墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。通告してあります大要3点について、山本区長、加藤教育長に質問致します。明確で前向きなご答弁を宜しくお願い致します。
先ず大要1点目は、今年度修正された墨田区国民保護計画に則って伺います。
北朝鮮は、国際社会の厳しい非難と制裁にもかかわらず、今年に入り既に12発の弾道ミサイルを発射しました。そして、本日また更に北朝鮮が弾道ミサイルを数発発射した可能性があるとする速報が飛び込んで参りました。戦争の悲惨さを学び、恒久平和を希求する日本において、このような行為は断じて許せるものではありません。強く抗議すると共に、我が国も決して対岸の火事などではなく、いつ起こるかわからない脅威からどのように国民を守っていくかが大変重要な課題であります。
そこで1つ目は、J-ALERTについて伺います。J-ALERTとは、弾道ミサイル情報や緊急地震速報等、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を、人工衛星を用いて、防災行政無線やケーブルテレビ、緊急速報メール等、自動起動することにより、国が送信した緊急情報を直接住民へ瞬時に伝達することができるシステムです。そこで伺います。①すべての区民が確実に情報を受け取ることができるように、J-ALERTによる自動起動が可能な情報伝達手段をより多く確保する必要があると考えますが、区の計画を伺います。併せて、耳の不自由な高齢者や、聴覚障害をお持ちの方の対応等についても伺います。②次に、防災行政無線や、その他情報伝達機器について伺います。防災行政無線は以前より改善されたものの、未だに聴こえにくいというご指摘を区民の方からいただきます。本区は5カ年計画で防災行政無線のデジタル化に向けて整備するとしていますが、これまでとどのように変わるのでしょうか。また、情報伝達機器に関しては、設置して終了ではなく、設定および動作状況、停電時の電源確保や、日常的な点検も定期的に行うことが重要であると思います。区長の所見を伺います。③続いて、昨年11月、区内においてJ-ALERT全国一斉情報伝達訓練が実施されたことについて伺います。いざという時に備え、瞬時に行動ができるように、区職員のみならず、区内にいる方々も一緒になって実践的な訓練も行っていただきたいと要望します。併せて、現在、区のHPでは武力攻撃等に備えた「内閣官房国民保護ポータルサイト」や「わが家の国民保護マニュアル」などを掲載していたり、冊子も作られたりしていますが、まだまだ知らない方が大勢いらっしゃいます。今後周知徹底も強く要望します。区長の考えを伺います。
2つ目は、避難住民の誘導等について伺います。区長は国や都から避難の指示を受けた場合、平素に策定しておいた避難実施要領のパターンを参考にしつつ、各執行機関、都、警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)、自衛隊等の関係機関の意見を聴いた上で、避難の指示の内容に応じた避難実施要領を的確かつ迅速に策定することと計画の中に明記されています。そこで伺います。「平素に策定しておいた避難実施要領のパターンを参考にしつつ」とありますが、本区では策定はされているものの2008年以来、一度も見直しが行われていません。①早急に地域の実情に応じた避難実施要領のパターンの見直しが必要と考えますが、区長の所見を伺います。②また、見直しを行う方針であれば、いつまでに策定を行うのか明確な時期もお示し下さい。
3つ目は、避難場所について伺います。弾道ミサイル落下時の行動については、できるだけ近くのコンクリート造りの堅ろうな施設や、地下街、地下駅舎等の地下施設へ避難の指示がなされるとなっています。そこで、地下へ避難することとなった場合について伺います。①墨田区ではどこへ避難すればよいのか、公共施設、民間施設を含め、把握をされているのでしょうか。②観光客も含めて、区内にいる方々が緊急時地下へ避難となった場合、公共施設だけでは到底収容できないと考えます。予め、避難可能な民間施設も洗い出し、非常事態が起きた際には昼夜問わず協力していただけるよう、協定を締結しておく必要があると考えますが、区長の見解を伺います。
4つ目は、医療の提供について伺います。①武力攻撃事態等への対処となった際、防災時に締結している医師会、歯科医師会及び薬剤師会とどのような協力協定となっているのでしょうか。詳細を伺います。②併せて、負傷した方々の安否情報等を避難住民や医療機関などの関係機関から収集し、当該情報を都へ報告するとなっていますが、個人情報の取り扱いとなるため区職員が慎重に扱うというのは当然ながら、関係各所とどのように対応することとなっているのか具体的な詳細を伺います。
この質問の最後に、区長の意思決定案件について伺います。国民保護計画は、本来あってはならない万が一の事態に備え、国民の生命と財産を守るための計画です。大要1点目の質問要旨を考える中で、政治の持つ意味を改めて考えさせられました。政治とは決定すること、行政はそれを執行することだと捉えることができますが、その決めることのメルクマールの一つに「平和•平穏」な社会を築くことが言えると思います。朝、おはようございます、いってらっしゃい、行ってきます、夜、ただいま、おかえりなさい、などという日常的な会話がかわされ、日々の素朴な生活が担保されるのは、まさに平和あればこそです。今回は武力攻撃があった場合について主に取り上げましたが、昨今世界各地で一般人を巻き込んだ大規模なテロが発生する事態も後を絶ちません。私達の日常の平和•安寧を破るような国際的テロが当然日本国内で起こらないとは言えない状況です。ましてや、世界一の電波等がそびえる東京スカイツリーをはじめとした観光名所に対する標的という意味でも注意しなければならないと思っています。そのほか、質問では触れませんでしたが、国際化が進展している現在、墨田区在住の外国の方々への対応と、外国人観光客への対応を具体的にどうしていくかも大きな課題であります。そのことを充分念頭に置いていただいているものとして、伺います。このような非常事態が起きた際、区長がリーダーとして区内の現場の状況を正確に把握し、逐一判断と決断をし、関係各所へ退避などの指示をしなければならない案件がいくつも発生すると思われます。「後の責任は自分が持つので実行せよ」という場面も起こるかもしれません。当然、そのような重大決定は区職員の皆さんに委ねることはできないわけです。予期せぬ事態に迅速に対応するために、区長がしっかり意思決定と指揮命令ができるよう、ある程度事前にシミュレーションを行い、何か起こった時に臨機応変に動ける体制を整えておく必要があると考えます。これは防災対策についても同じことが言えます。最高責任者としての区長の覚悟と所見を伺います。
大要2点目は、東京オリンピック・パラリンピックも見据えた国際観光都市すみだの「おもてなし」について伺います。3年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、本区の「おもてなし」についての質問を今後いくつか取り上げていきたいと考えていますが、今回は観光に訪れる海外の方々から見た墨田区のイメージアップも兼ねて、区内でも数多くの店舗があるコンビニエンスストアの中に置かれている成人雑誌への対応について質問します。千葉市が、今年の夏から一部のセブンイレブンにおいて、店内で販売されている成人雑誌の過激な写真等を色付フィルムで隠すといった事業を試験的に行うと発表しました。市内にある幕張メッセでは、オリンピック・パラリンピックで計7競技が開催される予定となっており、外国人観光客が増えることを踏まえて、地域のイメージダウンを避けるのが狙いとして実施するとのことです。「表現の自由」に関する一定の配慮は必要ですが、一方で国や宗教の違いから驚いたり、不快な思いをしたりする外国人観光客の方々がいらっしゃるのも確かです。まちのイメージアップとは小さなところから始めていかなければならないとも思います。①墨田区としても、外国人観光客への「おもてなし」という観点も含め、東京オリンピックの競技が予定されている両国国技館周辺や、駅からの導線のコンビニエンスストアに置かれている成人雑誌については色付フィルムで覆うといった対応について是非検討していただけないでしょうか。日本国憲法で保障される「表現の自由」は、その内在的制約として公共の福祉による制約に服することとなっており、問題は、その制約の範囲をどこまで認めるかということであります。出版者の表現の自由に対して、外国人観光客が成人雑誌をみることなく、静穏のうちに買い物をする自由を保障することは、国際観光都市として立地する本区としてあるべき姿なのではないでしょうか。区長の所見を伺います。②また、このことに限ったことではなく、東京オリンピックでボクシングの会場となる本区において、今後どのような国の方々が関心を持ち、訪れる可能性があるのかも予測し、例えばハラール対応の充実など考慮していくべきと思います。国や宗教の違う方々の「おもてなし」について改めて区長の所見を伺います。
大要3点目は、新学習指導要領実施に向けた現場対応について伺います。今回の学習指導要領の改訂により、義務教育現場における英語授業の在り方が大きく変わることについて伺います。
小学校では2020年度から小学校5、6年生で英語を教科化、成績評価のない外国語活動を3、4年生からスタートさせるという方針が打ち出されました。東京都に限っては、2018年度から先行実施することが決まっています。しかし、東京都が実施した2015年度小学校外国語活動等の実施状況調査において、英語指導の授業づくりに対して不安が大きいという教員の声が明らかになっております。文科省は、国の研修を受けた「英語教育推進リーダー」から研修を受けた「中核教員」を2万人養成し、全小学校に配置するという計画を進めるとしていますが、区の現状を伺います。①現在、本区は英語教育推進リーダーが1名在籍していると仄聞しています。今、その方が中心となり、小学校教員に向けた英語活動研修会を実施し、中核教員養成を行っているとのことですが、現在の進捗状況や、見えてきた課題、成果を伺います。②本格実施に向けて、英語教育推進リーダーと指導主事と共に全小学校を回り、学校側の悩みを聞き、あるいは助言を行って不安を払拭していくといった取り組みも実施されていますが、現在の状況を伺います。また、浮き彫りになった具体的な課題と、そのことを受けての区の対策について伺います。④教員の資質向上のため、今後更なる研修の充実や、資格取得に向けた後押しなども考えているのでしょうか。伺います。➄続いて、小学校における英語授業が将来35時間増えることへの本区の対応について、既存の授業からどう組み込んでいくのか伺います。⑥小学校における英語教育を円滑に推進するためには、学級担任、ALT,専科教員、外国人教員など、柔軟に取り入れていく必要があると考えますが、加配等も含め、教育長の現段階の考えを伺います。
次に、中学校の英語の授業を原則としてオールイングリッシュで行うようにと変更されることについて伺います。英語を母国語でわかりやすく指導する能力と、第二言語を使って尚且つ生徒にわかりやすく指導する能力は別ものと考えます。指導方法を誤ると、全く授業が理解できない子ども達が出てくるのではないかと懸念します。中学校教員に対してどのように研修等の対応を行っていくのか。区の対応を伺います。
続いて、小学校で新たに必修化される思考力を鍛えることが狙いのプログラミング教育について伺います。日本ではまだ馴染みのない言葉ですが、アメリカ合衆国やシンガポールなどでは既にこの教育に大変力を入れています。昨年フィンランドでも小学校のプログラミングが必修化されました。一方、イギリスでは、子ども達に教える前に教員へのプログラミング教育を推進する動きが見られています。プログラミング教育は、教員の指導力に左右される部分が如実に表れ、本当に文科省が示している目的通りに子ども達が正しく学べるのかという不安が拭えません。①こちらもどのように予め教員の研修を行い、授業にも盛り込んでいかれるのか対応を伺います。②併せて、これを機に、各自治体で導入が広がりつつある小学校、中学校全児童・生徒へタブレットの配付もあり得るのか、本区の計画も伺います。
最後に、新学習指導要領実施に向けて子ども達が困ることがないように、教員が現場でしっかり対応していくことができる万全の体制構築を改めて強く要望します。それに加え、今回の改訂に限らず、これまでも文科省が様々な教育方針を示し、最後は結局自治体や現場任せということが多く散見されるので、対応にあたる立場として、現場で明らかになった課題を抽出し、必要であれば国へ意見をあげていくことも大切ではないかと考えます。勿論、これらの考え方の根底には国際化が加速し、それに対応しながら世界市民的発想で教育をグローバルに捉える考え方を具体化する方向で練られてきたことであろうことは承知はしていますが、その上で教育長の考えを伺います。
以上で、私からの一般質問を終わります。ご清聴有難うございました。