墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。この度、2/13の地震で被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。私達としましても感染症対策に加え、いつ発生するかわからない災害に備え、改めて複合災害の対策に尽力する所存です。
それでは、会派を代表し、大綱2点につき、山本区長及び加藤教育長に質問します。明確で前向きなご答弁を宜しくお願い致します。
大綱1点目は令和3年度の施政方針と予算編成について伺います。
先ず、令和3年度区政運営の基本的な考え方についてです。
山本区長は、令和3年度の予算案を、「ポストコロナを見据えたすみだの未来、持続可能なすみだの実現」に向けた予算と位置付けました。
令和2年度は、周知のとおり、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大から、収入構造や財政需要も大きく変化することが見込まれたため、予定されていた墨田区の羅針盤ともなる基本計画の中間改定及び行財政改革実施計画改定が令和3年度に延期されました。コロナ禍の影響がリーマンショック時を超えるのではないかと懸念されており、財源不足が複数年続く可能性を念頭に、1年繰り延べた後期基本計画等の策定にあたっては、期間の途中で財源不足に陥らないように計画性のある基金の取り崩しが重要です。来年度の一般会計の予算規模は1193億4800万円で、今年度に比べて54億円の減額となりましたが、次年度以降も規模を縮小していく考えなのでしょうか。持続的に自治体運営を行えるように、大幅な軌道修正も視野に入れて、どのように計画の改定を行っていくのか、区長の具体的な考えを伺います。
加えて、昨年から人口が転出超過になっています。これまで本区は転入増加傾向で基本計画も予測を立ててきたため、原因分析が必要と考えます。区長の所見を伺います。
併せて、今後も扶助費の増加が見込まれるなか、時期や規模が明らかにされず、国による不合理な税源偏在是正措置等の税制改正が続くことは、歳入環境が不透明となり、計画的な区政運営の大きな妨げになりかねません。コロナ禍で東京都の税収は減ったものの、全国的にみると依然として突出した高い水準を保っており、特別区の事情を考慮しない新たな国の動きを懸念しています。引き続き山本区長には特別区長会を通じて、国に対して強く主張し、安定した歳入環境の確保に向けて動かれることを強く求めます。区長の所見を伺います。
次に、施政方針及び予算案から10点伺います。
1点目は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の拡充について伺います。
先ず、新型コロナウイルスワクチン接種の具体的実施に向けて質問します。全国で接種に向けた準備が加速しています。なかでも、東京都練馬区では、迅速に、より多くの区民に接種ができるように大会場での集団接種ではなく、地域の診療所での個別接種を中心に行うことを決めました。この動きは大変注目され、厚生労働省は、練馬区モデルとして先進的事例で紹介する事務連絡を各自治体に発出しました。墨田区においては、先般、区長より、集団接種4カ所、個別接種7カ所の接種会場が公表されましたが、今後接種会場を増やして行く考えはありますでしょうか。また、集団接種では多数の医師・看護師・事務職員が連日必要となってきますが、具体的なオペレーションについてもどのように考えていらっしゃいますでしょうか。対象となる希望者全員が円滑に接種できるように、しっかりとしたシミュレーションを組み立て臨む必要があります。区長の所見を伺います。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種の優先順位について伺います。医療機関外で、例えば、あはき法に基づく施術所および柔道整復師法に基づく施術所などの健康保険の対象となる医療行為を行なっている団体等については優先となっていませんが、区の判断で医療従事者と同様にこちらも優先すべきではないかと考えます。併せて、高齢者が入所・居住する社会福祉施設等において利用者に直接接する介護職員等は優先順位が基礎疾患を有する方の次(1.医療従事者、2.65歳高齢者、3.基礎疾患を有する者)となっていますが、リスクの高い高齢者に接する介護職員の接種を、高齢者と同時期に接種する必要性を感じています。必ず実施していただきたいと強く要望しますが、区長の決断を問います。
2点目は、未利用公有地等の活用・処分及び公共施設マネジメントの推進について伺います。
私達はかねてより、廃校後の校舎や用途廃止となった施設については、維持管理費削減の観点からも、速やかに解体し、今後の跡地利用を検討すべきと主張してきました。改めて、旧学校施設等の解体の考え方や、今後のスケジュールは、どうなっているのでしょうか。区長に伺います。
次に、区が保有する資産について、総合的に活用していくための体制づくりについてお伺いします。墨田区では、平成25年度の「墨田区公共施設白書」策定以来、公共施設マネジメントに取組み、施設の統合・集約による施設保有総量の圧縮、長期修繕計画に基づく施設の長寿命化などが進められています。これらの取組みについて、今後は、建物だけではなく、土地をはじめとした様々な区の資産について、経営的視点も大事にして活用を行っていく必要があるのではないかと感じています。円滑な業務遂行のため一元化し、建物に限らず、区が保有する資産について、総合的に活用するための組織的な体制を構築すべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。
3点目は、防災や熱中症対策等の観点から学校施設等の空調機整備についてお伺いします。
先般の決算特別委員会では、学校給食調理室の空調機未設置について、学校給食衛生管理基準を満たしていない現状を早急に改善し、早期に設置すべきであるとの合意形成が図られました。早速次年度予算に盛り込まれたことには感謝申し上げます。他に、来年度は中学校の武道場についても設置予定となっていますが、どのような計画で行なっていくのでしょうか。教育長にお伺いします。
次に、指定避難所となっている旧学校施設等の今後の対応についても伺います。旧隅田小学校、旧向島中学校、立花体育館、八広地域プラザのそれぞれ体育館は指定避難所になっていますが、空調機が設置されていません。先ず、この4施設の今後の方針について、区の考え方を伺います。解体の方向であれば早期解体を、いずれ解体の方向だけれども当面の間使用を見込んでいるのであれば空調機設置は必要であると考えます。併せて、空調機未設置の現段階で、真夏や真冬の時期に万が一避難が必要となった際、代替施設の利用は考慮されているのでしょうか。また、将来的に解体の計画であれば指定避難所の変更も視野に入れた検討がされているのか、具体的な計画をお教えください。区長の所見を伺います。
4点目は、子ども・子育て支援施策について伺います。
先ず、待機児童解消に向けて、本区では積極的に保育所等への整備を行ってきました。引き続き、来年度も待機児童解消の取り組みが推進されていく予定ですが、これからは中長期的に定員割れも含めた整備計画も考慮していかなければならないと考えます。また、昨年度、ゼロ歳児が定員割れとなったことについては、ほとんど需要は1歳児に流れていることが言えると思います。私立保育所扶助要綱のゼロ歳児特別加算の見直しや、1歳児へ誘導していく施策も必要であると感じています。区長の所見を伺います。
幼稚園に関しては、私達の要望通り、私立幼稚園等の入園料補助金の引き上げにより保護者の負担軽減が図られたことは大変嬉しく思っています。一方で、区立幼稚園の適正配置や、私立幼稚園と区立幼稚園の所管の統一等の課題についてはどのように考えているのでしょうか。区長の見解を伺います。
また、区立・私立の保育園については、特に有事の際には分け隔てなく行政からの指導が行える体制作り、区立・私立幼稚園については、必要な情報が共有できるような体制作りも改めて強く要望いたします。区長の所見を伺います。
5点目は、児童虐待防止施策について伺います。
昨今、児童虐待件数の増加に加え、コロナ禍の影響が拍車をかけ、更なる増加が懸念されています。本区では来年度から児童虐待の未然防止を徹底するための新規事業を打ち出しています。この事業はどのようなことが期待され、どのように展開されていくのか、具体的な内容を伺います。
また、児童相談所設置についての区の考え方も改めて伺います。新保健施設等複合施設に児童相談機能を整備するとしていますが、どのような形とするのか、一時保護所を含む児童相談所の設置方針を明確にすべきであろうと思います。児童相談所の運営に関する都区の連携・協力を一層円滑に進めていく観点から、令和2年度都区財政調整方針では、特例配分0.1%増となりました。しかし、23区に児童相談所を設置するために必要な割合は約0.25%と言われており、財源不足が心配されます。令和4年度に再協議となりますが、今後、この点についてもどのように話し合いを進めていくのか伺います。また、児童相談所設置に関しては、児童福祉司や児童心理司などの専門職の育成・確保や児童相談所設置市事務の負担などの課題も山積しています。これらについて、先行して開設されている世田谷区、江戸川区、荒川区などからも状況を聴取し、本区も対応を考えていくべきであると考えます。区長の見解を伺います。
6点目は、学校教育に伺います。
文部科学省の中央教育審議会は、令和4年度を目途に小学校5年生と6年生の授業を対象として、中学校のように教科ごとに専門の先生が教える「教科担任制」を本格的に導入するよう答申しました。専門性が高い教員が児童一人一人の学習の習熟度に応じて指導できるようになるのが大きなメリットです。既に兵庫県では平成24年から原則全公立小学校の5、6年で教科担任制の授業を開始しており、小学校の教科担任制は、学級担任制から教科担任制になる中学進学時の学習環境の変化になじめず、不登校などが増える「中1ギャップ」の解消策としても注目されています。本区としても、学習進度に応じた指導体制の充実と、中学校教育への円滑な接続を図るため、今後どのような教科を対象に教科担任制を導入し、展開していく予定であるのか、伺います。私達は、いずれ、すべての教科が教科担任制になっていくことが理想であると考えます。教育長の所見を伺います。
次にGIGAスクール構想の推進について伺います。昨年末に各学校にタブレット端末を納品し、1月12日から22日の間に児童生徒に配布を完了したと報告を受けています。しかしながら、担任教諭が授業時間内に時間をかけて使用方法から説明し、2月に入った今もあまり活用されていないと仄聞しています。早期の活用のため、集中的に時間をとる、もしくは専門的知見の活用等を行う必要があるのではないかと考えます。教育長の見解を伺います。併せて、保護者への理解や協力を仰ぐことや、ネット環境の整備、教員のサポートなど現在の進捗状況を伺います。加えて、今後の活用方法や展望についても、教育長の所見を伺います。
7点目は高齢者の健康増進施策について伺います。
コロナ禍により、自粛の生活が続く中、自宅で過ごすことが多くなったご高齢の方には筋力などが低下していくフレイルといった別の問題も浮上しています。高齢者の方が住み慣れた地域で生き生きと暮らすために本区では「オンライン通いの場のアプリケーション」導入ほか、様々な介護予防事業を行っていますが、令和2年度の利用状況はどうだったのでしょうか。感染症予防を行いながら、毎日の生活に適度な運動、栄養バランスのとれた食事、口腔ケア等を取り入れていくことは非常に重要なことです。コロナ禍であっても、高齢者が利用しやすい施策と環境づくりを整えるとともに、介護予防や疾病重症化の抑制等その効果によって歳出削減が期待できる施策は積極的に行っていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。
8点目は障害者施策について伺います。
来年度予算にて、私達が訴えてきた精神障害者保健福祉手帳1級を対象とした心身障害者福祉手当の拡充が図られることとなりました。引き続き、これからも障害者施策の充実を望みます。そこで、現在課題となっている重度障害者のグループホームの建設について、進捗状況をお伺いします。私達は、区内の未利用公有地の活用も視野に入れて検討すべきと考えます。区長の所見を伺います。
9点目は、産業振興施策について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響により、区内事業者は大きな影響を受けています。そうした区内事業者を守るため、東京商工会議所とも連携しながら早急に、現在はどういったことが一番困っているかなど実態調査を行うとともに、国や東京都の補助制度等を活用し、必要な支援策を迅速に行っていただきたいと考えますが、区長の所見を伺います。一方、錦糸土木事務所跡地に本社を構える予定の株式会社アストロスケールに代表されるように、これからの社会課題に積極的に取組もうとしている事業者の進出も期待されます。仙台市では地域経済を活性化することを目的として、概ね5年以内に株式上場の実現可能性のある地元中小企業を「仙台未来創造企業」として認定し、上場実現に向けて集中的な支援を行っています。本区においても、企業認定制度を導入し、頑張っている企業の支援強化を図るなど、攻めの姿勢で積極的な施策を行なっていくべきと考えます。墨田区は、これからどのような産業集積を目指し、地域を活性化させていこうとしているのか伺います。また、その視点は、産業観光マスタープランに、どのように盛り込まれていくのかも伺います。
緊急事態宣言解除後の消費喚起策としては、短期的に、コロナ禍による消費の落ち込みを抑制するための事業も必要と考えています。2月に予定されていたキャッシュレスポイント消費還元事業が延期というかたちになりましたが、どのようなタイミングで次回の実施を検討されているのでしょうか。年度を超えての実施となる場合も私達は支持の方向でありますが、区の考えを問います。また実施が確定した際の事業者や区民への周知方法についても伺います。
10点目は、観光施策について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響により、観光需要が減少しています。販売収入を財務基盤としてきた観光協会の運営は限界になっているのではないでしょうか。現在、ワクチン接種に向けた準備が着々と進んでおりますが、世界保健機構(WHO)は「いわゆる集団免疫の状態を今年中に獲得することは難しい」との認識を示しており、インバウンド需要の回復には最大4年程度かかるとの報道もあるなど、観光関連業が置かれた厳しい状況は長期化することが見込まれています。昨年の9月議会では、観光協会の財務基盤の安定化と各種事業の見直しを行うとの報告がなされました。当面の観光を取り巻く環境を踏まえながら、先ずは観光協会も会費増や、人件費の大幅削減に努めるべきということは必要であると私達は考えています。その上で、本区としても鎮静後の観光施策も見据えて、様々な委託業務を中心として行っている組織から、地域DMOなどを通じて自主事業を展開してもらう強い組織となるよう後押しできる方向へ転換していくべきと考えます。区長の所見を伺います。
次に、循環バス見直しの方向性についてです。観光と区民の利便性を目的としてきましたが、現実は、区民の重要な生活インフラとなっています。こちらについては、利用実態調査を実施したうえで、今年度中に方向性を確定するとなっていましたが、緊急事態宣言の再発令により、影響が出ているのではないでしょうか。方向性を確定するための時期と考え方を改めて伺います。また、来年度予算では「次世代モビリティ社会実験検討経費」が計上されています。どのような取り組みを実施しようとしているのでしょうか。また、その結果をどのような施策に反映させようとしているのでしょうか。区長に所見を問います。
大綱2点目は、公務員の在宅勤務推進について伺います。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、政府が東京都や埼玉県など4都府県を対象に発出した緊急事態宣言では、テレワークで出勤者を7割削減という目標も盛り込まれました。しかしながら、自粛を呼びかける側の自治体の公務員が充分にテレワークを行えていないのが現状としてあります。令和2年12月に内閣府が公表した「第2回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」では、テレワークを実施している業種の人の割合では、公務員は14.5%と全体の21.5%を下回り、テレワークが不向きとされる製造業28.9%や建設業17.6%よりも低い結果が明らかになりました。行政組織は、区民の個人情報を守るための独自のネットワーク環境やセキュリティ対策、区民への窓口対応などがあるため在宅勤務等の実施が難しい状況も理解できますが、同時に職員の安全を守るための感染対策や、子育てや介護にあたる職員への対応など人材確保にも影響する柔軟な働き方の実現も必要不可欠です。
先ず、昨年の4月の緊急事態宣言下、区役所の在宅勤務等の体制はどのようなものであったか伺います。個人情報保護の観点等からネットワーク環境が制限されていたなか、充分な仕事も行えなかったのではないかと推察します。現在も、全庁的な在宅勤務ではありませんが、基礎疾患を持つ職員や妊娠中の職員、濃厚接触者に該当した職員などについては、在宅勤務を可能としています。また、これから東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、交通抑制策の呼びかけがあり、全庁的な在宅勤務を実施する予定とも仄聞しています。今後も有事の際や働き方改革等、在宅勤務の必要性が求められるなか、自治体は、個人情報に関する事務とそうでない区別、窓口申請のオンライン化や、ペーパーレス化、Web会議導入など、区民サービスの向上と職員の働き方の改善を図っていくべきと考えます。外部の専門家の知見も取り入れながらCISO補佐官も大いに活用することなども含めて、来年度積極的に検討することを強く求めます。徳島県では、既に「在宅勤務」、「県庁版サテライト・オフィス」、「モバイル・ワーク」の3つの形態でテレワークを実施しています。決して不可能ではないと思います。できる方法を考えて推進いただける事を期待しています。改めて区長の所見を伺います。
以上で代表質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。