墨田区議会自由民主党の木内清です。会派を代表して、山本区長及び加藤教育長に質問します。
第一の質問は、
先日の区長の施政方針を受けて伺います。
平成31年度予算を「すみだの“夢”実現に向けて、次のステージへ」と位置付けて編成したと述べています。厳しい財政状況の中にも「基本計画の着実な推進」という任期当初の方針通り、新規事業ではなく、この3年間進めてきた基本計画事業の深化や社会情勢の変化に合わせた拡充が主となっており、堅実に編成された印象をもちました。
基本計画中の主要な公共施設等整備や、“夢”実現プロジェクトは概ね着実に進行していると見受けられます。しかし、これまで幾度も早期の除却を求めてきた利活用検討用地としている旧隅田小学校及び旧向島中学校について、今任期中に方向性が示されることを期待しておりましたが残念ながら、改めてどの時点までに方向性を明確にするのかお聞きします。
また、31年度予算では伸びがやや抑えられましたが、民生費が一般会計の約57%にあたる約680億円となっています。ここ数年は景気回復基調と歳入増等により、民生費の伸びや予算規模の増大を吸収できました。しかし景気の足踏みや国の税制改正等の外的要因により歳入減になった場合、危機的な財政状況に陥ってしまいます。その危惧は、第4回定例会での区長の答弁から共有していると認識しています。来年度には「財政白書」の策定を行い、現状分析と将来負担の財政推計を示し区財政の可視化を図ると表明されています。同水準で民生費を支出し続けた場合、道路や橋梁の維持費等、他の施策への影響はあるのか、例えば保育園に関して東京都の補助期間終了後も区費で行っている旧都加算と言われる区が上乗せで行っている補助金についてあきらかにするなど、区民にわかりやすい、持続可能な財政運営のための議論の基礎となるものと理解しています、区長の所見を伺います。
加えて、来年度予算は、区長の今任期最後の編成ですがこの中で、初めての概念が登場しました。予算特別委員会の審議に入るにあたり伺います。
施政方針の中では「すみだらしい共に支え合う社会の実現」
「本区の持続的成長のための取組の推進」及び「地域を区民とともに創り上げていく視点」という概念について
具体的に意味するところと、庁内での議論の経過、そしてこれら概念をなぜ特に来年度予算に位置付けたのかについて伺います。
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第二の質問は、
墨田区議会自由民主党が策定した「会派マニフェスト」についてです。私たちは、会派としてこの四年間の政策提言活動を総括し、2つの条例提案と5つの政策提言をまとめて、区議会選挙において区民の皆様に訴えていくこととしました。来期にはこれを区民の皆様とともに検証し、客観的評価を加えていきます。これは、マニフェスト大賞グランプリを受賞したよこはま自民党の取組みを視察し、参考にしたもので、議員提案条例案を含めた形で、区議選を核として政策のPDCAサイクルを回していく、23区では初めての取組みとなります。
区民の皆様にはぜひご期待いただきたいと存じます。
ひとつは、「町会・自治会振興条例」についてです。区長が就任後、特に力を注いでいることのひとつとして、「地域力支援」があります。こうした姿勢には私たち会派として賛同しており、その中核となる町会・自治会の持続的発展のために、同条例を提案したいと考えています。
私たちが参考にしているのは、「品川区町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例」です。同条例では町会・自治会の活動活性化推進に係る基本理念を定め、町会・自治会の位置付けや役割、町会・自治会に対する区の責務、区民及び事業者の役割を明らかにしています。
私たちの提案を受けて、全町会・自治会実態調査が実施されましたが、こうした実態調査の結果を受けて、具体的な対応策については、その普遍性を担保するため、条例化が必要だと考えていますが、この点について区長に伺います。
現在、品川区の規定を参考に、条例案を精査していますが、来期には議会の皆様と議論し、よりより町会・自治会振興のための条例を作り上げたいと考えています。品川区の条例のこうした考え方について、区の現状と照らし合わせて、区長に所見を伺います。
ふたつは、「公共調達基本条例」についてです。
区内事業者の皆様との意見交換の中で、こうした論点が整理され、私たちは「江戸川区公共調達基本条例」を参考に、この議論を進めることとしました。
同条例ではその前文で、「公共調達は、区民の負担の下になされるものであり、公平性・公正性・競争性・透明性の確保はもとより、地域社会への貢献や地域経済の活性化にその効果が十分に発揮されることが強く求められる」と書かれており、区の強い意思が感じられます。
公共調達は、自治体ができる唯一の経済対策であり、その規模からこの運用を行うことで、地域経済や地域コミュニティのあり方に対して区の意思を反映することができます。まず、この点に関する区長の見解を伺います。
同条例の中で特徴的なものとしては、
公共調達が、区民生活および地域経済に資するよう必要な措置をとることを区の責務としている点と、特に重要な事業については特定公共事業として指定して計画を作成し、その社会的要請を明らかにする義務を課している点です。
公共調達に関して区としての意思を明確に示したものは現在存在しませんが、計画を立てることで区の意思を示し、これに基づいて地域力を支援する公共調達のあり方を考えていくことは重要であると考えています。こうした内容について、区長の所見を伺います。
*次に5つの政策提言についてです。
第一に水害対策についてです。大規模水害時には、江東5区から249万人以上の広域避難を行う必要があります。
水害ハザードマップの戸別配布は行われていますが、区民の皆様がどのような場合に、どのような避難をしたらよいかは、まだまだ理解されていません。配布して終わるハザードマップではなく、都市型水害、高潮、荒川決壊と場合分けをして実践的に学ぶハザードマップのあり方が重要なのではないでしょうか。区長の見解を伺います。
また、大規模水害時の具体的な避難先について、都外の自治体を含めて検討する必要があると考えています。この点についての区長の見解と現在取り組んでいることを伺います。
第二に、在宅子育て支援についてです。私たちは待機児童の解消は自治体の責務との立場ですが、他方で、多様な子育て環境の整備と定住促進を両立する方策として、在宅での子育て支援を重点的な課題と位置付けています。この点で、施政方針の中で区長が両国・文花両子育てひろばの再整備の方針が示されたことは高く評価していますが、さらなる展開を求めたいと思います。さらなる子育てひろばの整備や定期利用保育や一時預かりの充実について、区長の見解を求めます。
第三に、子どもたちの学力の引上げについてです。平成30年度学力テストの正答率をみると、小学6年生では知識の応用、中学3年生では国語、数学、理科の全般で、全国平均を下回っています。こうした環境の整備については、理科教育やアクティブラーニングの活用などで対応されていますが、今後の展開について教育長に見解を伺います。併せて、i専門職大学や千葉大学との連携として考えられているものがあれば具体的にお示し願います。
また、区長が掲げている定住促進について、住宅や公園等の要素のほか大きな要素を占めるのは、学校の教育内容の充実や部活動の充実であると考えています。特に、校庭整備が今後の大きな課題になると考えています。これまで区は天然芝の整備やゴムチップ塗装化を進めてきましたが、自治体の中には人工芝を入れるなど、校庭を特色ある学校づくりの重要な要素に取り入れているところもあります。区の校庭整備についての現時点での考え方の整理と、今後の方向性について教育長に伺います。
第四に、工場や商店街を次世代に引き継ぐことについてです。私たちは「多様性のある街」こそ、持続可能性のある街、魅力のある街になると考えています。ピーク時の5分の1まで工場数が減少しているとはいえ、ものづくりの街との特色は、私たちの街の特色です。区長はシティプロモーションを重要政策のひとつと位置付けていますが、工場とシティプロモーションの関係について考えを伺います。
また住工混合のまちづくりについては、新年度予算案で環境改善資金という融資制度が創設されました。区長も議員時代に東大阪市を視察され、私たちが推進してきたことが予算化したことは高く評価します。今後、住工混合のまちづくりについては、住民の相互理解が欠かせないと考えますが、区長の見解を伺います。
また、商店街の機能維持についても重要な課題です。これまで空き店舗対策やイベントの実施、ポイントの導入などソフト面の支出は多くなされてきたところでありますが、住宅化する商店街とこれに伴い連鎖的に閉店していく現状をみると、個店の魅力を高めることはもちろんのこと、商店の集積によって維持されてきた買い物の利便性や地域コミュニティを維持するためには、今一度踏み込んで、ハード面の整備、特に地区計画の手法等を用いた大規模な政策が必要なのではないかと考えます。例えば、全国から視察が多く訪れている香川県の丸亀商店街では、住民自らの運用を定めた「高松丸亀町タウンマネジメントプログラム」に沿って、1階を商店等の利用に制限し、高齢者の住まいを上部のマンションに誘導し、病院も誘致するなど、商店街機能を維持し、高齢者の買い物利便性も確保した画期的な事例として注目されます。もちろん、すべての商店街に通用しませんが、こうした手法を考える時期に来ているのではないでしょうか。この点に関する区長の見解を求めます。
第五に、住み慣れた家での医療・介護についてです。医療と介護の連携については、自治体ごと、また地域ごとに大きな差があります。こうした中で、先進事例として取り上げられている事例の多くは、医療・介護関係者がフラットな場でつながり、忌憚(きたん)のない意見を言い合える関係を築いています。
この分野の先進事例として取り上げられる、横浜市の戸塚区在宅療養連絡会「ほーめっと」は、自治体から独立して自主運営している組織ですが、本区でも、目的別にフラットに集える場の整備についての誘導策を検討してはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。
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第三の質問は、都有地等区内の公有地の利活用についてです。
区有地の利活用については、一部旧学校施設を除き、墨田区基本計画の中で方向性が示されており、この3年間で施設整備が進んだり売却が決定したりと一定の進捗が見られています。また、平成31年度末で用途指定期間が終了する清掃関連施設については、昨年の第4回定例会で「区が抱える課題や社会情勢等を考慮した上で、清掃事業にとらわれず、効果的な活用の方向性を早急に決定」するという答弁がありました。平成32年度予算編成時にはそれぞれの活用方法を示すことを求めますが、現在の検討状況を伺います。
一方で、区内各地には、両国4丁目の本所警察署跡地、立川4丁目のポンプ所跡地、本所3丁目の現在すみだインキュベーションオフィスとなっている施設、江東橋1丁目の児童相談所跡地、堤通2丁目の都立忍岡高校跡地等、一定の規模を持ちつつも今後の利活用方法が確定していない都有地が点在しています。
未定の都有地の内、本所警察署跡地については、移転が決定した時点より、地元の連合町会でまちづくり推進協議会を組織し、東京都や墨田区への要望活動や近隣町会へのアンケート実施等を行うなど、地域の要望をまとめ、都や区に伝える動きがありました。しかし、ポンプ所跡地やインキュベーションオフィスに関しては、現に工事が進行中であったり、廃止決定が伝えられたりしていても、その後の利活用について、地域の要望がまとまっているとは言えない状況です。
それぞれの都有地を東京都の事情のみで利用方法が決定されるのではなく、区民生活の向上に資する活用となるよう、地域の要望を把握し、東京都に伝えていくよう区の取り組みを求めます。また、地域に対しても連合町会や地元有志の会等に情報提供を行うなど、区としてのサポートも必要ではないでしょうか。区長の見解を求めます。
また、児童相談所跡地や都立忍岡高校跡地については、一定の方向性が示されていると仄聞していますが、区としての要望や地元の意向を反映できるようどのように働きかけを行っていくのか区長に伺います。
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第四の質問は、区立小中学校の学校屋内運動場への空調設備の設置についてです。
学校体育館への空調設備の設置については、真夏や真冬での災害時の避難所としての機能向上及び日々の教育環境の向上の2点から、設置について要望してきました。
東京都でも昨今の猛暑を受けて、昨年12月、東京都の補正予算で平成33年度までの補助期間で、区市町村立小中学校の屋内運動場への空調設備設置に対する補助金が538棟分、約81億円が計上され、平成31年度予算案では、657棟分約99億円が計上されました。
本区でもまずは補正予算を活用し、立川中学校と吾嬬立花中学校の2校に平成31年夏までに空調を設置することになりました。さらに、平成31年度予算案では、残り8校の空調設備整備の予算が計上されています。加えて、予算発表では、東京都の補助期間である平成33年度までに全小中学校の体育館への空調設備の整備が表明されました。
我々は、この東京都の判断を歓迎するとともに、速やかに本区が補助金を活用することを評価しています。まずは東京都の予算計上に対する教育長の感想を伺います。
東京都の平成30年度12月補正予算の報道発表資料では、公益財団法人東京都環境公社に平成33年度までの3か年分の出捐金を拠出し、体育館の空調設置工事を補助することとしており、これまでの国と都の補助率に加えて都が追加で補助することとしています。また、都の平成31年度当初予算ではリース補助となっており、予算発表に先立つ小池都知事の囲み取材では区市町村の負担は2分の1との発言があったと仄聞しています。区としてはどちらの方式で対応する予定なのか、教育長に伺います。
板橋区や埼玉県川口市等、空調設備をリース契約で導入した自治体の例を見ると、通常は10年から13年契約となっています。区がリースを選択した場合でも、費用の大きさから一定の期間の契約になると推測できます。東京都の発表資料や各種報道では、平成33年度までの補助は明記してありますが、それ以降に関しては言及がありません。東京都の補助はリース期間全てが対象になるのか、把握していればお知らせ願います。
中学校10校への整備が完了した後の平成32年度、33年度には、小学校25校に整備する予定となっています。2か年で整備する場合、その順序はどのように決定するのでしょうか。児童数や避難所となった際の受け入れ人数、夜間休日の利用者数等により総合的に判断する必要があると考えますが、各学校の関係者の理解が得られるよう、十分に配慮していただきたい。教育長の見解を伺います。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。