平成30年度第三回定例会 一般質問 沖山仁

墨田区議会自由民主党の沖山仁です。
通告した2点について区長に伺います。

まず、災害時の公共施設の活用について伺います。
代表質問でも小中学校の体育館への空調設備の設置について質問しましたが、区長がご決断して動き始めたとしても、すぐに設置できるものではありません。その間にも災害が発生するかもしれませんので、次善の策を用意しておく必要があると思います。
墨田区内には、本所地域プラザ、みどりコミュニティーセンター、生涯学習センター等、一定の規模を持った公共施設が存在します。しかし、墨田区地域防災計画では、区内公共施設は、帰宅困難者の一時滞在施設として位置付けているのみで、その活用については言及されていません。また、避難所運営マニュアルにおいても記述はありません。①真夏や真冬に震災が発生し、体育館での避難所生活を送ることが厳しい環境の際は、これらの公共施設を活用することができるのではないでしょうか。
電気に関しては、東日本大震災では発災3日後には約8割、熊本地震では約9割6分が通電しています。また、水道に関しても、東日本大震災で水道通水率が発災5日後には約5割、熊本地震で約8割でした。都心部に近い本区では、電気と水道の復旧は速やかに行われると考えられます。

空調設備を完備し、一部ではシャワー等の設備やエレベーターを有する区内の公共施設を、小中学校の体育館の代替施設として、災害時要配慮者に配慮した避難施設として位置付けてはいかがでしょうか。区長に見解を伺います。
我々は、7月に東日本大震災の教訓を生かした災害対策の調査を仙台市で行ってきました。仙台市では、避難所運営について、地域団体、仙台市、施設による事前協議の上で、小中学校等の指定避難所の他に、地域内の市民センター等の公共施設を補助避難所として、地域集会所等を地区避難施設として位置付けることができることとしています。これは、実際に避難所が不足し、各施設の役割分担が不明確であったなどの経験から考えられたものであり、大いに参考にするべきです。②墨田区でも、地域内の公共施設の管理者を防災拠点会議に加え、その活用を地域の避難所運営マニュアル作成に反映させてはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。
加えて、区内の私立保育所や私立幼稚園では、乳幼児や未就学児向けの災害時用の物資を備蓄しています。これらの物資の提供や、在園児の家族の避難場所としての利用などの協力について、打診してみる価値があるのではないでしょうか。③まずはどのような協力を求められるか検討し、意向調査を行っていただきたいと考えます。区長の所見を伺います。

次に、区内商店街の活性化について2点伺います。
第1に、商店街振興組合発行の商品券について伺います。
過去に墨田区では、国の緊急経済対策の一環として、平成21年と平成24年に墨田区商店街連合会が、平成27年に墨田区商店街振興組合連合会が墨田区及び墨田区商店街連合会と共同で「すみだプレミアム商品券」を発行しました。国全体の施策としての効果については賛否があるようですが、区内の商店街や個店では売り上げ増につながり、一定の効果を上げたと理解しています。
また、江戸川・江東・足立・葛飾の、墨田区以外の江東5区はいずれも9000万円から約8億円規模で商店街振興組合による商品券の発行を行っており、区民による区内での消費を喚起する効果を上げていると聞いています。
このことから、①墨田区でも一定の規模で、継続的にプレミアム付き商品券の発行を検討してもよいのではないでしょうか。
プレミアム商品券を使用するために区内の店舗に来店し、額面以上の消費があれば、その店の売り上げ増になる上、商店街では他店での消費の機会が増えるため、商店街全体の活性化にもつながります。また、他区の事例を見ると、プレミアムの付かない通常券も発行し、商店街のイベント景品として活用している区があります。その場限りの自転車や食品ではなく、再び商店街で使用できる景品を提供することで、何度も足を運んでもらうきっかけにすることも可能です。②区内経済の活性化という観点から、区の予算で賄うことになる10%分と事務経費を差し引いても、効果は高いものと考えますが、区長の見解を伺います。
また、③現在現金で支給している長寿祝い金や、記念品で贈呈している産業功労表彰や環境改善功労者表彰について、商品券で提供することで、区内での消費を刺激することができると思います。記念品を特定の事業者に発注するよりも、区内全域での売り上げ増につながるため、より優位なのではないでしょうか。区長の見解を伺います。
加えて、平成28年度予算における就学応援事業について、我々が修正を求めた要因の一つに、提供する金券が区内の個店では全くと言ってよいほど使用できない「こども商品券」であったことを申し述べておきます。今後祝い金等、現金給付的な事業を検討する際は、区内経済の活性化ということも常に念頭に置いていただきたい。

第2に、区内商店街のキャッシュレス化への対応について伺います。
現在、墨田区には多くの訪日外国人観光客が訪れており、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてさらに増加していくことが予想されます。墨田区では簡易宿所等、宿泊施設が増えつつあり、区内全域に外国人観光客が滞在するようになるのではないでしょうか。
外国人観光客は、デビットカード等のキャッシュレス方式での支払いを希望することが多く、その対応については、区内全域の商店街及び個店の課題となっています。キャッシュレス化への対応の推進により、外国人観光客の区内での消費を区内事業者の売り上げ増につなげることが期待できる一方で、対応端末の設置にあたり、いくつかのハードルがあることも事実です。
経済産業省は、本年4月に策定した「キャッシュレス・ビジョン」で、2015年では20%弱のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%にするとしているほか、観光庁等関連省庁もキャッシュレスの推進を謳っています。今後、国や東京都による補助金の交付等、キャッシュレス端末設置への支援策が実施されていくことが予想されます。キャッシュレスの決済方法には、クレジットカード・デビットカード、電子マネー、QRコード決済等、多様な方式がある上に、多数の事業者が参入しており、一つの端末ですべてに対応できるわけではありません。①区内の小売店の実情に合わせた最適な端末を導入できるよう、墨田区商店街連合会との連携を密にし、情報収集や活用の検討を行っていただきたいと思います。区長の所見を伺います。
さらに、キャッシュレス端末の導入に際して、大きなハードルとなっているのが、端末や周辺機器の購入費用よりも、導入した店舗に発生する3%から7%の決済手数料と聞いています。②この課題を乗り越えられるよう、区としても区商連とともに様々な方策を検討し、キャッシュレス化の推進による恩恵を商店街や個店が受けられるよう準備を進めてください。区長の所見を伺います。

以上で私からの質問を終わります。

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