平成30年度第一回定例会 一般質問 しもむら 緑

墨田区議会自民党のしもむら緑でございます。
通告してあります大要2点につき、山本区長及び加藤教育長に質問いたします。
明確で前向きなご答弁をお願い致します。

 

大要1点目は舟運の活用について伺います。

2020年に向けて、現在、北十間川•隅田公園観光回遊路や両国リバーセンタープロジェクトの整備が進められています。水辺を活用した新たな賑わい創出の拠点として期待に胸が膨らむところでありますが、より多くの集客を見込むために墨田区としては事前に動線計画を立ててサポートすることが必要であると考えています。今回は舟運の活用に特化して山本区長に質問致します。 台東区の浅草から、あづま橋を渡って墨田区へ観光に訪れた方々が、東京スカイツリーだけではなく、相撲観戦やすみだ北斎美術館などにも足を運んでみたいと思った際、交通の利便性が非常に悪いことが現状の課題として挙げられます。それは、両国エリアから見た時にも同じことが言えます。東京五輪では両国国技館でボクシング競技の開催が予定されていますし、その近くには1000名規模の観光客が宿泊できるホテルの建設も予定されています。今後、より多くの方に区内周遊を楽しんでいただくために動線を考えていくことが大変重要です。そこで区長に伺います。今回、北十間川•隅田公園観光回遊路整備事業の中で(仮称)小梅橋船着場が整備されることを受け、両国リバーセンタープロジェクトに係る船着場も上手く活用し、観光振興の充実や二次交通としての利便性を図るという観点から、船舶の定期便の推進を検討いただけないでしょうか。 加えて、防災の観点からは、定期航路事業者との災害時の協力協定も要望致します。大規模災害時においての船舶の活用については、阪神淡路大震災や、東日本大震災大震災にて、物資輸送等極めて重要な役割を果たしたことが国土交通省の『大規模災害時の船舶の活用等に関する調査検討会』などでも報告されています。その中で問題として挙げられていたのが、活用可能な船舶の確保でした。船舶の活用を実施する必要があっても、どこに船があり、どこに連絡すればよいのかわからなかったという反省があるとの指摘もなされていました。墨田区は現在東京都の水辺ラインと災害時の協力協定を結んでいますが、有事の際、本区を優先的に支援してくれる船舶事業者との災害時の協力協定は結ばれていません。選択肢は多いに越したことがありません。早急に締結すべきと考えます。併せて、大規模災害時にすぐ動けるように区内の係留場所提供についても考慮していただきたいと思います。区長の所見を伺います。 定期船の実現に向けては、桟橋使用料や管理料が課題になってこようかと思いますし、災害時に備えた船舶の係留場所についてもクリアしなければならない課題があろうかと思います。 所管もまたがりますが、是非、できない理由ではなく、できる理由を考えて動いていただけるようお願い致します。 大要

 

2点目は性教育について伺います。

先般、東京都教育委員会が、専門医の視点も踏まえ、教育現場での適切な性教育を進めるため、小中高校向けの教師用「性教育の手引き」を今年度中に改訂する方針を示しました。具体的な内容はまだ明らかとなっていませんが、十代の望まない妊娠や、性感染症などが問題となっている中、自分の体を守る具体的な方法や、「生命の大切さ」を学ぶ大切な機会であると捉えています。 望まない妊娠は中絶につながりやすく、意図せぬ出産は新生児の遺棄や児童虐待、貧困につながるケースもあります。そのような事態を招かないために、義務教育課程の保健体育の教科書には「避妊」の言葉はありませんが、しっかりと知識は伝える責務があると思っています。性感染症については、1980年代にエイズが社会問題化しましたが、それに加え、厚生労働省から発表されている若者に広がりをみせているクラミジア感染症、近年急増している梅毒などの状況を鑑みると、予防教育にも力を入れていく必要があります。性感染症の怖さは、その多くが症状に乏しく本人が気づきにくいため、結果感染が広がってしまうという点です。感染から時間が経過すると様々な疾患を引き起こし、時には次世代まで重大な疾患を引き起こす可能性があること、将来不妊症などにも繋がり女性に圧倒的に不利になることなどを伝えることが大事なポイントであろうかと思います。 日本は恥じらいの意識がまだまだあり、海外と比較すると、なかなか大きな声を上げて、危機感を持って性教育の取り組みをやっていこうという方向にはなりにくいのかもしれません。しかし、大変重要なことです。14歳以下の望まない妊娠や、15歳から一気に性感染症の感染率が上がることを考慮すれば、小学生の時期から、保護者の理解も当然得ながら、子供の発達段階に応じて継続して伝えていく必要があろうかと思います。 今回の手引き改訂の動きを受け、改めて教育現場における性教育の進め方と墨田区の考え方について加藤教育長の見解を伺います。 他自治体の事例を紹介しますと、埼玉県富士見市立水谷中学校では、平成21年から3年間を通した年間計画を立て、性に関する特別活動指導「命の授業」を、保護者の協力も仰ぎ、助産師による出前授業なども交えながら実施しています。秋田県では、秋田県医師会と連携した中学校•高校を対象とした性教育講座を実施し、望まない妊娠の減少など一定の成果を上げています。宮城県仙台市立松島小学校では、年に一回「育ちゆく体とわたし」の単元に沿ったかたちで、小学4年生児童と保護者を対象に、管理校医でもある医師が命の大切さを伝える性教育を実施しています。 ネット普及などにより、様々な性情報が氾濫する中で、性感染症や性に関する正しい知識を身につけ、正しい行動を選択するためには、このように医師や助産師との連携も非常に有効であると考えます。墨田区でも是非こういった専門家との取り組みを実施していただきたいと考えますが、加藤教育長の見解を伺います。 以上で私の質問を終わります。ご静聴、有難うございました。

平成30年度第一回定例会 一般質問 坂井 ユカコ

本会議場で手話表現を行いました。(墨田区議会史上初)

 

議席番号1番、自由民主党、坂井ユカコです。
私からは、先に通告した大要3点について、質問いたします。区長・教育長には、前向きな、ご答弁をお願いいたします。

 

  • 手話及びろう者への理解促進について伺います。

 

手話がどこでも使える社会へ向けた大きな一歩となる「墨田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例」が、今定例会に議案として提出され、ろう者から、喜びの声が多数寄せられています。

 

平成21年の、学習指導要領改訂以降の今日、日本のろう教育は、手話教育が中心となっていますが、つい20年前まで、ろう学校で手話を使うことは、禁止されていました。口で話す訓練をする「口話教育」が、重要視されていたからです。聞こえないのに、声を出すことを求められ、当時、つらい思いをされた方も、多くいらっしゃったと聞きます。

 

このたびの条例で、手話などの非音声言語が、音声言語と同様に「言語」と定義づけられる事になります。ろう者苦難の歴史を顧みれば、実効性のある、より良いものにしていかなくては、と意を強くするものです。

 

さて、「手話は言語である」ということが世界で初めて定義されたのは、平成18年の「障害者権利条約」の国連総会による採択です。

国内においては、23年に「障害者基本法」が改定されました。

その後、25年に全国の自治体で初めて、鳥取県が手話言語条例を施行し、昨年末で、全国で234自治体、都内では4自治体が、手話言語や障害者の意思疎通に関する条例を制定しています。

 

まずは、

条例(案)制定に至る経緯を伺うとともに、先達自治体が多くある中での条例(案)提出における、本区独自の特色について伺います。

具体的に他自治体と違う点、工夫、踏み込んだ点をお示し下さい。

 

続いて、条例(案)の第五条、区民の役割として、障害者の意思疎通に係る、理解を深めることについて伺います。

 

秋篠宮佳子内親王殿下が、手話を使い、お言葉を述べるのをニュースでご覧になった方も多いと思いますが、今、佳子殿下のように手話を学ぶ人が増えています。全国手話研修センターが実施する「全国手話検定」を、10,059名もの方が、昨年受験されました。

 

現在墨田区で手話を知る機会としては、➀すみだボランティアセンターで行う年間40回の手話専門講座、②手話が話せる方向けの手話サークルといった活動が既にありますが、条例制定後は、さらに日常的に、多くの区民が、手話を知ることができ、手話表現に触れることができる、仕組みづくりが求められます。

今後どのような方法で、この機会を増やしていくおつもりか、伺います。

 

音の世界から、すべて隔てられている、ろう者の孤独を、健聴者が想像することは不可能です。だからこそ、聞こえないことはどういう事か、考えたり、想像する機会を作っていく事が大切です。

ろう者を知る事は、見た目にわからない障害をお持ちの方への、理解を深める事につながります。

区民全体、そして児童・生徒への取り組みを積極的に展開すべきと考えますが、この点について、区長ならびに教育長の所見を伺います。

 

あわせて、広報についても触れておきます。

昨年、手話言語条例を制定した江戸川区では、区民だより特集号を発行し、聞こえない人の毎日や、日常生活で困る場面、身近な手話表現、条例制定を機に始まる、庁内オープンスペースで、どなたでも参加することができる「初心者向け手話体験」等、大きく掲載しておられました。

条例制定に対する機運を区民に見える化することも、重要ですので、しっかりと取り組んで頂きたいと考えますが、区長のご所見を伺います。

 

  • 次に、情報保障について伺います。

 

情報保障とは、個人の「知る権利」を、実質的に保障するものです。

特に聴覚障害者は、音声によって提供される、情報や会話を理解できないため、日常的に、情報から疎外されています。

そのため、一般的に「情報保障」とは、聴覚障害者に対するコミュニケーション支援を指して用いられ、具体的には、手話通訳や要約筆記、字幕等の対応を指しています。

 

私は区議会に入って、区の大きな行事には、登壇者の傍らに、必ず手話通訳者が立ち、同時通訳をしていることを知りました。

東京都の定める『区市町村・事業者のための「心のバリアフリー」及び「情報バリアフリー」ガイドライン』を参考に、こうした対応を行っているとのことですが、参列者の中に、手話通訳による情報保障を必要としている方が、本当にいるのか、いつも不思議に思っていました。

何故なら、ろう者なら、手話通訳者と正対して、通訳して頂いたほうが、理解しやすいだろうと思ったからです。

 

そこでまず、

これまで、手話通訳者を派遣した行事等で、実際に手話による、情報保障を必要とする方を、把握されているのか。

個別に対応したほうが良い場合等、無かったのか、伺います。

 

一方で、区主催の行事でも、中規模の行事となると、急に手話通訳者を見かけなくなります。区の行事等において、手話通訳を派遣する、しない、の基準は、あるのか、この点についても、合わせて伺います。

 

本日開催の本会議のように、事前の申し出で、手話通訳等の対応ができる行事も有りますが、区民にお知らせする行事の殆どは、実質的に、健聴者のみが対象となっています。

 

折しも、31年度予算(案)には、タブレットを使った手話通訳サービスの提供を、準備しているとあります。このサービスが開始すれば、より簡便に、手話通訳を行うことが、できる環境が整います。

 

そこで、私からは、区主催及び区後援行事を案内する、パンフレットに、統一した文言やマークを配するなどして、「すみだの情報保障」をうたい、積極的にコミュニケーション支援を推進することを、提案します。

 

障害者差別解消法が、平成28年4月に施行され、障害をお持ちの方に対する不利益取扱いの禁止や合理的な配慮の提供が行政機関において法的義務となっています。

 

「墨田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例」制定を機に、手話通訳や要約筆記、磁気ループ補聴器等を活用した、コミュニケーション支援が、一層進展していくために、また、障害をお持ちの方への合理的配慮の確かな一歩とするために、この提案への、区長の明快なご見解を求めます。

 

  • 訪日外国人増加に伴う対応について

 

東京都の訪都旅行者数等実態調査結果によれば、平成29年、東京を訪れた外国人旅行者数は過去最多の約1,377万人(対前年比5.1%増)で、そのうち1,030万人が都内に宿泊しています。スカイツリー等、多くの観光資源を有する我が区にも、多数の外国人が滞在していることが推測されます。

また、本区居住の外国人に関しても、5年前は9,351人、今年2月1日現在12,629人と、着実に増加しています。

数年前と比べて、外国人を見ることが本当に増えたなぁ、という実感は、誰もがお持ちの事と思います。

 

昨年6月に、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、新法における民泊の登録が、スタートしました。

そこでまず、本区における施行半年の届出状況及び受理状況、合わせて旅館業法におけるホテル・旅館・簡易宿所の申請状況を伺います。

合わせて、23区全体の届出・受理状況、他区との比較等から、分析できる点についても、お示し下さい。

 

地域住民からは、外国人旅行者を見かけることに、かなり慣れてきた、といった意見と同時に、マナーに関する摩擦を懸念する声が、聞こえます。

 

本区は、民泊、簡易宿所等に、責任者の連絡先の明記を求めていますので、まずは、実際に苦情等を受け付けた件数とその内容、苦情発生後の対応について伺います。

 

確かに一部に、マナーが悪いがいることも事実ですが、多くの外国人は、その国の文化に敬意を払い、ローカルルールを楽しみたいと思っています。

ところがこのローカルルール、暗黙の了解すぎる事から、文化の異なる訪問者が理解するのは、至難の業である事も事実であります。

 

トラブルや苦情を未然に防ぐためにも、受け入れる側も、日本ならでは、下町ならではの慣習やマナーは、あらかじめ宿泊客に説明すべきです。

そこで、区民から寄せられた苦情や意見を基に、本区の実情を反映・集約した「下町滞在のしおり」のようなものを、電子データ等で、用意することはできないでしょうか。

宿泊施設 事業者が、予約時にメールに添付したり、チェックインの時に手渡す等、することができれば、住んでいる人も、海外からの旅行者も、良好な関係を築ける仕組みとなると思いますが、区長のご所見を伺います。

あわせて、その内容を観光協会や旅行会社を通じて周知できるような動きが出来ないか、さらに外国人の区内居住者が生活する上での参考資料と出来ないか。これらの視点についても、伺います。

さて、外国人の増加に伴い、思わぬ事態も発生しています。

昨年末、「日の丸」の国旗をと売りつけようとする外国人グループに注意するよう、港区愛宕警察署が注意を呼びかけたと伺いました。

この事案は、被害が少額である事や、100%詐欺にあたるという判断が難しいため、犯罪として表面化はしていませんが、外国人はひとりやふたりではなく、今年に入り、浅草や東京スカイツリー等の観光地だけでなく、区内の住宅街や、飲食店等で、活動する姿が目撃されています。聴覚障害を持つ旅人を装っている例も多く目撃されています。

こうした類は、今後も手を変え品を変え、続くことが予想されます。

訪日外国人に対する、私たちの善意やおもてなしの気持ちを踏み躙る、これらの誘いに乗らないよう、今後の目撃・被害・通報状況次第では、注意喚起することや警察などの機関とも連携して、情報提供するなど、対応すべきと考えます。区長のご所見を伺います。

 

以上で、私からの質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第一回定例会 一般質問 田中 邦友

 墨田区議会自由民主党の田中邦友です。四点について山本区長、加藤教育長に質問致します。

  • 墨田区産業振興マスタープランの改定について

昨年の第四定例会における産業都市委員会で、「産業振興施策の新たな方向性について」の報告があり、マスタープランの進捗管理のための平成三十年度の産業振興会議では、墨田区産業振興マスタープラン改定の際には社会状況の変化に合わせて、ビジョンを常に見直し、短いサイクルで事業を実施、改善できるプランとしていく旨の提言があったところです。

 

平成二十五年三月に策定された「墨田区産業振興マスタープラン」は、地域産業の停滞、地域の生活文化の変容、東京スカイツリーの開業、厳しい競争環境下でもチャレンジする事業者の存在と言った現状認識のもと、改めてこれからの十年を見据えた産業振興のビジョンを描き直す必要があるとしています。

そして、産業振興施策の方向性として、産業と観光の融合、外部資源の活用と人材育成、新しいモノづくりの拠点、新分野への展開、消費者を意識した新しい商業展開をあげています。

また、平成二十七年四月に策定された「墨田区観光振興マスタープラン」は、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでの期間として、観光の視点を生かした幅広い産業群の創出、愛着と誇りの持てる取り組み、総力をあげて取り組むまちづくりを基本理念としています。

そして、具体的には、北斎と江戸文化、産業と観光の融合、水都の再生の三つのテーマを重点的に取組むことを基本戦略に据え、地球規模で考え、自らの地域で活動するまち歩き、こだわり観光を観光都市づくりの視点として進めていくべきとしています。

 

そこでお尋ねいたします。

十年先を見据えた産業振興マスタープラン、目前に迫っている、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの期間とする観光振興マスタープラン、区長はそれぞれのプランについてどの様に総括されるのか、まず伺います。

 

私としては、産業と観光の融合と言う響きは言葉だけが先行した感が否めず、両プランの統合という政策転換を図られたことは評価いたしますが、むしろ遅すぎたと思います。今後の改定に向けてどの様な視点をもって臨むのか、改定の考え方を伺います。

私は両プランの統合に向けては先ず、これまで取組んできた現計画の実績を踏まえた新しい事業展開を図るべきと考えます。その上で、現状を見据えた事業の修正が必要になると思いますが、区長の見解を求めます。特に観光施策については、スカイツリー開業から早や七年、事業の再構築が待ったなしの状況下にあります。例えば、区の直接的なイベント事業の実施から民間誘導のコーディネートへ。あるいは、地域の日常を観光資源化することを通じたまちおこしなど、を見直していくべきと考えますが、その点について区長のお考えをお聞かせ願います。スカイツリー開業以降、交通利便性の良さもあって、地域のポテンシャルはたしかにあがっている。しかし、区全域に浅草のような観光地になることを区民が望んでいるとはとても考えにくい。一方で観光客は増加し、外国人の区民も増えている。又、多くの観光客が訪れることによってものづくりのまちであるゆえ、お土産を造れば売れるのでは。そして又、まち歩き観光が盛んになり、観光客による地域での消費が大いに喚起されるという、そんなイメージを抱いていたのではなかったのか。改めて、「国際文化観光都市」とは“産業と観光の融合”とはどの様な内容を意味するのかお伺いします。

 今後改定される新たなプランは本区が抱える課題の解決や改善に真に繋がり、観光振興や産業振興に直結したものとなることが強く望まれます。区長の見解を求めます。

 

 

  • 改正バリアフリー法について

平成三十年十一月「高齢者、障害者等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律」、いわゆる改正バリアフリー法が施行されました。

「共生社会の実現」「社会的障壁の除去」に資することを旨として行わなければならないことを基本理念として明記されています。そして、市区町村が駅、道路、公共施設等の、一体的・計画的なバリアフリー化を促進する制度も創設されました。

 

 墨田区では平成十二年十一月に施行された国の交通バリアフリー法を受け、平成十六年六月に“誰もが移動しやすく、安全で安心なふれあいのあるバリアフリーのまちづくり“を整備の基本理念に掲げ、「墨田区交通バリアフリー基本構想」を策定しました。そして区内九駅周辺地区ごとの特性を整理し、整備優先順位を検討し、このうち最も要件の適合性が高かった曳舟駅周辺地区を重点整備地区に選定、2010年を目標年次とする交通バリアフリー法に基づく施設整備を行うこととした。

そして平成十七年三月に墨田区道路特定事業計画を策定。

 

又、東京スカイツリーの開業や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催、両国観光まちづくりの具現化の他、様々な観光施策の展開による一層の来街者の増加や、人の動きの活発化も見込まれることから平成二十七年六月にも「墨田区交通バリアフリー道路特定事業計画」を策定。「東京スカイツリー・押上・本所吾妻橋周辺地区」と「両国駅周辺地区」の二地区を優先整備地区と位置づけたところであります。

 

そこで伺います。

これまでの取組みにより、本区のバリアフリーのまちづくりがどれだけ進んだとお考えか、特定事業計画の進捗状況も含め、区長の現状認識をお尋ねします。

 

また、この改正バリアフリー法では、心のバリアフリーの重要なポイントとして、国及び国民の責務に、高齢者、障害者等に対する支援が明記されており、この点も踏まえ、今後どの様に取組んでいくお考えか伺います。また、この際、曳舟駅周辺地区に続く、重点整備地区についてはどの様な方針で臨まれるのかお知らせ戴きたい。

 

ところで二月五日の新聞報道によれば「兵庫県宝塚市は、市が作成する公文書で障害を障碍と表記する方針を決めた。碍の漢字は、例えを言いますと、電線を支持し絶縁するため、電柱などに取り付ける絶縁体器具を碍子といいますが、その漢字の碍(がい)です。東京オリンピック・パラリンピックを控え、衆議院文部科学委員会と参議院文教科学委員会が昨年、碍の常用漢字への追加を検討するよう決議。これを受けた文化審議会国語分科会が同年十一月、結論を先送りした上で「地方公共団体や民間の組織が常用漢字表にない碍を用いて表記することを妨げるものではない」との見解を示しました。

 市では条例や法律用語、固有名詞などを除き、市の判断で変更可能な通知文などの公文書、ホームページなどを順次変更する。この報道を受け、本区においても前々から障がい者団体等から要望のあった害の漢字に代わる、平仮名のがいなどの文字の変更に向けた検討に着手すべきと考えますが、区長の見解を求めます。

 

  • 無電柱化の促進について

平成三十年第一回定例会本会議で私は、住宅密集地を多く抱える墨田区では、避難路と輸送路の確保という防災対策の観点に重きを置いて、区道の無電柱化を推進していくべきと。それに対し区長からは「防災面から住宅密集地を抱える本区において、その必要性があると考えている」と。

そして具体的に想定している路線については、「無電柱化計画」の中で、事業効果の高い優先整備路線として指定していきたいと。

 

又、平成三十年第二回定例会本会議で、佐藤篤議員が「墨田区無電柱化基本方針では、考え方を示すのみで計画期間や総事業費、これに引き当てる区としての財源をどのように考えているのか」、との質問に対し、区長は「本年度策定する整備計画において、工事期間の短縮や事業費の縮減と平準化等を検討し整備していく。財源として、国や都の補助金を最大限活用し、併せて低コスト手法や新材料の導入等の検討を進めていくと答弁。

 

そこで、現在の無電柱化整備計画の策定状況をお尋ねします。そして又整備計画策定後のスケジュール等の見通しもぜひお聞かせください。

 

又、昨年六月東京都は、都道での電柱新設を原則禁止し、無電柱化を推進する条例を制定しています。

本区としても電柱等の占用規制をかける道路法の一部改正等踏まえたうえで、そもそも無電柱化の推進に向けた必要な措置としての条例化が視野に入っているのか、改めて本区の条例化への考え方をお尋ねします。

 

 

最後に防災教育について伺います。

平成三十一年一月号年頭の挨拶の中で加藤教育長は「中学生に限らず、災害時には自分の身は自分で守る、自分の安全が確認できたら、家族、友人、地域の方への支援、協力に努めて下さい。又、普通救命講習の受講者は、必要があれば講習で身につけた知識、技能、を活用して欲しいと思います」と述べられておりました。

 

平成三十年第一回定例会本会議で私は防災教育に関して、防災意識向上の指導方法と中学生の防災訓練等での地域貢献について教育長へ質問致しました。加藤教育長からは、「地域の防災訓練等への中学生の参加は、学習効果を一層高め、中学生と地域の結びつきを強める機会になります。各学校には防災訓練等への参加意識を高める教育活動も含めて、引き続き防災教育の充実を図るよう指導していき、もって地域への貢献に資するものと考えている。」とのお答えでした。

 

全校が終了していないと聞いておりますが、普通救命講習の実施状況の現状をお知らせください。そして、受講した生徒の感想や学校現場の反応、あるいは講習実施前と後で何か変化がみられたのかと、言った点についても、教育委員会はどの様に把握されているのでしょうか、お知らせ願います。又、中学校の避難訓練を地域の方へ公開する点についての質問に対し、教育長は「実際の災害時を想定して行うことが重要であり、訓練内容を地域の方に理解していただき、連携を進めることの必要性は高いと考えます。学校を避難所として開設する状況も含め、学校の避難訓練の内容や地域住民への公開の方法等について、校長会や関係部署と連携して検討を行ってまいります」と答えておられます。現在の検討状況を伺います。

 

いずれに致しましても、中学生が防災教育の一環として普通救命講習を受講し、地域防災訓練等へ積極的に参加する意識を芽生えさせ、地域に貢献しようとする意識を高めていく。そして、大規模災害等の発生時に活躍できる地域人材として育てる大変夢のある取り組みが始まったところです。

 

この夢の実現に向けて、防災課をはじめとした関係部署等としっかり連携し、加藤教育長が思い描く、より具体的な今後の取組みを力強くお答えいただくことを期待して私の質問を終わらせていただきます。

 

 

 

尚、この三日間の本会議質問を通じて感じましたのは、民間区長、山本区長の四年間の区政運営を振り返った総括的な質問と共に、次期へ向けては強いリーダーシップを持って区政へ当たることを期待する主旨の質問もあったかと思います。

 しかし、それに対する山本区長の答弁は率直に言って、次期区政への強い思い覚悟といった政治姿勢が伝わってこないものに私には映りました。

 どうか、残されている近定例会での各委員会では出来るだけ、自分の言葉を心掛けられこれからのすみだの夢を力強く語っていただくことを切望し、質問を終わります。

 

 ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第一回定例会 代表質問 木内 清

 

墨田区議会自由民主党の木内清です。会派を代表して、山本区長及び加藤教育長に質問します。 

第一の質問は、

先日の区長の施政方針を受けて伺います。 

平成31年度予算を「すみだの“夢”実現に向けて、次のステージへ」と位置付けて編成したと述べています。厳しい財政状況の中にも「基本計画の着実な推進」という任期当初の方針通り、新規事業ではなく、この3年間進めてきた基本計画事業の深化や社会情勢の変化に合わせた拡充が主となっており、堅実に編成された印象をもちました。 

基本計画中の主要な公共施設等整備や、“夢”実現プロジェクトは概ね着実に進行していると見受けられます。しかし、これまで幾度も早期の除却を求めてきた利活用検討用地としている旧隅田小学校及び旧向島中学校について、今任期中に方向性が示されることを期待しておりましたが残念ながら、改めてどの時点までに方向性を明確にするのかお聞きします。 

また、31年度予算では伸びがやや抑えられましたが、民生費が一般会計の約57%にあたる約680億円となっています。ここ数年は景気回復基調と歳入増等により、民生費の伸びや予算規模の増大を吸収できました。しかし景気の足踏みや国の税制改正等の外的要因により歳入減になった場合、危機的な財政状況に陥ってしまいます。その危惧は、第4回定例会での区長の答弁から共有していると認識しています。来年度には「財政白書」の策定を行い、現状分析と将来負担の財政推計を示し区財政の可視化を図ると表明されています。同水準で民生費を支出し続けた場合、道路や橋梁の維持費等、他の施策への影響はあるのか、例えば保育園に関して東京都の補助期間終了後も区費で行っている旧都加算と言われる区が上乗せで行っている補助金についてあきらかにするなど、区民にわかりやすい、持続可能な財政運営のための議論の基礎となるものと理解しています、区長の所見を伺います。 

加えて、来年度予算は、区長の今任期最後の編成ですがこの中で、初めての概念が登場しました。予算特別委員会の審議に入るにあたり伺います。 

施政方針の中では「すみだらしい共に支え合う社会の実現」

「本区の持続的成長のための取組の推進」及び「地域を区民とともに創り上げていく視点」という概念について

具体的に意味するところと、庁内での議論の経過、そしてこれら概念をなぜ特に来年度予算に位置付けたのかについて伺います。 

 

* * * 

 

第二の質問は、

墨田区議会自由民主党が策定した「会派マニフェスト」についてです。私たちは、会派としてこの四年間の政策提言活動を総括し、2つの条例提案と5つの政策提言をまとめて、区議会選挙において区民の皆様に訴えていくこととしました。来期にはこれを区民の皆様とともに検証し、客観的評価を加えていきます。これは、マニフェスト大賞グランプリを受賞したよこはま自民党の取組みを視察し、参考にしたもので、議員提案条例案を含めた形で、区議選を核として政策のPDCAサイクルを回していく、23区では初めての取組みとなります。

区民の皆様にはぜひご期待いただきたいと存じます。 

ひとつは、「町会・自治会振興条例」についてです。区長が就任後、特に力を注いでいることのひとつとして、「地域力支援」があります。こうした姿勢には私たち会派として賛同しており、その中核となる町会・自治会の持続的発展のために、同条例を提案したいと考えています。 

私たちが参考にしているのは、「品川区町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例」です。同条例では町会・自治会の活動活性化推進に係る基本理念を定め、町会・自治会の位置付けや役割、町会・自治会に対する区の責務、区民及び事業者の役割を明らかにしています。 

私たちの提案を受けて、全町会・自治会実態調査が実施されましたが、こうした実態調査の結果を受けて、具体的な対応策については、その普遍性を担保するため、条例化が必要だと考えていますが、この点について区長に伺います。 

現在、品川区の規定を参考に、条例案を精査していますが、来期には議会の皆様と議論し、よりより町会・自治会振興のための条例を作り上げたいと考えています。品川区の条例のこうした考え方について、区の現状と照らし合わせて、区長に所見を伺います。 

ふたつは、「公共調達基本条例」についてです。

区内事業者の皆様との意見交換の中で、こうした論点が整理され、私たちは「江戸川区公共調達基本条例」を参考に、この議論を進めることとしました。 

同条例ではその前文で、「公共調達は、区民の負担の下になされるものであり、公平性・公正性・競争性・透明性の確保はもとより、地域社会への貢献や地域経済の活性化にその効果が十分に発揮されることが強く求められる」と書かれており、区の強い意思が感じられます。 

公共調達は、自治体ができる唯一の経済対策であり、その規模からこの運用を行うことで、地域経済や地域コミュニティのあり方に対して区の意思を反映することができます。まず、この点に関する区長の見解を伺います。 

同条例の中で特徴的なものとしては、

公共調達が、区民生活および地域経済に資するよう必要な措置をとることを区の責務としている点と、特に重要な事業については特定公共事業として指定して計画を作成し、その社会的要請を明らかにする義務を課している点です。

公共調達に関して区としての意思を明確に示したものは現在存在しませんが、計画を立てることで区の意思を示し、これに基づいて地域力を支援する公共調達のあり方を考えていくことは重要であると考えています。こうした内容について、区長の所見を伺います。 

*次に5つの政策提言についてです。 

第一に水害対策についてです。大規模水害時には、江東5区から249万人以上の広域避難を行う必要があります。 

水害ハザードマップの戸別配布は行われていますが、区民の皆様がどのような場合に、どのような避難をしたらよいかは、まだまだ理解されていません。配布して終わるハザードマップではなく、都市型水害、高潮、荒川決壊と場合分けをして実践的に学ぶハザードマップのあり方が重要なのではないでしょうか。区長の見解を伺います。 

また、大規模水害時の具体的な避難先について、都外の自治体を含めて検討する必要があると考えています。この点についての区長の見解と現在取り組んでいることを伺います。 

第二に、在宅子育て支援についてです。私たちは待機児童の解消は自治体の責務との立場ですが、他方で、多様な子育て環境の整備と定住促進を両立する方策として、在宅での子育て支援を重点的な課題と位置付けています。この点で、施政方針の中で区長が両国・文花両子育てひろばの再整備の方針が示されたことは高く評価していますが、さらなる展開を求めたいと思います。さらなる子育てひろばの整備や定期利用保育や一時預かりの充実について、区長の見解を求めます。 

第三に、子どもたちの学力の引上げについてです。平成30年度学力テストの正答率をみると、小学6年生では知識の応用、中学3年生では国語、数学、理科の全般で、全国平均を下回っています。こうした環境の整備については、理科教育やアクティブラーニングの活用などで対応されていますが、今後の展開について教育長に見解を伺います。併せて、i専門職大学や千葉大学との連携として考えられているものがあれば具体的にお示し願います。 

また、区長が掲げている定住促進について、住宅や公園等の要素のほか大きな要素を占めるのは、学校の教育内容の充実や部活動の充実であると考えています。特に、校庭整備が今後の大きな課題になると考えています。これまで区は天然芝の整備やゴムチップ塗装化を進めてきましたが、自治体の中には人工芝を入れるなど、校庭を特色ある学校づくりの重要な要素に取り入れているところもあります。区の校庭整備についての現時点での考え方の整理と、今後の方向性について教育長に伺います。 

第四に、工場や商店街を次世代に引き継ぐことについてです。私たちは「多様性のある街」こそ、持続可能性のある街、魅力のある街になると考えています。ピーク時の5分の1まで工場数が減少しているとはいえ、ものづくりの街との特色は、私たちの街の特色です。区長はシティプロモーションを重要政策のひとつと位置付けていますが、工場とシティプロモーションの関係について考えを伺います。 

また住工混合のまちづくりについては、新年度予算案で環境改善資金という融資制度が創設されました。区長も議員時代に東大阪市を視察され、私たちが推進してきたことが予算化したことは高く評価します。今後、住工混合のまちづくりについては、住民の相互理解が欠かせないと考えますが、区長の見解を伺います。 

また、商店街の機能維持についても重要な課題です。これまで空き店舗対策やイベントの実施、ポイントの導入などソフト面の支出は多くなされてきたところでありますが、住宅化する商店街とこれに伴い連鎖的に閉店していく現状をみると、個店の魅力を高めることはもちろんのこと、商店の集積によって維持されてきた買い物の利便性や地域コミュニティを維持するためには、今一度踏み込んで、ハード面の整備、特に地区計画の手法等を用いた大規模な政策が必要なのではないかと考えます。例えば、全国から視察が多く訪れている香川県の丸亀商店街では、住民自らの運用を定めた「高松丸亀町タウンマネジメントプログラム」に沿って、1階を商店等の利用に制限し、高齢者の住まいを上部のマンションに誘導し、病院も誘致するなど、商店街機能を維持し、高齢者の買い物利便性も確保した画期的な事例として注目されます。もちろん、すべての商店街に通用しませんが、こうした手法を考える時期に来ているのではないでしょうか。この点に関する区長の見解を求めます。 

第五に、住み慣れた家での医療・介護についてです。医療と介護の連携については、自治体ごと、また地域ごとに大きな差があります。こうした中で、先進事例として取り上げられている事例の多くは、医療・介護関係者がフラットな場でつながり、忌憚(きたん)のない意見を言い合える関係を築いています。 

この分野の先進事例として取り上げられる、横浜市の戸塚区在宅療養連絡会「ほーめっと」は、自治体から独立して自主運営している組織ですが、本区でも、目的別にフラットに集える場の整備についての誘導策を検討してはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。  

 

* * * 

第三の質問は、都有地等区内の公有地の利活用についてです。 

区有地の利活用については、一部旧学校施設を除き、墨田区基本計画の中で方向性が示されており、この3年間で施設整備が進んだり売却が決定したりと一定の進捗が見られています。また、平成31年度末で用途指定期間が終了する清掃関連施設については、昨年の第4回定例会で「区が抱える課題や社会情勢等を考慮した上で、清掃事業にとらわれず、効果的な活用の方向性を早急に決定」するという答弁がありました。平成32年度予算編成時にはそれぞれの活用方法を示すことを求めますが、現在の検討状況を伺います。 

一方で、区内各地には、両国4丁目の本所警察署跡地、立川4丁目のポンプ所跡地、本所3丁目の現在すみだインキュベーションオフィスとなっている施設、江東橋1丁目の児童相談所跡地、堤通2丁目の都立忍岡高校跡地等、一定の規模を持ちつつも今後の利活用方法が確定していない都有地が点在しています。 

未定の都有地の内、本所警察署跡地については、移転が決定した時点より、地元の連合町会でまちづくり推進協議会を組織し、東京都や墨田区への要望活動や近隣町会へのアンケート実施等を行うなど、地域の要望をまとめ、都や区に伝える動きがありました。しかし、ポンプ所跡地やインキュベーションオフィスに関しては、現に工事が進行中であったり、廃止決定が伝えられたりしていても、その後の利活用について、地域の要望がまとまっているとは言えない状況です。 

それぞれの都有地を東京都の事情のみで利用方法が決定されるのではなく、区民生活の向上に資する活用となるよう、地域の要望を把握し、東京都に伝えていくよう区の取り組みを求めます。また、地域に対しても連合町会や地元有志の会等に情報提供を行うなど、区としてのサポートも必要ではないでしょうか。区長の見解を求めます。 

また、児童相談所跡地や都立忍岡高校跡地については、一定の方向性が示されていると仄聞していますが、区としての要望や地元の意向を反映できるようどのように働きかけを行っていくのか区長に伺います。 

  • * *

第四の質問は、区立小中学校の学校屋内運動場への空調設備の設置についてです。 

学校体育館への空調設備の設置については、真夏や真冬での災害時の避難所としての機能向上及び日々の教育環境の向上の2点から、設置について要望してきました。 

東京都でも昨今の猛暑を受けて、昨年12月、東京都の補正予算で平成33年度までの補助期間で、区市町村立小中学校の屋内運動場への空調設備設置に対する補助金が538棟分、約81億円が計上され、平成31年度予算案では、657棟分約99億円が計上されました。 

本区でもまずは補正予算を活用し、立川中学校と吾嬬立花中学校の2校に平成31年夏までに空調を設置することになりました。さらに、平成31年度予算案では、残り8校の空調設備整備の予算が計上されています。加えて、予算発表では、東京都の補助期間である平成33年度までに全小中学校の体育館への空調設備の整備が表明されました。 

我々は、この東京都の判断を歓迎するとともに、速やかに本区が補助金を活用することを評価しています。まずは東京都の予算計上に対する教育長の感想を伺います。 

 東京都の平成30年度12月補正予算の報道発表資料では、公益財団法人東京都環境公社に平成33年度までの3か年分の出捐金を拠出し、体育館の空調設置工事を補助することとしており、これまでの国と都の補助率に加えて都が追加で補助することとしています。また、都の平成31年度当初予算ではリース補助となっており、予算発表に先立つ小池都知事の囲み取材では区市町村の負担は2分の1との発言があったと仄聞しています。区としてはどちらの方式で対応する予定なのか、教育長に伺います。 

 板橋区や埼玉県川口市等、空調設備をリース契約で導入した自治体の例を見ると、通常は10年から13年契約となっています。区がリースを選択した場合でも、費用の大きさから一定の期間の契約になると推測できます。東京都の発表資料や各種報道では、平成33年度までの補助は明記してありますが、それ以降に関しては言及がありません。東京都の補助はリース期間全てが対象になるのか、把握していればお知らせ願います。 

 中学校10校への整備が完了した後の平成32年度、33年度には、小学校25校に整備する予定となっています。2か年で整備する場合、その順序はどのように決定するのでしょうか。児童数や避難所となった際の受け入れ人数、夜間休日の利用者数等により総合的に判断する必要があると考えますが、各学校の関係者の理解が得られるよう、十分に配慮していただきたい。教育長の見解を伺います。 

 

以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 

 

平成30年度第四回定例会 一般質問 しもむら緑

墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。通告してあります大要3点につき、山本区長に質問します。明確で前向きなご答弁を宜しくお願い致します。

大要1点目は、災害時の事業継続計画(BCP)の策定について伺います。

現在、本区では、区民の生命、生活及び財産を守るため、震災時の業務を円滑に遂行できるよう「墨田区事業継続計画(BCP)【地震編】」を策定しています。しかしながら、平成22年から一度も改定が行われていません。その間、東日本大震災や熊本地震など多くの地震災害が発生し、改めて大地震発生時の初動体制や、備蓄品、避難所の運営の在り方などが大きく見直される動きが各地で起こったことは、ご承知のことと思います。また、東京都に至っては今後30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生することも予想されています。そこで、区長に伺います。平成22年当時より大きく状況も変わり、教訓を活かした様々な検証も行われていることから、「墨田区事業継続計画(BCP)【地震編】」を、策定根拠となっている災害対策基本法、墨田区地域防災基本条例、墨田区地域防災計画とも整合性を図りながら改定すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。当然ながら想定を上回る事態も考慮し、多角的に検討すべきであるということも付け加えておきます。

次に、水害発生時の事業継続計画(BCP)の策定について伺います。昨今、震災に加え、全国各地で豪雨が頻発、激甚化し、多くの被害が出ています。このことを受け、「水防災意識社会再構築ビジョン」の取組を中小河川も含めた全国の河川でさらに加速させ、洪水等からの「逃げ遅れゼロ」と「社会経済被害の最小化」を実現するため昨年の6月19日に水防法の一部改正が施行されました。墨田区においても、この程発表された江東5区大規模水害ハザードマップは衝撃が大きく、対策が急がれているところです。震災時と、水害時の対応は全く異なります。荒川等が決壊した場合、2週間以上浸水が引かない地域が本区では大半を占めるなか、垂直避難ではなく、広域避難を考え、逃げ遅れゼロを目指す必要があります。要配慮者支援のほか、区の職員もどのタイミングで避難するかについて等も視野に入れておかなければなりません。そこで区長に伺います。既存の【地震編】とは別に、【水害編】のBCPも策定するべきと考えますが、所見を伺います。併せて、広域避難を考えた場合の他自治体との連携や、本区にいるすべての人の「逃げ遅れゼロ」を目指すための施策を、首長として、どのように現状考えているのかについても所見を伺います。

この質問の最後に、企業の事業継続計画(BCP)策定支援について伺います。内閣府が行った「企業の事業継続の取り組みに関する実態調査」によると、地震を想定したBCPと比べ、水害を想定したBCP策定は進んでいないという結果が浮き彫りになりました。また、関心が最も高い地震を想定したBCPに関しても、特に中小企業においては、策定済みの企業は少なく、策定中や策定検討中が多くを占める割合結果となっています。策定に至らない理由としては「策定に必要なスキル•ノウハウがない」「策定する人手を確保することができない」といったことが報告されています。そこで区長に伺います。区内に多くある工場や企業を守る施策として、災害時の被害軽減や、早期の業務再開を図るため、企業BCP策定支援を行っていただきたいと考えますが区長の所見を伺います。更に、支援の中で、企業の防災に対する知識も深まり、地域防災力向上に資することも期待できます。区長の考えを問い、大要一点目の質問を終わります。

大要2点目は、住工混合対策としての公害防止資金融資について伺います。

墨田区都市計画マスタープランにも示されている通り、本区は住工共存地区が大多数を占めています。工場数は都内で大田区に次いで2番目に多く、産業振興のまちとして栄えてきた我が区ですが、近年人口が増加の一途を辿り、新住民と事業者のあいだで騒音などが原因となる苦情やトラブルが報告されています。現在、騒音等の対策に関しては、公害防止設備を設置する必要が認められるものや、区環境保全課の認定を受けたものといった要件を満たした場合、限度額を3000万円として、区が利子補助をするかたちで融資を行っています。しかし、環境保全課による公害防止の効果があるという認定を必要とするまでには至らないケースで、騒音や振動、臭気等の面で近隣とのトラブルになりかねない案件も多数あります。そこで、トラブルの予防や、または発生後の迅速な問題解消のため、融資要件の緩和を行っていただきたいということを提案致します。事業者と近隣住民との融和を図り、トラブルによる事業者の区外転出防止を目指すことは大変重要です。区長の住工混合によるトラブル等の認識と解消に向けた対策、今提案した融資要件緩和についての考え、更にものづくりのまちを守るための施策について今後どのような展開を講ずるおつもりか所見を伺います。

大要3点目は、産後ケア対策について伺います。

平成27年から28年の2年間に妊娠中や産後に自殺した女性が全国で102人いたという調査結果を国立成育医療研究センターのチームが今年の9月に公表しました。全国的な妊産婦の自殺数が判明したのは初めてであり、主な原因の一つとしては子育てへの不安やストレスによって発症する産後うつが考えられています。更に産後の自殺者は92人でした。そのうちの約半数が35歳以上であり、65%が初産とのことでした。また、無職世帯の女性の自殺率が高いという結果も明らかとなりました。区では、妊娠期から子育て期にわたるまでの子育て世帯への切れ目のない子育て支援を行うため、ゆりかごすみだ事業を実施し、産後うつスクリーニング•産後うつ相談も向島•本所の各保健センターで行ってきました。平成29年度の実施者は2460人であり、そのうち高得点者は291人という結果でした。決して低い数字とはいえないなか、残念ながらその結果を受けての次の有効な対策が取られてきませんでした。産後ケア事業実施に関しては、宿泊型・アウトリーチ型・デイサービス型などがあります。国の母子保健衛生費国庫補助金と、都の出産•子育て応援事業補助金を併せて、平成29年度までに手を挙げれば、国と都の全額負担で対応が可能でしたが、本区では区内医療機関等だけで検討していたため実施に至ってはいませんでした。特別区では今年度までに17区が実施しており、6区が未実施でしたが、この程実施の方向性や、類似する対策をとる動きがあり、残るは、ほぼ墨田区のみといった状況となっています。この事は大変遺憾であると言わざるを得ません。平成30年度からは、都の全額負担ではなく半額負担で、1/4が区の持ち出しとなりましたが、それでも実施に向けて我が区も動くべきと考えます。区長の所見を伺います。これまで区内の産後うつによる自殺者は現状報告されてはいません。しかしながら、事が起ってから対策を取るのでは遅すぎます。区長の決断を伺い、私の一般質問を終わります。

ご静聴有難うございました。

平成30年度第四回定例会 一般質問 坂下修

私は、先日の樋口議員の代表質問に対する、山本区長2期目の出馬表明に当たり、①区長のこの4年間の区政運営の評価と②今度の展望について、質問します。
さて、区長は、平成27年4月、「すみだの『夢』実現」を掲げて区長選に挑み、70%超という多数の支持を得て当選されました。区長とともに、新時代の墨田区を切り拓かんと「夢」をみた区民も多くいたことと思います。そうした区民の大きな期待を背負った山本区長にとって、この4年間は、墨田区の新時代の幕開けを担う、重要な時間であったと考えます。
まず、区長1期目の区政運営の評価について伺います。
第一に、評価指標について伺います。この検証作業を行うにあたり、区長が選挙にあたって掲げた公約や平成27年6月10日、本会議において行った所信表明を改めて読み返しました。区長の掲げた公約が客観的にどう達成されているのか、これを考えるとき、区長が掲げた公約は漠たるものであるという印象を持っています。例えば昨今当選した首長の公約の中には、茨城県つくば市の五十嵐立青(たつお)市長のように、「市長公約事業のロードマップ」を示して、市民や議会にとって検証可能性を確保したり、山本区長と同時期に当選した、渋谷区の長谷部健区長のように具体的事業を掲げている例が多くなっています。区長は、常日頃から「民間感覚」という言葉を多用されていますが、この意味することのひとつはPDCAサイクルを回していくことであり、区長の公約は更なるブラッシュアップが必要であると感じています。こうした観点からすると、区長の2期目にあたっては、より具体的な政策とともに、成果目標を示した、いわゆる「マニフェスト型」の選挙を戦う必要性があるのではないかと感じています。
区長は、1期目の公約をどのように検証され、自己評価されているのか、まず概括的に伺います。そして、区長2期目の公約の評価指標のあり方について、ただいまの指摘を踏まえて具体的に答弁願います。
第二に、区長が1期目の所信表明の中で述べられた区政運営の基本姿勢について伺います。
この質問の一つめは、この4年間の街の変化についてです。区長は、この所信表明の冒頭で、区長選挙を通じて得た感想として、区内全域を見て回り、子育てや教育に関する施策の重要性を特に感じたと述べ、この4年間の最重点課題として位置づけました。また、区内のシャッター通りや操業されていない工場に言及し、地域産業振興について改めて決意を述べられました。
区長はこの4年間、区長として地域を見て回ったと思いますが、この4年間の区の変化について感想を伺います。またこの変化への対応として特に区長が具体的に取り組んだことについて伺います。
質問の二つ目は、「民間感覚と区民目線」及び「スピード感と開かれた区政」についてです。区長は、所信表明の中で、「民間感覚と区民目線による、更なる可能性を追求した区政の展開」と「スピード感のある、区民に開かれた区政の推進」を図ることを表明されました。
民間感覚が反映されている事業としてシティプロモーション戦略、施設使用料の見直し、職員の積極的な外部派遣があり、また区民目線の事業としてタウンミーティングを実施されるなど、区長が新たな取組みに果敢に挑戦していることは高く評価しています。
他方では、この間の議会質疑を拝見していますと、民間感覚に疑問符を持つ事業も散見されました。各会派が共通して取り上げた問題として、荒川緑地フィールドハウスの改修や障害者雇用に関して法定雇用率を遵守できていなかった問題、自民党が取り上げた業平小学校の壁面緑化事業など、区長のキャッチフレーズとは裏腹に民間感覚に疑問をもつ事業もいくつか見られたのもまた事実です。
また、スピード感の不足している事業として、これも多くの会派が取り上げましたが、みつばち園の療育の相談が、申込みから相談までが3カ月掛かっている問題があります。区民目線の不足については、6会派の合意により、図書館条例が修正議決されるなど、議会がその権限を行使して、区民目線を注入した事業もありました。
更に、スピード感を意識しすぎて拙速な事業が散見されました。第3子以降に小学入学祝商品券の交付を行う就学応援事業については議会がその目的と政策効果の関連性について疑問があるとして修正議決を行ったほか、「23区初」と銘打った事業の多くが、その予算の根拠や効果に疑義が呈される結果となりました。
これら高い評価もある一方で、反省点も多かったこの4年間について、その原因を区長はどのように分析し、2期目に向けて展開されようとしているのか、見解を伺います。
更に、平成28年第四回定例会の中で、区長は「民間感覚」の意義について「職員が柔軟な発想を持ち、前例踏襲、事なかれ主義ではなく、前向きにどうすれば実現できるかという視点で取り組むこと」と述べています。区長は就任挨拶の中で「行政にはありがちな『できない理由』から入るのではなく、『できるためにはどうするか』という視点を職員に求めた」と述べていますが、こうした発想はこの4年間で根付いてきたのでしょうか。見解を伺います。
第三に、所信表明中の区政運営の基本的な取組方針について、任期を終えるにあたり、一定の評価を行うべきものについて伺います。
まず一つ目は、山崎前区政の継承です。区長は前区政を肯定的に評価した上で、「東京スカイツリーの誘致をはじめ、区民生活に関わる総合的な施策展開を行い、現在の大きな可能性を持った本区の基盤を築いていただき、これを着実に仕上げる」と述べています。この4年間で、山本区長はこうした礎の下に、懸案事項だったすみだ北斎美術館や大学誘致を実現しました。この点を高く評価します。他方で、政策の独自性にやや欠けた印象も持っています。議会で多くの議員が用いたように、「山本カラー」を更に押し出す2期目にすべきだと考えます。2期目の区政運営にあたり、改めて「山本カラー」の意義とその強い打出しへの決意を伺います。
二つ目は、新基本計画の着実な推進です。新基本計画は、議員諸氏のご協力の下、私が委員長を務めさせていただいた、基本計画調査特別委員会において熱心にご議論いただき、平成28年に策定されました。この間の予算編成をみても、これに基づく着実な予算化が図られており、この点は評価しています。しかし、この3年間をみても、地方消費税の精算基準の見直し、幼児教育・保育の無償化や、消費税引上げ段階での法人住民税の更なる国税化といった予期しない事情が次々と発生しています。新基本計画の着実な推進の根拠となる、財政基盤は、区の埒外(らちがい)の事情で大きく揺らぐ状況にあります。また増え続ける民生費について大胆な改革を行う必要性もあります。基本計画の着実な推進という目標とこうした財政環境の変化との矛盾について、どう解決していくのか、区長の見解を求めます。また、区長は所信表明の中で、行財政改革のあり方について「数多くの行財政改革の取組がなされてまいりましたが、民間出身の私にとっては更に鋭いメスを入れる余地があるものと考えて」いる、と述べています。1期目に行政を総点検した結果、どういった行財改革を実行し、また次期に実行されていくのでしょうか。
三つ目は、災害対策の充実についてです。区長は所信表明の中で「都市計画等によるハード面の整備に加え、地域防災計画の見直し等による有事の際の初期初動・避難対策など、防災対策を区の最重要課題としてこれまで以上に力を入れていく」と述べています。私たちも、区民福祉の原点に立ち返り、来年の区議選においては防災対策を最重点課題として取り組む方針を固めており、学校体育館への冷暖房の配備を中心として、来るべき大震災、台風と高潮が重なる江東5区の未曽有の大水害に対して、現実的な対策をひとつひとつ提案していきます。このような中、防災拠点会議ごとの防災訓練の内容を避難所運営型にしたり、水害時に水平避難する方針は打ち出されているものの、具体的にどこに逃げたらよいのか、垂直避難となった場合、どのような体制で救出されるのか、具体的な対応が課題となっています。この4年間の災害対策、特にソフト面での初期初動・避難対策について今述べたことを含めて総括し、今後の展開について伺います。
四つ目は、大学誘致についてです。紆余曲折ありましたが、千葉大学及びi専門職大学の誘致実現は区長1期目の大きな成果であり、高く評価するものです。今後、「大学を核として、若者の流れを呼び込み、地域のにぎわいを創出し、地域経済、商業の振興をもたらす」「大学の知識、技術を生かした産学官連携により地域産業を活性化する」「小中学校との教育交流や生涯学習の機会も増え、区民の皆さんの文化的活動」という区長の公約の実現が求められます。大学誘致の自己評価と、2020年及び2021年に開学を迎える二つの大学についての今後の展開を答弁願います。
次に、次期区長の任期中に想定される課題について伺います。次期任期中は、先ほど述べた大学の開学に加えて、総合運動場の開設、浅草・とうきょうスカイツリー駅間高架下開発計画の店舗等開業、東京五輪の開催、新保健センターの開設、更には押上2号踏切の除却が実際行われるなど、大きなプロジェクトが目まぐるしく展開される4年間となります。
まず、国際観光都市の実現と東京オリンピック・パラリンピックを見据えた取組です。
区長は所信表明の中で、「東京スカイツリーの開業3周年に触れ、東京オリンピック・パラリンピック開催までに実施すべきことをソフト・ハードの両面から、官民一体となって取り組むとともに、その効果を区内全域で享受できるよう推進していく」としています。東京五輪の取組みについては、ボクシング競技の周知や学校等でのプログラムにより、一定の成果が出ていると考えますが、一般区民が東京五輪によって何を学び、何を次世代に継承していくのかについての理解はまだまだであると感じます。東京五輪を挟む次期任期中に、区長はどのようなレガシーを残し、次に区政を紡いでいくのか、明確なメッセージを求めます。
更に、総合運動場や新保健センターの整備についても、次の任期中に開設される大きなプロジェクトであり、特に区民福祉にとって身近で重要な施設となります。これら施設について、区長選を通じてこの現状の進捗とともにコンセプトを訴え、住民を巻き込んでいくことが必要だと考えます。この点について、区長の見解を求めます。
また、東武鉄道との関係というでも正念場を迎えます。任期中には押上2号踏切の除却や浅草・とうきょうスカイツリー駅間高架下開発計画の店舗等開業が控えています。議会としても議論してきたように、区の立場を明確にし、住民福祉の増進のためのまちづくりにしっかりと交渉に臨む、覚悟と努力が必要です。この点についての見解も併せて求めます。
私たち自由民主党は、区長との政策協定に基づき区長の方針を支持しつつも、より区民目線に立った時々の具体的な政策提案と批判的評価を通じて、区政をまっすぐに支えていこうと考えています。
区長2期目に向けた具体的展開について、力強いリーダーシップを求め、以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第四回定例会 代表質問 樋口敏郎

墨田区議会自由民主党の樋口敏郎です。会派を代表いたしまして、区長及び教育長に質問いたします。

第1に、山本区長の来期への意向について伺います。
山本区長は、平成27年4月の区長選挙において、「すみだの夢実現構想」として7つのプログラムを公約として掲げて当選されました。その構想は「暮らし続けたいまち」「働きたいまち」「訪れたいまち」の3つのプロジェクト事業と「シティプロモーション戦略」によって構成された「“夢”実現プロジェクト」として、平成28年6月に策定された墨田区基本計画において事業化されています。

以来、その推進を柱として区政運営にあたってこられました。区長選で掲げた公約の達成状況について、ご自身の総括的な評価、また、今後着実に基本計画を進めていく上での課題認識、公約における各事業の成果については、会派の坂下議員からの一般質問で伺いますので、この代表質問ではただ1点、来年4月に行われる区長選挙に立候補され、2期目を目指すご意思があるのかお尋ねします。

第2に、財政状況の認識について伺います。
「平成31年度における区政運営の基本指針」及び「平成31年度予算の見積もりについての依命通達」において、本区の財政状況について「本区の財政状況は、ここ数年の人口増や雇用・所得環境の改善等により特別区民税の増収が図られ、区債残高の減少と基金残高の増加もあり、健全化の兆しがみられている。しかし、歳出面では子育て支援施策の充実や高齢化の進展による扶助費の増加等が引き続き見込まれ、歳入面では国による法人住民税の更なる一部国税化、地方消費税精算基準の見直しなどにより特別区は更なる減収を強いられる可能性があり、今後の区の歳入環境に深刻な影響が及ぶことが懸念されている。」
と分析しています。さらに、平成31年の10月に 予定されている消費税の増税に伴い、幼児教育の無償化が実施された際には、事務負担に加えて一定の財政負担が発生する懸念もあります。来年度の予算編成にあたり、国の税制改正等による影響はどの程度把握 しているのか、まず伺います。
平成29年度は、当初予算では財政調整基金、公共施設整備基金等、約28億円の基金取り崩しを見込んで予算編成が行われましたが、歳入増や契約差金等の不用額及び繰越金の発生により、決算では約4億円の基金積み増しとなりました。一方で、近年同様、民生費は約30億円の歳出増となっています。

平成30年度予算でも同様に、民生費は約30億円の歳出増、約35億円の基金繰入金を計上しています。平成31年度予算の見積もりについての依命通達では、政策経費、標準経費双方について、行財政改革の取り組みは求めているものの、基本的には30年度並みを要求していると読めます。基本計画の着実な達成のためと理解はしますが、ここ数年は景気回復基調と歳入増等により、結果的に順調な財政運営が可能であったとの印象を我々は持っています。このような予算編成を続けていくと、景気の足踏みや国の税制改正等の外的要因により歳入減になった場合、危機的な財政状況に陥ってしまうことを危惧しています。

必要な処置は取りつつも、民生費の歳出を抑制していくとともに、行財政改革の更なる推進が必要と考えますが、区長の所見を伺います。また、平成31年度予算編成にあたって、この観点から取り組む内容があればお伝えください。加えて、今年度の財政運営の見通しの状況も合わせて伺います。

第3に、健康寿命の延伸、介護予防の取組について伺います。
先日、区内の医療関連団体による墨田区地域医療に関する意見交換会が行われ、各団体による地域包括ケアの取組が発表されました。その中では、健康寿命の延伸の重要性や、疾病の重症化予防、介護予防が大いに話題となりました。地域包括ケアシステムで提供する、住まい・医療・介護・予防・生活支援のうち、予防の役割の重要性がより高まっていると認識しました。これは、区長の言う暮らし続けたいまちの実現にも通じるものであると考えます。

将来にわたって民生費の伸びを抑制していくためには、健康寿命の延伸、介護予防の取組に力を入れる必要があると我々も考えています。
各種健康診査やがん検診の受診勧奨の強化による疾病の予防や早期発見、重症化予防、歯科検診による口腔がんの早期発見や、口腔ケアによる嚥下機能の維持、口内環境に起因する疾病の予防、薬剤師による適正な服薬指導や残薬管理、有資格者による介護予防指導、要介護度を進行させないための生活支援や介護サービスによる日常生活の質の維持、区による健康寿命up大作戦等の施策の展開は、いずれも広義の「予防」につながっています。

今後の墨田区の地域医療・介護において、「予防」という観点で各団体や各所管で行っている事業を関連付けて考えてはいかがでしょうか。来年度以降、各団体同士の連携や情報共有への支援も含めて、特に力を入れていただきたいと考えます。区長の言う「地域力」を活かした墨田区ならではの実効性の高い仕組み作りも可能かもしれません。区長の所見を伺います。

第4に、区長が続投を表明することを前提に、次期の課題について順次伺います。
1点目として、公共施設等マネジメントについて伺います。
平成25年5月に公表された、「公共施設白書」から始まった本区の公共施設等マネジメントの取組は、第1次実行計画を経て、平成32年度までの第2次実行計画が行われています。実際に施設の廃止を行った第1次計画とは異なり、維持管理業務の適正化、指定管理者制度の導入といった施設管理面での取り組みや、それぞれの施設の方向性の検討といった内容のため、目に見えにくい計画ではありますが、中間点を過ぎ、結果を求められる時期にきています。
その中でも、順次実施するとしている「用途廃止が決定した施設については、速やかに除却等を行うことで、維持管理費の削減を図る。」について、第1次計画で廃止した施設については除却しました。しかし、それ以前から使用されていない旧学校施設については、跡地利用が決まったもの以外は行われていません。全く使用していなくても、維持管理に1施設あたり年間数百万円を支出し続けています。このような支出は区民の理解が得られない点、起債して除却しても支払い利子の方が有利な点を挙げ、早期に除却するよう再三指摘してきましたが、この場で改めて区長の見解を伺います。

また、平成29年3月にクアハウス天井の損傷により休館し、その後廃止されたすみだ健康ハウスは、28年度中にあり方検討を行っていた施設です。想定外の事情により、これまで同様の使用ができなくなったとはいえ、早期に方向性を出すべき施設に変わりはありません。今後の用途については補助金の関係で制限があると聞いていますが、施設の一部が利用できない状態でも一定の規模を有しているため、近隣の類似施設同士の統合や複合施設化も可能ではないかと考えます。現在の検討状況と、結論を示す時期を伺います。

さらに、平成31年度末で用途指定期間が終了する清掃関連施設については、今回の計画では事業所の集約化や多用途への機能転換が検討されていましたが、決算特別委員会では具体的な回答がありませんでした。有効利用すべき土地建物であるとの認識のもと、現在の所管に囚われず、区長が先頭に立って早急に方針を示していただきたい。平成32年度初頭には新たな目的で活用されることを強く望みます。区長の所見を伺います。
この際、公共施設等マネジメントとは異なりますが、類似の事例として、都道465号線の拡幅に関する曳舟小学校プールの対応についても指摘しておきます。

拡幅に応じるにあたって関係機関との合意に時間がかかったという点については理解します。しかし、当該プールについては当初から計画道路上に位置しており、拡幅事業が始まれば時期のずれはあっても移設等の措置が必要になることは明確であり、その方法について区として準備し、対案を用意しておくのが当然です。保護者や地域の方々の不安や疑問を解消するためにも、早急に対応を用意するべきだと考えますが、区長の見解を伺います。

また、曳舟文化センターについては、今回の計画で平成32年度の有償貸付期間終了後のあり方等の検討を行ってきた施設です。過去の答弁では、まちづくり公社のあり方を検討する中で貸付期間終了後の取り扱いを決定するとのことでしたが、施設の方向性は早期に定めておくべきではないでしょうか。施設自体の老朽化が進んでいるため、貸付期間終了後に指定管理者制度を導入するならば、大規模修繕を行う必要があります。修繕による長期の休館が発生すると、大ホールは多くの区民や団体が例年の行事で利用しているため影響が大きく、利用者への周知や調整の期間を要します。また、大規模な施設であるため、修繕費用の財源についても考慮しなければなりません。
これらの点について区長の見解を伺います。

2点目として、大規模修繕が必要な施設として、すみだトリフォニーホールについて伺います。
山本区長が委員長を務めた平成26年決算特別委員会において、すみだトリフォニーホールの大規模修繕費用については、オリンピックの開催年から3か年で総額約20億円から30億円を見込んでおり、平成30年度くらいに具体的な数字を示したいとの答弁がありました。現時点での費用の見込みと、財源についての検討状況を伺います。

トリフォニーホールについては、音楽都市すみだの象徴的な施設であり、これまで一定の役割を果たしてきたことは承知しています。しかし、例年予算、決算特別委員会の度に指摘されているように、多額の維持管理費が毎年必要である上に、一定期間毎に大規模修繕の費用を負担し続けることは、財政運営上、非常に大きな課題となっていることも事実です。民間への移譲や、最低でも収入増のための利用方針の転換等、最大限の区費負担の軽減策を真剣に検討する時期ではないでしょうか。政治家出身である山本区長だからこその政治的な決断を期待していますが、区長の見解を伺います。

3点目として、墨田区の観光の拠点であるすみだまち処の方向性について伺います。
すみだまち処は、東京スカイツリーの開業に合わせて、平成24年5月に開業して以来、区内観光及び区内生産品の販売の拠点としての役割を担っています。開業当初は利用者数も多く一定の売り上げもありましたが、来街者が平準化するにつれて、不利な立地などの諸条件により、期待している効果が得られているとは言えません。区は約1億6000万円で墨田区観光協会に委託していますが、約6000万円という多額の賃料、公益費の支出がある上に売り上げが増えない現状は、観光協会にも厳しいものです。

HPの工夫や、各種催しなど観光協会の改善の努力を超えて、スカイツリー出入り口と飲食店への動線から離れている立地の悪さが要因となっていると考えられます。今後は開業当時の水準まで来街者が増えることは考えにくいため、この状況は続いていくと予想しますが、区長の認識を伺います。
当初のテナントの賃貸借契約期間は平成34年5月末までと承知していますが、まち処の機能は同じ場所で続けていくのか、観光協会の意向も含めて契約の延長についての考え方を区長に伺います。

開設に当たって多額の費用を支出したとはいえ、引き続き期待した効果が得られないことが予想されるのであれば、将来の観光協会の自立や区内生産品の売り上げ増、観光まちづくりのために決断することも見識だと思いますがいかがでしょうか。

4点目として、大学のあるまちづくりについて伺います。
旧西吾嬬小学校、旧曳舟中学校の大学誘致用地では、i専門職大学校舎の建設が始まり、旧中小企業センターの改修の設計も進んでいると聞いています。

特にi専門職大学は区内外で様々なイベントや情報発信を行っており、開学まで1年半と目の前に迫っていることが感じられます。また、千葉大学についても、校舎の概要が明らかになれば区民に実感として認識されるのではないでしょうか。現時点での区長の感想を伺います。
区による文花地区のまちづくりについては、都営住宅の建て替えと大規模事業者の建て替え計画も含めて、本年6月に文花地区まちづくり方針として示されています。「大学のあるまちづくり」の姿としてのイメージはある程度共有されていると考えますが、その他については未知数な部分が多いと現状では認識しています。
開学が近付き、各校の学部・学科、学生数、学生の属性等、具体的な事項が明らかになってきた現在、墨田区に「大学のあるまち」がどのような影響を及ぼすのか、その波及効果について区民に示す時期だと考えます。
学生・教員による消費等の直接的な経済効果、大学の運営に関しての区内事業者の活用策、区内産業との連携体制、小中学校との交流、学生の地域活動への協力等、区として調査しているもの、大学側と協議しているもの、今後検討するものについてお知らせ願います。
大学が開学してからは「大学のあるまち墨田区」をどのように作っていくかが重要です。
大学のあるまちづくりに向けての区長の決意を伺います。

第5に、先ほど再任にあたっての所信表明を行った加藤教育長に今任期の教育施策について伺います。
加藤教育長は、第3回定例会での答弁や、先ほどの所信表明でも、学力向上を重点施策ととらえ、今後とも力を入れて取り組んでいくと述べられています。これまでの教育長の下での取組みにより、墨田区の児童・生徒の学力は向上傾向にあることを我々は高く評価しています。

確かな学力は将来の選択肢の幅を広げるものであり、子供たちが夢や希望を抱いて義務教育を終えることができるよう、今任期でも取り組みを進めていただきたいと考えています。しかし、未だに「墨田区学習状況調査」における学力低位層であるD・E層の割合や社会科・理科については課題が見られることも事実です。今任期でのこれらの課題解決に向けて、拡充する事業や新たに行おうとしている取り組みについて、具体的にお知らせ願います。
特に、我々は放課後学習や家庭学習等、授業時間外での基礎的な学力、学習習慣の定着の取り組みが、学力に課題のある児童・生徒には非常に効果的であると認識しています。
この点について、より進化した取り組みを求めますが教育長の見解を伺います。
また、第3回定例会で、会派として議案提出者に名を連ねた墨田区子ども読書活動推進条例が提出されました。授業での活用や子供の学習支援、子供の居場所等、学校図書館が果たす役割は多岐にわたる上に重要なものと考えているため、本条例が可決され施行された際には、是非とも蔵書数の増加や開館時間の延長等、充実に努めていただきたいと要望します。来年度には第4次墨田区子ども読書活動推進計画の検討が行われます。学校図書館の拡充について盛り込んでいただきたいと思いますが、教育長の答弁を求めます。

以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

平成30年度第三回定例会 一般質問 木内清

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについて3点伺います。
第1は、両国国技館で開催予定のボクシング競技についてです。
現在、「あしたのジョー」による気運醸成として、工事現場用PRシートの活用、区内公共施設へののぼり設置等による周知や、「すみだのジョー」ライセンス申請による新商品開発の受付を進めており、区民の間に墨田区はボクシングということが認知されてきたと感じられます。
その一方で、7月以来の日本ボクシング連盟の問題により、日本選手が東京五輪に出場できなくなる可能性が報じられるなど、好ましくない報道が出ています。それ以前に、今年の2月にIOC会長がボクシング競技の東京五輪からの除外に言及し、5月3日及び7月19日のIOC理事会においてもボクシング除外が継続審議になっていることが報じられ、国技館での開催自体が不透明なものとなっています。①現在の状況、今後の動向について把握していることがあればお知らせ願います。
第2は、聖火リレーについてです。
7月12日の報道発表で、聖火リレーが2020年3月26日に福島県を出発し、東京都には7月10日から24日の15日間が割り当てることが明らかになりました。今後、各都道府県でランナーやルートの選定、各日のセレブレーションの内容について検討されるものと聞いています。東京都は62の自治体すべてを1ルートで通ることは決まっていますが、②ランナーの募集時期や人数、各自治体での時間配分等、検討状況や見通しについて区長に伺います。
第3は、墨田区オリンピック・パラリンピック地域協議会についてです。
墨田区でボクシング競技が行われることについては、区民に一定の周知がなされてきたと認識していますが、気運醸成という面では、大会まであと2年を切った現時点でも十分とは言えず、③区民の盛り上がりは今一つという印象ですが、区長の感想をまず伺います。
昨年9月に、区政施行70周年記念式典と同日に、オリンピック・パラリンピックの気運醸成のための地域協議会が設立され、実質的な会合が今年に入ってから行われています。6つの部会で最大4回の会議が行われ、会議録が墨田区のホームページで公表されていますが、打ち水のイベントは行ったものの、未来枠会議でこれまで行われてきたランニングイベントの検討が終了するなど、具体的な取り組みについて中々見えてきません。④地域協議会の各部会の中で、今後行っていく具体的な取り組みや、実効性の期待できる検討事項があればお知らせ願います。
大会が大いに盛り上がり、偉大なレガシーを残すことを我々も期待しています。⑤区長の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への熱意を伺います。

次に、区民による介護予防の取り組みへの支援について伺います。
墨田区の高齢者人口は今後も続く見通しとなっており、それに伴う社会保障費の増大をいかに抑えていくかが大きな課題となっています。その解決の大きな方針として、介護予防の取組の拡充が必要であると我々は考えています。地域包括ケアシステムの充実や、介護保険施設等整備の推進等、要介護になってしまった際の受け皿作りも重要ですが、何よりも介護を必要としない方を増やせるよう努めていくことが重要と認識しているからです。①この考え方についての区長の見解を伺います。
現在、墨田区では介護予防事業として、有資格者による「元気生き生き体操教室」「高齢者パワートレーニング教室」等や、介護予防サポーターによる「げんき応援教室」等の講座が行われています。「げんき応援教室」については、講座終了後、自主グループへの移行支援が行われていますが、他の講座については1回のみしか受講できず、経験者向けの講座等も用意されていません。受講後、区の事業と離れて指導を続けてほしいと希望しても、場所や日程の確保、費用面等で実施が難しいと聞いています。
また、区内では、墨田区の事業以外にも、区民の自主的な取り組みとしてリズム体操や健康体操、ストレッチ教室等が行われています。これらの活動については、非常に安価な月謝で先生が指導しているものが多く、町会会館や地域集会所、学校の空き教室等、利用料金が低廉な施設で行われています。近年の区民の介護予防意識の高まりにより参加者が増加している教室では、現行の教室では手狭となり、地域プラザやみどりコミュニティセンター等の公共施設の利用を検討しても、利用料が高く変えられないという例があるようです。
一方で、本所地域プラザでは、健康体操教室等、地域での自主的な介護予防の取組を、稼働率の低い曜日や時間帯で、指定管理者の自主事業として複数行っています。この場合は、参加者は安価な参加費で利用でき、指導者は施設利用料を気にすることがなく、施設も元々空いている部屋が活用できるという良いモデルケースになっていると思います。
この例を参考に、他の指定管理者が管理している公共施設においても、稼働率の低い部屋や時間帯において、公益性が高く、効果的であると認められる区民による介護予防の取り組みについては、指定管理者の自主事業として実施する価値はあるのではないでしょうか。自主事業であれば、一定の金額の参加費も集めることができるため、「元気生き生き体操教室」や「高齢者パワートレーニング教室」の経験者向け教室も、指導者との協議が整えば実施することができます。②是非とも自主的な活動を行っている方々や、区の普及啓発事業の指導者の方々と、各公共施設の指定管理者との連携を進め、介護予防の取り組みへの支援を行っていただきたい。区長の見解を伺います。

次に、危機管理担当への元幹部自衛官の採用について伺います。
平成30年7月豪雨や、北海道胆振東部地震等、昨今の災害現場での自衛隊の活躍を報道で目にすると、非常に頼もしく感じます。その指揮を執る幹部自衛官は、部隊運用に関わる指揮・統制の実施、各種計画の策定、隊員の教育訓練、関係機関との連絡調整等、部隊の指揮官及び幕僚としての豊富な経験を有しています。また、一般的に地震、台風等の多様な災害派遣を経験しており、職務上、常に即応体制に対する物心両面での準備に習熟しているほか、様々な環境に耐えられる体力を持っています。
これらのことから、東京都庁の他、23区では7区が元幹部自衛官を危機管理・防災関連の部署に多くは管理職として採用しています。東京都庁や品川区では、順次採用を増やしており、その有効性が窺えます。
自治体に採用される元幹部自衛官は、全員が防災士または総合危機管理士の資格を有しています。自衛隊の職務上得た能力と合わせて、平常時には防災・危機管理体制の見直し等の基盤確立のために働いてもらうことが期待できるほか、災害発生時には初動の混乱時でも関係機関との調整、連携がスムーズに行えることや、避難勧告、自衛隊への災害派遣要請等の区長の判断の補佐、自衛隊等関係機関の運用についての助言等、区長のアドバイザーとしての役割も期待できます。この度の北海道胆振東部地震で自衛隊、消防、警察が素早く連携し対応に当たることができているのは、北海道内の多くの自治体で採用されている元幹部自衛官の働きによる部分が大きいのではないかと推察しています。
近い将来、首都直下地震の発生が危惧されるほか、各地で予測を超える豪雨災害が発生するなど、現在はこれまで以上の危機管理や防災体制の強化が求められています。墨田区としても、元幹部自衛官を採用し、常時危機管理体制の充実強化に努めることを検討するべきです。区長の見解を伺います。

平成30年度第三回定例会 一般質問 沖山仁

墨田区議会自由民主党の沖山仁です。
通告した2点について区長に伺います。

まず、災害時の公共施設の活用について伺います。
代表質問でも小中学校の体育館への空調設備の設置について質問しましたが、区長がご決断して動き始めたとしても、すぐに設置できるものではありません。その間にも災害が発生するかもしれませんので、次善の策を用意しておく必要があると思います。
墨田区内には、本所地域プラザ、みどりコミュニティーセンター、生涯学習センター等、一定の規模を持った公共施設が存在します。しかし、墨田区地域防災計画では、区内公共施設は、帰宅困難者の一時滞在施設として位置付けているのみで、その活用については言及されていません。また、避難所運営マニュアルにおいても記述はありません。①真夏や真冬に震災が発生し、体育館での避難所生活を送ることが厳しい環境の際は、これらの公共施設を活用することができるのではないでしょうか。
電気に関しては、東日本大震災では発災3日後には約8割、熊本地震では約9割6分が通電しています。また、水道に関しても、東日本大震災で水道通水率が発災5日後には約5割、熊本地震で約8割でした。都心部に近い本区では、電気と水道の復旧は速やかに行われると考えられます。

空調設備を完備し、一部ではシャワー等の設備やエレベーターを有する区内の公共施設を、小中学校の体育館の代替施設として、災害時要配慮者に配慮した避難施設として位置付けてはいかがでしょうか。区長に見解を伺います。
我々は、7月に東日本大震災の教訓を生かした災害対策の調査を仙台市で行ってきました。仙台市では、避難所運営について、地域団体、仙台市、施設による事前協議の上で、小中学校等の指定避難所の他に、地域内の市民センター等の公共施設を補助避難所として、地域集会所等を地区避難施設として位置付けることができることとしています。これは、実際に避難所が不足し、各施設の役割分担が不明確であったなどの経験から考えられたものであり、大いに参考にするべきです。②墨田区でも、地域内の公共施設の管理者を防災拠点会議に加え、その活用を地域の避難所運営マニュアル作成に反映させてはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。
加えて、区内の私立保育所や私立幼稚園では、乳幼児や未就学児向けの災害時用の物資を備蓄しています。これらの物資の提供や、在園児の家族の避難場所としての利用などの協力について、打診してみる価値があるのではないでしょうか。③まずはどのような協力を求められるか検討し、意向調査を行っていただきたいと考えます。区長の所見を伺います。

次に、区内商店街の活性化について2点伺います。
第1に、商店街振興組合発行の商品券について伺います。
過去に墨田区では、国の緊急経済対策の一環として、平成21年と平成24年に墨田区商店街連合会が、平成27年に墨田区商店街振興組合連合会が墨田区及び墨田区商店街連合会と共同で「すみだプレミアム商品券」を発行しました。国全体の施策としての効果については賛否があるようですが、区内の商店街や個店では売り上げ増につながり、一定の効果を上げたと理解しています。
また、江戸川・江東・足立・葛飾の、墨田区以外の江東5区はいずれも9000万円から約8億円規模で商店街振興組合による商品券の発行を行っており、区民による区内での消費を喚起する効果を上げていると聞いています。
このことから、①墨田区でも一定の規模で、継続的にプレミアム付き商品券の発行を検討してもよいのではないでしょうか。
プレミアム商品券を使用するために区内の店舗に来店し、額面以上の消費があれば、その店の売り上げ増になる上、商店街では他店での消費の機会が増えるため、商店街全体の活性化にもつながります。また、他区の事例を見ると、プレミアムの付かない通常券も発行し、商店街のイベント景品として活用している区があります。その場限りの自転車や食品ではなく、再び商店街で使用できる景品を提供することで、何度も足を運んでもらうきっかけにすることも可能です。②区内経済の活性化という観点から、区の予算で賄うことになる10%分と事務経費を差し引いても、効果は高いものと考えますが、区長の見解を伺います。
また、③現在現金で支給している長寿祝い金や、記念品で贈呈している産業功労表彰や環境改善功労者表彰について、商品券で提供することで、区内での消費を刺激することができると思います。記念品を特定の事業者に発注するよりも、区内全域での売り上げ増につながるため、より優位なのではないでしょうか。区長の見解を伺います。
加えて、平成28年度予算における就学応援事業について、我々が修正を求めた要因の一つに、提供する金券が区内の個店では全くと言ってよいほど使用できない「こども商品券」であったことを申し述べておきます。今後祝い金等、現金給付的な事業を検討する際は、区内経済の活性化ということも常に念頭に置いていただきたい。

第2に、区内商店街のキャッシュレス化への対応について伺います。
現在、墨田区には多くの訪日外国人観光客が訪れており、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてさらに増加していくことが予想されます。墨田区では簡易宿所等、宿泊施設が増えつつあり、区内全域に外国人観光客が滞在するようになるのではないでしょうか。
外国人観光客は、デビットカード等のキャッシュレス方式での支払いを希望することが多く、その対応については、区内全域の商店街及び個店の課題となっています。キャッシュレス化への対応の推進により、外国人観光客の区内での消費を区内事業者の売り上げ増につなげることが期待できる一方で、対応端末の設置にあたり、いくつかのハードルがあることも事実です。
経済産業省は、本年4月に策定した「キャッシュレス・ビジョン」で、2015年では20%弱のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%にするとしているほか、観光庁等関連省庁もキャッシュレスの推進を謳っています。今後、国や東京都による補助金の交付等、キャッシュレス端末設置への支援策が実施されていくことが予想されます。キャッシュレスの決済方法には、クレジットカード・デビットカード、電子マネー、QRコード決済等、多様な方式がある上に、多数の事業者が参入しており、一つの端末ですべてに対応できるわけではありません。①区内の小売店の実情に合わせた最適な端末を導入できるよう、墨田区商店街連合会との連携を密にし、情報収集や活用の検討を行っていただきたいと思います。区長の所見を伺います。
さらに、キャッシュレス端末の導入に際して、大きなハードルとなっているのが、端末や周辺機器の購入費用よりも、導入した店舗に発生する3%から7%の決済手数料と聞いています。②この課題を乗り越えられるよう、区としても区商連とともに様々な方策を検討し、キャッシュレス化の推進による恩恵を商店街や個店が受けられるよう準備を進めてください。区長の所見を伺います。

以上で私からの質問を終わります。

平成30年度第三回定例会 代表質問 中沢えみり

私は自由民主党を代表して、通告のとおり大綱6点について区長及び教育長に質問をいたします。明確かつ具体的な答弁をお願いいたします。

 始めに、本年6月に発生した大阪北部地震及び平成30年7月豪雨でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。更には、台風21号及び昨日未明に発生した北海道胆振東部地震では現在も救助活動が続いております。一日でも早い安全確保と復興をお祈り申し上げます。

大綱一点目、災害及び防災対策について質問いたします。

始めに、川に囲まれている本区にとって喫緊の課題である水害対策について伺います。海抜ゼロメートル地帯が広がる東京都の江東5区(墨田・江東・足立・葛飾・江戸川)は、先月22日に大洪水を想定したハザードマップと、住民に、近隣県への事前避難を求める広域避難計画を発表いたしました。
 この計画に向けて平成28年に、5区共同で水害を想定した「広域避難推進協議会」を結成し、内閣府や国土交通省とともに作成を進めてきましたが、これまで墨田区側はどのような協議をされ、その結果、どのように具体的に反映されたのか、まず伺います。次に、この計画が、実際時にしっかりと運用されるよう今後区民への周知はどのようにされて行かれる予定なのか伺います。

次に、墨田区は、荒川が氾濫した場合と、局所的集中豪雨に伴う雨水出水(うすいしゅっすい)いわゆる都市型水害が発生した場合の二つの「水害」が想定されます。そこで、平成26年より都内3区(北区・板橋区・足立区)を対象に荒川下流域でのタイムライン検討が開始されました。平成27年5月には全国初となる本格的タイムラインをとりまとめ、運用を開始いたしました。その後、運用や訓練を重ね検討を継続し、平成29年には対象エリアを拡大し運用開始をしています。
 「タイムライン」というのは、災害が発生することを前提として、関係機関がリスク評価をし、共有した上で、そのリスクに対して、先手を打って各機関が行なうべき防災行動を、「いつ」「誰が」「何を」を明確化し、時間軸に沿って整理したものです。実際に、平成24年には、アメリカを襲ったハリケーンサンディーによる大規模な高潮氾濫が発生しましたが、タイムラインによる早めの対応による死者ゼロを実現し、また、事前に地下鉄車両の避難や、浸水防止策を行ったため被害を最小限にとどめられたという事例があります。昨年度からタイムラインの対象区域が拡大され、墨田区もその対象となりましたが、区の対応の進捗を伺います。

次に災害対策について伺います。本年6月に発生した大阪北部地震による学校のブロック塀倒壊事故によって登校途中の小学生の尊い命が奪われました。本区においても区立施設のブロック塀の実態調査を行い、調査結果としては、区立施設におけるブロック塀の適合外のものは2件あったとの報告を受け、その後改修をされたとのことですが、我が会派からは、通学路や民有地の調査についても要望をさせていただきました。現在の進捗について伺います。今後も、災害時に危険が伴うことが予想される建築物等の調査を徹底するとともに、二次被害につながる事の無いよう区内の危険個所の把握を求めます。区長のご所見を伺います。
加えて、9月1日の朝日新聞の報道によると、港区がブロック塀の撤去や新設費用を補助することを発表いたしました。他区でこのような事例も出てきていることから、本区は、緑の塀助成は行っているものの、安全確保及び防災対策の面においても、ブロック塀に特化した同様の補助制度を新設されることを求めますがご所見を伺います。
次に、防災対策について伺います。本年も記録的な猛暑が続き、多くの方が熱中症の被害に遭われております。地球温暖化の影響により今後も気温の上昇は免れないことが予想されます。そこで、本区の区立学校施設の空調設備について伺います。各小中学校の教室の空調設備は徹底されているようですが、体育館においてはまだ整備されておらず、地域の方々からもご意見を頂いている状況です。体育館の利用は、日々の教育活動のみならず、災害時には避難所として指定されています。避難者の体調管理を行うことは区の責務であると思いますので、空調設備を設置することを要望いたします。近隣区においてはすでに予算付けにむけ対策を進めていますので、本区においても進めるべきであると考えます。区長にはご決断いただきたいと思いますが、ご所見を伺います。
大綱二点目は環境問題にかかわる墨田区の取り組みについて何点か伺います。
 地球温暖化の影響による自然災害や異常気象よって、日本国内のみならず、世界の至る所で大きな被害が頻繁に発生しております。環境問題と災害との関連性については長期的な課題ではありますが、一方で、今からでも防ぐ事の出来ることを一人一人が意識し、行動していく積み重ねが大変重要であると思います。
第一に、墨田区は平成21年10月にすみだ環境区宣言を行い、地球温暖化の防止や緑を増やし、自然と共生するまちづくり、更には雨水をたくわえ、水の恵みを活かしたまちづくりを目指すとしており、これまでも先進的な取組みを行ってきていると思いますが、区はこれまでの取組みをどう評価しているのか伺います。
第二に、地球温暖化に起因すると思われる気候変動の異常気象で、大雨や台風、ハリケーン、干ばつ等の災害が数多く発生しています。我が国では、今年は西日本豪雨災害をはじめ、台風、大雨や厳しい暑さが自然災害の形となって頻発しております。そこで、近年の地球温暖化防止の更なる具体的な取組みが必要であると考えます。すみだ環境の共創プランにおける基本施策目標1には、対策として温室効果ガスの排出を抑制したスマートエネルギーのまちを目指すとあります。具体的にどのように目標値達成へと進めていかれるのか、また、今後の取組みについて伺います。
第三に、環境教育について伺います。すみだ環境ふれあい館の閉館後は区内の複数の地点で環境講座を展開されており、夏休みの期間には親子で学べる環境学習プログラムなどの多くの学習機会を提供していると仄聞しております。利用者数も増えているとの事で大変よい事業であることは評価をいたします。一方で、世界的には、諸外国において海洋のプラスチックごみをなくす取組みを進める動きがあります。国連環境計画(UNEP)では、「世界各地の海を汚染し、生態系への悪影響が懸念されるプラスチックごみの廃棄量は年々増加傾向にあり、2015年には3億トンに及び、このうち、ペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスチック製品は47%を占めている。また、人口1人当たりの廃棄量は米国に次いで日本、欧州連合が多い」と報告されています。また、本年6月には、国において、議員立法である化粧品などに含まれる微細なプラスチック「マイクロプラスチック」の使用を抑えるよう企業に努力義務を課す、改正海岸漂着物処理推進法が全会一致で可決いたしました。加えて、政府は今後5年間の廃棄物政策をまとめた「循環型社会形成推進基本計画」を閣議決定し、海洋ごみ対策を強化するため、使い捨て製品の削減などを柱とする「プラスチック資源循環戦略」を新たに策定することになりました。このように、国も環境問題に配慮した取り組みを着々と進める一方、本区としても、身近な、日常的な行動の中でも、世界的な視点で環境に配慮して、自らの生活スタイルの中で行動に移せるような具体的な環境教育を進めるべきであると考えます。区長及び教育長にご所見を伺います。
第四に、環境問題の普及啓発の視点からの質問です。現在墨田区は、国際観光都市として本区に訪れる外国人等へのおもてなしを様々な形で展開されています。環境問題については世界各国共通の課題としてあげられているため、観光施策の中にも環境の視点を取り入れ、墨田区が環境先進区であるイメージを改めて内外に発信し、アピールすることが大切であると考えますが、ご所見を伺います。
第五に、本区は「ごみを減らし資源を大切にする」まちをつくると宣言しており、この間不燃ごみの資源化やごみの分別をはじめとして、より一層分別を徹底させていくため、AIを活用してチャットボットも稼働させ、取組みを進めております。しかしながら、特に資源物の集団回収実績が減少傾向で、区の資源化率は停滞しています。平成32年度に区が目標として定める23%の資源化率達成が可能なのかについて懸念をしております。より一層のごみ減量と再資源化を徹底していく上で、これまでの取組みを、更に充実させていくべきであると考えますが、区としてはどのような取組みを強化するべきであるとお考えなのかご所見を伺います。
環境問題については、自然環境の破壊へとつながる世界的に重要な課題であるため、本区も率先して、行政がリーダーシップをとって方針を打ち出して行くべき問題であると考えます。すみだ環境の共創プランの確実な推進は言うまでもなく、他方で、大胆な戦略を示す必要性も出て来ているように思います。区の見解を伺います。
大綱三点目、教育施策、幼児教育無償化及び防犯、危機管理教育について質問をいたします。
第一に、加藤教育長に伺います。これまで真摯に教育行政に取り組んでこられた結果、教育効果による学力向上等の改善がみられています。これも加藤教育長のご努力の成果であると高く評価をいたします。まず、就任されてからこれまでの教育行政について、特に学力向上に関わる総括を伺います。更に、今後はどのような取組みを展望され、更なる学力向上を目指すべきであるとお考えなのかお聞かせください。

第二に、不登校に関連して質問をいたします。
本区の不登校児童数は過去5年間で平均約200名を推移しております。この数が多い、少ないではなく、起因を把握し、適切な対応で改善へと導いていただきたいと強く要望いたします。
本年7月に開会された教育委員会にて、墨田区立学校不登校対策基本方針について協議をされたと仄聞いたしました。方針内容を含め現在取り組まれている具体的な対策について進捗を伺います。
また、本区は不登校の起因調査をされているのか現状を伺います。されていないのであれば、なぜしないのかお考えをお聞かせください。
不登校の一つの起因として発達の特性(発達障害)の関連があげられています。しかし、幼児又は児童が発達に特性があるかどうかについては保護者了承の上でのみ判断にいたります。発達に特性がある場合は早期発見、早期療育、また、環境設定と適切な指導により改善に向う可能性があるのですが、その過程を経ていないために、周囲の理解が得られず、情緒への影響や対人関係への悩みにつながり不登校へとつながるケースもあります。他にも、一般社団法人日本小児心身医学会によると、「起立性調節障害」が不登校やひきこもりを起こし、学校生活への支障が明らかになっていると報告しています。「起立性調節障害」は、たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つと言われています。軽症を含めると、小学生の約5%、中学生の約10%、重症は約1%、不登校の約3から4割に起立性調節障害を併存(へいそん)しているとも示されています。
不登校の起因調査をすることにより、学校側の支援方法が分かりやすくなるメリットがあるのと同時に、周囲の理解を促すきっかけにつながると考えますが、ご所見を伺います。教育現場は生徒一人一人への適切な対応と、一人一人の最善の成長を目指す場であると考えますので、よろしくお願いいたします。

第三に、幼児教育無償化について伺います。
「働き方改革実行計画」及び「骨太の方針2017」において「財源を確保しなから段階的無償化を進める」等とされた重要課題の中に幼児教育無償化が盛り込まれています。平成30年度においても、家庭の経済状況にかかわらずすべての子供に質の高い幼児教育を保障するため、「環境整備」と「財源確保」を図りつつ、段階的に幼児教育無償化に向けた取組を進めることとし、その対象範囲や内容等については予算編成過程において検討することとすると示されています。
幼児教育無償化は、幼児教育の重要性に鑑み、「すべての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指すもの」とされています。国が幼児教育の重要性を全面的に打ち出されたということは大変意義深いことであると認識しております。では、実際に本区においてはどのような影響が予想されるのか、また、質の高い幼児教育を保障するとはどのような状況を目指すということなのか区長および教育長にお考えを伺います。

第四に、未就学児、児童の防犯教育及び危機管理教育について伺います。幼児、児童を狙う犯罪が後を絶えません。残念ながら犯罪は違法であると学んでいても、無くなる事はなく、これまでも多くの痛ましい事件が発生し多くの幼児、児童が犠牲となりました。子ども達には自分自身を守る具体的な防犯、危機管理教育がとても大切になってまいります。現在本区は防犯ブザーを各児童に配布し、必要時にブザーを押すようにと指導をされています。未就学児においては、保護者同伴のことが多いので、小学校のような防犯、危機管理教育は行っておりませんが、5歳児においては小学生と同じ防犯教育が可能であると考えます。実際に区内の小学生が、防犯ブザーによって助かったというケースを仄聞いたしております。しかし、一方で実際にそのブザーの音に反応くださる周囲の方はどのくらいいるのでしょうか。例えば、騒音の場所ではどうなのか、救急車や消防車が通った場合はどうなのか、など、犯罪はいかなる場所、時間でも発生します。防犯ブザー以外にも、こども110番、大きな声を出すなど様々な防犯行動を指導されていると仄聞いたしましたが、助けを求めようとも周囲がその行動を知らなければ意味がありません。教育現場での具体的な防犯指導の内容をお聞かせください。また、その内容を区民へ周知される事を要望いたしますがご所見を伺います。加えて、未就学児、児童の防犯について、区の危機管理担当と教育委員会はどのように連携をされているのか、区長及び教育長に伺います。

大綱四点目、福祉施策について伺います。
先日報道発表されました、中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題について伺います。この度の件で制度の信頼が大きく揺らぐ事態となったことは誠に遺憾であります。まず本区の状況について伺います。
障害者雇用率について、本区においても、対象外の職員が算定されているということを仄聞いたしました。これまでの報告数と、国と同様の状況があるとすれば、実際の雇用率はどのようになるのかまず伺います。
次に、国のガイドラインによれば、障害者手帳の確認が、一部例外を除いて、必須とされていますが、なぜ、その通りの対応をしてこなかったのか伺います。
ガイドラインどおりの基準を適用した場合の雇用率は、法定雇用率を下回ることになりますが、なぜそのようなことになったのか、また、これまでどのような取り組みをされてこられたのか伺います。
障害者団体等からは、今回の一連の件を受けて、障害者の雇用機会を奪うものであると強く主張されていますが、このことについてどのように考えているのか見解を伺います。
最後に、法定雇用率を満たすために、また、ガイドラインにそった確認を行うために、今後どのような取り組みを行っていかれるのか伺います。
この度の報道を受け、本区はその例外ではなかったことについて誠に残念であります。早急(さっきゅう)に適切な対応を求めます。
次に本区の学童クラブの現状について伺います。
本区には現在、区運営主体の学童クラブ42室と民間運営の学童クラブ5室があります。保育所の待機児童数との関連性を考えると、小学校に入学後も引続き学童クラブを望まれる利用者が増えることが予想されます。平成30年度の学童クラブの待機児童数も207名と例年に比べると増加傾向にあります。「放課後子ども総合プラン」の策定も含め、今後どのような方向性で取り組まれていかれる予定なのか伺います。

第二に、特性のある児童(障害児)の対応状況について伺います。学童クラブの利用可能年齢は原則3年生までですが、特性のある児童の場合は6年生まで申請可能であります。特性のある児童を受入れるにあたっては、職員の専門知識や環境整備が大切になってまいります。現在の本区の取組みと対応状況を伺います。

最後に、荒川フィールドハウスの2階部分を学童クラブとして活用する方向であるということを伺いました。会派としても学童クラブの利用が適当なのではないかとの見解でしたので、反対をするものではないのですが、平成29年度の予算委員会にて我が会派から荒川フィールドハウスについて、平成30年度第3回定例会までに施設の廃止も含めた今後の方向性の報告を強く求めていたため、この度の経緯経過についてまずお聞かせください。学童クラブとして活用する場合、改修が必要になってくるかと思いますが、どのような改修を行うのか伺います。

児童の放課後の居場所作りは、広く、子ども達の健全育成や、防犯、危機管理の観点からも大切ではありますが、一方で、一部公費で行っている事業もある為、今後のあり方を慎重に考え進めて行くべきであると考えます。ご所見を伺います。

大綱五点目、北十間川・隅田公園観光回遊路の整備について伺います。
 基本計画事業である北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業については、これまで委員会にて様々な議論が展開されてまいりました。
本年第一回定例会では具体的な整備の報告があり、また、河川や公園などについてのイメージパースなどは随時示されていますが、整備完了が2年後に迫っているものの、高架下を含め周辺の具体的な利活用のイメージがまだ示されておりません。現在の進捗を伺います。また、東武鉄道に対しては是非とも引き続き墨田区の意向をしっかりと主張していただきたいと強く求めますがご所見を伺います。
また、隅田公園については、大きな広場が整備される予定ですが、これに伴い、多くの樹木が影響を受けることになると考えます。どのように保存、移植、また除伐(じょばつ)する樹木を検討されたのかお示しください。
来街者を含め地域の方々の憩いの場としての活用や、いよいよ2年後に迫ったオリパラを見据えた更なる活用も多いに期待しているところですが、今後の利活用をどのように考えて行かれる予定なのか、また、企業や住民、地域の力をどのように活用されていかれるのかご所見を伺います。
最後に、本年3月17日に北十間川水辺活用協議会が設立されましたが、どのような目的で設置され、今後どのように活動される予定なのか、また地域や今回整備される施設等とどのように関わっていかれるのか伺います。
この周辺の整備によって、台東区側からスカイツリーへと望む景色が素晴らしく明るく変化することが期待されます。地域や東武鉄道との連携はもちろんのこと、地域の住民や企業が主体的に、積極的に地域経営に携わり賑わいを創出する、エリアマネージメントの考え方を取り入れていただきたいと強く望みますがご所見を伺います。
大綱六点目、最後に平成30年度の都区財政調整交付金等財政面について伺います。

先月8月10日平成30年度都区財政調整の算定結果が公表されました。23区全体では、普通交付金は4年ぶりの増となる前年度比5.6%増の9441億円となりました。当初予算としては、平成20年度に次ぐ過去2番目の規模となっております。本区においては、基準財政収入額は前年度比、0.7%の増、需要額は、前年度比3.1%の増となり、共に昨年度よりも増となっております。
第一に今回示された、財政調整算定結果の当初算定における墨田区への算定状況について、区の考えを伺います。

第二に、財政調整交付金の原資となる市町村民税法人分(法人住民税)の一部国税化における特別区の状況と本区の影響について伺います。

第三に、地方消費税交付金についてですが、消費税率が10%になった場合、増収が予想されますが、特別区への影響はどのようになるのか区の見解を伺います。

第四に、国は「新しい経済政策パッケージ」において幼児教育無償化方針が打ち出されました。その財源については、「消費税率10%への引き上げによる財源を活用する」とされていますが、特別区の影響について伺います。また、今後この無償化が実現となった場合、これまでの区の幼児教育関連政策についてはどのような取扱になるのか伺います。

最後に、平成28年度の児童福祉法改正により、政令で指定された特別区は、児童相談所関連の事務が特別区の事務となったことを受け、都区財政調整協議として、児童相談所関連経費の財源移譲方法について協議事項になったとお聞きいたしましたが、本区の現状について伺います。

引続き、児童相談所設置については慎重に課題整理を進めていただき、かつ財源については区の意向を粘り強く主張していただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

                                             

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