令和5年09月13日定例会 一般質問 坂井ユカコ 議員

 

墨田区議会自由民主党・無所属の坂井ユカコです。 私からは、先に通告した大要1点について質問させて頂きます。
山本区長には、前向きかつ、心のこもったご答弁をお願い申し上げます。

 

高齢者は誰しも、健康を維持したい、寝込みたくない、と思っています。
自分の足で歩きたい、でも年々、確実に、体は衰えます。
手足に力が入らず、だんだんと、途中で一休みが必要になります。
そんなとき、今、ご高齢の皆さんが、どうしているかというと、電柱やガードパイプにつかまって。休んでおられるのです。
そこに、ちょっと座れる場所があったら。

 

日常の中でちょっと休める、ちょっと座れる場所があると、気後れすることなく、安心して出かけることが出来ます。

 

多くの高齢者から、同様の要望を頂きました。
それでは、中身に入らせて頂きます。

 

・まず、本区の介護予防に対する私の考えを述べます。

 

現在区では、高齢者対象の介護予防事業として、運動する場所や介護予防サポーターの養成、通いの場を支援するなど、いろいろな取り組みが行われております。
とても良いことで、受講者は効果を実感している方が多いと伺いますが、週1日、月1回、受講期間数か月、など、どうしても実践する機会は限られます。
高齢者が気軽に、街へ出かけることができる環境を整えることが出来れば、週一回の、介護予防教室に行くだけでなく、
近くの公園やお買い物、など、日常の街歩きや生活で、介護予防を行うことができるでしょう。
介護予防は、体操教室や病院、自宅、老人クラブといった「点」の充実だけでなく、地域という「面」にも注目し、充実を図っていくべきです、

 

そこでここからは、
・一休みできるウォーカブルなまちづくりについて

 

区は、「墨田区道における移動等 円滑化の基準に関する条例」第41条において、「歩道等には、ベンチ及び当該ベンチのウワヤを適当な間隔で設けるものとする」とし、区民が円滑に移動するために、休憩施設を設置することが必要と謳っています。

他自治体に目を向けますと、23区においても、
世田谷区が、高齢者福祉・地域支援・土木・交通政策などからなる「世田谷区座れる場づくり検討会」を設置し、令和3
年8月、「路上ベンチ等設置指針」をとりまとめました。 現在、「世田谷区座れる場づくりガイドライン」に沿って、区内各地に座れる場所づくりを進めています。
港区では、区の96事業を対象に、公共施設の外構部分などを活用したベンチ等の休憩施設を、区バリアフリー基本構想特定事業計画に盛り込みました。
渋谷区には、敷地内のだれもが座りやすい場所にベンチを設置する場合、費用の一部を補助する「民間ベンチ設置補助金」制度を創設しました。

 

一方、世界に目を向けますと、
アメリカ、ニューヨーク市、シティーベンチプロジェクトがあります。
ニューヨーク市では、2011年から、市の5つの街区にベンチを2000基新設しました。 設置場所はすべてマッピングされています。
ベンチの設置場所は、まず行政主導で行い、例えば高齢者が多い所には多く設置するなど、エリアの特性を踏まえつ
つ、同時に市民からの意見を取り入れ、内容を更新していく、このシステムまで含めた、町の、トータルデザイン戦略が、「シティベンチ」になります。
タイムズスクエアや、コペンハーゲンなどにも。ベンチを核とした先進事例があります。

 

そこで区長に伺います。
今、世界の多くの都市で、まちなかを、車中心から人中心の空間へと転換する取組が進められていますし、
日本も、ウォーカブル政策が、都市再生の切り札のひとつとなっています。
墨田区として、本区のまちづくりでも、実施・検討が可能な施策はあるか。区長のご所見を伺います。

 

・民間の取り組みについて

 

一方、課題に、早くから取り組む、民間団体もあります。
平成28年、医療系多職種連携研修で、圏域の高齢化、孤立化等の課題が上がり、誰でも座れるイスを適所に配置することにより、高齢者の閉じこもり予防、介護予防に役立てよう、という取り組みがスタートしました。

 

地域ケア会議での検討を経て、任意団体としての活動に移行され、現在は、区 北部を中心に、60台のイスを設置・管理されているそうです。
イスの制作・設置・保守・保険にかかる費用は、地域の事業所や、活動に賛同する会員の、少額の年会費から捻出し、設置は、趣旨に賛同する町会、事業所、銀行、商店、個人宅の軒先など、私有地にしていると伺いました。
定期的なモニタリングでは、 「イスがあるから外出できる」 「いつも子どもたちが座っている」 「毎朝登下校の子と挨拶している」 といった、当初の設置目的を上回る高い評価を得ているそうです。

 

そこで区長に伺います。
先達の取り組みに頭が下がる思いですが、区長はこのような、高齢者への取り組みについて、どう評価されているでしょうか。

 

最後に、
・歩道の役割について

 

ご紹介した民間団体の、モニタリング調査からも、道は、移動するためのインフラだけでは無く、居場所として活用されていることが分かります。
居場所としてのベンチがあれば、人はそこに留まります。
人が留まれば、出会いが生まれ、コミニケーションが発生します。
パブリックな空間に、人の滞在時間を増やすベンチは、円滑な移動環境における、休憩施設としての役割にとどまらず、日常の地域活性化にも、寄与するのではないでしょうか。

 

区では基本構想に沿って、 とうきょうスカイツリー駅、押上駅、本所吾妻橋駅、両国駅の半径500m以内の、優先整備地区と、優先整備地区同士を繋ぐネットワーク道路の、大規模改修を行い、バリアフリー化を進めてきました。
「墨田区交通バリアフリー 道路特定事業計画」と銘打った整備期間10年の大事業です。 バリアフリーの関係法令等が改正される中、区は、歩道の幅員や段差、点字ブロックといった、構造上の基準に準じた、バリアフリー整備を行い、その責務を果たしたと認識しています。

 

・最後の質問です。
これらの道は、バリアフリー整備が行われ、歩きやすくなっていますが、私は、「墨田区道における 移動等 円滑化の基準に関する条例」 第41条にある、「歩道等には、ベンチ及び当該ベンチのウワヤを、適当な間隔で、設けるものとす
る」 を形にし、高齢者が道路でも休める場所を、作ってもらいたいと考えています。
まずは、道路バリアフリー整備が行われ、ベンチを置いても、通行の支障とならない、路線の適所に、ユニバーサルデザインを取り入れた、休憩施設を設置してはいかがでしょうか。区長のご所見を求めます。

 

私がこうして質問している今も、区内には、暑い中、電柱やガードパイプにつかまり、休んでいる高齢者がいると思います。
誰しも必ず訪れる老年期へ向け、墨田区が、高齢者に優しく、誰もが暮らしやすい町になることを願い、質問を終わります。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

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