両国の観光案内所は午後7時半で閉店しますが、夜間まで大規模イベントが国技館で行われる際には、営業時間の延長も考慮するべきではないでしょうか。区長の見解を伺います。
2点目は、墨田区の子供たちへのオリンピック・パラリンピックを体験する機会の提供についてです。
現在、教育現場では、各種のオリンピック・パラリンピック教育が行われています。この教育の結果として、大会以降の価値あるレガシーが形成されることを期待しています。

現在の取組に加えて、実際に競技が行われている現場を子供たちに体験させることによって、将来にわたって深く記憶に留めることができ、教育の成果がより大きくなるのではないでしょうか。
競技を観戦したい子供たちが全て希望を叶えられるわけではありません。希望者に大会仕様に整備された競技会場や競技に向けた公開練習を見学させる等、何らかの形でオリンピック・パラリンピック大会を体験できる機会を設けていただけるよう、東京都や大会組織委員会等、関係機関に働きかけていただきたい。区長及び教育長の見解を伺います。
大会まで残り2年となり、マラソン競技のコースが決まるなど、目に見えて大会に向けた準備が進んでいます。新たな取り組みを提案する時間は残り少ないと考えます。今年度の早い段階で協議を進めていただくことを望みます。

次に、日本遺産について伺います。
昨年度の産業都市委員会や、今年度の予算特別委員会で、我が会派から隅田川での日本遺産の登録を目指すことを提案してきました。
日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものです。認定されたストーリーを構成する有形・無形の文化財群を地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内外に戦略的に発信していくことにより地域の活性化を図ることが目的とされています。日本遺産には、単独の区市町村による「地域型」と、複数の自治体による「シリアル型」の2種類があります。
わが会派も、4月に「シリアル型」で淡路島が認定されている淡路市を調査させていただき、その効果への期待を伺ってきましたが、この日本遺産に認定されると、当該地域の認知度が向上するとともに、地域住民のアイデンティティの再確認や地域のブランド化等につながります。また、3年間観光施策等に国の補助金を活用できるようになるため、認定によるメリットは非常に大きいと考えます。区長及び教育長の認識を伺います。
文化庁は、日本遺産を2020年度までに100件認定するとしており、今年度までに44道府県67件が認定されています。
しかし、昨年度まで国分寺市・府中市が古代武蔵国府・国分寺で、今年度はいずれも複数の都県によるものですが、台東区が岩崎家、足立区・荒川区・江東区が奥の細道で申請していますが認定に至っておらず、未だに東京都では一件も日本遺産に認定されていません。この現状について、区長の見解を伺います。
日本遺産認定の条件に、「構成文化財に国指定・選定のものを必ず一つは含めること」があり、区内に極めて少ない墨田区単独で魅力あるストーリーを作ることは不可能です。そこで、「隅田川」でストーリーを作り、周辺自治体との「シリアル型」での認定を目指すべきだと考えます。隅田川には、重要文化財である清洲橋、永代橋、勝鬨橋が架かっており条件を満たすことが可能です。
隅田川流域は、江戸時代以来、大災害とそこからの復興を繰り返し発展してきました。明暦の大火からの復興事業として両国橋、永代橋の架橋と本所深川の開発が行われ、江戸の町人文化が大いに発展しました。関東大震災からの復興事業として、現在の橋梁群の再架橋や、錦糸公園、隅田公園の整備、言問小等鉄筋コンクリートの小学校建設が行われ、流域の近代化が進みました。また、戦後の復興を象徴するとも言える、東京オリンピックの関連道路として佃大橋が架橋されました。

江戸時代から現在までの歴史を踏まえると、日本遺産認定にふさわしいストーリーを作ることが十分可能だと考えます。江戸時代からのストーリーを作れば、多くの区民の方々の善意で取得した隅田川両岸景色図巻も構成文化財として活用できます。
また、昨年12月に、「隅田川橋梁群(勝鬨橋から吾妻橋)と築地市場他を含む復興関連施設群(東京都慰霊堂等)」が、日本イコモス国内委員会により、「日本の20世紀遺産20選」に選出されています。
加えて、最近は目立った活動が見受けられませんが、平成23年度から、墨田区・江東区・荒川区・台東区・中央区の流域5区と東京都による「隅田川ルネサンス」の広域連携の取組が行われており、連携の下地ができています。
この流域5区で、復興と発展をストーリーに、隅田川で日本遺産の認定を目指してはいかがでしょうか。重要文化財の所在地が中央区と江東区にあり、所有者が東京都であることから、先々は主導的な立場になることは困難かもしれませんが、ぜひ墨田区から他区に働きかけていただき、東京都の日本遺産第一号を目指していただきたいと思います。

申請の直接の窓口は教育委員会となりますが、観光や文化振興、都市整備等、多くの分野にまたがる取組になりますので、区長及び教育長に所見を伺います。

最後に、今次計画の最終年度にあたる、学力向上新3か年計画について伺います。
墨田区では、小中学生の学力に大きな課題があることから、平成16年度より、「開発的学力向上プロジェクト」による学力向上の取組を行ってきました。残念ながら期待通りの効果は表れず、十分な成果を上げているとは言い難い状況となっています。
平成25年度からは、27年度までの「学力向上3か年計画」を策定し、より具体的な数値目標を設定した上での対策を行いました。掲げた数値目標の達成には至りませんでしたが、この結果により、これまでの課題と取るべき対応が浮かび上がってきました。現在は、それを踏まえて、今年度までの3か年計画に基づいての学力向上の取組が行われています。
平成29年度の墨田区学習状況調査の結果によると、D・E層の割合、「読む能力」「書く能力」「言語についての知識・理解・技能」の平均正答率、「思考・判断力」の平均正答率のいずれの数値目標においても、目標値を達成している教科、観点が多くあり、一定の成果が上がっているように見受けられます。

特に、小学校低学年、中学年でのD・E層の割合の減少は、多くの児童に最も基礎的な学力の定着がなされ、今後の着実な学力向上が期待できる要素と理解できるのでしょうか。現状の認識について教育長に伺います。
一方で、小学校高学年から中学生になると、各教科で分厚いB層とD層、層の薄いC層という傾向が顕著になっています。また、各学校の取組により、D層からC層へ学力が向上している生徒が増えているとも聞いています。D層からC層に向上した生徒にはC層以上への定着、C層の生徒にはD層への低下の防止が目標達成への鍵となると考えます。計画最終年度の今年度、学習意欲の向上や、学力の定着についてどのように取り組むのか教育長に伺います。
さらに、理科と社会については、目標達成が全く見込めない状況です。これまでも理科教育の充実には取り組んできたものの、改善が見られません。今年度以降の見通しについても伺います。
加えて、今回の計画においては、東京未来大学との共同研究での成果ある取組の全区実施や、中学校すたーとブックの配布について、28年度に研究や検討を行い、29年度から実施することになっています。

それぞれの事業について現在把握している成果と課題について、どのように学力向上につながっているかお知らせください。また、学力の定着について、我々は学校における放課後学習を重要視しています。28年度に各種制度の見直しを行った上での放課後等の学習支援の成果についても合わせて伺います
今回の計画期間は今年度までですが、計画では平成37年度までの長期目標が掲げられています。来年度以降の長期目標実現に向けた新計画では、現在把握している課題への対応等が盛り込まれていくと考えますが、明らかになっている課題と方向性について教育長に伺います。
義務教育において身に付ける学力と知識は、その後の社会生活を営む上での基礎となります。墨田区の子供たちが将来にわたって技能の習得や他者とのコミュニケーション、高等教育での学習等を円滑に進められ、その進路の選択肢を少しでも多く持てるよう、学力向上と定着の取組をより一層進めることを求めます。最後に教育長の所見を伺います。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第二回定例会 一般質問 坂井ユカコ

議席番号1番、自由民主党の坂井ユカコです。
私からは、先に通告した大要3点について、質問いたします。区長・教育長には、前向きな、ご答弁をお願いいたします。
本日6月14日は、東京2020オリンピックまで771日、パラリンピックまで803日です。
国政でも、「盆踊りとラジオ体操で東京五輪を盛り上げよう」議員連盟が発足し、本区選出の松島みどり衆議院議員が会長に就任しました。
私たち区議会も、大きな夢に向かって共に東京2020大会を盛り上げていきたいと思います。

●それでは最初に、東京2020大会機運醸成におけるラジオ体操について質問します。

現在本区では、高齢者や障がいをお持ちの方の生涯スポーツの場として「高齢者向け健康体操教室」や「障害者(児)スポーツ・レクリエーション大会」、介護予防普及啓発事業では「まちなか体操教室」「元気もりもり教室」等、さまざまな事業を実施しています。公園には健康遊具が設置され、昨年から始まった健康寿命UP大作戦!では、「ウォーキングマップ第二弾」が発行され、好評です。
そのような中、道具も不要でその日から、誰でも手軽に始められる運動にラジオ体操があります。

墨田区民の健康寿命は23区の平均よりも短く、寝たきりの原因となる「循環器疾患」の有病率も高くなっており、本区は、着実に、区民の皆さんがお元気に、健康で長生きができる自治体となるための施策づくりが求められています。
東京2020大会の機運醸成を活用し、誰もが行える生涯スポーツを推進していくことは重要です。
こうした視点から、日本全国、津々浦々、すべての年代の人たちの心と体に刻み込まれているラジオ体操は、区民の健康増進や介護予防に、すぐ取り組める、有効な運動と考えます。

本区「すみだ健康づくり総合計画」に、身体活動・運動の推進における「区が取り組む主な施策の項目」にラジオ体操が明記されるなど、あらためて重要性が認識される中、区長には、生涯スポーツや健康福祉の観点から、ラジオ体操をどのようにお考えか、伺います。
昨年から東京都では、東京2020大会の機運醸成や都民の健康増進を目的とした「みんなでラジオ体操プロジェクト」をスタートさせています。
このプロジェクトは東京2020大会の開催期間と同じ7月24日から9月6日までを機運を高める重点期間と位置づけたうえで、大会まで毎年、重点期間にラジオ体操を行うことを奨励し、この取り組みを全国に呼びかけています。
区長に伺います。
本区として、こうした取り組みに対し、これまでどのように関わってこられたのでしょう。本年度の重点期間、もとより東京2020大会開催が刻々と迫る中、今後動きを強めていかれるのでしょうか。

本区では34カ所ある会場で、毎朝1000人以上が体操する、日本有数のラジオ体操が盛んな自治体ですが、このように本区にラジオ体操が根付く背景には、初代・勝田菊蔵区長の存在があります。
区長自ら、「健康増進のために、みんなで体操しましょう!」と町会一軒一軒お願いに回られたとの事です。その後、昭和59年10月7日に発せられた「すみだ健康区宣言」を契機に、4年計画で「区民健康づくりラジオ体操広場のモニュメント設置」が事業化されました。

現在、横網町公園や向島百花園といった都立の公園を含む区内30カ所の広場にモニュメントは設置されていますが、35年が経過し、汚損等、経年劣化が散見されます。またその間整備された公園には新たな体操会場が生まれ、逆に後継者不足等で、体操をやめてしまった場所もあると仄聞しております。
今後、補修・清掃、および新設等、適切な対応を行うべきと考えますが、区長のご所見を伺います。区民ひとりひとりの健康に、しっかりと目を開いておられた、当時の区長の思いや、本区の健康づくりに対する歴史的背景を踏まえ、区長のご答弁を求めます。

●続いては、盆踊りを主軸に考えた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会機運醸成について質問してまいります。

まず、東京五輪音頭2020について伺います。
東京五輪音頭は、1964年東京オリンピックのテーマソングで、三橋美智也さんや三波春夫さん等多くの歌手が歌いました。当時は一家に一枚レコードがあるほどで、東京五輪音頭は、国民的大ヒット曲であったそうです。
歌でだれもが一緒に歌ったり踊ったりすることは、オリンピック・パラリンピック競技を盛り上げていくには重要な要素ですので、このたびの「東京五輪音頭2020」復活は大変喜ばしいことです。
しかし、昨年夏、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が振り付けを作り映像化したものは、時期外れの発表であった事や、踊り自体が大変難しかった事から、うまく普及しませんでした。そこで同委員会では今年、誰でもすぐ輪に入って踊れる振り付けを新たに制作し、間もなく動画DVDが全国自治体等に配布されると仄聞しております。

私が考える「東京五輪音頭2020」とは、みんなで踊ることを通して、地域がひとつとなり、絆を作っていくこと。
組織委員会から提供されたさまざまな機運醸成ツールは、本区の抱える課題解決に使うのだ、という視点が大切です。
この視点を持つことにより、「東京五輪音頭2020」は、大会閉会後も各地域の盆踊りで踊り継がれ、オリンピック・パラリンピックのレガシーとなり、地域力は強化・向上するものと考えます。機運醸成を一過性のお祭り騒ぎにしないためにも、この点について区長の見解を伺います。

「東京五輪音頭2020」は、広く皆様に知って頂く必要があります。
他区においては、すでに公式練習会の日時や場所を公開しているところもありますが、夏祭り、秋祭りに、各町会の奉納踊り等で区民の皆さまに踊って頂くために、本区ではいつ頃どのような方法で普及されるのでしょうか。伺います。

あわせて教育長に伺います。
昨年発表された、踊りの難しいほうの「東京五輪音頭2020」については、有名ダンサーが振り付けを担当し、東京2020大会の競技種目と日本のエッセンスが融合した「ダンスパフォーマンス」として、素晴らしいもので、運動会等で発表することには大変適しています。
2020東京大会へ向け、地域の担い手となる子どもたちの機運醸成に活用されることについてのお考えを伺います。

さて、昨年、観光協会が発行した「牛島神社大祭ガイドブック」を見た地域の方からは、「毎年大変な思いで神輿を出しているがこれで大変励みになった」と嬉しい感想を頂きました。
ガイドブックでは祭りの主役は勿論「お神輿」です。

ところが、視点を移動すると、少々事情が違います。
先日、全国の盆踊り愛好者(通称盆オドラーさん)のリーダー格の方に取材する機会を頂きました。
彼らは、踊る楽しさを求め、都内各所の盆踊りに遠征します。築地本願寺や日比谷公園、もちろん錦糸町河内音頭にも来ます。
そのように盆踊りに精通した愛好者の皆さんが、ある時期、夜な夜なすみだに集結しているというのです。
彼らのお目当ては狭いエリア内に無数に点在する奉納踊りの櫓行脚です。
例えば牛島神社祭礼ならば、およそ50の氏子町会のうち、約8割が町会独自に櫓を組み、奉納踊りを行っています。
本所地域の平坦で碁盤の目のように広がる路地に、通りによってはひとつの道に4カ所もの踊り場があることもあれば、ある交差点では東西南北全ての方向に櫓が見えるところもある。この現象は彼らの間で「どこでも盆踊り」と呼ばれています。こんな光景は日本広しといえど、ここ、墨田区にしかないと彼らは断言します。

奉納踊りには、ここ数年、外からの踊り手が増えており、見よう見まねで踊る人の中には、明らかに旅行等で日本に滞在している外国の方もいらっしゃいます。
区長はこうしたことに対して、どのような認識をお持ちでしょうか。

踊り手にとっての櫓行脚の楽しみは、町会ごとに異なる提灯の色や、揃いの浴衣、再生曲目等各地の特色や、地域の方との触れ合いです。また迎える側の地域の皆さんも、年に一度の祭りを賑やかにしてくれるスパイスとして、外からの踊り手に対して歓迎ムードで、地域振興の一助となっていると感じます。地元の人にとっては普段何気無い物だったり、あるいは生活に溶け込んでいるものだったりと、意外とその地の日常の中に宝物が潜んでいるものです。
私はこうした「地域のお祭り」が、観光資源となりうると考えます。
他方では、部外者を歓迎しない地域のお祭りもあるので、調整をしたうえで、地域のお祭りを観光資源に変えていくような取り組みをしていかれてはどうでしょう。区長のご所見を伺います。

特に訪日外国人にとって、「地域のお祭り」は、その地域ならではの体験で魅力を味わう、独自性が高い「着地型観光」そのものです。
地域活性化につながる新しい旅行の仕組み「ニューツーリズム」のフレームに当てはめれば、地域の飲食店や公衆浴場と連携することもできましょう。インバウンド向けのナイトタイムエコノミーに繋がる可能性も十分あります。観光の切り口で考えることで、多様な可能性が生まれてきます。
特に盆踊りなどの地域のイベントは、訪日外国人観光客にも「墨田区の優しさ」をアピールする良い機会です。
東京2020大会は夏の開催が予定されています。試合観戦の合間、観光地でない街に外国人観光客が訪問し、そこで地域と交流する場を作れれば、次世代を担う子どもたちにも大いに刺激となるでしょう。

そこで区長に伺います。
訪日外国人観光客6000万人時代に向け、すみだらしい、下町ならではの観光資源を、本区として、しっかりと磨き上げていく必要があると考えますが、区長のお考えをお聞かせ下さい。

●私からの最後の質問は、東京2020応援プログラムについてです。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会では、日本の文化である祭りを通じて、オールジャパンで東京2020大会の機運醸成することを目的に、「東京2020応援プログラム(祭り)」の参加を呼び掛けています。
認証されると、応援ロゴマークを使用することができます。
この制度は、町会自治会や実行委員会を対象としたもので、広く一般からの参加を認め、参加者を限定しないものです。
そこで早速、専用のコールセンターに問い合わせをしてみました。ところが、その対応は極めて事務的で、本当に認証を増やす気があるのだろうかと、甚だ疑問を感じました。

その一件から調査すると、昨年、区内の町会が、ガイドラインに沿って申請を行ったところ、何の指導もないまま、すげなく却下されてしまった事を知りました。またこの事実は、組織委員会から区には一切報告がなく、区は町会側からの情報提供で分かったそうです。
現在、「東京2020応援プログラム(祭り)」の申請は、区は関与せず、申請者が直接、組織委員会に届け出る仕組みになっています。簡素化されての運用と仄聞しますが、区内のどのような団体が申請をしているのか、また申請結果や、却下の理由等について、区は全く把握ができません。これでは連携もできません。さらには区からの問い合わせ先は、先の事務的なコールセンターのみです。

本来ならば、申請状況を把握することはもちろん、事務の専門家がいない町会向けには申請代行や、作成支援など、後押しをするのが、行政としてのあるべき姿であり、市民が参画する東京2020大会だと思います。それが出来ない今の仕組みは、早急に改善すべきです。
これまでも、準備室を中心に、23区主管部長会、課長会等で、再三に渡り改善を要請してきたそうです。にも関わらず、改善が見られない現状を踏まえ、区長におかれても、区長会等で、組織委員会に、何らかの働きかけを行うべきと考えます。この点について区長のお考えを伺います。

以上で私からの質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第二回定例会 一般質問 しもむら緑

墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。通告してあります大要2点につき、山本区長及び加藤教育長の前向きで明確な御答弁を宜しくお願い致します。

先ず、大要1点目は、「墨田区の災害医療について」伺います。

災害医療は、地震、火災、洪水、テロ等のケースでは対応が異なりますが、今回は、地震に特化して伺います。

大地震が発生した場合、軽症・重症を問わず、多くの傷病者が病院に殺到し、必要な方に適切な医療を提供できなくなる恐れがあることから、現在、各自治体で災害医療救護体制の整備が進められています。初動医療体制で非常に重要となってくるものがトリアージです。トリアージとは、限られた医療資源を最大限に活用し、救助可能な傷病者を確実に救い、できる限り多くの傷病者の治療を行うために、それぞれの重症度や緊急性に応じて治療優先度を決める行為です。具体的には、4区分に分類し、4色に識別されたトリアージタッグと呼ばれるものを付けて行きます。本区においては、大地震発生時から72時間以内までは7つの病院(東京曳舟病院•同愛記念病院•墨田中央病院•東京都済生会向島病院•中村病院•賛育会病院•山田記念病院)でトリアージポストが設置され、重症度と緊急性に応じた救護が行われる計画となっています。トリアージで軽症と診断された方は、医療救護所という別の場所(曳舟文化センター•同愛記念病院敷地内駐車場•第四吾嬬小学校•寺島中学校•八広一丁目集会室•柳島小学校•外手小学校)で手当てを受けることになります。また、この7つの病院以外での直接の傷病者の受け入れは行われません。災害拠点病院としては、東京曳舟病院、都立墨東病院が指定されていますが、墨東病院は墨田区•江東区•江戸川区の特に重症度と緊急性の高い方のみ行政を介して受け入れられることとなっています。

そこで、区民の皆様に、1日も早く、一般的に馴染みの少ないトリアージという概念と、何故それを行うのかという丁寧な説明、そして緊急医療救護所(トリアージポスト設置病院•医療救護所)の周知徹底を行っていただくことを要望します。例えば、区報、区のHP、町会の回覧板、防災拠点会議、総合防災訓練及び、すみだ安全•安心メール等でお知らせを周知する方法はいかがでしょうか。他にも、実際災害現場でトリアージにあたられる墨田区医師会、向島・本所両歯科医師会、墨田区薬剤師会、柔道整復師会墨田支部の皆様の協力も仰ぎ、院内等で患者様に情報提供していただく方法も有効だと思います。大地震が起き、怪我をすれば、基本的にはどこでも良いから近くの病院へ行くか、かかりつけの病院に行くものと考えられますし、経験したことのない状況下での不安から、一刻も早く、誰よりも先に治療を行って欲しいと考える方も多数いらっしゃることが考えられます。カルネアデスの板となるような事態は絶対に避けなければなりません。区民の目線に立って、非常事態に備え、日頃より理解を得られるように努めることが多数の傷病者を助ける結果に繋がっていくと思います。区長の所見を伺います。

また、トリアージポスト設置病院の一つの賛育会病院は、建物の老朽化から5年後に旧立花中学校跡地への移転が予定されています。その場合、南部にトリアージポスト設置病院が2箇所のみとなってしまいます。当然ながら、行政地域での判別は不可能であり、墨田区民以外の方も受け入れを行うかたちとなります。このことからも、墨田区のみで災害対策を考えるのではなく、しっかりとした広域連携の確立は必要不可欠です。このことに加え、近隣区の災害時に受け入れを行う計画の病院の情報も収集して、是非区民の皆様に提供していただきたいと考えますが、区長の所見を伺います。

続いて、トリアージポスト設置病院同士の連携と災害医療の現場を経験した方々のヒアリングについて伺います。先月の26日、同愛記念病院にて区内で初めて関係団体が揃って災害対策訓練が行われました。訓練を見学させていただいた率直な意見としては、都立墨東病院に次ぐ規模を誇る同愛記念病院には、災害時の拠点になっていただきたいと強く感じました。また、墨田区の災害医療に対する取り組みは、東京都 福祉保健局 区市町村災害医療コーディネーター研修会にて先駆的なモデル自治体として取り上げられていることも仄聞し、大変嬉しく感じました。改めて、関係者の皆様には深く感謝を申し上げます。今回は、これを更に一歩進めた提案をさせていただきたいと思います。トリアージの訓練は、関係団体により個々にこれまで何度も実施はされてきましたが、トリアージポスト設置病院同士の連携や、東日本大震災などで災害医療の現場を経験した方々からのヒアリングが未だ行われていません。本区におけるトリアージポスト設置病院では、外科を強みとする病院もあれば、内科を強みとする病院もあります。また、それぞれ規模も違います。そのことにより、備蓄品の内容も異なっていると予想されます。例えば、東日本大震災で災害拠点病院となっていた気仙沼市立病院が抱えた問題点として、病院の耐震性、電力・水・食料の確保といった備蓄物資の枯渇、通信手段の復旧の遅れ、ヘリポートの確保、職員のレスパイトが報告されています。トリアージポスト設置病院の関係者の皆様と、災害医療の現場を経験した皆様と話し合うことで、災害時に特に必要であった物や注意点等、様々な課題が浮き彫りになってくると考えますので、是非その機会の設置を強く要望します。併せて、妊婦の方や、要援護者への対応も考えていただきたいと思います。東日本大震災などの教訓を踏まえての区長の所見を伺います。

この質問の最後に、陸路が絶たれた場合の傷病者の搬送手段や対応について伺います。交通機関は確実に麻痺します。その際、以前定例会の一般質問でも取り上げましたが、ヘリコプターや、船の活用が大変有効と考えられます。先ず、ヘリコプターについてです。災害拠点病院に指定されている都立墨東病院は屋上にヘリポートがありますが、東京曳舟病院の医療機関近接ヘリコプター緊急離着陸場は東墨田運動場となっています。現実問題として、陸路が絶たれていることを予め想定して、そこに搬送するまでの方法も考えておく必要があります。その点について、現状どうお考えでしょうか。その他、緊急時に備えて、ヘリコプターが緊急離着陸できる候補場所も検討しておく必要があると考えます。電柱や高圧線、ビル等を避け、更に進入角度を考えた場合、都心では候補地を探すのが非常に難しいのが現状ですが、それでも検討は必要です。区長は先日、沖山前議長と墨田区医師会の皆様と共に、東京消防庁のヘリコプターに乗って、災害対策の視点から墨田区の上空を視察されたと仄聞しています。実際の目で見られ、どのような感想を持たれたのか、区長自身の率直なご意見を伺います。加えて、救急車や消防車を23区独自で持っていないことに関しても災害対策時の課題として何か言及されたのか伺います。また、日頃より、自衛隊の方々と関係を密にしておくのも良いと思います。自衛隊ヘリや、自己完結型の医療チームを持っている自衛隊の方々の災害派遣での活躍ぶりは広くしられているところです。葛飾区では、災害医療に関してではありませんが、自衛隊の方々と協力した総合防災訓練が行われています。今年は、自衛隊の方々による炊き出し訓練の他、川に臨時の橋を架ける訓練も行われるとのことです。荒川区、板橋区、足立区及び品川区の区役所には退職した自衛官が防災・危機管理担当として活躍されています。このような常日頃からの関係構築が、いざ災害が発生した時に生きてくると思います。区長の所見を伺います。次に、船の活用に関しては、現在、東京都の水辺ラインと協定を結んでいますが、他の自治体も同様に協定を結んでいる状況です。品川区は、区独自で屋形船を運営している民間企業と災害協力協定を結びました。墨田区としても、先月12日に墨田緊急用船着き場の竣工式も行われましたが、河川に面したトリアージポスト設置病院もありますので、傷病者の搬送ということだけではなく、緊急物資を運ぶなどの用途から、区独自で、船舶の運営を行っている民間企業と協力協定を結ぶべきと考えます。区長の見解を伺い、大要1点目の質問を終わります。

大要2点目は「区立の学校における感染症予防対策について」伺います。感染症の予防等を行うため、学校保健安全法施行規則第8条第3項の規定により、進学・転学の際には、進学・転学先へ健康診断票を校長に送付することとされていますが、海外の現地校からの転入の場合は関係書類の送付がないこともあるため、保護者からの聞き取りなどで十分な情報を得るとともに、状況によっては学校医による健康診断の実施も必要であると日本学校保健会から指摘されています。しかしながら、必ず義務付けられているわけではありません。例えば、結核については高蔓延国での居住歴のある児童生徒の場合、入学時または転学時の一回精密検査の対象とされていますが、強制ではありません。当然、児童生徒が差別・偏見の対象になることがないように充分配慮しつつ、危機管理の観点から、保護者への入念な聞き取りや、入学前に健康診断や精密検査を積極的に促す等行っていただきたいと思いますが、加藤教育長のご所見を伺います。

日本では発生していない感染症が、海外では流行していることもあります。検疫所も基本は自己申告であるため、注意は絶対に必要です。現実に、沖縄県での麻疹感染拡大が社会問題となったことは記憶に新しいことと思います。区役所の窓口において海外で居住されていた方から転入届等の書類が出された際、教育委員会や保健衛生担当に情報提供し、適切な対応をアドバイスするなど、異なる所管同士の連携で未然に感染症を予防することもできると考えます。子ども達の健康への安全、そして安心をどう図るかはとても重要です。この課題は、プライバシーの問題と社会全体の安全•安心がぶつかり合う、公共の福祉による人権の制限という非常に基準の困難な判断を伴いますが、不測の事態が出る可能性が著しいと認められれば決断し、積極的に対策を取るべきです。山本区長、加藤教育長に、それぞれの立場からの所見を伺い、私の一般質問を終わります。

ご静聴有難うございました。

平成30年度第二回定例会 一般質問 佐藤篤

私は、区長に対して、通告の通り8点にわたり質問します。

*  *  *

まず第一に、地方自治法及び地方独立行政法人法の改正について伺います。
平成32年4月1日より、新しい地方自治法が全面施行されます。その趣旨は主に、①財務事務の適正化、②監査体制の強化及び③地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等で構成されています。また併せて、地方独立行政法人法の改正が行われ、④地方独立行政法人が担うことのできる業務が拡大されました。
①財務事務の適正化に関しては、都道府県知事及び政令指定都市の市長は内部統制に関する方針を定め、これに基づき必要な整備をしなければならないこととなりましたが、その他の市町村長は努力義務とされました。この方針を定めた場合、これを公表し、評価報告書を作成する義務が課され、監査委員の意見を付して議会に報告する義務が課されることとなります。そうすることで、議会や住民がより行政の適正な運営について監視・評価することが可能となります。
以前私は、監査委員を1名増員する際の議案質疑の中で、本区は会社法で定めるところの「資本金5億円以上または負債総額200億円以上」である「大会社」に該当すると申し上げました。そこで、本区においてもこうした「大会社」にふさわしい体制の整備を進めるべきだと考えています。
昨年の予算特別委員会で、総務部長は内部統制について、「地方自治法が改正されれば、即座にこれに沿った指針をつくっていくべきと考えております。」と答弁しているほか、同年10月11日付で特別区人事委員会から区長及び区議会議長に発出された「一般職の職員の給与に関する報告及び勧告」でもこの改正に触れ、「区民からの信頼確保」のための方策として、「自治体のガバナンスの更なる強化という視点で既存の様々な内部統制の仕組みを検証し、今後の体制整備等について検討されたい。」と指摘されています。また、同年5月の第一回臨時会における長谷川代表監査委員の就任あいさつでもこのことに特に触れられているところです。そこで、本区の方針について、この際示すべき時期にあると考えますが、区長の見解を求めます。
加えて、②監査体制の強化についてはこの4月より、新たに監査委員を専門的に補佐する監査専門委員制度も創設されましたが、これについての見解も併せてお答え願います。
更に、④地方独立行政法人の活用については、この4月より、申請等関係事務、いわゆる窓口関連事務を、地方独立行政法人に処理させることができるとされました。こうした業務を地方独立行政法人に担わせることは、専門的な知識を蓄積するという観点から有益です。これに更に人事異動の容易性を担保するという観点から考えると、特別区一体の処理を行う広域的な地方独立行政法人が設立されればなおよしと考えます。現在の特別区長会での議論の内容や、今後の方向性、また本区の態度について区長の見解を伺います。
また、現行法も含めますと、本区に関連する事業として、地方独立行政法人の業務対象となるものとして、社会福祉事業、介護保険施設及び博物館・美術館等があります。現在、本区でこれらの事業には指定管理者制度を導入しているところです。このうち博物館・美術館等については、日本学術会議の協力学術研究団体のひとつである自然史学会連合による「博物館の地方独立法人化に関する情報交換会記録」によれば、事業の継続性や人材育成の観点から、地方独立行政法人の優位性が指摘されています。行政サービスが多様化し、これらの処理方法も柔軟化している今、これら、地方独立行政法人、指定管理者及び外郭団体としての財団・社団法人といった形態のメリット・デメリットの分析やその導入の可否について、庁内での一定の方向性を議論する時期にあると考えます。現時点での考えや、今後の方向性について区長に答弁願います。

*  *  *

第二に、公職選挙法の改正について伺います。
来年3月1日に施行される、改正公職選挙法では、これまで地方においては首長のみが対象となっていた選挙時のビラ配布について、都道府県議会議員及び市区町村議会議員にも解禁されます。まさに本区においては来年の墨田区議会議員選挙がこの対象となり、証紙を貼付したビラを4,000枚を配布することができるようになります。これはローカル・マニフェスト推進地方議員連盟が全国で「政策選択型」の選挙を目指して運動を行ってきた成果であり、国会においてもその重要性が認識され、与野党横断の合意により成立したものです。同法では、条例で定めることにより、これまでポスターや選挙カー等で認められている公費負担制度が適用されることとなります。
そこで、同法改正の趣旨を生かし、資産の多寡の別によって配布することのできる枚数に違いが出ないように、来たる墨田区議会議員選挙での配布ビラについて、公費負担を可能とする条例の制定を行うべきだと考えますが、区長の考えを伺います。
また、同様に、「政策選択型」の選挙とするために、今年の予算委員会では「選挙公報のひとりあたりスペースを大きくしてほしい」旨の質疑を行い、選挙管理委員会事務局長は「次期選挙管理委員会の中で議題に」するとの答弁がありました。その後の状況と今後の方針についてお知らせください。
更に、憲法で定められた参政権の実質的保障という観点から、移動が困難な高齢者・障害者等の皆様を考慮し、移動手段の確保についても提案をしました。その後研究課題としているということですが、現在の対応、考え方について改めて伺います。

*  *  *

第三に、町会・自治会の合併について伺います。
昨年第三回定例会で私は、地域力日本一というならば、その基礎となる町会・自治会に対する実態調査を行うよう提案しました。現在行われているこの実態調査では、様々な課題が浮き彫りなり、これをひとつひとつ政策化し、丁寧に解決していくことは、まさに地域力の基盤をつくることにもなると信じています。ぜひ、真摯に受け止められ、地縁団体の基盤強化に山本区政として全力で取り組んでいただきたいと存じます。
さて、私は今後、町会・自治会の基盤強化の中で、不可避の論点が、町会・自治会の合併であると考えています。住民の皆様に伺いますと、まだ具体的な議論にはなっていないものの、将来的な合併を視野にする発言が見受けられています。こうした背景には、町会・自治会の人的・物的資源が豊富な会とそうでない会が二極化しており、このようなことから、遠からぬ将来、行政課題として噴出することが予想されます。
講学的には、町会・自治会の合併については、3つの類型が考えられます。一つは、未法人化団体同士の合併、二つは未法人化団体と認可地縁団体の合併、三つは認可地縁団体同士の合併の場合です。未法人化団体同士の合併の場合は、地方自治法の適用を受けませんので、団体同士の合意で任意にすることができますが、片方でも認可地縁団体が関係すると、地方自治法の適用を受けることとなります。
具体的には、認可地縁団体の認可にあたって定めるべき「区域を記載した規約」の変更を伴うため、地方自治法第260条の2第11項に基づき、区長に届出をすることになりますから、区としてはこうした手続に対応する必要があります。
総務省自治行政局に照会を行った結果、具体的な集計はしていないものの、町会・自治会の合併については全国で問い合わせがあるということでした。
そこでまず、こうした手続面での整備についての現況の説明と今後の対応についての所感を区長に伺います。
また、町会・自治会の合併は、「平成の大合併」が目指したように、規模の利益を最大化し、町会・自治会の運営を効率化できる可能性があります。もちろん、「平成の大合併」の負の側面であった住民自治のあり方については配慮する必要性があります。地縁団体ですから、その歴史性、地域性及び住民の意思を最大限尊重したうえでの話となりますが、住民の福祉増進という観点からは、合併の利益について分析してみる価値はあると考えています。
国もこうした動きを予測しています。例えば、『まち・ひと・しごと総合戦略』の中では、町会・自治会を包含する概念として「地域運営組織」を位置づけ、地域課題を解決する組織として小学校区単位の想定を行い、平成32年段階での達成すべきKPIとして5,000団体の形成を目指しています。
こうした動きを踏まえ、町会・自治会の合併に伴い、町会会館の改築や維持補修費を増額するなど、何らかのインセンティブを付与したりする方策等、規模の適正化について区長の考えと今後の検討の余地について伺います。

*  *  *

第四に、職員の育成について伺います。
平成30年は「副業解禁元年」と言われ、企業等で副業解禁の動きが進む一年となりますが、この趣旨は、多様な働き方の推進や副業の経験を他の勤務に活かす取組みであるとされています。こうした中、職員の見分を広げる取組みのあり方について質問します。
まず、ボランティア休暇について伺います。導入当時の、人事院平成8年『年次報告書』では、ボランティア休暇について、「公務員がボランティア活動に参加することは行政とは異なる側面から市民生活に触れることとなるなど、職員自身の視野を広め、ひいては行政面でもより良い効果をもたらすものと考えられる。」とその意義を強調しています。事前の調査によれば、ボランティア休暇は、平成28年度以降は取得件数なしで、それ以前でも数件といった取得状況です。まず昨今のボランティア休暇の取得状況についてご説明いただいた上で、その取得が進まない原因について所感を伺います。
消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律、いわゆる消防団支援法が制定され、自治体職員の加入促進が位置づけられました。また、自治体職員の保護司の兼任を促進する荒川区のような事例が広がる中、消防団員や保護司の兼任をはじめとするボランティア活動の促進について、区長の方針を伺います。
次に、自己啓発等休業について、伺います。これは平成19年、大学等における修学や国際貢献活動を希望する常勤の職員に対し、職員としての身分を保有したまま職務に従事しないことを認める休業制度として認められたもので、給与は不支給、休業期間は定員外として扱われます。過去、本区では青年海外協力隊の事例があるようですが、国際協力機構(JICA)への長期派遣との位置付けで処理されており、この制度利用のための手続策定には至っていません。現在昼夜開講制のビジネスマン向けの専門職大学院等の開設も増えていますが、広く国際的な見分を広げたり、昼間開講制の大学院でしか学べないこともあるため、今一度制度の創設の必要性を感じます。現在の状況と規定整備の方向性について区長に伺います。
更に、幹部職員の視察機会の確保も重要な課題だと考えています。この秋から私たち区議会常任委員会の管外行政調査に同行してくださる部長級職員さんが上限1名から、2名に増員となります。これまで、こうした視察機会のほかには、幹部職員が先進的な事例を調査しようにも、それら調査費用や現地視察費用等の計上が難しい状況が続いていると把握しています。現に、国内他都市派遣研修制度がありますが、ここ10年、これを使った派遣研修は1件も行われていません。職務に関連する出張は行われていますが、この国内他都市派遣研修制度は、直接担当する職務に関連したものに限らないことが特徴で、幹部職員の見分を広げるのに有用です。幹部職員に見分を与え、見識を広めていただき、もって政策立案に大きく還元されるとすれば、この費用等は、この街の将来にとって微々たる投資ではないかと考えますが、区長の見解を伺います。

*  *  *
第五に、事業用シートについて伺います。
先週、東京若手市議会議員の会の研修で、東京都町田市に伺い、先進事例として早稲田大学パブリックサービス研究所にパブリック・ディスクロージャー表彰を授賞されている「町田市課別・事業別行政評価シート」についてレクチャーを受けてまいりました。過去、自民・公明の複数の議員がこの事業を区議会でも取り上げています。
同シートは、数百に及ぶ事業単位別に構成され、A4見開きの半分を財務情報が占め、残りをその事業が行われた背景や目標値、達成度などが示され、内部評価が付随しています。そして注目すべきは、同種施設分析表であり、市内同種施設の行政コストが一覧で比較できるようになっています。
町田市ではこのシートを用いて決算審議を行い、住民説明会を行うなど、「根拠と数字に基づく」行政改革を推進するための大変有用なツールとなっています。区長部局に対しては、当日の資料一式を事前にお渡ししてありますが、まずこの取組みについて所感を伺います。ちなみに関東のある市長は市議会での質問を受けて、「町田市を視察する」と答弁したそうですが、その後本当に町田市に出向いて研修を受けたそうです。区長もぜひ機会があれば訪れてみてください。成熟社会における行政改革のツールとしてきっとお手本になるはずです。
翻って、本区の取組みを見ると、まだまだ道半ばです。公会計改革の実施と合わせて少なくとも23区の事業比較ができる事業シートの作成が一定のゴールとなりましょうが、まず本区でできることとして、現在ある「墨田区事業別コスト計算書」を段階的に改変していくことが重要だと考えます。本区では保育園や児童館等といった大きなまとまりでのコスト計算が行われていますが、個別施設の比較情報は掲載されておらず、また事業の対象数もごくごくわずかです。私たち区議会の決算審議の観点から、また、住民による行政の監視といった観点からも、こうした情報の枠を広げ、公開していくことの重要性を認識しますが、区長の見解を求めます。こうした意味では、昨日のすみだ新政会堀議員の代表質問に賛意を示すものです。また、町田市と比較し、本区が事業シートとその公開についてどのような方向性を目指すのか、併せて答弁を求めます。

*  *  *

第六に、電線地中化と道路占用料について伺います。
私たち区議会も国に対して意見書を提出して支援してきましたが、平成28年9月、「無電柱化の推進に関する法律」が成立し、「災害の防止、安全・円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るため、無電柱化の推進」を行うことが規定されました。東京都においても「東京都無電柱化推進計画」に基づき、東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までの都道の無電柱化の完了を目指し整備を進めています。いよいよ本定例会にも、墨田区として「無電柱化基本方針」が示されます。この基本方針では、考え方を示すのみとのことですが、計画期間や総事業費、これに引き当てる区としての財源をどのように考えているのか伺います。
また、現在、道路占用料について袖看板や巻付け広告等に減免措置を講じていますが、これらを無電柱化推進のための貴重な財源と捉え、本則に戻していくこと、また電力・電話回線等事業者に応分の負担を求めていくことも重要だと考えますが、区長の見解を求めます。

*  *  *

第七に、荒川将来像2010地区別計画について伺います。
この質問は、過去、区議会でも多くの会派所属の議員が質問し、議員としても多くの住民要望がある事項であると認識していますが、なぜ再三の提案にも関わらず、区内にバーベキューのできる広場ができないのか、という疑問に端を発します。
私が調査したところによると、特別区内には少なくとも40か所のバーベキューのできる公共の公園が存在しています。特に城東地区の5区に関して言えば、江戸川区に6か所、葛飾区に1か所、足立区に1か所、江東区に8か所という状況となっており、整備されていないのは本区のみとなっています。
これは本区内に大規模公園がないからではないかという反論を受けたので、荒川放水路沿川に関して調査すると、やはり多く存在し、近くでは江東区及び江戸川区の大島小松川公園、北区の荒川岩淵関緑地バーベキュー場、板橋区の荒川戸田橋緑地と各区に存在しています。本区はもちろん荒川放水路沿川にも存在しません。まず、この状況について区長の所感を伺います。
本区は住宅の集積が進み、住宅街の中にある公園等でバーベキューのできる広場を整備することは困難です。したがって、私は荒川放水路の河川敷こそ最も実現可能性のある場所であると考えています。そして他区にも荒川沿川ですと多くの実施例があります。国土交通省荒川下流河川事務所が策定した「荒川下流河川敷利用ルール」の中にも、バーベキューや煮炊きなどは原則禁止ですが、指定場所ではこれを解禁しています。
つまり、区が一定の管理体制を整備し、実施する意思さえあれば、バーベキューのできる広場は実現可能なのです。要はやる気の問題です。
他方で、ハードルとなるのが、区も構成員となっている荒川の将来を考える会が策定した「荒川将来像計画2010地区別計画」です。この中では、自然と区民利用の調和を目指し、地区別に用途が指定されています。この間、過去の議事録を紐解くと、平成16年以降、自民・公明・無所属の総勢6名の先輩議員が同様の質問を繰り返しています。一律に火の管理の問題等を課題として挙げていますが、こうした区議会からバーベキューのできる広場について再三にわたる提案があったにも関わらず、同計画に反映しなかった理由をまず答弁願います。
そして、区長が変わった今—区長も平成22年第四回定例会において、かまどベンチの平時活用として、区内におけるバーベキューの必要性を質問しているのですが—この計画を一部見直して大胆に方針転換されることを求めますが、区長の方針を伺います。
これに先立ち、荒川放水路河川敷以外にも、うるおい広場下の隅田川沿いで吾妻橋フェストとのコラボレーション等、期間限定での社会実験も考え得ると思います。できない理由ばかり並べるのではなく、まずどんなことができるのか、実験してみんなで考えて、区民の声に応えてみませんか。もちろん管理を行うということでしたらなんでも無料ではなく、応益負担の有料で、ごみの持ち帰り等も当然求めてよい話です。改めて区長の見解を求めます。

* * *

最後に、食育について伺います。本日より、すみだ食育フェス2018「食育で みんながつくる 笑顔の環(わ)」が始まっています。全国的な評価を浴びているという観点からすると、食育は、雨水活用や中小企業振興施策と並ぶ、墨田区が誇る数少ない先進事例であると思います。区長が就任した一年目に行われた第10回食育推進全国大会の開催を終え、「ポスト大会」として、これまでの成果を検証し、更に大きく広げていく取組みが、いままさに求められています。
まず、食育を担う人材育成についてです。本区では、食育を推進するのは「人」であるという観点から、平成20年度より、食育を推進する中核となる人材の育成を積極的に進めており、「すみだ食育推進リーダー育成講習会」を開催し、リーダーの育成を行いました。まさに「人」つながる墨田区の施策はここに原点があったといっても過言ではないでしょう。これまで71人の方が講習会を巣立ってきましたが、平成25年を最後に新たな講習は行われていません。先に傍聴した平成29年度第2回すみだ食育推進会議では、民間委員からこうした点も指摘されたところですが、今後、こうした取組みを復活させ、さらなる民間人材の裾野を広げる取組みをすべきではないかと考えますが、区長の見解を求めます。
また、ポスト大会として、これまで国の所管官庁との関係で保健所で行われてきた取組みを、「地域力日本一」を目指す枠組みに再編成し、より全庁横断的な取組みを推進するため、所管の変更を含めた検討を求めますが、区長の見解を伺います。昨年第二回定例会では、現在開かれている庁内の食育推進会議は欠席が多く、参加者が減らされてしまったことを指摘し、改善を求めました。これは全庁的な意識が不足していることの証左であります。区長には、食育のあたたかい火を消さない取組みを強く求めます。

* * *

以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

定例会代表質問

墨田区議会自由民主党の田中友です。会派を代表して区長並びに教育長に質問いたします。
はじめに、区長の平成30年度施政方針及び平成30年度予算編成について伺います。

平成28年に策定した墨田区総合戦略及び墨田区基本計画の中で、区長は「暮らしたいまち」「働き続けたいまち」「訪れたいまち」の実現を目指す、「すみだの“夢”実現プロジェクト」を掲げ、これまで実質2年間の区政運営にあたってきました。

施政方針の中で区長は、「平成29年度は、“すみだの夢”実現に向けた着実な事業推進により、新たなステージを切り拓く予算と位置付け、基本計画に掲げた“夢”実現プロジェクトが本格始動するとともに、計画に掲げる各施策を着実に推進しています。」と述べています。
墨田区総合戦略では平成31年度時点での数値目標及び重要業績評価指標を、墨田区基本計画では平成32年度時点での施策の達成をはかる指標の中間目標値を設けています。平成30年度は、山本区長の今任期の実質的な最終年度に当たることから、これまでの各指標についての達成度を検証して予算編成にあたったものと考えます。また、総合戦略及び基本計画では、PDCAサイクルにより事業の効果の検証を行い、継続的に改善・改革すると謳っています。
区長には、基本計画における各指標の中間目標値に対する達成度を示していただき、これまでの「すみだの“夢”実現プロジェクト」の進捗状況を知らせていただきたい。また、29年度までの各事業のPDCAサイクルの結果、30年度予算へどのような反映があったのか合わせて伺います。

続いて、更なる行財政改革の推進について伺います。
平成30年度予算は、一般会計が1192億5500万円で、約80億円増となりました。歳入面では、納税義務者数や区民所得の伸びにより、特別区税が3億4400万円の増、景気回復に伴う市町村民税法人分の大幅な伸びによる特別区交付金の26億800万円の増が見込まれています。しかし、国による地方消費税清算基準見直しにより、地方消費税交付金が6億5300万円の減収となる他、市町村民税法人分の一部国税化の影響により、特別区交付金の伸びが著しく抑えられるなど、非常に厳しい歳入環境にあります。区長の現在の認識及び今後の見通しをまず伺います。
歳出面においては、民生費のみで一般会計予算額の56%を占める、671億4500万円となっています。今後の少子高齢化社会の進行により、社会保障費の増大は続くものと考えられます。また、平成30年度予算では、基金からの繰り入れを増やすほか、起債も増加しています。この度の予算編成では、景気回復による特別区交付金の増に助けられた部分が非常に大きいと推察します。しかし、今後景気回復が一段落するなど、歳入の伸びが見込めなくなった場合、非常に難しい財政運営を強いられることが予想されますが、区長の認識を伺います。

30年度予算においては、事務事業の廃止や、補助金事業の見直し等の効率化により、約3億8000万円の削減を行うなど、行財政改革の取り組みを進めています。また、区民税・国民健康保険料の収納率向上の取組や、私的債権の管理体制の効率化、ICTの活用による業務改善等、引き続き行財政改革を推進する姿勢については評価します。しかし、現在の財政状況を考えると、更なる行財政改革の推進が必要です。
行財政改革実施計画や第2次公共施設マネジメント実行計画の取組について、平成30年度においての着実な実行に加え、可能な限りの前倒しを求めますが、区長の見解を伺います。

また、各公共施設ついて、稼働率向上による使用料収入の増加を目指し、利用者ニーズを的確に把握し、備品の追加等適切な措置を取っていくことを求めます。長期的な管理運営費の抑制につながるほか、区民活動の活性化や健康寿命の増進にも寄与するのではないでしょうか。区長の見解を伺います。加えて、利用者が限定的となっている施設については、一定の判断の下、廃止・譲渡・売却による公共施設総量の抑制を検討する時期ではないかと考えますが、区長の見解を求めます。

次に、平成30年度予算案の中の、具体的な事業について伺います。
第一は、各種ファミリー世帯の定住促進施策についてです。これらの施策の実施により、墨田区の子育て支援へのイメージが向上し、多くの方々に転入していただくことを期待しています。一方で、居住年数が保育所の優先順位に入っている、学童クラブの定員が不足しているなど、転入促進と相反する状況が散見されます。新規事業を実施する際には、政策目的と現状の齟齬を解消し、より実効性の高いものにしていく必要があると考えますが、区長の所見を伺います。
第二は、東京2020オリンピック・パラリンピック関連予算についてです。報道では、国技館でのボクシング競技の実施の有無が取り沙汰されていますが、何か動きがあるのか伺います。

昨年9月に墨田区オリンピック・パラリンピック地域協議会が発足し、30年度予算で具体的な活動が開始されます。区民全体を巻き込んだ気運醸成を図るため、未来枠の若者世代をはじめ、広く意見を聴取し、区の取組に反映していく仕組みの構築を求めます。また、地域協議会の中で、大会後の墨田区のあるべき姿、方向性を示すことができるよう、区としての支援を求めます。区長の見解を伺います。

オリンピック・パラリンピック大会は、大会後も含めて、区内の小中学生をはじめあらゆる世代の学びのきっかけになると考えます。長野冬季大会の「一校一国運動」のような、息の長い活動が根付くことを期待しています。学校現場や区民活動において、現時点ではどのような取り組みを考えているのか、区長及び教育長に伺います。

次に、大学誘致について伺います。千葉大学及びi専門職大学の誘致が決定したことは、私たちとしても大変喜ばしく、山本区政1期目の大きな成果と高く評価します。その上で、今後の展開に関して2点質問します。
第一に、地域との関係について伺います。
現在、地域住民や学校、教育関係者らでつくる「跡地利用・まちづくりに関する住民協議会」において地域からの要望事項について、鋭意議論が進められています。過日行われた協議会では、i専門職大学が大学図書館や学生食堂の地域開放、区民向けの生涯学習講座の開催等、多彩な地域貢献の具体策について説明を行いました。大学誘致の経済的効果を区民が享受するためには、大学の建設や管理・清掃業務、学生食堂における食材発注等で、区内業者を指定するよう、地域貢献に加えて、区として大学側に求めていくことが重要と考えますが、区長の考えを伺います。

また、住民側からは、将来、通学路となる十間橋通りや曳舟たから通りについて、大学の開設に合わせて整備することが重要であり、大学を迎える地元住民としてもおもてなしの心をもって臨みたいとの意見が多く出されました。将来的にこれらの道路は拡幅が予定されてはいるものの、大学開設に合わせた計画とはなっていません。現在の状況のまま、例えば舗装や交通安全施設の改修、樹木の整備等を行うことが必要であると考えますが、区長の見解を伺います。

更に、文花子育てひろばが、突如として大学誘致予定地に移設されるとの話は、住民としては寝耳に水との意見も多く出されました。同予定地に建設する理由、容積率の余裕、他の施設との合築等、論点は多岐にわたります。長らく仮設だった子育てひろばの移設が必要なことは理解しており、その観点で補正予算案に賛成していますが、こうした論点については、住民や議会に対して説明不足の感が否めません。これらについて丁寧な説明を求めますが、区長の答弁を求めます。
また、今回示された青写真では、「将来活用用地」が暫定的に位置づけられますが、公有地の有効活用の観点から、当面は地域と大学をつなぐ機能として積極的に用いるべきかと考えますが、区長の見解を求めます。

更に、千葉大学による建築デザイン発表会等、一歩ずつ大学のあるまちづくりに向けてのソフト面の充実が図られてきています。大学開設とポスト大学開設への対応こそ、今後の墨田区の発展の礎となる重要政策です。開設まで残り2年となった中で、こうした大学と地域との連携の具体策について、現時点で考えているものがあればお知らせください。
第二に、今月6日閣議決定された「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案」について伺います。
この中で、地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度が新設される予定となっています。本区としてこれに対応する計画や会議体を設置し、国からの交付金を受けるように調査検討する必要があると考えますが、区長の見解を伺います。

また、これに併せて23区全体を「特定地域」として政令で指定し、大学等の学生の収容定員の抑制について法制化する予定です。この中で専門職大学が例外となるものの、千葉大学が例外要件にあたるよう、国との積極的な折衝が重要であると考えます。現在の状況についてお示し願います。

更に、同法案では本区にも地域における若者の雇用機会の創出について講じる努力義務が課せられますが、この具体策についてもお示しください。
次に、新保健センターの整備について伺います。

昨年第一回定例会におけるわが会派の代表質問に対し、区長は、土地取得に関して難航しており、計画の遅れを最小限にとどめるため、デザインビルドなどの整備手法の導入についても検討し、平成34年度までの完成を目指す、と答弁されました。そこで、まず現在の検討状況について伺います。また、デザインビルドを導入する場合、施工者側に立った設計になりやすいというデメリットを解消するため、併せてCM方式を導入し、発注者としての区が技術的助言を受ける方策を導入する必要があると考えますが、この点も併せて伺います。更に、こうした新たな整備手法による削減効果の見込みについても答弁願います。

昨年第三回定例会において「墨田区新保健センター等複合施設整備基本計画」が示されましたが、既存施設の整理統合を最優先した結果、背景にあるビジョンに乏しいものになっていると評価せざるを得ません。新保健センターを公共施設として活用する60年の間、社会はどうなっていて、どのようなビジョンで墨田区民の健康を守っていくのか、健康増進法やすみだ健康づくり総合計画との関係について、同計画にはこの記載が一切ありません。区長は60年先の社会をどう捉え、これに備えて保健センターをどのようなビジョンの下に位置付けようとしているのでしょうか。

また、この計画をつくる前提としてのヒアリングは庁内に限られており、庁外の関係者の皆さんには、現在、事後的にヒアリングを行っている状況です。
そこで、より具体的な計画をつくり、医療介護関係者や一般区民を交えたワークショップで練り上げていくことが重要だと考えます。この点について、区長の見解を求めます。

今後長期間にわたって用いるこうした公共施設については、庁内で検討するだけではなく、さまざまなステークホルダーを交えたワークショップで練り上げていくことが重要だと考え、これこそ区長の言う「地域力」の醸成につながるものと確信します。今後、類似の公共施設に関してこうした手法を積極的に検討すべきかと考えますが、区長の見解を伺います。

次に、住宅宿泊事業法への区としての対応について伺います。
6月の住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法施行を前に、3月から、民泊事業者の届け出が全国で始まります。民泊新法への対応としては、都市計画法における用途地域や曜日指定による規制、区内全域での規制、新法による民泊自体を認めない等、墨田区を含む4区以外は23区それぞれで独自の条例制定を行い、民泊を制限する方向を明確に打ち出しています。
わが会派は、昨年の第二回定例会以降、再三にわたって条例化について投げかけてきましたが、このたび条例化を見送ることになった経緯と、他の自治体と本区の判断の違いについて区長に伺います。また、条例化を行わないことによるメリットについても合わせて伺います。

東京都では、間もなく「住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドライン」が策定され、一定の方向性が示されると思われますが、住宅宿泊事業への対応は、登録、騒音やゴミ出し等迷惑行為、消防設備、旅館業法違反等、多様な部署・機関が関係しており、全庁的な連携が必要です。今後、区として具体的にどのような体制、組織で対応していくのか、区長に伺います。

新法が施行される6月からは、区が無許可の物件に立ち入ることができ、報告を聴取することも可能となります。法に則った厳格な指導を行うことにより、区民の不安が払拭されることを期待しています。これらの対応は通常の業務の中で行われていくと仄聞していますが、十分な体制は確保できているのでしょうか。違法民泊への対応は区民の関心も高いため、新法施行後当面の間は、十分な人員と予算を確保し、迅速かつ臨機応変に動ける体制を確立しておくべきと考えますが、区長の見解を伺います。

あわせて、簡易宿所に関しても伺います。第四回定例会で触れましたが、本区の旅館業法における申請の動向をみると、簡易宿所が増加しており、6月の新法施行後には約50件となる見込みです。簡易宿所は、旅館業法で定められた宿泊施設ですが、区民には、違法民泊との区別がつきにくく、不審に思われている事例も仄聞しています。区内の簡易宿所等、旅館業者は個性的でユニークなサービスを提供しており、すみだらしいおもてなしが受けられるため、観光振興に大きく寄与しています。この点と簡易宿所は許可を得て適法に運営されていることを区民に周知することで、理解が広まり、安心につながると考えます。区長の見解をお聞かせ下さい。

旅館業や新法における民泊への支援は観光振興施策である一方、直接的な指導・監督は保健衛生が行うことになっています。自治体という組織の役割分担の中で、指導と支援のバランスをどのように取っていくかが重要ですが、区長の方針を伺います。

また、日本版DMOの中でも、宿泊場所は重要な要素です。対外的な観光プロモーションの中で、個性的なサービスを提供する簡易宿所の案内は有効ではないでしょうか。高付加価値商品の開発につながる可能性もあるため、観光協会との連携を検討していただきたいが、区長の考えを伺います。

なおこの際、地域全体に観光経済波及効果をもたらすことが期待されるDMOについても伺います。現在墨田区観光協会は23区初の候補法人でありますが、正式法人昇格への道が開けてきたと聞いています。現状についてお知らせ下さい。また、2年目に入るDMO事業の現在の取組について合わせて伺います。

次に、無電柱化の推進について伺います。
墨田区では、東京スカイツリーの開業や、曳舟駅周辺整備事業、東京オリンピック・パラリンピック競技会周辺整備に合わせて、主に景観整備として電線類地中化を行っています。
一方で、住宅密集地を多く抱える墨田区では、避難路と輸送路の確保という災害対策の観点に重きを置いて、区道の無電柱化を推進していくべきであると考えますが、区長の所見を伺います。

無電柱化の推進に関しては、平成29年度から東京都が「無電柱化チャレンジ支援事業制度」によって、無電柱化推進計画の策定や路線の検討に都費の補助を始めています。墨田区も30年度予算で、この制度を活用して無電柱化整備計画の策定を行う予定ですが、具体的に想定している路線について区長に伺います。我々としては、区道の中でも木造密集地域に近く、幹線道路同士をつなぐ路線から優先的に整備を行うべきであると考えます。加えて、今回の整備計画策定にあたっての都費の補助割合と、実際に無電柱化整備を行う際の区費の負担割合についてお知らせ下さい。
また、無電柱化整備計画の策定を行い、整備路線を決定した場合、墨田区として条例を定めて当該路線での電柱の新設等を制限することを視野に入れる必要があると考えますが、区長の見解を伺います。

次にすみだの教育について質問いたします。 平成27年第4回定例会本会議で加藤教育長は、教育委員会制度改正後の初教育長として、所信表明をされました。「自信を育む教育の推進」、「不登校対策の効果的な推進」、「すみだの地域特性を活かした国際化への対応」、「教育委員会運営のさらなる活性化」、「教育委員会事務局の組織体制の強化」の5つの視点で、施策の推進に取り組むと力強く述べました。まず、本年には就任から3年を迎えられます加藤教育長に、すみだの教育の現状認識について率直にお聞かせいただきたい。
それでは墨田区学力向上新3ヵ年計画について伺います。

平成25年度から27年度の前期計画では、目標は達成できず、教育委員会、学校、地域、家庭が様々な取り組みを行っているが、必ずしも学力向上に結びついていないと総括されていますが、その要因をどのように分析されているのか伺います。

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の「子供の学習実態に関する調査結果」では、勉強が嫌いな児童生徒の割合は、学年が上がるに連れて増加傾向になり、中学2年で6割近くに達し、つまずきやすい学習内容が増える時期に学習方法の工夫が求められると指摘しています。本区においてもこの調査結果と符合する点があると思いますが、教育長の見解を求めます。

そして前計画の課題を踏まえ、策定された現計画の下で、平成29年度には、墨田区学習状況調査の目標値達成が小学校で8、中学校で5と増えており、一定の成果が見られています。最終年度である30年度へ向け、目標達成への見通しをお聞かせください。

また、2020年度に実施される小学校の英語の教科化に向け、人材や授業時間の確保といった課題がありますが、どのような体制で臨むのかこの際教育長に伺います。

次に墨田区幼保小中一貫教育推進計画についてお尋ねします。
今定例会の常任委員会で報告を受けることになっていますが、改定される内容の方向性について伺います。 1月29日に開催された平成29年度墨田区幼保小中一貫教育フォーラムでは、各ブロックから熱の入った発表があり、課題解決のためにご苦労されている教育現場の様子を伺い知ることができました。
そこで、推進計画の改定に至る背景についてどのような議論が展開されてきたのかお知らせ願います。平成24年2月、「小1プロブレム」の問題や、「中1ギャップ」の問題等は、教育の接続段階での大きな課題と捉え、教育の現状を改善するために、現計画は策定されたものと認識しています。これまでの取り組みをどのように評価し、総括しているのでしょうか。また、現在の課題と次期推進計画で示される解決の道筋についても合わせて教育長に伺います。

今後は教育委員会としての意向を明確に示し、各ブロックで温度差の無い共通の取組を推進する、可能な限り数値化した明確な目標を設定するなど、より踏み込んだ内容を期待していますが、改定計画と現計画の具体的に異なる点を教育長に伺います。

いずれにいたしましても、従来に増して、本区の教育課題に答えられる実効性がある改定計画となることを強く望みます。

最後に、防災教育について伺います。
平成30年度予算に防災教育の一環として、中学校1年生の全生徒が、普通救命講習を受講・修了し、救命技能の認定証を獲得するという提案が盛り込まれています。この事業の成果として、各地域で行われている防災訓練に積極的に参加する意識を芽生えさせ、地域に貢献する意識を高める、また大規模災害等の発生時に活躍できる地域人材となることが期待されます。

まず、生徒たちの防災意識向上の指導方法と、講習を受けた生徒たちの、地域の訓練等での貢献策についてお聞かせください。

次に 継続性の面から、31年度以降の実施についての方向性と、受講後の授業での反映について伺います。
また、中学校が避難所になる可能性を考慮し、地域の方に学校の訓練を公開することの検討を求めます。教育長の見解を伺います。

加えて、防災課と教育委員会が連携して、中学校卒業後にも、受講した生徒が地域防災のために貢献できる仕組みを検討していただきたい。学校の地域貢献が叫ばれる昨今、学校と地域の関りをより深めることが期待されます。
区長・教育長の見解を求め質問を終わらせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

 

 


区長答弁要旨

(区長答弁)1 施政方針について

  「すみだの“夢”実現プロジェクト」の着実な取組みについてですが、ここに掲げる主要事業に関しては、毎月部長会で進捗管理を行っていますが、来年度は基本計画前期の折り返し時期を迎えることから、この2か年の事業進捗や成果、並びに課題を抽出して、政策のブラッシュアップにつなげていく必要があると考えています。そこで、来年度の住民意識調査を活用して、可能な範囲で施策の評価指標により、達成度を把握するとともに、主要事業の取組状況や課題を整理し、取りまとめていきます。次に、PDCAマネジメントサイクルを反映した、事業の見直し・改善による30年度予算への対応ですが、健康ハウスの廃止、借上型区民住宅の終了、新分野参入人材育成支援事業の見直しなどにより、前年度比で3億8千万円の削減となっています。

次に、更なる行財政改革の推進についてです。まず、歳入環境及び今後の財政運営についての、私の認識です。30年度予算においては、国における地方消費税清算基準の抜本的な見直しにより、地方消費税交付金は減収を見込んでいます。また、納税義務者数や区民所得の伸びによる特別区民税の増や、一部国税化の影響はありつつも、法人住民税の大幅な伸びにより、特別区交付金の増も見込んでいます。しかしながら、今後、消費税率が 10%になる段階で、更なる国税化による法人住民税の減収等が想定されるとともに、ふるさと納税による減収の影響など、今後の歳入環境は先行き不透明であり、予断を許さない状況にあるものと認識しています。一方、歳出面においても、今後ますます社会保障費の増大が見込まれることから、景気の変動などにより歳入環境が大きく変化した場合には、今以上の徹底した行財政改革を行い、適切な財政運営に努めることが重要と認識しています。次に、行財政改革実施計画や第2次公共施設マネジメント実行計画の取組みについてです。持続可能な行政基盤の確立と簡素で効率的な行政システムの構築へ向け、両計画に基づく取組みを進めていますが、日々変化する環境においては、なお一層の行財政改革が求められる状況にあると認識しています。したがって、30年度においても、着実な実行に努め、前倒しして取り組めるものについては、積極的に取り組んでいきます。次に、施設の稼働率向上による使用料収入の増加や、区民活動の活性化等に向けた利用者ニーズの把握、備品の追加等適切な措置についてです。各施設においては、随時、利用者アンケートを実施していますが、更なるサービスの向上に努めていきます。また、このほかの区民ニーズについても、住民意識調査などにより把握し、適切な施設の設置・管理運営に努めていきます。

こうした取組みにより、施設の稼働率の向上を図り、使用料収入の増加につなげていきます。

加えて、利用者が限定的となっている施設については、受益者負担の公平性の観点から、住民意識調査などの区民ニーズも考慮のうえ、廃止や譲渡、売却を含め、施設保有総量の抑制につなげていくことを検討していきます。

 次に、新規事業を実施する際には、政策目的と現状の齟齬を解消し、より実効性の高いものにしていく必要があることについてです。本区の人口政策上の最重要課題である、ファミリー世帯の定住促進に関して、来年度予算案で新規事業を提案していますが、ご指摘のとおり、様々なニーズに配慮し、子育て環境の整備に取り組んでいく必要があると考えています。こうした点を踏まえ、待機児解消や放課後の居場所づくりの推進、教育環境の充実など、子育て環境の向上のために対応すべき課題について、総合的な観点から予算編成を行ったところです。

 次に、東京2020オリンピック・パラリンピック関連予算についてです。まず、ボクシング競技除外に関する報道についてです。先日、IOC会長が、東京大会におけるボクシング競技除外の可能性について発言したとの報道がありました。報道によれば、IOCは国際ボクシング協会に対し、4月末までに報告書を再提出するよう求め、5月のIOC理事会で承認を諮る予定とのことです。大会組織委員会に状況の確認をしましたが、報道されている以上の情報はなく、事態の推移を見守るとのことでした。今後も、競技会場を抱える区として、引き続き、大会組織委員会や東京都と連携を密にして情報収集に努めながら、大会に向けた準備を進めていきます。地域協議会の活動については、情報提供、意見交換、そして議論を進めていく中で、未来枠の若い人たちを中心にした自主的な取組が具現化されるための予算を計上しています。その際には、地域協議会の皆さんの協力を得ながら、地域の中で実施できる体制を整えていきます。また、大会後の本区のあるべき姿、方向性については、気運醸成の過程を通じ、これまでの地域の課題も考えていただき、区の施策と同一歩調をとっていくことができるように進めていきます。次に、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とした持続可能な取組みについてですが、これを機に、次の世代に確実に遺していくものを生み出すことが必要であり、2018年度の取組みが非常に重要ですので、議論を深め、国際文化観光都市の進展につながる具体的な取組みを行う考えです。

2 大学誘致と地域等の交流について

  大学の建設等における区内業者の活用についてですが、各大学は費用の最適化などの

観点から、既に取引実績のある事業者への一括発注などを検討することも想定されますが、  今後、区内事業者への業務発注を行って頂けるよう働きかけていきます。

次に、通学路の舗装や交通安全施設の改修等についてですが、大学への通学路としては、小村井駅のほか、押上駅、曳舟駅などからの、多様な通学ルートが想定されます。このため、開校後、学生・職員の通学・通勤ルートと交通量の変化などを勘案した上で、改めて検討したいと考えています。

次に、文花子育てひろばの移設については、近隣での移設先を検討していました。しかし、施設の諸条件に見合う移転先が見つからなかったこと、大学整備用地の活用構想を検討している中で、用地内に、容積率に関わらず、近隣との関係で、低層の建物の設置にしか適さない箇所があったこと、ひろばの運営を支えている地元ボランティアの皆さん等とのつながりを継続していくためには、遠方への移転が望ましくないこと、などを総合的に考慮し、新たな施設を加えることなく、現在のひろばと同じ敷地内で移設することとしましたので、ご理解をお願いします。

次に、将来活用用地についてですが、今後、文花子育てひろばの移設工事や、旧すみだ中小企業センターの改修工事に伴い、工事車両の通行や建設資材の保管などに使用することが見込まれています。移設工事等の完了後には用地が活用されるよう、千葉大学による有効利用に関する協議や、更なる大学誘致活動など、「知の拠点」づくりに精力的に取り組んでいきます。なお、大学整備用地の活用については、まず、区が現在策定している大学整備用地活用構想のなかで、キャンパス全体が地域に開かれた開放的な空間としてデザインされており、これを受けて、大学は、地域の方が活用できるキャンパスを構想していますので、ご指摘の地域と大学がつながる機能が果たされるものと考えます。

次に、大学と地域との連携の具体策についてですが、これまで、千葉大学生による文花・京島地域でのフィールドワークや、旧すみだ中小企業センターの改修案の展示・発表会等を行ってきました。現在、千葉大学写真部が、風景や名所、日常など、すみだの魅力的な場面を撮影したものを、区公式 SNS で発信するなどの取組みを進めており、今後、千葉大学生に、子どもたちの学力向上支援事業に携わる学生ボランティアとしての参加への働きかけ等も行っていきます。

次に、地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度についてですが、当該交付金の制度は、東京圏への流出により、若者が減少している地域の活力を向上させること等を目的としています。このため、交付金の交付対象となるかどうかも含め、国の制度設計を注視していきます。

次に、千葉大学が例外適用されるかについてです。千葉大学からは、デザイン・建築スクールの本区への進出は、学部の新設や定員増を伴わない、機能強化の一環であるため、 23 区内での大学等の学生の収容定員の抑制を図る法案が成立した場合でも、抑制されないものと伺っています。

次に、若者の雇用機会の創出についてですが、法案では、地方公共団体は「地域における若者の修学及び就業を促進するよう所要の施策を策定し、実施する責務を有する」としており、今後、地方の定義など、国の考え方の詳細が示されるのを待って、具体的な施策の検討を進めていきます。

3 新保健センターの整備について

  現在の検討状況についてです。当該施設の計画は、昨年の第3回定例会において、「墨田区新保健センター等複合施設整備基本計画」を策定し、ご報告させていただきました。その中で、建設候補地である都有地において、地下埋設物の調査が必要となり、土地取得が平成30年度中となることが想定されるため、当初目指していた33年度の完成予定を34年度と修正させていただいたところです。なお、今月中には、都に対して買受申請を予定しており、土地取得に向けた手続きを順次進めていきます。このような状況のもとで、計画の遅れを最小限に留めるためには、整備基本計画の検討のなかで、設計・施工一括発注方式、いわゆる「デザイン・ビルド方式」が、最も有効であると判断したことから、導入にむけた予算を計上したところです。この方式のメリットとしては、施工者のノウハウや、固有技術等の活用、工期の短縮、コストの縮減などがありますが、ご指摘のデメリットがあるのも事実です。そこで、設計・施工など各段階において、技術的な中立性を保ちつつ、発注者の側に立った、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種マネジメント業務、いわゆるコンストラクション・マネジメント業務委託を導入したいと考えています。これによる削減効果については、現在のところ、具体的な金額は算出できませんが、この方式は、大規模複合施設において、従来方式と比較すると、品質管理や、コストコントロールなどに優れた手法であると考えており、計画でお示ししている45億円を超えないように整備を進めていきます。

次に、60年先の社会をどう捉え、保健センターをどのようなビジョンの下に位置づけようとしているのかについてです。新保健施設開設後60年後の社会は、健康増進法や、すみだ健康づくり総合計画の着実な進展により、高齢社会は進むものの、健康寿命と平均寿命の差が縮小し、お年寄りや若者も、障害や難病のある方も、誰もが生きがいを感じられる総活躍社会を目指しています。そこで、新保健施設では、生涯健康都市の実現に向けて、区民の健康を「いつでも」「だれでも」しっかり支えるための保健サービス全般を充実し、区民の健康づくりや母子保健、災害医療体制の拠点とします。

次に、ワークショップ等の重要性についてです。平成30年度に、新施設のデザイン・ビルド発注に向けて、先ほどのコンストラクション・マネジメント業務委託を活用して、要求水準の作成等を行っていきます。そのなかで、区民の方や、新施設の関係者に、ワークショップ形式などの意見を伺う機会も検討します。

次に、今後の施設整備についてです。施設の建設・改修を行うときには、そこで何をやるのか、どのように利用してもらうのかを明確にして、将来を見通した行政サービスの必要性やあり方を踏まえ、整備していくことが重要であると考えています。新保健センター等複合施設整備基本計画の策定にあたっては、区民委員と有識者による懇談会の開催や、区民の方へのインタビューを行いましたが、今後、類似の施設整備の際は、状況に応じて、ご指摘のような、ステークホルダーを交えたワークショップ等の実施について、検討していきます。

4 住宅宿泊事業法への対応について

  独自条例を制定しなかった経緯と、他の自治体との判断の相違などについてです。住宅宿泊事業法及びそのガイドラインでは、一定のルールが示され、住居専用地域のない本区においては、独自の条例で制限することなく、法にのっとった届出を促し、適切な指導を行うことによって、健全な民泊の普及が図られ、国が意図するオリパラに向けた外国人観光客の受け皿となるというメリットがあるものと判断しました。また、無届の住宅宿泊事業は、旅館業法で無許可営業として取締りが強化されるので、これにより、区が適切に対応することによって、区民の不安も払しょくできるものと考えています。

次に、住宅宿泊事業の指導についてです。これまでも、違法民泊に対して、全庁的に連携して指導してきましたので、今後は、保健衛生担当が窓口となって、警察、消防など関係機関とも積極的に情報共有をしながら、指導していきます。そのために、今までの指導の実績を活かして、各機関が持つ情報を共有できる場の設定についても検討します。

次に、新法施行後の初動体制についてです。当面は、旅館業に対する監視指導の経験をフルに活かして、組織を充実するとともに、適切な予算で、迅速かつ柔軟に対応していきます。適法な簡易宿所の周知についてですが、ご指摘のとおり、住宅宿泊事業法や旅館業法の正しい情報をアナウンスし、区民の皆様の安心につなげることは、区の責務であると考えますので、適切に対応していきます。

次に、保健衛生と観光振興との関係についてです。現在、区内に外国人向けの簡易宿所が増加しており、多くのお客様が区内に宿泊し、区内観光を楽しんでいただくことは、望ましいことですが、一方で、これらが適法に運営され、区民が安心して生活することができることも重要ですので、庁内組織が連携して、指導と支援のバランスを取った対応を図る必要があると考えます。

次に、観光協会との連携についてです。現在、いくつかの大手民泊、宿泊事業者から、観光分野での連携等について、様々なご相談が寄せられています。区としても、宿泊施設内への観光パンフレットの配置や、観光案内所との連携などの有効な支援を行っていきます。

次に、DMOについてですが、現在、墨田区観光協会では、DMO法人としての登録に必要な成果指標等を取りまとめ、先般、正式登録に向けた申請を行ったところです。審査が順当に進めば、年度内に正式登録が受けられるとのことですので、引き続き、協会を支援していきます。

次に、DMO推進事業の取組状況についてです。墨田区観光協会では、DMO候補法人として、神社仏閣、美術館等の観光施設や宿泊事業者、伝統工芸職人等と連携し、広く国内外に対するプロモーション活動や観光誘客に取り組んでいます。主な取組として、観光庁の「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」を活用し、欧米富裕層向けの旅行商品の開発を進めています。事業期間は、3年間を想定しており、今年度はモデルコースの開発と、受入体制の構築に向けた検討を進めており、30年度には、海外の旅行エージェントや欧米富裕層向けのモニターツアーを実施し、31年度からの本格始動を目標としています。大相撲やすみだ北斎美術館、向島の料亭など、「すみだ」ならではの観光コンテンツを活かし、質の高いツアーの実施を目指します。

5 無電柱化促進について

災害対策に重きを置いた無電柱化の推進についてです。ご指摘の災害時の避難路や輸送路における、防災面からの無電柱化については、住宅密集地を抱える本区において、その必要性があると考えています。無電柱化整備計画における具体的な整備路線については、現在、東京都の「無電柱化チャレンジ支援事業制度」を活用して、「災害に強いまち」、「安心して通行できる道路空間」、「良好な都市景観」という3つの観点から基本方針を策定・検討しています。今後、これに基づき、ご質問にある整備計画を策定しますので、そのなかで、事業効果の高い路線を優先整備路線として指定して行きたいと考えています。また、チャレンジ補助事業における調査・設計・計画策定に係る費用は東京都の全額補助であり、工事費については国費対象額のうち、国庫補助が55%、都補助が45%となっていますが、既設道路の掘削や、構造物撤去など、全体事業費の4割程度が区の負担となります。

次に、電柱の新設等を制限する条例についてです。電柱等の占用規制をかける道路法の一部改正案が、過日閣議決定されたので、改正内容や他自治体の動向を注視しながら、無電柱化の推進に向けた必要な措置について検討していきます。

6 すみだの教育について

  防災教育に関して、中学卒業後の地域防災活動への貢献についてです。区では、これまで中学一年生全員に「すみだ防災ガイド」を配布し、防災の基礎知識を学ぶ取組みを行ってきました。また、区民防災訓練では、町会・自治会から、学校やPTAを通し、児童生徒の参加を促している事例もあり、開催日、場所等のスケジュールを区のホームページで公表し、訓練参加を促しています。今後とも、教育委員会と連携し、さまざまな情報提供を行い、地域で行われる防災活動への自主的参加を進めていきます。中学生の皆さんには、今回の普通救命講習の受講をはじめ、さまざまな防災教育の機会を通して、地域貢献への意識を高めていただき、卒業後においても地域社会のために活躍できる人材となるよう期待しているところです。

(教育長答弁)1 施政方針について

  学校現場におけるオリンピック・パラリンピックへの取組についてです。

教育委員会では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を幼児・児童・生徒の教育にとって重要な機会と捉え、オリンピック、パラリンピック教育を幼稚園、小学校、中学校で展開しています。今年度は、「重点的に育成すべき5つの資質」として「ボランティアマインド」、「障害者理解」、「スポーツ志向」、「日本人としての自覚と誇り」、「豊かな国際感覚」の視点を重点として、オリンピアン、パラリンピアンとの交流や、学校ごとに大会参加予定国、地域について幅広く学び、実際の国際交流に発展させる取組である「世界ともだちプロジェクト」及び、その他、各教科の内容に関連付けたオリンピック・パラリンピック教育をすすめています。平成 30 年度においても、同様の取組を実施していく予定です。東京大会以降もレガシーを価値あるものとして形成し、教育活動を展開していきます。

6 すみだの教育について

次に、すみだの教育の現状ですが、私は教育長として、夢と希望にあふれる素晴らしい子どもを育成するため、知・徳・体のバランスのとれた教育を行うことを施策にかかげて、様々な教育課題の解決に取り組んできました。「自信を育む教育の推進」や「地域特性を活かした国際化への対応」など5つの方向性を示し教育施策を進め、5つの方向性の視点から、すみだ教育指針や墨田区学力向上新3か年計画の策定を行っていますが、今後とも課題解決に着実に取り組む必要性を感じています。特に学力向上の取組については、私としても重点事項として取り組んできています。その学力向上の、前計画である「墨田区学力向上3か年計画」の総括についてですが、平成25年度から27年度までの前計画では、「D・E層の割合を40%以下にする」という目標を設定したものの、平成27年度は、延べ30教科のうち11教科が目標を達成していませんでした。その要因としては、「教育委員会と学校との連携・協働が十分とは言えない」こと、「全ての教員に施策の方向性等が十分伝わっていない」こと、「一部の児童・生徒の家庭学習時間が不足している」こと、また、「家庭等に対して、家庭学習の重要性が十分に伝わっていない」ことであると分析しています。このような前計画の総括をふまえ、現在の計画を策定しました。

次に、学年が上がるにつれて学習につまずきが出やすくなることについては、区学習状況調査においても同様に、D・E層の割合は、学年が上がるにつれて増加傾向にあることから、まずは、学習内容を現学年のうちに定着させることが重要であると考えます。そこで、平成28年度から、全ての小・中学校において、学習内容の定着のための「ふりかえり期間」を設定し、校長のリーダーシップのもと、定着を強化する取組を組織的に展開しています。教育委員会としては、学校で活用できる教材をより多く開発し、学校ICTの取組なども利用しながら、各学校へ提供し、活用を促しています。また、区学習状況調査結果から明らかになった課題のある個々の学習内容について、指導のポイントを作成し、各学校へ提供し、授業力向上を図る取組も行っています。平成30年度に向けては、つまずきやすい単元について、ふりかえりのための教材開発や指導のポイント集の作成などを強化し、引き続き課題に応じた学力向上の取組を継続させつつ、特に教員が「何を教えたか」ではなく、児童・生徒が「何が分かったか・できたか」を重視した指導を行う授業力向上を推進し、児童・生徒に授業内容を確実に定着させることで、墨田区学力向上新3か年計画の目標値の達成を目指していきたいと考えています。

次に、小学校の英語の教科化等への対応についてです。まず、外国語・英語教育にあたる人材の確保につきましては、今後も学級担任が指導することを基本に考えています。そのため、小学校外国語教育研修会を通して、外国語の指導力向上に引き続き取り組んでいきます。教員の発話技能を補うものとして、音声教材や国のインターネット配信による動画等の活用を推奨していきます。また、教員自身の英語力や指導力を高めるために、東京都教育委員会が行っている英語免許状取得促進事業や英検などの資格取得につながる研修についても、教員が積極的に受講していくよう働き掛けていきます。さらに、小学校5・6年生における外国人講師の配置時間の増加を計画しており、児童がネイティブ・スピーカーによる発音に触れる機会を確保するとともに、外国語のコミュニケーションに慣れ・親しみ、主体的にコミュニケーションを図ることができるようにしていきます。小学校の英語専科教員や加配等の教員配置については、東京都教育委員会の今後の方針等を注視していきます。

次に、授業時間数確保についてです。平成 32 年度の学習指導要領の全面実施に向けて、区立学校では、平成 30・31 年度の移行期間は、段階的に授業時間数を増やして対応していき、平成 32 年度の3・4年生の外国語活動は 35 時間、5・6年生の外国語は 70 時間を実施していきます。当面はこれまでも取り組んでいる土曜授業を活用して授業時間数を確保することを考えておりますが、今後も、東京都教育委員会が指定した英語教育推進地域のモデル実施を参考にして、授業時間数の確保について引き続き検討していきます。

次に、幼保小中一貫教育推進計画の改定に関する議論の内容についてです。平成30年度から平成34年度までを計画期間として改定作業を行ってきましたが、計画改定にあたっては、学識経験者、学校・園等の管理職、教員の代表等による検討会と作業部会を開催しました。検討会では、計画の大きな方向性を決めていく中で、幼保小中一貫教育を推進していくための運営体制も明確にすべきとの議論がありました。作業部会では、今後、全ブロックで取り組むべき事業や業務等について具体的に検討する中で、保育要録・指導要録を確実に引き継ぐための仕組みが必要であるという意見も出ました。また、連携を強化するために、各園・学校の担当者会議を定期的に行い、研修も行うなど、継続した人材育成の場も作ってはどうかとの意見など前向きな提案もあり、計画に盛り込んだところです。

次に、現計画の評価と総括及び課題解決への道筋についてです。現計画では、これまでブロックごとに、子どもたちや地域の実情に応じた取組を進めてきており、その中で「異なる校種の子どもたち同士の交流」や「教員等同士の相互理解のための交流」については、区全体で取組が定着したと考えています。しかしながら、「効果的な取組の全ブロック展開」、

「取組の計画性・継続性」、「就学・進学期を意識した取組」については課題があると考えています。これらの課題を解決するための道筋として、各ブロックの従来の取組を一層強化するとともに、全ブロックの共通した取組を教育委員会として設定していきます。改定する計画において、現計画と異なる点は、効果的な取組を全ブロックで実施することを、教育委員会として、明確に打ち出したことです。例えば、新学習指導要領等を見据え、「外国語(英語)」などの教科連携を異校種間でさらに推進していくこと、ブロック内共通の生活規律の取組を進めること、就学や進学を意識した学校訪問・授業体験などの取組を全ブロックで推進していきます。さらに、成果指標を意識した数値目標を掲げるとともに、取組についての適正な進捗管理も行い、幼保小中一貫教育をさらに推進していきたいと考えています。

次に、防災教育に関するご質問です。まず、防災意識向上の指導方法と、地域の訓練等での貢献策についてです。教育委員会ではこれまでも、区長部局等と連携し、防災ガイドや都の防災ノート等を活用して、中学生に防災意識を高めるための取組を進めてきました。災害時に地域での活躍が期待される中学生には、緊急災害時等に自らの身を守るだけでなく、実用的な救命方法を学ぶことや、他の人の役に立とうといった意識を高めることが重要であり、このたび計画している中学生の普通救命講習受講も、この一環としています。地域の防災訓練等への中学生の参加は、学習効果を一層高め、中学生と地域の結び付きを強める機会となります。各学校には、防災訓練等への参加意欲を高める教育活動も含めて、引き続き防災教育の充実を図るよう指導をしていき、もって地域への貢献に資するものと考えています。

次に、今後の方向性と、授業での反映についてですが、31年度以降も普通救命講習は継続していく計画でいます。また、講習によって身に付けた知識や技能を活用する場面を設けることで、その定着を図ることが重要です。中学校 2 学年以降の保健体育科の応急手当についての学習や、各種行事等の機会と関連付け、講習内容の反復や活用を図っていきます。

次に、地域の方に中学校の避難訓練を公開することについてです。各学校で行われています避難訓練は、学校防災計画等に基づいて行われていますが、実際の災害時を想定して行うことが重要であり、訓練内容を地域の方に理解していただき、連携を進めることの必要性は高いと考えます。学校を避難所として開設する状況想定も含め、学校の避難訓練の内容や、地域住民への公開の方法等については、校長会や関係部署と連携して検討を行っていきます。

最後に、中学校卒業後の地域防災への貢献のための仕組みづくりについてです。中学校卒業後も、学校で身に付けた知識や技能を生かし、社会に貢献していく人材を育てるためには、生徒自身に、「自分たちは、地域の一員であり、未来の地域を支える担い手である」ことを認識させるとともに、貢献の機会等についても情報を提供していく必要があります。学校における防災教育の一層の充実と、将来にわたる地域防災への貢献の視点で、防災課をはじめとした関係部署等と連携を進めていきます。

 

 

 

定例会一般質問 中沢えみり

墨田区議会自由民主党の中沢えみりです。

通告いたしました、大綱一点について東京2020オリンピック・パラリンピックについて山本区長、加藤教育長及び所管部長に様々な角度から質問をさせて頂きます。皆様からの明確かつ前向きな答弁を期待いたします。

 

2013年9月7日東京都が開催地として決定し、当時東京都は、直接的な経済波及効果を3兆円と試算していました。民間では最大150兆円規模との記事もありました。それから4年が経過し、今年3月には招致が決まった2013年から大会10年後の30年までの18年間で、全国で約32兆3千億円、東京都で20兆4千億円にのぼると見込んでいると発表。全国の雇用増加数は約194万人と見積もっているとも示されました。これだけの大きな経済波及効果が期待され、更には人々に多くの感動と希望を与えてくれるこの世界的大会の重要性を改めてお伝えさせて頂きます。本区としても、準備態勢を万全にしていただくことを強く要望するとともに、東京の墨田は特に素晴らしいと思って頂けるよう、最高のおもてなしで当日を迎えられることを願っています。

開催地が決定してからの本区の取組みについて振り返るとともに、これまでも各議員の皆様から様々関連質問があったかと思います。多岐にわたる内容であり、かつ横断的な内容であるため、庁内窓口や役割分担等について質問を通じて改めて整理出来ればと思います。

 

質問に入ります。

①初めに大会準備について、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発足した後、これまで東京都とはどのような立場で、どのような連絡調整を行われて来られたのか伺います。

加えて、本年度から庁内組織改正に伴い、これまで総務部内にあったオリパラ担当が地域力支援部に移りました。いよいよ本番まで3年を切りましたが、準備における庁内人員は足りているのか、庁内各部や課との連携はどのようにされているのか、具体的にお聞かせください。さらに、今後の関連事業のスケジュールについても具体的にお知らせください。

 

②次に具体策について担当部長に伺います。先日行われた区政70周年記念式典の際に、オリンピック・パラリンピック地域協議会の発足式も行われました。事前にお聞きいたしましたところ、100団体以上にお声がけをされたとのことですが、この地域協議会に参加されたのはどのような団体なのか、そして今後どのような連携と活動をされていかれるのか、お聞かせください。

また、これまで様々な区内イベントでオリパラ関連事業を行われてきたことと思います。それぞれの事業について、それぞれの目的や目標があると思います。それがどのように機運醸成につながっているのかなどの検証や評価なども含め、現況をお聞かせください。

 次に、区民からの提案ですが、国土交通省は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて、特別仕様のナンバープレートを交付することを発表しましたが、そのナンバープレートを区の公用車で使用することはいかがですか。来月発行予定だそうです。機運醸成のため、まずは区が先頭になって取り組まれてはいかがですか。

また、五輪エンブレムの使用やライセンシングプログラムについても多数問い合わせがございます。手続き等の相談窓口を設置されてはいかがですか。ご所見を伺います。

 

③次に学校教育におけるオリパラ関連事業について伺います。

オリンピック・パラリンピック推進校として東京都から認定された区内小学校と中学校は、それぞれの事業計画を元に、例えばオリンピアン、パラリンピアンをお迎えし講義いただいたり、ともに活動したりと様々展開されてきたことと思います。この事業によって生徒のどのような成果につながったのか、また大会後のレガシーを残す為にも、今後どのような取組みをされて行かれる予定なのか、現在の進捗状況とお考えを教育長に伺います。

 

④競技会場を有する本区の交通体系及び危機管理、安全対策について何点か伺います。

本区はボクシング競技が国技館で行われるほか、墨田区総合体育館がボクシング競技の練習会場としても利用される予定です。各国の選手団や観客が本区を訪れることは容易に想像できますが、それだけではなく大会前からも観光客や宿泊客が増えることも想像できます。

単純に人が増えるということは、交通、治安、安全対策にも影響いたします。交通体系についてはロンドンやリオのように選手団専用道路を整備することや、各交通網の整備などについては組織委員会で計画していくことと思いますが、実際にその計画を運用するのは現場の墨田区であります。そこで、本区として今からできることは、大会前から想定できる混雑具合を検証し、協力要請をしなければならない沿道住民の把握や、大会前と期間中の具体的な交通整理シミュレーションを行っておく必要があると思います。更には、治安や安全対策、危機管理について、想定し得る状況を事前に把握し整理し、当日に備える必要があると考えますが山本区長のご所見を伺います。

 

オリンピック競技大会後、数週間後にパラリンピック競技大会が開催されます。平成27年11月に閣議決定されました、「2020 年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」では大会の意義について以下記載されています。「特に、パラリンピック競技大会の開催は障害者の自立や社会参加を促す大きな力となる。「パラリンピック」という語(名称)は 1964 年の東京大会の際に初めて使用されたものであり、夏季のパラリンピック競技大会が同一都市で2回開催されるのは、今回が史上初となる。参加国・地域数についても、オリンピック競技大会との差が縮まるよう、過去最多となることを目指し、大会を世界中の障害者をはじめ全ての人々に夢を与える大会としなければならない」とあります。本区もこのことを大切に、できる限りのバリアフリー体制、ユニバーサルデザインを目指すべきであると考えます。そこで、本区のバリアフリー状況の把握はどの程度されていますか。大会後をも見据えて、真のユニバーサルデザイン区として確立できるよう丁寧に取り組んでいただきたいと思います。

 

⑤次に、「ホストタウン」登録について区の見解を伺います。ホストタウンとは、内閣官房オリンピック・パラリンピック事務局によると「大会開催に向け、スポーツ立国、グローバル推進、地域の活性化、観光振興等に資する観点から、参加国と地域との人的、経済的、文化的な相互交流を図る地方公共団体のこと」であります。

政府は、ホストタウンの推進により、大会参加国等との交流等を通じ、スポーツの振興、教育文化の向上及び共生社会の実現を図ることを目的としています。

登録する際には、いくつかの条件があります。

例えば、「地域住民と、来日する選手の皆さんや、大会参加国の方々、地域の関係者、日本人のオリンピアン・パラリンピアンとの交流、また、スポーツ振興、教育文化の向上及び共生社会の実現を図る取り組み等を行う地方公共団体」が登録できるとあります。これに伴う財政措置の問題や、どの国と提携するかなど様々議論があるかと思いますが、大会後も継続して交流できることを考えると、この機会にホストタウンとして登録することは、今後の本区の更なる発展に向けて総体的に大きな効果を期待できるのではないかと思います。区長のご所見を伺います。

 ちなみに、現在登録している地方公共団体は、7月7日時点で全国179件あります。東京23区では、世田谷区は米国、文京区はドイツのホストタウンとして登録されています。登録されている各自治体の計画の特色は様々でして、例えば、すでに姉妹提携をしていることや、歴史的な繋がりがあるという所は多いのですが、中には大使が視察に来たというきっかけや、当該自治体の偉人が異国の賞を受賞したきっかけ、さらには相手国との共通点をなにかしらみつけて交流につなげていくなど様々あります。本区においては、例えば、北斎美術館、スカイツリー、隅田川、と、ルーブル美術館、エッフェル塔、セーヌ川などの共通点があるフランスなどが考えられます。もちろん何カ国かのホストタウンとなることも可能です。是非とも区長の前向きなお考えをお聞かせください。

 

⑥次に大会期間中のボランティアについて何点か担当部長に伺います。「東京2020大会に向けたボランティア戦略」の中の「関係自治体等との連携」には、「都と組織委員会は、競技会場を有する自治体をはじめとする関係団体と十分に連携し、大会の成功を日本全体で実現できるよう、一体的な取組の推進を検討していく」とあります。東京大会では大会ボランティアと都市ボランティアの二つの役割を担うボランティアがあり、ともに平成30年の夏ごろに募集開始をしていく予定だそうです。ロンドン大会の7万8千人を超える9万人以上のボランティア人員が必要で、本区のボランティア人員の割り当てはどのくらいになるのか、加えて現在まで本区でご活躍されてきた様々な分野の既存ボランティアの方々の活用等も含めて、来年の募集までの間にもできることはあると思いますが、現在の取り組みと今後の考え方をお聞かせください。

 

⑦次に各種団体との連携についての進捗状況を伺います。

まず初めに墨田区体育協会との連携について伺います。先日第70回墨田区民体育祭総合開会式が行われましたが、私も一団体に所属するものとして毎年開会式に参加させていただいております。体育協会加盟団体の皆様が一同に会し、立派な開会式が執り行われることにより、それぞれの団体はそれぞれの大会に向けてより一層励む決意をいたします。各体育協会加盟団体とオリンピック・パラリンピック大会に向けての連携について、現在どのような取組みをされているのか山本区長に伺います。

 次に、医療関係団体との大会期間中の連携体制について伺います。本区はボクシング競技会場となる国技館を有しています。競技会場には選手団以外にも、大会運営スタッフやボランティア、医療関係者等多くの方々が待機し、様々な対応にあたられると思います。いずれ東京都から計画が打ち出されると思いますが、本区として今から出来る事は、大会当日にご協力いただける医療関係者の把握であると思います。例えば本区にドーピング検査などに従事出来る資格のあるスポーツファーマシストが何名いらっしゃるのか等、関係団体と連携し把握する必要があると思いますがご見解を伺います。

 多くのスポーツ競技団体には「医事委員会」という委員会が設置されています。趣旨は各競技団体で多少は異なりますが、委員構成は大半が医療関係者です。例えば、日本水泳連盟の医事委員会の活動内容は、「競技会における救護及び選手団派遣に伴う医事管理に関することや、競技力向上を目的としたメディカルサポート・医事相談に関すること、アンチドーピング活動に対する支援に関すること、日本水泳ドクター会議・日本水泳トレーナー会議との連携に関すること、その他医事関係諸事業の目的達成に必要なこと」とあります。

 墨田区の場合、大会期間中はボクシング競技が行われるため、ボクシング連盟の医事委員会、又は組織委員会から派遣される可能性があるかもしれませんが、本区の医療関係者も参画を要請される可能性も想定できます。区の体育協会内に医事委員会を設立し、大会期間中にサポート出来る体制を整えておくことが必要ではないかと考えます。ご所見を伺います。

 

⑧次に、大会と観光分野の連携について伺います。大会期間中には多くの国内外の観光客が本区を訪れることと思います。本区の魅力を発信できる大変大きなチャンスです。区内の観光分野に関係する各種団体や事業者とも連携し、ウェルカム体制を徹底していただきたいと思います。加えて、広域観光も視野に入れ他区との連携も必要であると考えますが、ご所見を伺います。

 

 区民の皆様からは、何か自分たちが関われないか、ボランティアとして大会に携わりたいがどうしたら良いのか等、様々問い合わせがあります。

都の動向を待っているだけではなく、まずは、自治体独自で展開出来ることを庁内で整理し、着実に進める必要があります。さらには、現時点で東京都からの具体的な方針や計画が示されない中、自治体としても積極的に然るべき場面で東京都に意見し、促すことも必要なのではないかと考えますがご所見を伺います。

 加えて、各所管の役割分担について明確にし、最善で最高の環境を提供出来るよう、全庁一丸となり、さらに区民の皆様とともにオール墨田で大会成功に向けて進めていただきたいと思います。山本区長の強い意気込みをお聞かせください。

 

 最後に、この度の東京大会以外に国際オリンピック委員会が「オリンピック」という名称の使用を許可している大会が二つあります。それはスペシャルオリンピックスとデフリンピックです。

スペシャルオリンピックスとは、知的障がいのある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織です。非営利活動で、運営はボランティアと善意の寄付によって行われています。またデフリンピックは4年に一度、世界規模で行われる聴覚障がい者のための総合スポーツ競技大会です。これらの大会にて日本人アスリートが大勢活躍されています。是非とも機運醸成事業の一部にこの二つの大会の存在を周知していただきたいと思いますが山本区長のご所見を伺います。

 

 2020年7月24日夜8時、東京オリンピック開幕式まで、本日で1044日です。カウントダウンが始まっております。繰り返しますが、本番まで3年を切りました。あまり時間はありません。

オール墨田で大会の成功をしっかりと見据えた着実な行動を取って参りましょう。よろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。

定例会一般質問 しもむら緑

墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。通告してあります大要3点について、山本区長、加藤教育長に質問致します。明確で前向きなご答弁を宜しくお願い致します。

 先ず大要1点目は、今年度修正された墨田区国民保護計画に則って伺います。

北朝鮮は、国際社会の厳しい非難と制裁にもかかわらず、今年に入り既に12発の弾道ミサイルを発射しました。そして、本日また更に北朝鮮が弾道ミサイルを数発発射した可能性があるとする速報が飛び込んで参りました。戦争の悲惨さを学び、恒久平和を希求する日本において、このような行為は断じて許せるものではありません。強く抗議すると共に、我が国も決して対岸の火事などではなく、いつ起こるかわからない脅威からどのように国民を守っていくかが大変重要な課題であります。
  
そこで1つ目は、J-ALERTについて伺います。J-ALERTとは、弾道ミサイル情報や緊急地震速報等、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を、人工衛星を用いて、防災行政無線やケーブルテレビ、緊急速報メール等、自動起動することにより、国が送信した緊急情報を直接住民へ瞬時に伝達することができるシステムです。そこで伺います。①すべての区民が確実に情報を受け取ることができるように、J-ALERTによる自動起動が可能な情報伝達手段をより多く確保する必要があると考えますが、区の計画を伺います。併せて、耳の不自由な高齢者や、聴覚障害をお持ちの方の対応等についても伺います。②次に、防災行政無線や、その他情報伝達機器について伺います。防災行政無線は以前より改善されたものの、未だに聴こえにくいというご指摘を区民の方からいただきます。本区は5カ年計画で防災行政無線のデジタル化に向けて整備するとしていますが、これまでとどのように変わるのでしょうか。また、情報伝達機器に関しては、設置して終了ではなく、設定および動作状況、停電時の電源確保や、日常的な点検も定期的に行うことが重要であると思います。区長の所見を伺います。③続いて、昨年11月、区内においてJ-ALERT全国一斉情報伝達訓練が実施されたことについて伺います。いざという時に備え、瞬時に行動ができるように、区職員のみならず、区内にいる方々も一緒になって実践的な訓練も行っていただきたいと要望します。併せて、現在、区のHPでは武力攻撃等に備えた「内閣官房国民保護ポータルサイト」や「わが家の国民保護マニュアル」などを掲載していたり、冊子も作られたりしていますが、まだまだ知らない方が大勢いらっしゃいます。今後周知徹底も強く要望します。区長の考えを伺います。

2つ目は、避難住民の誘導等について伺います。区長は国や都から避難の指示を受けた場合、平素に策定しておいた避難実施要領のパターンを参考にしつつ、各執行機関、都、警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)、自衛隊等の関係機関の意見を聴いた上で、避難の指示の内容に応じた避難実施要領を的確かつ迅速に策定することと計画の中に明記されています。そこで伺います。「平素に策定しておいた避難実施要領のパターンを参考にしつつ」とありますが、本区では策定はされているものの2008年以来、一度も見直しが行われていません。①早急に地域の実情に応じた避難実施要領のパターンの見直しが必要と考えますが、区長の所見を伺います。②また、見直しを行う方針であれば、いつまでに策定を行うのか明確な時期もお示し下さい。

3つ目は、避難場所について伺います。弾道ミサイル落下時の行動については、できるだけ近くのコンクリート造りの堅ろうな施設や、地下街、地下駅舎等の地下施設へ避難の指示がなされるとなっています。そこで、地下へ避難することとなった場合について伺います。①墨田区ではどこへ避難すればよいのか、公共施設、民間施設を含め、把握をされているのでしょうか。②観光客も含めて、区内にいる方々が緊急時地下へ避難となった場合、公共施設だけでは到底収容できないと考えます。予め、避難可能な民間施設も洗い出し、非常事態が起きた際には昼夜問わず協力していただけるよう、協定を締結しておく必要があると考えますが、区長の見解を伺います。
  
4つ目は、医療の提供について伺います。①武力攻撃事態等への対処となった際、防災時に締結している医師会、歯科医師会及び薬剤師会とどのような協力協定となっているのでしょうか。詳細を伺います。②併せて、負傷した方々の安否情報等を避難住民や医療機関などの関係機関から収集し、当該情報を都へ報告するとなっていますが、個人情報の取り扱いとなるため区職員が慎重に扱うというのは当然ながら、関係各所とどのように対応することとなっているのか具体的な詳細を伺います。

この質問の最後に、区長の意思決定案件について伺います。国民保護計画は、本来あってはならない万が一の事態に備え、国民の生命と財産を守るための計画です。大要1点目の質問要旨を考える中で、政治の持つ意味を改めて考えさせられました。政治とは決定すること、行政はそれを執行することだと捉えることができますが、その決めることのメルクマールの一つに「平和•平穏」な社会を築くことが言えると思います。朝、おはようございます、いってらっしゃい、行ってきます、夜、ただいま、おかえりなさい、などという日常的な会話がかわされ、日々の素朴な生活が担保されるのは、まさに平和あればこそです。今回は武力攻撃があった場合について主に取り上げましたが、昨今世界各地で一般人を巻き込んだ大規模なテロが発生する事態も後を絶ちません。私達の日常の平和•安寧を破るような国際的テロが当然日本国内で起こらないとは言えない状況です。ましてや、世界一の電波等がそびえる東京スカイツリーをはじめとした観光名所に対する標的という意味でも注意しなければならないと思っています。そのほか、質問では触れませんでしたが、国際化が進展している現在、墨田区在住の外国の方々への対応と、外国人観光客への対応を具体的にどうしていくかも大きな課題であります。そのことを充分念頭に置いていただいているものとして、伺います。このような非常事態が起きた際、区長がリーダーとして区内の現場の状況を正確に把握し、逐一判断と決断をし、関係各所へ退避などの指示をしなければならない案件がいくつも発生すると思われます。「後の責任は自分が持つので実行せよ」という場面も起こるかもしれません。当然、そのような重大決定は区職員の皆さんに委ねることはできないわけです。予期せぬ事態に迅速に対応するために、区長がしっかり意思決定と指揮命令ができるよう、ある程度事前にシミュレーションを行い、何か起こった時に臨機応変に動ける体制を整えておく必要があると考えます。これは防災対策についても同じことが言えます。最高責任者としての区長の覚悟と所見を伺います。

大要2点目は、東京オリンピック・パラリンピックも見据えた国際観光都市すみだの「おもてなし」について伺います。3年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、本区の「おもてなし」についての質問を今後いくつか取り上げていきたいと考えていますが、今回は観光に訪れる海外の方々から見た墨田区のイメージアップも兼ねて、区内でも数多くの店舗があるコンビニエンスストアの中に置かれている成人雑誌への対応について質問します。千葉市が、今年の夏から一部のセブンイレブンにおいて、店内で販売されている成人雑誌の過激な写真等を色付フィルムで隠すといった事業を試験的に行うと発表しました。市内にある幕張メッセでは、オリンピック・パラリンピックで計7競技が開催される予定となっており、外国人観光客が増えることを踏まえて、地域のイメージダウンを避けるのが狙いとして実施するとのことです。「表現の自由」に関する一定の配慮は必要ですが、一方で国や宗教の違いから驚いたり、不快な思いをしたりする外国人観光客の方々がいらっしゃるのも確かです。まちのイメージアップとは小さなところから始めていかなければならないとも思います。①墨田区としても、外国人観光客への「おもてなし」という観点も含め、東京オリンピックの競技が予定されている両国国技館周辺や、駅からの導線のコンビニエンスストアに置かれている成人雑誌については色付フィルムで覆うといった対応について是非検討していただけないでしょうか。日本国憲法で保障される「表現の自由」は、その内在的制約として公共の福祉による制約に服することとなっており、問題は、その制約の範囲をどこまで認めるかということであります。出版者の表現の自由に対して、外国人観光客が成人雑誌をみることなく、静穏のうちに買い物をする自由を保障することは、国際観光都市として立地する本区としてあるべき姿なのではないでしょうか。区長の所見を伺います。②また、このことに限ったことではなく、東京オリンピックでボクシングの会場となる本区において、今後どのような国の方々が関心を持ち、訪れる可能性があるのかも予測し、例えばハラール対応の充実など考慮していくべきと思います。国や宗教の違う方々の「おもてなし」について改めて区長の所見を伺います。

大要3点目は、新学習指導要領実施に向けた現場対応について伺います。今回の学習指導要領の改訂により、義務教育現場における英語授業の在り方が大きく変わることについて伺います。

小学校では2020年度から小学校5、6年生で英語を教科化、成績評価のない外国語活動を3、4年生からスタートさせるという方針が打ち出されました。東京都に限っては、2018年度から先行実施することが決まっています。しかし、東京都が実施した2015年度小学校外国語活動等の実施状況調査において、英語指導の授業づくりに対して不安が大きいという教員の声が明らかになっております。文科省は、国の研修を受けた「英語教育推進リーダー」から研修を受けた「中核教員」を2万人養成し、全小学校に配置するという計画を進めるとしていますが、区の現状を伺います。①現在、本区は英語教育推進リーダーが1名在籍していると仄聞しています。今、その方が中心となり、小学校教員に向けた英語活動研修会を実施し、中核教員養成を行っているとのことですが、現在の進捗状況や、見えてきた課題、成果を伺います。②本格実施に向けて、英語教育推進リーダーと指導主事と共に全小学校を回り、学校側の悩みを聞き、あるいは助言を行って不安を払拭していくといった取り組みも実施されていますが、現在の状況を伺います。また、浮き彫りになった具体的な課題と、そのことを受けての区の対策について伺います。④教員の資質向上のため、今後更なる研修の充実や、資格取得に向けた後押しなども考えているのでしょうか。伺います。➄続いて、小学校における英語授業が将来35時間増えることへの本区の対応について、既存の授業からどう組み込んでいくのか伺います。⑥小学校における英語教育を円滑に推進するためには、学級担任、ALT,専科教員、外国人教員など、柔軟に取り入れていく必要があると考えますが、加配等も含め、教育長の現段階の考えを伺います。

次に、中学校の英語の授業を原則としてオールイングリッシュで行うようにと変更されることについて伺います。英語を母国語でわかりやすく指導する能力と、第二言語を使って尚且つ生徒にわかりやすく指導する能力は別ものと考えます。指導方法を誤ると、全く授業が理解できない子ども達が出てくるのではないかと懸念します。中学校教員に対してどのように研修等の対応を行っていくのか。区の対応を伺います。

続いて、小学校で新たに必修化される思考力を鍛えることが狙いのプログラミング教育について伺います。日本ではまだ馴染みのない言葉ですが、アメリカ合衆国やシンガポールなどでは既にこの教育に大変力を入れています。昨年フィンランドでも小学校のプログラミングが必修化されました。一方、イギリスでは、子ども達に教える前に教員へのプログラミング教育を推進する動きが見られています。プログラミング教育は、教員の指導力に左右される部分が如実に表れ、本当に文科省が示している目的通りに子ども達が正しく学べるのかという不安が拭えません。①こちらもどのように予め教員の研修を行い、授業にも盛り込んでいかれるのか対応を伺います。②併せて、これを機に、各自治体で導入が広がりつつある小学校、中学校全児童・生徒へタブレットの配付もあり得るのか、本区の計画も伺います。

最後に、新学習指導要領実施に向けて子ども達が困ることがないように、教員が現場でしっかり対応していくことができる万全の体制構築を改めて強く要望します。それに加え、今回の改訂に限らず、これまでも文科省が様々な教育方針を示し、最後は結局自治体や現場任せということが多く散見されるので、対応にあたる立場として、現場で明らかになった課題を抽出し、必要であれば国へ意見をあげていくことも大切ではないかと考えます。勿論、これらの考え方の根底には国際化が加速し、それに対応しながら世界市民的発想で教育をグローバルに捉える考え方を具体化する方向で練られてきたことであろうことは承知はしていますが、その上で教育長の考えを伺います。

以上で、私からの一般質問を終わります。ご清聴有難うございました。

 

 

定例会一般質問 佐藤篤

1.法令等に基づく対応について
(1)肝炎対策の推進に関する基本的な指針の改正について
(2)再犯の防止等の推進に関する法律について
(3)成年後見制度利用促進基本計画について
2.区政運営のあり方について
(1)住民基本台帳及び選挙人名簿抄本の閲覧について
(2)公募委員のあり方について
(3)都市公園の充実について
(4)校庭の芝生化について
(5)墨田区食育推進計画について
3.自治体間広域連携について
(1)区長の基本姿勢について
(2)オリジナルナンバープレート「隅田川ナンバー」構想について
4.「知の拠点」としての図書館について
(1)視覚障害者に対する知る権利の保障について
(2)墨田区立図書館条例に基づく対応について
(3)図書館司書と学校司書の連携について
(4)図書館の時間外利用について

私は、区長及び教育長に対し、大綱4点にわたり質問します。

 

第一に、法令等に基づく区の対応について3点伺います。

 

まず、「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」の改正について質問します。
墨田区議会では、平成26年第二回定例会での「ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する陳情」を皮切りに、党派を超えた支援運動を展開してきました。翌27年9月には参議院で、さらに28年6月には衆議院で請願が採択され、「国民病」とされるウイルス性肝炎患者の救済に一筋の道が開かれました。
これら動きを受け同月、肝炎対策基本法に基づく「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」が改正されました。同方針では、自治体に①肝炎対策に対する具体的な指標等の設定を行うよう求めていますが、これについての本区の対応を伺います。また、②肝炎医療コーディネーター等の人材育成についても同様に伺います。さらに、同指針では、国が多様な検査機会の確保の観点から、健康保険法等に基づき行われる健康診査等に合わせて肝炎ウイルス検査が実施されるよう取り組むこととなっています。本区においては、すみだけんしんダイヤルに連絡をすることで同時受診が可能となっていますが、健康診査を申し込みの方に、同時受診を勧奨するなど、肝炎ウイルス検診の受診率向上に寄与する方策を検討すべきだと考えますが、区長の見解を求めます。
次に、再犯の防止等の推進に関する法律について伺います。
昨年12月施行された同法は議員立法で成立し、主な内容は、刑務所出所者、少年院出院者及び保護観察対象者の再犯防止のための取組みを自治体の責務として規定したものです。そこで伺いますが、①まず本区の同法に関する所管課をお示しください。更に、②同法第4条第2項で自治体の責務となった自治体の地域特性を踏まえた施策の策定と実施について、その内容と実施時期を区長に伺います。また、③同法第8条で市町村の努力義務と定められた地方再犯防止推進計画の策定を本区でも行うべきだと考えますが、区長の見解を求めます。
更に、成年後見制度利用促進基本計画について伺います。成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づき、今年3月、成年後見制度利用促進基本計画が定められました。同法第14条第1項では、①市町村計画を定める努力義務が規定されていますが、本区の対応について区長に伺います。また、②同条第2項では、自治体においては条例を定め、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な事項を調査審議させる審議会その他の合議制の機関を設置することが努力義務となっており、同計画でも、市町村計画の検討・策定を進める中心機関とし、取組み状況の点検、評価等を継続的に行うことが望ましいとされています。この点について本区の対応について区長に伺います。また、同計画では③地域福祉計画との有機的な連携の必要性についても指摘がされていますが、これへの対応についても区長の見解を伺います。

 

第二に、区政運営のあり方について5点伺います。

 

まず、住民基本台帳及び選挙人名簿抄本の閲覧について伺います。
住民基本台帳の閲覧制度は、個人情報保護の観点から、住民基本台帳法第11条の2により、現在、統計、学術、公益及び訴訟の目的に限って認められています。閲覧にあたっては、墨田区住民基本台帳の閲覧に関する事務取扱要綱第10条により、台帳からの転写が認められていますが、同条第4項の規定の解釈により、デジタル機器での筆記が不可となっています。これにより、例えば、自衛隊による自衛官募集のための閲覧及び転写は、すべて自衛官が膨大な日数をかけて手書きをしており、また統計及び学術についても同様で、これら公共的利用において、大きな負荷となっています。これら手書きデータは再びそれぞれの機関においてデジタルデータとして再入力することが通例であり、閲覧者にとっては「二度手間」となっています。これまで週2コマまでとされていた閲覧日数について、緩和規定が設けられ、これら利用の利便性向上について改善されたことは評価しますが、根本的な解決策にはなっていないと考えます。
他方で、同様の閲覧制度である、選挙人名簿抄本の閲覧では、選挙人名簿抄本の閲覧に関する事務取扱要綱第5条第3項の柔軟な解釈により、現在、デジタル機器での筆記が認められています。平成18年、個人情報保護の観点から改正された公職選挙法は、閲覧に関する事務処理の基本的な手続及び措置・勧告等の規定を、住民基本台帳の閲覧に準じた形で法令上整備したものであり、いわば、子分である選挙人名簿抄本の閲覧で認められているのに、親分である住民基本台帳の閲覧で認められていないという、ちぐはぐな状況となっています。
統計、学術、公益等に資するため、今一度両制度の整合を図り、デジタル機器による筆記を認めるべきだと考えますが、区長の見解を求めます。
次に、公募委員のあり方について、伺います。
住民自治の観点から、行政における意思決定過程への参加が叫ばれ、本区でも区長の附属機関等で数多くの公募区民の皆様にご活躍いただいています。まず、①委員公募制度の趣旨と、現在②会議体ごとに公募委員を入れるかどうかの判断基準を区長に伺います。
旧自治省のキャリア官僚をやめ、全国津々浦々の市町村を現場の行政官として歩き、住民自治のあり方を模索してきたエピソードが描かれる、元愛知県常滑市副市長・山田朝夫氏の著書『流しの公務員の冒険』(時事通信社・平成28年)の中で、常滑市民病院を再建した際のエピソードは、新事業におけるコンサルタントの使い方や公募委員のあり方など、一読に値します。街を二分する市民病院の廃止か再建か―そこに入ったのは、無作為抽出で選ばれた公募市民で構成される「100人会議」でした。100人会議は、見解が分かれる中で実地の見学等を経ながら討議を重ね、徐々に見解をまとめていきます。まさに、熟議民主主義の体現です。著者曰く「特定のテーマについて議論する委員会にわざわざ自ら手を挙げて参加する市民は、そのテーマに精通し、思い入れを持っている人が多く、その意見はかなり偏っている場合が多い。」と指摘しています。そこで、本区でも、特に重要性の高い施策や住民の多様な意見が求められる施設について、無作為抽出型の公募委員制度を導入し、一般の民意に近い附属機関のあり方を模索してはどうかと提案しますが、区長の見解を伺います。
更に、都市公園の充実について伺います。
昨今、大横川親水公園や錦糸公園に至近であることを売りにしているマンション広告を多く目にするにつけ、公園はこの街の誇れる魅力であると感じます。同世代の保護者の方々に伺っても同様で、都市公園の充実は本区の価値を上げることにつながります。
平成22年に策定された『墨田区公園マスタープラン』では、公園の誘致圏を 250m、児童遊園・こども広場の誘致圏を 100mとしたときに、その誘致圏に含まれない地域をアクセス不便地域と定義し、平成37年までにこの解消を目標としています。しかし、密集事業を除けば新設公園等は平成19年に取得したひきふね児童遊園が最新であり、この間、素晴らしいプランをもちながらも、予算化されない事態となってきました。区長、都市の魅力向上による定住促進を考えたとき、公園マスタープランを今一度真剣にかつ着実に実行すべきではないでしょうか。もちろん、土地取得は相手方のある話ですので、計画通りに行くとは限りません。しかし、具体的な計画なくして、同プランの目標は達成できないのではないでしょうか。具体的には、同プランを基礎とした、年次の実施計画を立て、取得予算を計上し、重点エリアを決めて、年度ごとに具体的に地域を回り、土地取得交渉等を進めることを求めますが、区長の見解を求めます。
また、本年4月、都市緑地法改正で創設された 「市民緑地認定制度」では、これまでの財団、社団及びNPOに加え、民間企業も市民緑地を設置・運営することができることとなり、300平米以上の市民緑地については固定資産税の軽減措置が講じられ、一定面積以上の植栽やベンチの設置について国の社会資本整備総合交付金を活用することができることとなるなど、土地提供者及び設置・運営者にとってのインセンティブが増しました。都市における公有地の確保が困難となっている昨今、この制度を具体的に検討するため『墨田区緑の基本計画』を改定し、これを位置付けるべきだと考えますが、区長の見解を伺います。
次に、校庭の芝生化について伺います。本区では、東京都の緑の学び舎づくり事業補助金を活用し、校庭の芝生化を実施しています。これまで小学校25校中7校で事業が完了したと聞いていますが、まず、今後の事業化計画と芝生化完了の目標年次について教育長に伺います。
校庭の芝生化により、子どもたちにとって運動への親近感が増し、それによる運動量の増加がもたらされることが、科学的に証明されていますが、芝生の管理に関する人員確保や維持管理予算、養生の間は使用ができないなどの問題点も、指摘されています。他方で、アスファルト舗装の校庭は、水はけの悪さや夏場に高温になる問題、何より児童・生徒への負担となることが指摘されており、早急に改善すべきこともまた事実です。さらに目黒区や足立区では学校について順次、人工芝化する計画を定めているなど、昨今、校庭を取り巻く環境は変化しています。そこで、校庭の現状に関する認識と、天然芝以外のゴムチップ舗装及び人工芝化等による校庭の機能改善の可能性も含めて、そのメリットやデメリットを今一度検証し、議会に報告することを求めますが、教育長の見解を求めます。
この質問の最後に、墨田区食育推進計画について伺います。
今定例会にも報告されている同計画は、平成19年度の策定以来、行政主導から区民主導へ、「協働」から「協創」へと着実に進化しており、新たに3つのリーディングプロジェクトを設定するなど、先進自治体らしい特徴のある計画となっていて、大きく評価しています。
しかしながら、今年度から、21担当で行われてきた庁内食育推進会議が9の庶務担当課長のみに縮小するなど、本区が内閣府はじめ内外から評価されてきた「庁内の連携体制」が、大きく縮小されたことに懸念を覚えます。縮小の理由は、4月に傍聴した食育推進会議での議論によれば、出席者が少ないからという答えでしたが、先進自治体としては、出席者を増やす努力こそが求められるのではないでしょうか。体制変更の理由と今後見直す余地がないのか、区長に伺います。このような状況を鑑みると、併せて東京都栄養担当者会議において先進事例として評価されている、多職種連携により住民による協創の核となる、災害時食支援ネットワーク検討会も縮小の方向ではないのか心配になります。同検討会のあり方について、今年度の体制に変更はないのか、区長に伺います。
先の第一回定例会の福祉保健委員会で、山本区長は福田議員の質問に対し、「私からもしっかり指示をして、担当と一緒に、この計画を含めてすみだの食育の取組を力強く前進させたいと考えています。」と表明されましたが、これでは体制の縮小と評価せざるを得ません。今一度区長の強い決意を伺いたいと思いますが、見解を求めます。

 

第三に、自治体間広域連携について伺います。

 

昨今、過疎化の進行により、住民サービスを提供することが困難となる事例が相次いでいることから、平成26年5月、地方自治法が改正され、連携協約が導入されました。いわば「自治体間の条約」ともいわれる連携協約は、全国の自治体において行政サービスの効率化に大きな一助となるでしょう。
他方で特別区をみると、広域自治体である東京都において一定の調整がなされることが期待されるものの、区同士で一定の圏域を設定し、広域的処理を行うべき事業も散見されます。
この5月、墨田区議会観光対策等調査特別委員会が策定した『「区内循環バス」に関する報告書』では、次々期の協定改定に向けて、他区への乗入れを積極的に検討すべきとされています。その他、総合運動場等のスポーツ施設や大規模ホールについては、個々の区における計画でそれぞれが保有するよりも、むしろ広域的に検討し、それぞれが利用の乗入れを行うことが有用なのではないでしょうか。例えば、すみだスポーツ健康センターは江戸川区平井から、逆に亀戸中央公園にある亀戸スポーツセンターは墨田区立花からの利用もかなり多いと把握しています。昨年、江東5区大規模水害対策協議会が設置され、『江東5区大規模水害避難等対応方針』が策定され、自治体間広域連携の機運は醸成されています。区長の強いリーダーシップで、さまざまなテーマに関する江東5区における自治体間広域連携について検討してみてはいかがでしょうか。区長の見解を求めます。
そこで、広域連携の例として、ひとつ、住民の皆様からいただいたおもしろいアイディアを提案しようと思います。それはオリジナルナンバープレート「隅田川ナンバー」構想です。
いわゆるご当地ナンバーは、地域振興や観光振興等の目的から、平成16年11月、期間限定で一定の要件の下で、認められ、有名な例では富士山ナンバー、近隣では川越ナンバー、柏ナンバーなどが誕生しています。全国からの強い要望を受け、平成25年2月には、期間限定ではなく常時受け付けることとしました。その要件は、①原則として、単独の市町村ではなく、複数の市町村の集合体であることや、②対象地域内の登録自動車数が10万台を超えていること、③行政区画や旧国名などの地理的名称であり、当該地域を表すのにふさわしい名称であり、かつ全国的にも認知されているものであること。④ナンバープレートに表示された際に十分視認性が確保されるよう、原則として「漢字」で「2文字」であり、例外として最大で「4文字」までであること、などです。
東京都が提唱する隅田川ルネサンスの流域区である、台東区、墨田区、中央区、江東区及び荒川区の5区で「隅田川ナンバー」を提唱すれば、これら要件を満たすこととなります。こうした区民運動を巻き起こし、隅田川流域の水辺を核とした観光振興とエリアとしての認知度向上を図ることは、区民のシビックプライドを醸成し、広域連携の核となる地域の連帯感を生みだし、かつ域外へのシティプロモーションの一環にもなると考えますが、区長の見解を求めます。
更に、この5月、国土交通省は、地方版図柄入りナンバープレートの募集を開始しました。これは、平成30年10月より、ナンバープレートに図柄を入れるもので、すでに全国でラグビーワールドカップ版及びオリンピック・パラリンピック版の導入が決定しているほか、各地域で独自の図柄選定をすることができることとなっています。これも主に上記同様の要件となっており、「隅田川ナンバー」は、これら要件を満たすと思われます。これについても併せて区長の見解を求めます。

 

第四に、「知の拠点」としての図書館について伺います。

 

まず、視覚障害者に対する知る権利の保障について伺います。憲法から導出される知る権利をあまねく国民の保障する機関のひとつが、図書館法第17条によって使用無料の原則が適用される、公立図書館であります。
しかし、視覚障害者にとって、知る権利を享受することは極めて難しい状況となっています。国立国会図書館『公共図書館における障害者サービスに関する調査研究』(2011年)によれば、障害者サービス実施公共館数は、この約40年間で7倍増しているものの、同書では、対面朗読サービスや図書・映像の郵便貸出し、録音・点字の郵便貸出し及び自宅配本サービスについて調査したところ、実施館の約18~37%の館で1年間に実利用者がいなかったとされています。この事実は、全国の図書館で視覚障害者向けサービス自体の提供は増えているものの、視覚障害者の需要に応えられていないのではないか、との推測の根拠となります。
これを特に対面朗読サービスについて、本区において調査してみました。すると、墨田区の視覚障害者は平成27年度末現在544名ですが、延べ人数で341名の利用となっています。これはあくまで延べ人数であり544名のうち、実人数でどのくらいが実際に利用しているのかは不明です。そこでまず実人数について調査し、利用していない方については、利用に障壁があるとすればどのような点かを、区長部局と連携して調査すべきだと考えますが、教育長の見解を求めます。
また、視覚障害者は移動に不自由があり、図書館に来ること自体に困難を生じる事例があるため、図書館の利用を躊躇しているという指摘もあります。本区の配本サービスについて調べてみると、障害者全体の統計で1,226件となっており、障害事由別の統計はありません。お聞きするところによると、肢体不自由の方が多いようですが、これについても改めて、障害事由別の利用者数と、利用していない方はなぜ利用しないのかについて、区長部局と連携して調査を行うべきだと考えますが、教育長の見解を求めます。
更に、音訳及び点訳にかかる時間も視覚障害者の知る権利の享受に大きな支障となっています。例えば学生や社会人として活躍する視覚障害者にとっては、参考書や学術書をすぐに読みたいが、点訳・音訳には数か月の単位で時間がかかり、知る権利を十分に享受することができません。この問題についても本区について調査すると、約3か月かかるということです。こうした状況を早急に改善すべきと考えますが、教育長の見解を求めます。
これら課題を解決する手段が図書館におけるICTの活用です。誰でも自宅で電子書籍を閲覧することができるようにネット上で貸出し事業を実施し、音声読上げソフトにより電子書籍を読むことで、視覚障害者に資する事業を行っている自治体も増えつつあります。特別区の中では豊島区のTRC豊島電子図書館が参考になります。こうした事業は、視覚障害者の知る権利の保障に奉仕するだけではなく、忙しいビジネスマンや、お子さまがいて外出が困難な保護者にも有用なサービスであり、図書館事業の満足度を上げることにもつながると考えます。こうした電子図書を自宅で簡単に借り受けることができる事業について、教育長の見解を求めます。
次に、墨田区立図書館条例に基づく対応について、区長及び教育長に伺います。平成27年第四回定例会で墨田区議会は、区長提案の同条例を6会派26名の合意で修正議決しました。この成果は、昨年、パシフィコ横浜で行われた全国規模の図書館に関する見本市「図書館総合展」で約200名を前に発表されたほか、ぎょうせいの発行する『ガバナンス』平成28年12月号にも掲載、私自身、東京、名古屋、栃木等で市議会議員向けに講演を行う機会をいただくなど、墨田区議会の取組みは、多くの自治体議会のやる気を喚起しています。特にパシフィコ横浜でお話を聴いてくださった、愛知県の図書館司書さんから講演後「議会が図書館のことをこんなに考えていてくれたとは感動しました。ますます仕事に精励したいと思います。」と言われ、議会の取組みが職員を鼓舞したと知り、私も感動してしまいました。そこで、本日は、あれから1年経ち、この修正案が、どのように行政に生かされているのか伺います。
まず、第2条の目的規定について伺います。区長提案に対して、修正案では教育及び「等」との文言が追加されました。これを受けて、①教育に資する図書館との位置づけについてどのような見解をお持ちでしょうか、教育長に伺います。また、②「等」については、修正案の合意形成の過程に鑑みると、中小企業の街そして住宅都市として、産業や福祉に役立つ図書館との思いも込められています。昨今では、単に書籍から知識を得るという図書館だけではなく、農業や漁業に資する図書館など、その街の産業に資する図書館のあり方が模索されています。これらに役立つ図書館としての役割について、修正案を受けての教育長の見解を求めます。
更に、第3条の事業規定については、図書館法上努力義務になっているものの多くを義務化したほか、いくつかの独自規定を追加しました。例えば、第3条の第1項第5号では、区立の学校図書館との連絡、協力及び当該図書館への援助が規定されました。これは、図書館法第3条第4号を努力義務化したほか、「援助」という財政的支援をも含んだ表現が独自の規定となっています。この修正案を受け、区長は学校図書館への援助について、予算編成上どのように考えているか伺います。更に同条第11号において、すみだ北斎美術館を念頭に美術館を連絡および協力の対象に定めたほか、図書館法上努力義務となっている時事に関する情報及び参考資料の紹介及び提供についても特に規定しました。これら修正案に対する見解と対応について教育長に伺います。
次に、図書館司書と学校司書の連携について伺います。本区の図書館司書は、本区職員のほか、指定管理者職員で構成されています。また、中学校については、本区職員が学校司書として巡回しています。他方で、小学校の学校司書については、別の民間事業者の職員となっており、図書館司書と学校司書が連携の機会を確保することにより、より有機的な事業を行うことが求められると考えます。そこで、現在、図書館司書と学校司書が一堂に会して、研修等を行う機会はないと聞いていますが、①現場の課題を共有し、意思疎通を図るため、情報連絡のスキームを構築してはどうかと考えますが、教育長の見解を求めます。また、②司書教諭や教諭による教科研究グループとの連携はどのような状況となっていますか、現状について伺います。
最後に、図書館の時間外利用について伺います。現在、条例上、区立図書館は、最長でひきふね図書館が午後9時までの開館となっています。これ以外の時間帯、特に夜間利用について、見解を伺います。
時事通信によると、埼玉県杉戸町立図書館では、昨年12月、「受験勉強がんばらNIGHT」が開かれました。閉館後午後7時から10時までの時間、同じ「受験」という目標を持った学生20名が利用し、利用した受験生によると、「夜に勉強できる所が少なく、家よりも集中できる」と感想を語って企画を歓迎し、「朝も早くから開いているともっとうれしい」と企画の拡大を望んでいます。こうした事業は、夜遅くビジネスでの利用を行いたいビジネスマンについても同様に有意義であると考えます。
このほか、岐阜県の飛騨市図書館では、閉館後に行っているイベント「おとなの時間」の一環で、ジャズライブを行いました。奈良県の生駒市図書館では閉館後、市にゆかりのある人物を講師として招く大人の語り場「本棚のWA(わ)」を行いました。
もちろん、これら時間外利用は図書館の業務として行うものである必要はなく、貸出しや閲覧業務は行わず、最低限の職員のみの配置でよいと考えます。図書館が公の施設として、これまで利用してこなかった層にアピールし、いかにリーチするかについて、これまでにない発想で取り組まれてはいかがでしょうか。こうした時間外利用の取組みについて、教育長の見解を求めます。

 

(区長答弁)

1 法令等に基づく対応について

  (1)肝炎対策の推進に関する基本的な指針の改正について

   国は、同指針の中で肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを目標としており、都道府県に対し具体的な指標を設定するよう求めている。都は、東京都ウイルス肝炎対策協議会においてこの指標を検討していくこととしているので、区としては都の動向を注視しながら、適切に対応していく。

国は都道府県に対し、地域の実情に応じた肝炎医療コーディネーターの育成及び活用を求めている。現在、区の保健所等においては、医師や保健師などの専門職が、肝炎に関する普及啓発を行い、検診や医療費助成制度等の相談を受けている。これまで、職員を肝炎に関する研修等に参加させてきたが、今後もより一層人材育成に努めていく。

本年4月より、区民の利便性の向上をはかるため、肝炎ウイルス検診を「すみだけんしんダイヤル」で申込みができるよう変更した。健康診査を申込まれた方に、肝炎ウイルス検診の同時受診を勧奨することについては、今後検討していく。

 

(2)再犯の防止等の推進に関する法律について

 同法の所管課は、法の目的が安全で安心して暮らせる社会の実現であること、国の所管が法務省、東京都の所管が青少年・治安対策本部であることから、生活安全に係る施策を所管する「危機管理担当安全支援課」としている。

 再犯防止等に関する施策は、国との適切な役割分担を踏まえて実施するとなっていること、また、その内容は就労支援、住居の確保、保健医療や福祉サービスの利用支援等、多様な部署に関わるものとなる。国においては、「再犯防止推進計画」を本年 12 月頃に策定すると聞いているので、その内容や現在区で実施している施策を踏まえ、関係部署や関係団体と連携して実施していく。

「地方再犯防止推進計画」の策定は、国の計画策定後、都においても策定を予定しているので、速やかに国や都の計画と整合を図りつつ、地域の状況に応じた計画を策定する。

 

 (3)成年後見制度利用促進基本計画について

  内閣府は、本促進基本計画について、5月 23 日に、成年後見制度の利用支援事業の普及啓発・担い手の育成等を内容とする説明会を、区市町村向けに開催した。

国と都は、連携して区市町村の計画策定に協力していくこととなっており、本区としても、他の自治体の動向に留意しながら区の計画、条例及び審議会について、そのあり方も含め検討していく。

   なお、現在も地域福祉計画に成年後見制度の利用支援を位置づけて取組んでいるので、今後とも有機的に連携していく。

 

2 区政運営のあり方について

  (1)住民基本台帳及び選挙人名簿抄本の閲覧について

  住民基本台帳の閲覧では、基本的人権やプライバシー保護の観点から、リストの閲覧及び転写にあたり、カメラ、テープレコーダー、ハンディースキャナーなどの、デジタル機器の持込みを制限しているが、選挙人名簿の閲覧では、積極的に閲覧を認める立法趣旨から、パソコン等による筆記を認めている。未成年者等も対象となる住民基本台帳の閲覧では、区市町村に、より厳正な取扱いが求められているので、閲覧の際のデジタル機器の持込みについては、国や都の考え方、他区の取扱いなども参考にして、両制度の趣旨を踏まえ、適切な取扱いを検討していく。

 

 (2)公募委員のあり方について

  平成22年に定めた、協治(ガバナンス)推進条例の3つの基本原則である、情報の共有、参加、協働の趣旨に基づき、区民の皆さんに区政に参加していただく手法の1つとして、区民委員を公募している。公募実施の基準については、「区政への参加手続に関するガイドライン」に基づき、個人情報を取り扱う場合や極めて専門的な知識、技能等が要求される場合などを除き、原則として公募により行うこととしている。新基本計画の策定にあたって、無作為抽出による区民アンケート調査の際に参加を募る手法をとった。今後も、区政全般に関わる重要な計画の策定等においては、このような公募委員制度の手法も活用したいと考える。

 

 (3)都市公園の充実について

  市街化が進んでいる区内においては、土地所有者の意向等から、公園用地取得の年次計画を定めることは困難だが、公園マスタープランを着実に推進するため、国庫補助制度である住宅市街地総合整備事業の区域を重点的に、この事業計画と期間の中で公園用地の確保に向けた取組みを進める。さらに、公有地の拡大の推進に関する法律の届出や開発行為等の機会を捉えて、アクセス不便地域の解消に努めていく。

都市緑地法に基づく市民緑地認定制度の活用について、今回創設されたこの制度は、平成32年度に予定している「緑の基本計画」の改定に合わせ、本区の地域特性を踏まえた上で、施策としての実効性等を十分に検討し、緑化推進の有効な制度活用につながれば取り入れていきたいと考える。

 

 (5)墨田区食育推進計画について

  庁内食育推進会議の体制を変更した理由は、食育推進計画を検討するにあたり、限られた時間の中で、より深い議論を行うためであり、メンバーを庶務担当課長や関連部署の管理職にさせていただいた。すみだ食育推進会議の皆さんからのご意見をいただいたので、連携強化の観点から今後体制を再検討する。

災害時食支援ネットワーク検討会の体制は変更しない。なお、29 年度は、この検討会のもとに「食の提供」に絞った部会を設け、推進したいと考える。

食育推進に対する決意について、この施策は、各方面からの高い評価を得ているとともに、子育てや教育、保健福祉、文化観光産業など、裾野の広い分野とつながる重要な取組みであると考える。今後とも、食育に携わる幅広い皆さんからのご意見を伺いながら、引続き全庁挙げて力強く進めていく。

 

3 自治体間広域連携について  (1)区長の基本姿勢について

  平成26 年の地方自治法改正により設けられた「連携協約制度」は、人口減少・超高齢化社会に対応し、地方圏から三大都市圏への人口流失に歯止めをかけるための手段として位置づけられている。この法改正においては、地方圏以外の三大都市圏における自治体間連携の仕組みを制度化することは課題として残され、平成28年3月の第31次地方制度調査会の答申で「三大都市圏では、水平的・相互補完的、双務的に適切な役割分担を行うことが有用である。」と述べられている。このようなことから、東京23区エリアにおける連携協約制度の活用可能性をはじめ、提案の江東5区における連携については、様々な観点から今後の研究課題とさせていただく。

 

 (2)オリジナルナンバープレート「隅田川ナンバー」構想について

  「隅田川ナンバー」については興味深い提案だが、関係する区、すべてでの機運の盛り上がりと、利用する住民の理解が必須であり、さらに他区の意向や他の流域自治体との関係をはじめ様々な課題があるので、実現可能性について研究したい。地方版図柄入りナンバープレートについても、同様に考えている。

 

4 「知の拠点」としての図書館について  (2)墨田区立図書館条例に基づく対応について

  平成27年12月に改正した図書館条例においては、特に、区立図書館と学校図書館との連絡、協力さらには学校図書館への援助を行うことを新たに規定している。これを受け、学校司書要員として図書館職員の派遣等を充実するなどの対応を行った。今後とも、予算編成においては、教育委員会からの要求に対し、本条例の趣旨を踏まえ、適切に措置していく。

 

 

(教育長答弁)2 区政運営のあり方について

 (4)校庭の芝生化について

  本区では、平成17 年度から小学校の校庭整備にあわせて、芝生化を実施しており、現在までに7校で整備している。新しく校庭整備を行う場合、メインのトラック部分については遮熱性や弾力性、浸透性等に優れたゴムチップ舗装を行っており、トラックの外周部分やインフィールドなどの可能な部分に芝生化を行っている。芝生化にあたっては、部活動で頻繁に利用することが少ない小学校で、一定以上の広さの校庭を有し、芝生化を行うスペースがある12の小学校に、東京都の「緑の学び舎づくり実証実験事業補助金」を活用し、順次整備している。区の「緑の基本計画」に基づき、公共施設の緑化の推進の考えのもと、校庭の傷み具合を確認しながら、優先順位をつけ、校舎改修がある場合は実施した後に行っている。現状の認識としては、実際に芝生化した小学校では、気持ちをゆったりして寝転んだり、外遊びをする児童が増えるなど、情操教育の向上や体力向上に一定の役割を果たしてきたと考えている。しかし、校庭改修については、様々な課題の検討も必要であると認識していることから、本年度、校庭の詳細な状態調査を実施する予定である。その中で、天然芝や人工芝、ゴムチップ舗装などのそれぞれのメリット、デメリット等を比較し、検証したうえで、他の自治体の例も参考にしながら、今後の校庭整備の考え方を検討していく。その際には機会をとらえて、議会にもお示しさせていただきたい。

 

4 「知の拠点」としての図書館について  (1)視覚障害者に対する知る権利の保障について

  視覚障害者を含めた障害事由別障害者の図書館利用者の実人数については、現在、図書館統計として把握しておらず、今後統計として把握していく。また、利用されていない方の図書館利用の障壁になっている事由や利用しない理由については、区長部局と連携して調査を行い、把握に努めたい。ついては、調査の内容や方法について検討していく。

音訳や点訳に係る時間は、ボランティアを中心に作業を行っており、3か月程度かかっている。時間短縮に向けて、どのような改善を図れるか検討していく。ひきふね図書館では、国立国会図書館の電子書籍について閲覧することができる。電子書籍は、視覚障害者の利用に資することをはじめ、他の方にも有用なサービスであると認識している。しかし、自宅で利用する場合の電子書籍の課題として、利用者が端末を用意し、ネット通信の環境を整備しなくてはならないこと、また電子書籍の発行元によって規格が異なることな、提供コンテンツが少ないなどの課題がある。今後の改良や普及状況などを踏まえながら、導入に向けて引き続き検討を進めていく。

 

 (2)墨田区立図書館条例に基づく対応について

教育に資する図書館の役割は、地域の実情や区民の要望を踏まえて、学校教育を援助し、家庭教育の向上に資するような役割を果たすことにある。図書館の運営についても、教育、教養、文化の発展に寄与するための取組をはじめ、区民福祉や地域産業等の課題解決を支援していく取組を進めていくことが必要であると認識しており、ボランティア等との協

働による様々なイベント・事業を行うことなどにより、多様な分野の取組に努めている。さらに、講演会や特集展示等を通じて、北斎美術館等の文化施設との連携を図るとともに、時事に関する情報等の紹介及び提供を行い、利用者の利便性を高めていきたいと考えている。

 

 (3)図書館司書と学校司書の連携について

現状では、図書館運営協議会で小・中学校の校長が委員であることや、各学校への個別的な支援をしていることから、一定の連携はしているが、小中学校の学校司書要員の合同での連絡会はないため、区立図書館の司書等と学校司書要員とのより密接な情報連絡のスキームの構築を検討していきたいと考えている。教科研究グループとの現状の連携については、小学校では小学校教育研究会の図書館研究部で、また、中学校ではビブリオバトル等図書館関連の連合行事実施に向けた中学校教育研究会の図書館研修部で、図書館担当教諭と学校司書要員との意見交換を行うなど、教科研究の向上に役立てている。

 

 (4)図書館の時間外利用について

現在、ひきふね図書館においては、日曜・祝日を除き、夜間においても主にビジネスマンを対象として講演会や読書会などのイベントを実施しており、今後とも夜間に実施するイベントについては充実させていく。なお、時間外の利用については、区民の利用意向や利用目的の整理、人的配置等の運営体制の確保が課題となることから、他自治体の実例を踏まえて研究していきたいと考えている。

定例会代表質問 坂井ユカコ

墨田区議会自由民主党の坂井ユカコです。会派を代表し、大綱6点について質問いたします。区長、教育長には未来を見据えた、建設的な答弁をお願い申し上げます。

 

■公共施設について

 

本年3月に、すみだ健康ハウスの天井を支える金具が腐食し、崩落する危険が判明したため、休館したままになっています。区及び指定管理者による通常の保守点検は適切に行われていたものと思われますが、温浴施設である特殊性と、今回のような事案が発生した事実を考慮すると、保守点検の周期と内容が適正であったか疑問が残ります。
福祉関連の施設や、スポーツ関連の施設など、特殊性のある施設について、安全に管理されているかを確認する必要があると考えますが、現状はどのようになっているのか、区長に伺います。
また、それ以外の施設についても、今一度、定期点検の周期と内容が適正であるか確認すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
社会情勢の変化に伴い、様々な新しい行政ニーズが生まれている昨今、本区では、既存の施設に新たな機能を持たせて対応している状況です。

しかし、老朽化した施設の多い児童館や集会所などでは、階段の位置、部屋の配置、配管といった建物の古さゆえの要因で、十分な場所が確保できない、動線が悪いといった状況も見受けられ、行政ニーズを満たしているとは言い難い上に、既存の機能も低下している、非常に中途半端な状態に陥っているのではないでしょうか。

墨田区公共施設等総合管理計画及び第2次墨田区公共施設マネジメント実行計画によると、公共施設は、長寿命化により、使用目標年数を60年と設定しています。

一方で、建物の劣化状況等により、長寿命化を図る場合と比べて建替えがより効率的であると判断される場合については、目標使用年数によらず建替えを行うことも明記されています。

将来的な維持管理費といった費用面も非常に重要ですが、我々は行政ニーズを満たし、区民福祉を増進させることを第一と考えています。
機能の面をより重視して、新たな行政ニーズにも十分対応していけるように、積極的に建替えを行う施設であるのか、長寿命化を図る施設であるのかの仕分けを改めて行っていただきたいと考えますが、区長の所見を伺います。

公共施設ということでもう一点伺います。第一回定例会において、新保健センター等複合施設整備方針の検討状況が報告され、一定の議論がありました。また、今定例会では、新保健センター等複合施設整備基本計画案の報告があります。
計画案で一定程度は示されると思いますが、現時点で想定している建物の規模、複合施設の各機能やボリューム感等、どのようになるのか、区長に伺います。

我々は、保健所機能の統合と、休日診療所等の保健衛生関連施設、子育て支援総合センターや、新設する障害者基幹相談支援センター、特別支援等就学相談、教育相談、
ステップ学級などである福祉と関連の深い教育委員会所管部分で、複合施設化するという方針については、理解しています。
一方で、すみだ教育研究所や教科書展示、教職員の研修室といった、学習関連についても複合施設化する方針が示されています。しかし、これらの機能を新保健センターと合築するメリットについて、明確になっていない部分があります。この点について教育長の説明を求めます。
特に、研修室について、横川小学校に設置してある現状では、どのような不足が生じているのか教育長に伺います。
また、移転により教職員研修が充実することで、教員の資質や本区の児童・生徒の学力向上にどのように繋がるのか、数値目標などがあればお示しください。

その他、人材確保や特別支援教育との関連など、研修室設置のメリットを明確にしていただきたいと思います。教育長からの説明を求めます、
また、教職員の研修であれば、平日夜間の利用が主になると思われます。
年間使用する時間はどの程度を想定しているのか、研修で使用しない時間はどのように利用すると想定しているのか伺います。
例えば、新保健センターの会議室と共用する、一般へ開放するなどは、考えているのでしょうか。

加えて、研修室の使用は、あくまでも教育委員会が行うものに止まり、教職員のみのグループによる自主的な研修については、研修室を一般開放する場合は、優先利用は行わず、通常の申し込みでしか認めないと理解してよいのか、教育長に伺います。

 

■住宅宿泊事業法について

 

政府は3月7日、旅館業法の一部を改正する法律案を閣議決定し、住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が、今国会で成立、早ければ来年春から施行される見込みとなりました。

かつて区長は、国の制度が明らかになった時点で、区としての対応を速やかに決定していくと答弁されていますが、民泊新法の概要が明らかになり、国の動向が確定した今、区長は、どのような方向性をもって民泊行政を行おうとお考えでしょうか。現状の認識も含めて伺います。

併せてどのような事務分担で監督指導を行うのか、従前の保健所における動きと、新法施行後の動きは、どのように、どれくらい変わるのか、現時点で分かる範囲内でご説明下さい。

本区は、成田・羽田両空港への交通至便、上野、浅草、秋葉原などに近く、訪日観光客の好む環境、民泊事業者にとっても魅力的な立地です。その証拠に、民泊仲介サイトで本区を検索すると、約300室がヒットしますが、それらのほとんどは、無許可の違法民泊であると言われています。

わが会派も、さまざまな場面で違法民泊を取り上げてまいりました。
この事により、情報提供を呼び掛けるチラシの制作や、旅館業法第3条に基づく許可施設一覧の公開等、旅館業法という枠の中で、違法民泊の実態把握へ向け、行政側も一定の努力をされたと認識しております。
それだけに、このたびの新法施行で、民泊事業者の把握が、着実に進むことを、我々も期待しています。

新法概要の中でも、特に・苦情対応・名簿作成・標識掲示については、本区選出の松島みどり衆議院議員が、当事者側として日々地域で起きている生の声を強く訴え、原案段階から大きく係わってこられました。

3年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックを睨み、遊休資産である空き家・空き部屋を健全に、しかも有効に活用する為の対策が喫緊の課題であります。

このたびの新法施行を、より地域に根差した、実効性のあるものにすべきと考えますが、条例制定も含めた、区長の考えをお聞かせ願います。

 

■大学誘致について

 

本年3月22日に、墨田区は国立大学法人千葉大学と「包括的連携に関する協定」を締結しました。平成33年には日本初の「デザイン・建築スクール」が旧すみだ中小企業センターに開校予定で、本区の悲願であった大学誘致が実現することになります。

開校に向けた協議が始まり、旧すみだ中小企業センター改修基本計画及び大学誘致用地活用構想策定に向けて動くなど、本区としても一定の準備を進めているように見受けられます。
開校までの工程表など、協議状況について、早期に議会でご報告頂きたいと思います。
また、旧曳舟中学校・旧西吾嬬小学校の跡地についても、何らかの方法で活用できるよう、協議を進めていただきたいと考えます。区長の所見を伺います。

開校は平成33年が予定されており、時間に余裕があるわけではありません。早期に旧中小企業センターの改修に着手し、十分に千葉大学が開校準備を行えるように本区も協力する必要があります。
スピード感を持った改修基本計画を策定し、改修をできる限り早期に着手するべきであると考えます。区長の所見を伺います。

また、大学誘致の用地に複数の大学を誘致する「大学の杜」構想が予算特別委員会で明らかになりました。
現在、何校とどのような協議が進んでいるのか、これからも募集するのか、区長に伺います。加えて、「大学の杜」構想について、千葉大学は、どのような意向なのか伺います。

 

■国や都の制度活用について

 

本区の行う「OishiSumida」事業をその一例として紹介しながら、質問を進めてまいります。

「OishiSumida」は、区内50店舗に対し、多言語メニューを制作し、認定ステッカーの掲出、冊子や、専用のWebサイトで紹介するもので、本年度も予算が計上されています。

丁寧な取材や国際交流等、「OishiSumida」事業すべてを否定するものではありませんが、多言語メニューは、「都の12か国語対応多言語メニュー作成支援」が既に用意され、無料で活用が可能であることを、過去予算特別委員会でも指摘いたしました。

店頭掲出ステッカーには、経済産業省の「おもてなし認証」があります。
これは、サービス品質を見える化する取り組みで、すでに都内2800社近くが無料登録しています。「登録マーク」は、国からのお墨付きという意味で、外国人旅行者には、安全・安心の評価基準となりえます。
さらに、「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の採択要件であるなど、公的支援に対する優位性も評価できます。

この一例に限らず、国や都が用意している制度や支援メニューと、一見して類似した印象を受ける事業を、区独自で行うことに疑問を感じます。
おそらく区民の理解は、得られにくいのではと考えます。区長はどのようにお考えでしょうか。

国や都の用意する支援制度を一部活用する、アレンジするなど、連携によって、施策をより豊かなものにする事はできないのでしょうか。

現在横出し予算で行う支援などの区の創意工夫に加え、例えば、都で良い事業があれば、事務作業を区で引き受け、都交付金として区財政に反映させるであるとか、都がやっていることが、どうしても邪魔になるということであれば、その旨申し入れるであるとか。
国や都への要望活動など、必要な支援メニューを、区側から積極的に発信していくこと。
事業の精査だけでなく、本区財源の有効活用の点からも大変重要と考えます。
この点について、区長の所見を伺います。

本区には国会議員1名、都議会議員3名がいらっしゃいますし、区長ご自身も、元は区議会議員、政治家であるわけですから、政治家たる大きな、戦略的動きを、もっともっと見たい、見せて頂きたいと思っています。
日本でキラリと光るすみだ、東京で光を放つすみだとなるように、任期折り返しを迎えた区長に、あらためて決意をお伺いします。

 

■区制施行70周年記念事業について

 

式典、郷土文化資料館、動画コンテストなど、約2700万円を投じる大事業です。
先の予算特別委員会でわが会派は、60周年を踏襲した一部の区民を招待した式典を挙行するだけではなく、区民の力を引き出し、思いを共有して、皆でわがまちの70周年をお祝いしたのだ!という実感が持てる事業にすることを主張しました。
その実感こそが、地域力を高め、本区の魅力を高める道筋になるはずと考えているからです。

当時区長からは、どうやって区民を巻き込むのか、という具体的なところについて、もう少ししっかり話し合ったうえで、立て直していく、との答弁がありました。

その後、予算特別委員会で示された区制施行70周年記念事業は、どのように区民を巻き込む内容に変化していますか。
具体的にどの事業において、どのような区民参画のための創意工夫がなされ、どういった効果が期待できるか、区民が実感する70周年になるのかを、お示し下さい。
そしてまた、区民の自主的な提案を受け、区が積極的に支援するという仕組みが考えられないでしょうか。
その事により、オールすみだによる、区民と共に祝う意義ある70周年に繋がると思います。区長の見解を求めます。

 

■地域力について

 

 

「地域力を維持する商業施策」について

 

 

昭和50年代まで区内に4000店以上あった商店は、現在区商連加盟店は約1000店舗と、個人商店の数は減少の一途をたどっています。昨年末に示された本区の商業実態調査では、全般的な店舗の利用頻度については、個人商店の利用が減少し、モール、スーパー、コンビニの利用が増えている傾向です。

しかしながら、個人商店の経営者は、実際に町会活動など、地域活動に参加している方が多く、個人商店自体が、子どもや高齢者の見守りや地域の情報交換の場になっているなど、社会インフラの一部となっており、地域力の向上には必要と言えます。

区長はこの現状をどのように考えるのか、まずお聞かせ願います。

商店は、ものを売るだけにあらず。
地域密着の個人商店が果たしてきた役割の重要性は、繰り返し議論されてきました。
現存する個人商店や商店群の面的な広がりが、これ以上縮小してしまうことで、地域コミュニティの活力に影響が出ることを危惧しています。
このことは、将来的に、区長が目指す「地域力日本一」に影を落とすことになりかねません。
区長の見解をお伺いします。

人気の個店を目当てに人が訪れ、地域が賑わうことは決して悪いことではありません。
しかし、キラリと光る個店を支援するだけでは、地域力向上を目的とした場合、地域への貢献度が掬えません。
区長が「地域力日本一」を本気で目指すなら、持続可能なまちづくりを睨んだ動きが肝要です。

長年地域に貢献する商店への支援は勿論、地域活動参加を支援の条件にする等、商業施策と地域力向上を常にリンクさせた施策を行うべきと考えますが、区長の見解を伺います。
本年度スタートの地域コーディネーター活用や、区商連との連携強化、個別地域の特性や課題に合わせた柔軟な商業施策についても合わせて伺います。

このたび量販店などによる行きすぎた酒の安売りに歯止めをかけるための改正酒税法が6月1日に、施行されました。これまで量販店に合わせてビール類を仕入れ値とほぼ同じ価格で販売していた個人酒店では1日以降、ビールや発泡酒を値上げすることを決め、新たな値札を準備したり、店先に張り紙をするなど準備をしているそうです。

こうした国の動きも鑑み、キラリと光る個店を応援しながらも、活発な活動がままならない事情を抱える個人商店もフォローして頂きたいと思います。
イベント等だけではなく、広域連携や組織強靭化、何より、売上向上と地域力向上に直結した施策を行うべきです。
持続可能なまちづくりのために、区長の所見をお伺いします。

 

 

地域力を高める「場」と「人」の活用について

 

地域力とは、人と人がつながり、地域の課題を積極的に解決していく力、地域のために活動する人の力こそ、すみだの「地域力」の源であり、すみだの宝であります。

すみだの力応援基金を受け、1年を迎える「かあかのおうち」は、自宅開放型の子育てひろばで、月12日、年間150日近く、200円で0歳~3歳までの親子と妊婦さんの居場所や相談の場を提供し、800円で一時預かりを行っているそうです。採択金額は177000円で、費用対効果の非常に高い事業となりました。

また先日、とあるふれあいサロンで、参加されている高齢者から「ここに来るようになって、私の余生は変わりました」という感想を頂きました。平凡な毎日が、活躍の場を得たことにより、豊かに様変わりしたそうです。こうした元気高齢者もまた、地域力の担い手と感じました。

ふたつの話に共通することは、重要なのは、ハコモノではなく、自分たちの思い描いたことが実現できる「場」である、いうことです。

行政ニーズの多様化にも関連してまいりますが、これからの本区は、必ずしも公共施設に拘る必要はありません。
民間の場所を借上げたり、貴重なオープンスペースとして区内に74箇所ある町会自治会館等、地縁団体の集会所の活用も視野に入れて、地域の課題解決へむけた取り組みや、元気高齢者の活動に対する「場」の提供をすべきと考えます。区長の所見をお伺いします。

次は「人」についてです。

地域力を高めるための人材については、本区独自の地域人材育成カリキュラム、「ガナバンスリーダー養成講座全4期」、今期で2期目の「すみだ未来会議」が挙げられます。修了生は累計で69名いらっしゃいます。

「すみだ未来会議」修了生は、フューチャーセッションにおけるファシリテーターのスキルを取得されました。
そして、今年度からはおのおのの地域で、未来会議を開催する心構えであるとも仄聞しています。

そこで、これからは、地縁団体とのタウンミーティング開催等、地域との接点を用意することで、修了生が地域に飛び込んでいくキッカケ作りをしていただきたいと思います。

この方たちを、しっかりと後押しすることは、さらなる地域資源の発掘、新たな地域活動の発見につながります。
これまで長年にわたりユニークな人材育成を行ってきた本区ならではの後押しを期待します。その点について、具体的なお考えを伺います。

また、職員によるシティプロモーションアイディアワークショップでは、本区が抱える問題を、若手職人が議論されたと仄聞しました。
半年間運営に関わられた方は、ワークショップ中、「区長なら大丈夫」という職員さんからの声をよく耳にしたそうです。

山本区長なら、耳の痛いことでも受けとめてくれる、新しいチャレンジができる、そのように希望を持たれている。だからこそ若手職員さんも自ら志願し、今回のワークショップに参加されたのでしょう。山本区長に対する職員の期待の高さを感じました。

こうした志を持った職員さんも、本区の地域力の中で重要な位置づけと考えますが、このたびのワークショップのさらなる進化や、スタッフプライド醸成を図る次の一手は何でしょうか。どのようなお考えであるのか、区長にお伺いします。

 

「地域力日本一」の定義について

 

 

区政運営の中で、「地域力日本一を目指す」という言葉が繰り返し出てきます。
これは区長が就任以来ずっと掲げているスローガンですが、実際に区長の言う「地域力日本一」とは一体何であるのか、どのような状態なのか、議会答弁には出てくるものの、明確な指標として、区民に示されたわけではありません。
区民から「地域力日本一とは」どこに書いてあるのか、と聞かれてもお答えすることができません。
この点はわが会派から、何度も指摘しているところです。

地域の力を育むためには、地域力とは何かを、区民がひろく理解していることが大前提となります。

「地域力」の概念が全区民、全庁的に共有されるよう、条例または、宣言等「明文化」することを急ぐべきであると、予算特別委員会の答弁を踏まえ、区長の見解をお示し下さい。

 

(区長答弁)

 

1 公共施設のあり方について

   公共施設管理の現状及び定期点検の周期と内容に関しては、現在、区では、建築基準法第12条に基づき、施設の特殊性等も踏まえ、それぞれの用途に応じた建築物の敷地、構造及び建築設備について、損傷、腐食、その他の劣化状況を点検することで、施設の適正な保全に努めている。更に、点検結果については、随時、庁内で情報共有し、適切な管理につながるよう努めている。併せて、想定以上の劣化が進んでいることが判明した場合についても、迅速に対応するとともに、施設のあり方を踏まえた対策を講じている。なお、定期点検の周期と内容については、国土交通省令や告示に定められた内容に沿って適正に実施しており、今後も、法令に則り、庁内で連携して継続的に安全な施設管理に努めていく。

施設の建替えを行うのか、長寿命化を図るのかの仕分けの考え方に関しては、平成27年度に策定した墨田区公共施設等総合管理計画では、建物性能と施設機能による公共施設評価を実施した。さらに、その評価結果に基づき、第2次墨田区公共施設マネジメント実行計画において、区分1に分類された施設や劣化の進行している施設を中心に取組むべき課題を明示している。今後も、様々なニーズの把握に努め、財源を考慮の上、次期計画の策定にあわせ、総合的に施設のあり方を判断していく。

現時点で想定している新保健センター等複合施設の規模等に関しては、第一回定例会で示した整備方針のとおり、保健所を中心に子育て支援総合センターや(仮称)教育支援センターなどとの機能連携により、区民サービスの向上を目的とした延床面積が約1万㎡、建物整備費約45億円の複合施設を想定している。詳細は、本定例会の企画総務委員会で報告するが、墨田区基本計画における事業費と整備期間を考慮の上、平成33年度中の完成を目指していく。

 

2 住宅宿泊事業法について

法案では、事業者が都道府県知事に届出をした「住宅」で旅館業法の規定にかかわらず年間180日を超えない住宅宿泊事業を営むことができる。また、都道府県知事による立入検査や住宅宿泊事業者への改善・停止命令等の措置も可能となっている。これらの事務は、都知事との協議により23区が実施することも可能となっている。現在、都知事に対して、これら事務を 23 区が主体的に実施できるよう区長会を通じて要望しているところである。

指導監督に関しては、住宅宿泊事業法案とともに、旅館業法の一部が改正され、小規模な宿泊施設についても旅館業の許可が受けやすくなるような規制緩和が図られる一方、無許可営業者に対する報告聴取及び立入検査等の創設及び罰金の上限額の引き上げ等の規制の強化も図られる

一方、住宅宿泊事業法案では無届けに対する罰則は規定されていない。ただし、旅館業法の改正により無届けの住宅宿泊事業も旅館業法の無許可営業として扱うことができるので、改正後は保健所による指導監督を強化していく。

条例制定については、住宅宿泊事業法で生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い、区域と住宅宿泊事業を実施する期間を制限できるとしている。今後、定められる政省令の内容を注視しながら対応する。

 

3 大学誘致について

千葉大学との協議状況と旧すみだ中小企業センターの改修基本計画に関しては、今年度中に大学からの助言を得ながら、改修基本計画を策定し、円滑に改修工事に着手できるよう進めていく。この計画を策定する過程で「デザイン・建築スクール」開校までの工程表が作られるので、改めて議会に報告する。

大学誘致用地については、千葉大学と協議を進めながら、今年度、活用の構想を策定する。なお、並行して、区と大学による共同プロジェクト等の開始に向けた調査や協議も進めていくが、すでにこの6月から中小企業センターの改修をテーマに、大学の建築学科の授業も先行して行うこととなっている。

他校との協議については、現時点において詳細は報告できないが、千葉大学との協定締結以降、複数の大学から問合せや協議の申し入れを受けているので、千葉大学以外の大学とも誘致の実現に向けた協議を行っていきたいと考えている。

この場所に複数の大学が立地することを想定した「大学の杜」に対する千葉大学の意向について、千葉大学からは、「デザイン・建築スクール」など大学との連携や、国際化など、相乗効果を得られることを期待していると伺っている。

 

4 国・都の制度の活用について

事例のインバウンド対策は、国や都でも様々な制度を設け、商業者が直接利用する事業や区を介した間接的な支援を行っている。区としては、今後増加が見込まれる外国人観光客を顧客として獲得するため、区内の飲食店や物販店の皆さんに、国や都の制度や支援策を積極的に活用していただくよう情報提供に努めている。しかし、実際には支援事業の採択はハードルが高かったり、パソコン操作による外国語メニューが思うように作れない事業者もいる。区の独自事業は、そうした商店の声を受けて取組んでいるものであり、区民の皆さんには理解を得られていると考えている。今後も、国や都の制度を積極的に活用しつつ、区内商店の特徴を活かした外国人観光客の受け入れ態勢の整備と情報発信に努め、事業の相乗効果を生み出していく。

   国や都の用意する支援制度の活用や情報発信に関して、支援制度については、区が助成を受けて事業を実施するもののほか、国や都が直接実施するものがある。区が事業を検討する際には、まず、こうした制度で活用できるものを調べ、財源の確保を図りながら実施することを心掛けている。また、その制度の枠組みの中で国や都と協議しながら区のニーズに合った事業にしていくよう努めている。一方、区民等が直接活用できる制度については、PRを行い、その活用を呼びかけている。今後とも、国や都の制度の活用をはじめ、様々な連携を図りながら、よりわかりやすい情報発信に努める。私としては、どこよりも素敵で魅力的な墨田区をつくっていくために、必要な場面では自らが先頭に立って国や都と交渉にあたっていく。また、その際には、必要に応じて区議会の皆さんや国会議員、都議会議員の皆さんのご協力をいただき、「日本の東京で輝きを放つすみだ」となるよう努める。

 

5 区制施行 70 周年記念事業について

区制施行 70 周年事業については、区主催事業のほか、区が後援・共催する事業で記念事業としてふさわしいものを冠事業とするよう働きかけをし、区民や産業団体、スポーツ団体等に呼びかけているところである。また、区主催事業についても、親子で参加できるものや町会・自治会協力のもと実施するもの、子どもたちの未来につながるものなど、区民が参画できる様々な事業を企画している。さらには、希望する団体等には、70 周年のロゴマークを提供することとしたので、ご活用いただきたい。今年度、様々な事業を通じて、区制施行 70 周年を区民の皆さんとともにオールすみだでお祝いしたいと考えている。

 

6 地域力について

個人商店への客足減少に関しては、物やサービスの提供だけでなく、防災、治安などに係わる地域生活のインフラとしての役割を果たす、地域の個店の減少は、区にとっても重大な課題と捉えている。さらに、地域コミュニティの担い手である商店街の減少は、地域の活力低下につながるものと考えている。商業施策と地域力向上をリンクさせる施策を行うことについては、魅力ある個店と特色ある商店街によって地域の賑わいが生まれ、地域力の向上にもつながるものと考えている。そのため、従来から行っている商店街への支援策に加え、今年度から個店への支援を拡充する。なお、商店会未加入の個店支援に当たっては、加入を条件に補助率にインセンティブを設け、商店会の一員として地域活動への参加を促していく。

地域コーディネーターの活用や墨田区商店街連合会と連携を強化することで、個別地域の特性や課題に合わせた柔軟な商業施策を講じることについては、今年度から「地域力を育む商業空間づくり振興プラン」に基づく事業を始め、さらに今定例会の補正予算においても、商店街ごとに巡回相談員を派遣する事業をお願いしているので、これらも活用するなど、地域特性に応じたきめ細かい施策を展開し、事業効果を高めていきたいと考えている。厳しい事業環境にある個人商店に対するフォローについては、すみだビジネスサポートセンターにおいて様々な相談に応じていく。

地域の課題解決に向けた取組みや元気高齢者の活動に対し、場を提供することは重要と考える。地域プラザやコミュニティ会館、地域集会所等の公共施設については、積極的に利用促進を図り、併せて民間のコミュニティ施設についても、情報提供していく。

すみだ未来会議修了生に対する支援については、区ではこれまでもガバナンスリーダー養成講座の修了生に、私が始めたタウンミーティングの企画運営を担っていただくなど、人材を育成してきた。現在、すみだ未来会議の修了生が、会議から生まれたアイデアを八広地域プラザで実践すべく準備を行っているので、これらの活動も支援していきたいと考えている。今後とも、地域力を支える地域人材と地域資源がつながることで協働を推進して行けるよう、積極的な支援を行っていく。

スタッフプライドの醸成を図る手段としての次の一手については、今年度は、「伝えるということは、自分の価値を再発見すること、伝える力を磨こう」をテーマとして、ワークショップの他、

「伝える力 ミニ講座」を3回実施する。この講座は、クリエイターを講師に招き、チラシやキャッチコピー、スマホ動画の作成、SNSによる情報発信など、具体的な手法を、各課に配置したシティプロモーション担当に身につけさせるものである。これにより、職員のスタッフプライドの醸成をさらに図る。

「地域力日本一」の定義については、これまでも、地域力とは人と人がつながり、地域の課題を積極的に解決していく力であり、地域のために活動する人の力こそ、すみだの地域力の源であると伝えてきた。しかしながら、この言葉は、いささか抽象的な感が否めない。「地域力日本一」を目指すにあたっては、地域力の意味と、これをさらに高めていくために、区民一人ひとりが地域のために果たす役割を考えていただくことが第一歩である。そして、それを一人でも多くの人が実践し、「日本できらりと光るすみだ」と言われるような地域づくりを私は目指していく。そのためには、「条例化」や「宣言」も一つの方策とは思うが、まずは、わかりやすい言葉で「文章化」し、区民、区議会の皆さんと共有化したいと考える。

 

 

(教育長答弁)1 公共施設のあり方について

新保健センターに学習関連についての機能を複合施設化するメリットについては、現在、教育相談機能以外にも、研究・研修機能や資料室機能などが分散されており、その施設の集約化を図ることで、施設間の有機的な連携が強化され、教育施設としての機能が高まるために、教育関連施設の集約はぜひとも必要である。就学相談や教育相談をはじめ、保健所機能など児童・生徒や保護者といった区民と接する事業部所と隣接することにより、その課題解決ノウハウをもっている職員を活用するなど、直接に研究・研修機能へノウハウ等を濃厚に反映させることが可能となるとともに、研究・研修等部門の職員と顔の見える直接的な連携をすることにより、分散施設の場合よりも、相乗的なより大きな効果を生み出すことができると考えている。特に保健所機能とは、がん教育や感染症に関する教育、あるいは発達障害などの特別支援教育などの分野での連携ができると認識しており、それを教育課題の解決や教員の研修内容の向上に結び付けられると認識している。

横川小学校に設置している研修室の現状と今後予想される機能に関しての不足については、現在は研修室の数が1室のため、大人数を対象とした講義型の研修が中心となっている。しかしながら今後は、より深い研修とするために分科会など小集団で主体的に取り組む参加型の研修を充実させていく必要があることから、大規模な会議室のほかに、小規模な会議室を複数備えていくことが必要となってくる。また、教員については大量退職、大量採用があり、研修を必要とする若手教員の数が急増している状況もあるため、研修等の回数も増加させていくことが必要であると考えている。このように教員の資質・能力を向上させるための研修をさらに充実させることで、教員の授業力の向上を図っていくことができ、学力向上新3か年計画の学力に関する数値目標等を達成するべく墨田区の児童・生徒の学力向上に直接につながるものと確信している。さらに、今後は英語教育、道徳教育、特別支援教育などの新たな教育課題にかかわる研修も実施する必要がある。多種多様に研修を充実させていくことは教育活動の充実を促進させると同時に、墨田区の学校で働きたいという動機にもつながり、墨田区の教員を目指す人材の増加にもつながるものと考える。

教職員研修室の年間使用については、昨年度は延べ230回程度の研修、会議等を実施してきたが、今後、研修の充実などを図っていくため回数は増加していくと想定している。また、新施設において教職員研修に利用する会議室は、複合化される各部署と共有で使用するなど、施設全体でより効率的に活用することを考えており、今後その運用については区長部局と検討していく。教員の自主的なグループによる研究・研修活動に対する会議室の貸出しについては、教育委員会で活動を認めたものについて管理規程に基づいた貸出を検討したいと考えている。

 

定例会一般質問 加藤拓

p1390027

 

 

 

 

 

 

 

 

墨田区議会自由民主党の加藤拓です。通告した2点について山本区長に質問します。

 

まず、墨田区中小企業振興基本条例について伺います。

 

平成29年度施政方針の、「働き続けたいまちの実現」の中で、新たな産業支援体制として「(仮称)すみだビジネスサポートセンター」を庁舎内に整備すること、これまでの産業支援施策を引き続き行うこと、都立産業技術研究センターの利用への支援、事業承継の支援の拡充が表明されました。これまでも、すみだ中小企業センター廃止後の産業施策については議会に報告されており、利用していた方々への対応についても説明されてきました。

しかし、区内製造業の方々にとっては、利用の有無を問わず、中小企業センターの廃止は、中小企業支援の後退ではないかと、非常に重く受け止められているようです。会派の中でもそれぞれの議員から地元の声として紹介されており、区の産業振興施策への理解が十分に得られていないとの懸念があります。

(さらに…)

                                             

◀◀ 新しい記事 | ブログトップ |  古い記事 ▶▶

上へ戻る

すみだ北斎美術館