令和6年2月20日定例会 一般質問 井上裕幾 議員

■1点目1点目の質問としまして、庁内ネットワークの在り方、について伺います。

そこで、今回は、「三層の対策」について伺います。
三層の対策、三層分離とも呼ばれていますが、平成27年から「三層の対策」によるセキュリティ対策の強化が行われています。

それぞれがセキュリティ対策をして、「三層の対策」がおこなわれています。
この3層ごとに扱う業務や主な業務端末がどこのネットワークに配置されているかによって、モデル名が決まっています。呼び方が3つあり、αモデル、βモデル、β’モデルと言われています。
主な業務端末をLGWAN接続系に配置するのが「αモデル」です。先述のとおり、ネットワークは3層とも完全に切り離されていますので、それぞれに専用端末を配置して、必要に応じて専用端末を使用する形になります。 セキュリティの観点からみますと、それぞれが分離していますので、強固に組まれていますが、それぞれの端末で作業をして、データ連携ができず、業務フローの中に確実にアナログの対応が残る箇所となりますため、業務負荷が上がる原因となってしまっています。
令和2年12月の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーガイドライン」の改定により、全てを信用しないという考えである、ゼロトラストセキュリティの考え方を取り入れた「三層の対策」の見直しが実施されました。見直しでは、従来のαモデルに加えて、各端末のセキュリティ対策や不正な挙動を検知し、早期対処する仕組み等のセキュリティ対策を実施した上で、インターネット上のクラウドサービスの活用や、テレワークの円滑な実施ができるよう、業務端末をインターネット接続系に配置する新しいモデルであります、βモデル、β’モデルが提示されました。
βモデル、β’モデルでは、αモデルと同様に個人番号利用事務系とはネットワーク上で完全に切り離された状態ですが、LGWAN接続系とインターネット接続系の相互利用は大幅に改善されるものであると考えています。DXを力強く進めていくためには、表向きのシステム導入だけを進めるのではなく、必ずアナログ業務で対応しなくてはいけない箇所が残る、この「三層の対策」、ネットワークの在り方を日頃から検討をしていく必要があると考えます。
また、この見直しはデジタル庁が発足する以前のものでありますので、今後変化のスピードが急速に早まる可能性もあります。
そこで、区長に伺います。 ①庁内ネットワークの在り方として、現状をどのように捉えており、今後検討を
進める考えがあるのかそして、 ②どのように検討し導入の実施していくのか区長の考えを答弁ください。

■2点目(1500文字)2点目の質問として、メール送受信の方法について伺います。

はじめに、脱PPAPの対策について伺います。
メールを送信する際に、必要に応じてデジタルファイルの資料を送信したい場合があります。今まで一般的に行われてきた方法として、「1.メールにパスワード付きのZIPファイルを添付して送る」、「2.別のメールでパスワードを送る」、という2段階の方法をとることが、セキュリティーの観点からも良いと考えられていました。この方法を「PPAP」と呼ばれており、「Password(P)付きファイルを送ります。」「Password(P)を送ります」「暗号化(A)」「Protocol(P)」の頭文字をとった言葉です。
しかしながら、この方法には、ファイルのウィルスチェックが稼働しない、暗号化を解除する、復号化パスワード自体の脆弱性、利便性が悪いなどの問題点があり、活用を疑問視する声があがってきました。そして、2020年11月には、政府より「脱PPAP」の発表がありました。
この間、民間企業では、脱PPAPが進み、利用しないのはもちろんのこと、受信したメールにファイルが添付されている場合は、メールを受け取らず返送するような仕組みを導入している企業もあります。
対策として、クラウドサービスにファイルを格納し、格納されたファイルを確認、閲覧する方法などがあります。また、自治体では、北海道庁などで脱PPAPの取り組みが進んでいます。
本区でも、本格的に実施に向けた検討を進めるべきではないでしょうか。
そこで、区長に伺います。
今後、脱PPAP、メールにファイル添付をせずに、ファイルのやり取りができる
仕組みを導入する考えがあるのか
区長の考えを答弁ください。次に、送信メールの宛先について伺います。メールの送付先である宛先の設定はTO、CC、BCCの3個所があります。
TOは、「あなたに送っています」の意思表示、処理や作業をして欲しい人を指す場合に使います。CCは、「TOの人に送付したため、念のため見てください」という意味や、参考・情報共有に使います。BCCは、他の受信者にアドレスが見えないように連絡できる方法です。他の受信者がいることを隠したい場合や、他の受信者のメ.ルアドレスが分からないようにして送りたい場合に使います。
受信者側は、CC、BCCで送信されてきたメールは、基本的には主担当者ではないメールと捉え、返信をおこなうメールではないという認識になる可能性があります。また、自分のメールアドレスがどれに設定されているかによって、フォルダ分けをして、確認の優先順位としてTO、CC、BCCとする方法が多いかと思います。
本区では、住民、企業など、インターネットを経由してメールを送信する場合、全ての宛先をBCCに設定し、送付されるようになっています。
民間企業では、メールのやり取りを社内共有するために、主担当者をTO、関係者をCCに設定し、多数のアドレスを設定して送信する場合があります。その返信が全てBCCになりますと、主担当者が関係者のメールアドレスに届いているかわからないため、毎回、転送対応、区側に返信する際に、TO、CCに再度設定し直してから送信する必要がでてきます。そのタイミングで、転送先、TO、CCの設定間違いが発生するリスクが相当上がってしまうのと、業務負荷の向上につながってしまいます。
全てをBCCに設定することで行政側のメール誤送信の対応になっているとは思いますが、住民や民間企業に対して全く一般的ではない方法で送付しているため、相当な不便をかけているという認識を強く持つべきかと思います。誤送信対策ということであれば、様々な対策ソフトが出ていますので、導入の検討もおこなうべきと考えます。
そこで区長に伺います。
今後、BCCではなく、TO、CCを使用した一般的な仕組みに切り替える考えが
あるのか
区長の考えを答弁ください。

■3点目3点目の質問として、送付先変更の一括手続きについて伺います。

親が区からの郵送物を管理できず、紛失してしまうことが発生してしまいました。そこで今後の対策として、郵送物の送付先を娘が変更する手続きを区役所で行おうとしました。今回紛失してしまった郵送物については、担当課に行き、再発行の手続きをして無事に再発行されました。その課で郵送物の送付先変更をしたところ、その課が担当の郵送物は変更できましたが、他の課の郵送物はそれぞれの担当課にて変更しないと対応が難しいという状況となってしまいました。
どの課で変更すればいいか全て把握することができれば、仕事を休んで区役所中を回って対応したり、どこまで変更完了したか、手続きれがないかを管理したりすることで対応することはできるかもしれないが、その対応を住民に強いるのは、かなり酷なことであると思います。また、今は郵送物のない課でも、今後郵送することができるかもしれません。
郵便局の転送サービスを利用することで全ての郵送物を転送することができる

これから高齢化社会が進んでいく中では、同様の問い合わせ、対応が増えていくことも想定されます。
各所管で管理している個人情報を統合することは、個人情報保護法の目的外利用にあたるため、課題が多くあるという認識はしております。

区長に伺います。 ①郵送物の送付先変更を一括で変更できない現状をどのように捉えており、
今後一括で変更できるように検討する考えがあるのか
そして、 ②どのように検討し導入を実施していくか区長の考えを答弁ください。

区長答弁

自民党 井上議

 

 

令和5年11月28日定例会 一般質問 小林しょう 議員

 

まずは「本区の保育行政」について伺います。

先日、区内のある私立保育園の運動会に参加いたしました。コロナ禍で溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、子どもたちのいきいきとした声が校庭に響き、お子さんやお孫さんの勇姿を記憶にしっかりとどめようとするご家族の姿がとても印象的でした。その光景とは対照的に、園長先生からは今後の保育行政に対する危機感を伺いました。それは、「保育士の配置基準」という問題です。

前提として、保育士の配置基準は厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第33条第2項に定められています。つまり、国によって定められている基準です。現在、保育士一人が見る園児数は「ゼロ歳児が3人、1・2歳児が6人、3歳児が20人、4・5歳児が30人」と定められています。本区では、公立保育園については、例えば1歳児の園児5人に対して職員数1人、つまり5:1(5対1)といったように区独自の上乗せ基準を設けていますが、私立保育園については国の基準にならっています。
本区議会においては本年3月22日、議員提出議案第15号「保育環境の充実に関する意見書」が内閣総理大臣や衆議院議長ら国に対して提出され、保育士の処遇改善等、保育環境の充実を進めるよう強く要望がなされました。そのほか、全国各地においてさまざまな要望が行われていることは承知しておりますが、今回はその中でも、私立保育園・公立保育園に共通する課題である「ゼロ歳児保育における配置基準」に焦点を絞り、本区の方向性、山本区長のお考えを伺います。
ゼロ歳児における配置基準の見直しを強く求める背景に、このような具体例を聞きました。日頃の防災意識、特に子どもの命を預かる保育分野における防災意識は、常に最悪のケースを想定して行う防災訓練等で養われるものです。たとえば、国の基準に沿い、保育士一人でゼロ歳児3人を見ている保育園で火災があったと仮定します。偶然にも女性保育士だけが園にいたとして、避難する際、両腕に一人ずつ園児を抱き、さらには抱っこ紐で一人を背負うとします。ある園では、幸いにも訓練という場でしたが、とても立ち上がれないという保育士が続出したそうです。個人差はありますが、ゼロ歳児といっても生後10か月頃には10キロ近くに達する子もいます。仮にゼロ歳児に対して2人の配置基準であれば、逃げ遅れるといったケースは減り、救われる命が増えることでしょう。また、離乳食を食べるタイミングも三者三様で、とても目が届かないという現場の悲痛な声も聞かれます。

 ここでお尋ねいたします。3月に本区議会から国へ意見書が提出されたことを踏まえ、本区の保育行政に対する山本区長の現状認識と課題について、ご所見をお伺いします。また、いま申し上げた災害時避難の困難さといった具体例も踏まえ、ゼロ歳児保育における職員の配置基準について、区長の受け止めも合わせて答弁願います。

 ゼロ歳児の保育士配置基準を独自に条例で定め、保育士の負担を軽減しているのが神奈川県横須賀市です。ゼロ歳児の保育士配置基準は私立保育園・公立保育園ともに「2.57」と、3を切っています。これは平成25年4月1日に「児童福祉施設の設備等に関する基準を定める条例」を制定・施行し、その後5回の改正を行う等、保育士の配置基準を時代に合わせ、その都度改善することで実現した基準です。また、質の高い保育を担保するため、条例施行以前から国の配置基準を上回り、園児の年齢に応じた保育士を配置している各保育施設に、必要な雇用経費を「保育所機能強化費」として補助金を交付しています。当該補助金の要件としていた保育士の配置基準を、平成25年に前述の条例に規定しました。
横須賀市の、ある私立保育園は、インターネット上に公開されている保育士求人サイトに「国が定めるよりも高い、独自の配置基準で余裕のある働き方を!」という謳い文句で保育士を募っているほどです。

 政府においても新たな動きがありました。本年6月13日に「こども未来戦略方針」を閣議決定しており、このなかで「平成24年「社会保障と税の一体改革」以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準について1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討する」と明記されました。これを受けて岸田首相は「これからは量の拡大から質の向上へと政策の重点を移し、75年ぶりに保育士の配置基準を改善し、保育士さん1人が見る1歳児を6人から5人にするほか、保育士の処遇改善に取り組んでまいります」と、1歳児基準についてですが、配置基準の改善へ意気込みを見せています。
 
しかしながら、各保育施設の経営状況や職員採用等の状況にはバラつきがあります。全国的な保育士不足が叫ばれるなか、一律に職員の増員を課すような議論は慎重に行われるべきですが、大前提として第一に守られるべきは園児や職員の安全であり、命です。

本区における私立保育園への支援策は『墨田区私立保育所扶助要綱』に定められています。とりわけ、今回の質問で問題提起をしているゼロ歳児においては、扶助要綱内の「零歳児保育特別対策事業」において、園内に十分な広さを確保するといった一定の条件を満たした場合に、職員の雇用経費等を対象にする扶助費を支給しており、その区の姿勢は評価されるべきです。

コロナ禍において、本区は山本区長の強力なリーダーシップのもと「墨田区モデル」という体制を構築し、そのコロナ対策は羨望の眼差しとともに全国の注目を集めました。
そこでお尋ねいたします。ゼロ歳児の保育士配置基準の見直しを含めた墨田区独自の上乗せ基準を新設する等、保育の質の向上を今後どのように進めていくのか、山本区長のご所見、課題解決に向けた意気込みをぜひお聞かせください。

 

「アライグマ、ハクビシン等の野生動物への対策」について質問いたします。

近頃、千葉県においてシカの仲間である「キョン」という野生動物が大量発生しており非常事態となっています。20年以上前に千葉県勝浦市のレジャー施設から脱走し、野生化すると爆発的に増加。現在では、生態系や農業等へ被害を及ぼす“特定外来生物”に指定されています。
 
 本区をはじめとする都内では、アライグマやハクビシンといった野生生物が頻繁に目撃され、実際に、ご自宅の庭で育てていた家庭菜園を荒らされたり、自宅の天井裏に入り込んでしまったという被害の相談を頂戴することがあります。
アライグマやハクビシンは、狂犬病やE型肝炎等、複数の人獣共通感染症を媒介する可能性があり、 加えて両種からはペットに重篤な感染症を引き起こす病原体も検出されており、ペットが直接または間接的に接触するリスクが高い市街地ではこのような感染症への警戒が必要です。ドッグランの仮設置を予定している本区にとって、その対策は喫緊の課題ともいえます。
 東京都では、平成25年に「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」を策定し、都内の自治体は計画をもとに対策を実施しています。本計画では「都や自治体は、捕獲従事者や捕獲に協力する都民等だけでなく、広く都民一般にもこうした事実を的確に周知していく必要がある」との記載もあります。

ここで区長にお尋ねいたします。本区では、アライグマやハクビシンといった野生生物への対策や危険性を、どのように区民に周知しているのでしょうか。現状をお伺いいたします。

本計画が策定された平成25年における都内の防除対策実施自治体は「あきる野市」だけでしたが、区部における目撃情報・被害件数の増加を受け、現在では都内全54区市町のうち45の自治体が防除対策に取り組んでいます。都内23区に限ると21区が実施しておりますが、残念ながら本区は実施していない残り2つの区に含まれています。
計画が策定される前の平成18年から平成20年の調査では、アライグマやハクビシンは近隣区と比べて本区にはほとんど生息していなかったというデータから、当時、本区での対策は急を要する状況ではなく、それゆえに防除対策を実施してこなかったと拝察します。

しかしながら、現在、本区における被害相談件数・目撃情報は、今年度でアライグマが10件、ハクビシンが21件となっており、特にアライグマに関しては直近の5年間で最多件数となっています。被害に遭った方は、罠を仕掛けたり、駆除をしたいと思うわけですが、たとえアライグマやハクビシンを発見しても外来生物法や鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲することはできません。

そこで区民が頼るのが行政です。防除対策を実施している都内45の自治体の多くは、住人や管理者の許可を得た上で民家や建造物に「箱わな」と呼ばれる捕獲道具を設置する等、東京都の事業補助を受け、区市町が主体となった捕獲・駆除対策を行っています。その多くが、相談者はエサ代にかかる実費のみを負担し、罠の設置費用等は自治体が負担しています。
一方、本区では、区のホームページに「捕獲の許可を得ている専門業者にご相談をお願いします」や「複数の業者に見積もりを依頼するなどして、条件・費用等をご確認の上、ご依頼をお願いします。なお、捕獲等の費用は個人のご負担となります。捕獲等に関する補助金・助成金はありません」といったように不親切な印象を覚える案内と、専門業者の団体である「公益社団法人東京都ペストコントロール協会」のホームページに誘導するリンクが記載されているのみです。

野生生物の目撃情報、被害は本区でも増えております。ここで区長にお尋ねいたします。住民の方が頭を悩ませる野生生物の被害、いわゆる獣害においては駆除業者の紹介にとどまるのではなく、近隣区と同様に罠の設置等、行政として有効な対策を講じるべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。

以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

区からの答弁書

自民党 小林議員(PDF)

 

 

令和5年11月27日定例会 代表質問 大門しろう 議員

11月議会本会議代表質問

墨田区議会自由民主党・無所属の大門しろうです。会派を代表いたしまして、先に通告いたしました大綱7点について、山本区.、加藤教育.に質問いたします。明確で前向きなご答弁をお願いいたします。

○財政運営について

はじめに、本区における財政運営について伺います。
過日行われました、令和4年度決算審査において、歳入については納税義務者数の増加や給与所得の増加による特別区民税の増加、特別区交付金の増加などにより歳入増がみられました。
また、財政調整基金や公共施設等整備基金の積み増しも着実に行われ、区債残高も目標の範囲内に収まったことにより、財政基盤の強化も図られ、一定の評価ができるものです。
さらに、財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率についても前年度比2.2ポイント減となる77.7%となり、より一層の区民ニーズに応えるための歳出が可能となりました。
今後も、ロシアによるウクライナ侵攻、緊迫するイスラエル・パレスチナ紛争など、様々な要因による社会情勢の変化や、物価高騰などによる景気変動にも注視しながら、多様化する課題にも的確に対応しつつ、持続可能な財政運営を求めます。
次に、今年度の予算執行に関しましては、9月に発表された
令和5年度都区財政調整については、新規算定や算定改善等もあり、
今年度も昨年度に続き交付金額は増加の見込みとなっており、特別区民税においても徴収率は前年同様、順調に推移しており、税収の増加も見込まれております。また、令和 4年度に関しては最終的な決算は実質黒字となりましたが、裏を返しますと、当該年度で区民サービスに使える予算が残っていたとも考えられます。

次に、令和6年度予算については、今後の景気動向が社会情勢などによりいささか不透明ではありますが、山本区政三期目初となる予算編成であり、ポストコロナの転換点を迎え、人流も回復しつつある中、区民へのメッセージ性のある、大胆かつ積極的な投資も必要であると考えます。
また、新年度の政策立案の視点として、「繋がりが織りなす「人」が輝くまち明日の「すみだ」を共創する
予算」とありますが、令和6年度予算についてどの程度の規模となるのか、また、どのような基本方針の下、予算編成は進められていくのかお伺いいたします。

○人事行政について

次に大綱二点目として、将来を見据えた、本区における人材確保と育成に関連して伺います。
国家公務員、地方公務員の採用環境が非常に厳しい状況となる中、特別区も例外ではなく、行政ニーズの増大に伴い、採用予定数が過去に例のないほど増加している一方で、採用試験の申込者は年々減少していると伺っております。
こうした中、有能な人材を確保していくためには、各区における独自の取り組みも不可欠であると認識しております。
私自身も、前職の人事での経験において、様々な取り組みを行い、人材確保に努めてきたので、その大変さは理解するところです。
本年の特別区人事委員会勧告の中でも意見として付されておりますが、特別区を支えるのは人であり、特別区が社会情勢の変化を迅速にとらえ、その役割を果たしていくためには、特別区が就職先として選択されなければならないとしております。
そのためには、区政のさらなる発展に向けて、特別区ならではのきめ細かい区民サービスの提供や、最先端の取り組みにより、仕事の魅力を高めるとともに、職員が最大限の力を発揮し、やりがいを実感できる環境整備が重要であり、変化が激しく、複雑化・高度化する社会情勢を見据えた的確な対応を図るため、職員の知識と経験等を最大限生かすとともに、未来を切り開く人材の確保と、採用後の育成が不可欠であると述べています。
こうした背景を踏まえ、今後における、本区の人材確保と育成についてお尋ねします。
本年1月には、本区の人口が28万人を突破し、現在においても増加傾向が続いております。また、令和6年度における区政運営の基本方針でも示されましたが、「すみだ子ども・子育て応援プログラム」の推進、誰一人取り残さない、「すみだ型共生社会」の実現、激甚化する風水害や首都直下型地震の発生に備えた対策等、行政ニーズは多様化・複雑化しております。
さらには、新型コロナウイルスのような新たな感染症や、物価高騰など社会情勢の変化に迅速に対応することが求められます。
これらの行政課題や行政ニーズに対応すべく、今後における本区の職員体制や定員管理について、どのように考えられているのか、区.に伺います。

○赤ちゃんポストについて

次に大綱三点目として、「赤ちゃんポスト」について伺います。
去る、9月末、社会福祉法人「賛育会」が、産科などがある区内の「賛育会病院」に、「赤ちゃんポスト」を設置する方針であるというニュースを報道で知りました。
いわゆる「赤ちゃんポスト」は、育児に行き詰った親による育児放棄や虐待を防ぐため、また、予期せぬ妊娠による赤ちゃんの命を守るため、日本においては、16年前の平成19年に、熊本市の「慈恵病院」に、「こうのとりのゆりかご」という名称で設置されております。
我々会派は、病院および行政の生の声を聴くべきと考え、急遽、現地へ視察に伺いました。
すでに報道等でも赤ちゃんポスト設置についての課題等については多数述べられておりますが、財政上の課題や、職員の確保、病院と行政との綿密な連携など、様々な課題があると感じました。
そこで一点目として、これまでの区および東京都の行政側と、病院との協議の経過と、今後の進め方はどのように行っていくか、伺います。
次に、様々な課題に対する対応について伺います。熊本市においては、医療法上の許可の際の留意事項として、「子どもの安全確保」、「相談機能の強化」、「公的相談機関等との連携」の三点を掲げ、許可をしております。
特に行政側としましては、「相談機能の強化」、「公的相談機関等との連携」が求められるところですが、
例えば、熊本市では安易な預け入れとならないよう、
事前の相談強化を行い、24時間体制での相談や、匿名での相談なども行っております。また、病院で預け入れをした後においては、児童相談所との密な連携が必要不可欠となります。
墨田区においては独自に児童相談所を設置していないので、東京都との連携は必須となります。当然のことながら、本区も東京都も事務量の大幅な増加が考えられます。
さらには乳児院での十分な受け入れ態勢の確保や、里親制度の拡充、児童養護施設での受け入れ拡充などが予想されます。
そこで伺います。今後、東京都との連携や墨田区の体制づくりをどのように構築していくのか、区.のご所見を伺います。
次に首都東京において、いわゆる「赤ちゃんポスト」を設置することの課題について伺います。
熊本市ではこれまで、平成19年から令和4年までに170人の預け入れがありました。そのうち、熊本県内が13人、熊本以外の九州地方が41人、次に多いのが関東地方の27人とのことでした。
まだ生まれて間もないへその緒のついた子どもを抱え、夜行バスや新幹線に乗り、血まみれになりながらも慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」の門をくぐった親子も多数いるそうです。
慈恵病院は九州地方ということもあり、遠方に住む母親にとっては一定の歯止めがあったのかもしれませんが、ここ墨田区においては、東京という土地柄、多くの人口、様々な人種、交通網の発達といった
要素もあり、預け入れの人数も桁違いに多くなるのではないかと
予想されます。
「赤ちゃんポスト」への預け入れはあくまでも入口に過ぎず、その後、成人になるまで、その子ども達を育んでいく責任を病院も自治体も持たなければならないと考えます。
相当な覚悟と準備をもって行政も臨まなければいけないと感じますが、区.の現在のお考えをお聞かせください。
最後になりますが、「赤ちゃんポスト」で救われる命がある一方で、赤ちゃんポストへの預け入れを前提とした安易な出産や育児放棄を助.しかねないという声もあります。こうした施設が不要な社会となることが理想ではありますが、一つの手段として必要という声もあります。
そのような中、行政としましては、母体への支援が重要で、赤ちゃんポストを使わない体制作りが肝要と考えます。預け入れる前にお母さんが安心して相談できるような体制や、育児をしやすい環境整備が大事と考えますが、区.のご所見を伺います。
○スポーツ推進計画について(858字)続きまして大綱四点目として、本区におけるスポーツ推進計画策定の進捗状況及び考え方について伺います。スポーツ基本法に基づく墨田区スポーツ推進計画を
今まさに策定中であると思います。スポーツ基本法には前文があります。その中で、「スポーツは、世界共通の人類の文化である。」と述べ、
また、「スポーツは、人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成するものであり、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の再生に寄与するものである。」そして、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利である」と書かれています。
私は、スポーツが持つ力によって、地域が活性化して絆が結ばれる、人と人とがつながっていくということがまさに、「人つながる墨田区」の実現であると考えます。
そこで、墨田区スポーツ基本計画における基本理念および策定の進捗状況について伺います。
次に、本計画を策定するにあたり、その前段として区民アンケートを
実施しておりますが、その結果、多くの区民が、「スポーツ・運動を行う場所や施設の整備」を求めていることがわかりました。
まずは区民がスポーツをする場の確保、例えば区所有の遊休地の活用や、旧学校施設の整備、都有地の活用などにより、施設を増やすことが大事と考えられますが、区.のご所見を伺います。
また、場の確保だけでなく既存の施設を充実させることも区民がスポーツに親しむ、満足度が向上する方策と考えます。河川敷のグランドにおいては土日以外の利用となると温かいシャワーも、着替えをする場所もありません。急な雷雨の際は雨をしのげる場所もありません。女子サッカーの選手やラクロスを行う女子選手は練習終わりに、河川敷にて公衆の面前で着替えをせざるを得ません。
そこで区.に伺います。墨田区スポーツ推進計画が策定され、区民誰もがスポーツに親しみ楽しめる環境の整備のためには、理念だけにとどまらず、新たな施設の整備や既存施設の充実のための大胆な予算の拡充が不可欠と考えますが、ご所見を伺います。
○新保健施設等複合施設の供用開始に向けて(1453文字)
次に、大綱五点目として、新保健施設等複合施設について伺います。
健康づくりに向けた課題の多様化、感染症の拡大に伴う健康危機管理の重要性の高まり、向島・本所の両保健センターの老朽化等を受け、「つなぐ・つながる」をコンセプトとする新保健施設等複合施設がいよいよ来年度開設の運びとなります。
本施設は保健・子育て・教育の関連部署が集約する複合施設として、より良い区民サービスの構築が期待されます。
とりわけ、保健については、保健所機能が 1カ所に統合されるメリットを活かし、新型コロナウイルス感染症対策で高い評価を受けた様々な取り組みを、今後の新たな事業展開に波及させていくことを望みます。新型コロナウイルス感染症については、今後も周期的に流行を繰り返すと思われ、また、今後の新たな変異株の流行にも備える必要があります。
そこで、今後の区の新型コロナウイルス感染症への取り組みについて伺います。
一方、インフルエンザも例年12月から3月にかけて流行しますが、昨年から今年にかけては、散発的にインフルエンザが発生しており、「流行域」とされる、定点当たり1.0人を超える状態が続いている下で増加傾向がみられ、9月14日に注意喚起を呼び掛けられました。今年、9月18日から24日におけるインフルエンザの定点あたりの報告数は、12.19人と「流行注意報基準」である、定点当たり10.0人を超え、急速に増加しました。ここのところ小学校や中学校においても
学級閉鎖や学年閉鎖が頻繁に起こっている状況です。
区ではこれまでも MRワクチンの任意接種への助成を実施し、今年の 9月からは、帯状疱疹たいじょうほうしんワクチンの任意接種への助成も開始しました。このような取り組みをより一層進めて欲しいと思います。
そこで、今後取り組んでほしいことは、任意予防接種のうち、区民のからの要望の多い小児インフルエンザワクチンへの助成です。23区でも多くの区で接種費用の助成を行っています。
令和 5年の予算特別委員会においても、我が会派の佐藤幹事.が接種費用の助成の必要性について質問をしています。
任意接種ワクチンの費用助成については、健康上の視点だけでなく、子育て家庭への支援の充実及び定住促進の視点からも、区として早急に取り組む必要性があると考えます。そこで伺います。来年度予算編成に向け、区の検討状況はいかがでしょうか。区.のご所見を伺います。
次に、新保健施設における薬剤管理センターに関する薬剤師会事務所移転支援についてお伺いします。
現在、区の災害薬事センターは、向島の墨田区薬剤師会事務局内に設置されており、墨田区薬剤師会に災害時医薬品の管理や災害発生時の医薬品の供給の運営を委託していると思います。令和 6年度に新保健施設が開設するにあたり、新保健施設内に災害薬事センターの分置倉庫が設置されると伺っています。現在、墨田区薬剤師会事務局は、医薬品販売業主店舗として登録をしており、分置倉庫を設置する場合には、医薬品販売業主店舗から500m以内でなければなりません。
現在の場所からですと横川にできる新保健施設は、500m以上となってしまうため、墨田区薬剤師会事務局の移転が必要となります。そこで区.に伺います。

○学校施設の修繕計画について

続きまして、大綱六点目といたしまして、学校施設の修繕計画について伺います。
区内の学校施設は老朽化が進み、小学校の44%が建築後50年以上経過し、中学校の50%が建築後40年以上を経過しております。
令和3年3月策定の墨田区学校施設.寿命化計画においては、施設の耐用年数を60年とし、さらに築年数や躯体くたいの老朽度合いから、緊急度の高い順に3つのグループに分類し、改築等優先施設グループを設定しております。
また、学校施設を.寿命化し、施設改修工事時期の集中を避け、財源の平準化等を踏まえ、今後10年間の将来維持・更新コストを推計しており、総額は約310億円で年平均31億円を推計しております。
令和4年度は公共施設等整備基金も大きく積み増しされ、物価上昇による資材の高騰などにも対応できるような状況であるため、今後、計画通りの進捗を期待しております。
さらに、今年度は学校改築基本方針も策定中とのことですが、改築コストの見直しなどはあるのか、また、今後どの学校から改築していくかなどのスケジュールについてお伺いします。
次に、上位計画となる第3次墨田区公共施設マネジメント実行計画では公共施設の施設保有総量の圧縮や施設の再編が求められており、学校施設においても統合・集約化の推進を掲げ、学校施設.寿命化計画と整合を図りながら、.寿命化を進めるとともに、
学校施設を含めた近隣施設の統合・集約等利活用について検討する、
とあります。
そこで、今後の学校施設改築において、具体的に、例えば保育園や高齢者施設など他施設との集約や、給食の「親子方式化」による給食室の統合、民間プール施設の利活用などを行う可能性はあるのか、ご所見を伺います。
続きまして、学校校庭の改修についてです。
過日行われました決算特別委員会でも我が会派のあべ議員より質問がありましたが、学校校庭の改修整備については、.年ゴムチップ系のオールウェザーの舗装材質による整備がされております。私の周りでは校庭の人工芝化を望む声が多数あり、その声を受けてこの場に立っているといっても過言ではありません。
人工芝のメリットとしては、転んでもケガをしにくいので思い切り運動ができる、雨が降っても利用可能であり、もちろん雨上がりでもすぐに利用できる、児童の接地頻度の高い遊びが多様化するなどが挙げられ、児童に対するアンケート調査においても、「校庭が好きだ」、「校庭は自慢できる」、「校庭で遊びたい」といった数値が高い傾向がみられるというデータもあります。
また、近年は近隣区などでも校庭の人工芝化が進み、江東区では学校改築に際して学校の意見だけでなく、保護者、地元町会、児童・生徒を集めたワークショップを開催して、その結果、小中学校3校続けて人工芝の校庭となっております。
令和4年6月に成立したこども基本法においては、第3条の基本理念に
おいて意見表明機会の確保・こどもの意見の尊重が掲げられるとともに、第11条で、こども施策の策定等に当たって、こどもの意見の反映に係る措置を講ずることを国や地方公共団体に対し義務付けられておりますので、今後、学校改築にあたってもこどもの意見は重要なものと考えます。
その他、江戸川区でも令和3年に初めて人工芝の小学校校庭ができ、次に中学校でも人工芝の校庭を整備する予定と伺っているほか、足立区の小学校は改築に伴う校庭改修は原則人工芝化の方針です。その他にも品川区や港区など多くの区で順次人工芝への改修が進んでおり、23区においては人工芝の校庭を持たない区は墨田区を含めて3区のみとなっております。
過去の本会議等において、人工芝に関する質問・答弁もありましたが、そこから数年が経過し、材質や、コストもかなり改善されております。
そこで伺います。校庭の改修について、学校だけでなく、地域の声や児童生徒の声もしっかりと受け止め、子どもたちが望むのであれば、人工芝の整備を進めていくことは可能であるのか、教育.のご所見を伺います。
○図書の返却ポストについて(605字)続いて、七点目といたしまして、図書の返却ポストについてお伺いします。令和5年6月28日の子ども文教委員会において、
我が会派の藤崎議員が図書の返却ポストについての質問をしました。
墨田区内の図書館の利用統計を見てみますと、令和4年度は、ひきふね、緑、立花、八広の4館の一日あたりの利用人数が平均427名、一回あたりの貸し出し点数が2.5冊という事で1館あたり約1000冊、4館合わせると4200冊が利用されており、とても重要な区民サービスとなっている事がわかります。
また、電子書籍サービスが6月1日より始まり、更なる利便性向上につながった事はとても評価できる事と考えています。
しかし、墨田区内の図書館の位置を考えた時、ひきふね・立花・八広と墨田区北部には3館の図書館があるにも関わらず、墨田区南部には緑図書館の1館しかない現状があります。
緑図書館を利用する区民の方より、忙しくてなかなか返しに行けず、止むを得ず延滞になってしまう、という相談がある事を仄聞そくぶんしております。
人口の多い錦糸町駅の周辺には、半径1km以内に図書館がなく、周辺区民にとってはどうしても利便性が低く感じられている事は間違いないと考えております。そこで、伺います。電子書籍が普及していく一方で、まだまだ『紙媒体』で読みたい読書愛好家が多くいる中、区民の利便性の向上を図るために、錦糸町駅周辺にブックポストを設置してはどうかと考えるが、ご所見を伺います。

以上をもちまして、私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

区からの答弁書

 

自民党 大門議員(PDF)

 

会派報告会のご案内
 
こんにちは。
墨田区議会自由民主党・無所属 広報担当です。
改選後初めてとなります会派報告会のご案内になります。
申込不要でございます。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
日時:2023年11月21日(火)
   開場:18:30
   開始:19:00
場所:曳舟文化センター(京島1−28−11)

令和4年度決算特別委員会が終了
 
会派を代表して藤崎こうき委員が、決算に賛成の立場から意見を開陳、起立評決により、賛成多数で決算は認定されました。
堀よしあき委員長、稲葉かずひろ副委員長からの挨拶を以て、41日間(実質8日)審議が終了しました。
(以下意見開陳の内容)
墨田区議会自由民主党・無所属を代表して、議題に供された令和4年度墨田区一般会計歳入歳出決算、令和4年度墨田区国民健康保険特別会計歳入歳出決算、令和4年度墨田区介護保険特別会計歳入歳出決算及び令和4年度墨田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算、以上4件について意見開陳を行う。
基本計画の後期4年間の初年度となる予算として編成された令和4年度予算は、「新しいつながり、新しい暮らしを創出する予算~持続可能な“すみだ”の未来へ~」と位置付けられました。その執行に当たっては、基本計画事業の着実な推進が見られた。しかしながら、内部統制制度については、昨年度に続いて不適正な事案が散見されるという監査委員の指摘が入り、改善を急がれたい。
ここから順次意見を述べる。
まず、財政についてである。納税義務者の流入や給与所得の増による特別区民税の増加が令和4年度も続いた。
また、地方消費税交付金が7.3%、特別区交付金が1.6%といずれも増となったため、全体的な歳入増が見られた。
 このため、一定の財政基盤の強化が可能となり、令和4年度決算時点において、経常収支比率が77.7%、財政調整基金残高約239億円、区債残高約279億円といずれも目標を超え、範囲内に収まっており、公共施設等整備基金残高においても約138億円と順調に積みましている。
一方で、法人住民税の一部国税化やふるさと納税等の税制改正、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウィルス感染症などによる社会経済情勢の変化があった。こうしたことから、主要財源である特別区民税や特別区交付金等への影響が想定され、将来的な見通しについて予測を行い、より強固な財政基盤の確保に努めるよう求める。
 次に、行財政改革について意見を述べる。
 令和4年度は、墨田区行財政改革実施計画の1年目であり、多様化する社会情勢に対応するためにも、公会計制度の活用、民間活力の活用、ファシリティマネージメントの推進、区民税等徴収実績の維持・向上等、計画的な行財政改革が不可欠であり、今後とも不断の取組を期待するものである。
 続いて、次年度への課題について述べる
 課題1は、DX推進についてである
 昨今の急速に変化する社会情勢にともない、民間では急激にDX化が進んでいる。本区においても、CIO補佐官をはじめとする人員体制の整理・強化、デジタルデバイド対策、各種窓口業務をはじめとする保育・教育・契約事務・観光・産業等のDX化を強く求める。
 課題2は、物価高騰対策についてである
 ロシアによるウクライナ侵攻に起因する世界的な物価高騰に対して、区民生活を支えるためにも、商工業融資の利便性向上・相談体制の強化、また、当面の間、キャッシュレス決算促進・ポイント還元事業の継続的実施、学校給食費の徴収免除の継続等、区民に寄り添った支援策をより一層求める。
課題3は、「こどもまんなか すみだ」についてである
国において子育て支援策強化にむけた「こども未来戦略方針」が策定された。本区においても、子ども予算の増額をはじめ、訪問型保育事業窓口の一本化、教育の質向上のための私立幼稚園教育事業費補助金の拡充、5歳児検診実現に向けた専門医の確保、発達障害児への登校支援、病児保育の整備、子育て世帯の定住促進、特別区全国連携事業を活用した食育推進、網羅的ないじめ・不登校対策の強化・窓口の整理統合等、子育て・教育施策の強化について求める
課題4は、未来に見据えたまちづくりについてである
新耐震基準木造住宅への補助事業の周知徹底、旧耐震基準の耐震化、災害時医療体制の充実、路上喫煙・受動喫煙対策としての各種喫煙所の増設、公園・児童遊園等の環境整備、観光施策の強化・規制緩和、産業共創施設の有効活用、スポーツ施設の拡充等、地域集団回収団体への支援拡大、区内団体による公共施設の後援利用支援、ドッグラン本格始動等、包括的なまちづくりの促進を要望する
課題5は、SDGsについてである
持続可能な「すみだ」の実現にむけて、担当所管の連携、SDGs普及啓発活動の多角化、ウェルビーイング研修の広域化、「墨田版健康経営」認証事業の参加企業の増加、各種認証事業のインセンティブ強化・新設、芽室町をはじめとする都市間交流等、革新的な政策の推進を要望する
これらの主要な区政課題のほかにも、士業の積極的活用、公衆浴場支援、中学校の内申点、部活動の地域移行、鐘ヶ淵地区のまちづくり等の課題への対応を求める。
 次年度の予算編成に当たっては、財政白書を基に、より具体的な財政分析を行い、事業の取捨選択を視野に入れての編成を求める。また、今後の国際情勢や区内外の社会経済情勢の急速な変化に的確に対応するため、先見性を持って行財政改革の推進、財政基盤の強化を行う一方、大胆かつ積極的な投資を行うことを求める。
本特別委員会での私たちからの提案や指摘を十分しんしゃくの上、迅速に対応いただき、次期予算編成に当たられることを強く望む。
 以上を墨田区議会自由民主党・無所属の意見とし、令和4年度墨田区各会計歳入歳出決算は認定すべきものとする。

山本区長へ予算要望

 

佐藤篤幹事長、たきざわ正宜副幹事長、藤崎こうき副幹事長、大門司郎副幹事長、あべよしたけ副幹事長の5名が会派を代表して山本区長に令和6年度の予算要望を提出しました。
令和6年度墨田区予算編成に関する要望書
墨田区長 山本 亨 様
令和5年11月8日
墨田区議会自由民主党・無所属
幹事長 佐藤 篤
令和4年度は 納税義務者の流入や給与所得の増による特別区民税の増加が続いた。
また、地方消費税交付金が7.3%、特別区交付金が1.6%といずれも増となったため、全体的な歳入増が見られた。
 このため、一定の財政基盤の強化が可能となり、令和4年度決算時点において、経常収支比率が77.7%、財政調整基金残高約239億円、区債残高約279億円、公共施設等整備基金残高約138億円といずれも目標を超え、範囲内に収まっている。
一方で、法人住民税の一部国税化やふるさと納税等の税制改正、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウィルス感染症などによる社会経済情勢の変化があった。こうしたことから、主要財源である特別区民税や特別交付金等への影響が想定され、将来的な見通しについて予測を行い、より強固な財政基盤の確保に努められたい。
令和6年度予算編成に当たっては、物価高騰による区民生活への悪影響を最小限に止めるべく、区内事業者の事業継続のための支援の拡大、生活支援施策の継続・拡充、通常と異なる環境に配慮した教育・子育て施策の展開等に引き続き注力することを求める。
一方で、厳しい財政状況に鑑み、より一層の行財政改革による財源確保及び歳出削減の努力を行うとともに、介護予防や疾病重症化の抑制等その効果によって歳出削減が期待できる施策についての積極的な展開を期待する。
  加えて、随時編成される国や都の補正予算における臨時的措置や補助金についての情報収集を行い、 本区の財政負担を低減し、区民生活に資するよう活用することを合わせて求める。これらの視点から、私たち墨田区議会自由民主党・無所属は、持続可能な自治体経営を通じた本区の発展を目指し、区長に対して予算に関する要望書を提出する。これらの要望に位置付けたものは、来年度予算にあたって早急かつ、より具体的な結論を求めるものである。
そのほか、私たちがこれまで継続して要望してきた事項や委員会等で提案・要望した事項については同予算にあたって斟酌するとともに、一定の反映を求めるものである。区長はこれらを充分踏まえた上で、予算編成に臨まれたい。
重点要望
1.震災、水害、感染症など、複合災害に備えた対策、垂直避難を想定した建築物の容認、高層
ビルや大規模施設の運営事業者との災害協定の締結、要配慮者個別支援計画の着実な進展(継続)
2.SDGs啓発、各種行政計画や施策・事業と関連づけたSDGs目標の達成(継続)
(墨田区SDGs宣言を行った事業者に対してインセンティブを付与する取組みを含む)
3.危機管理専門職員の常勤採用 (新規)
4.商工業融資制度や区内生産品等販路拡充補助の充実をはじめとした産業観光マスタープラン
に基づく中小企業等への支援 (継続)
5.保育施設の適正配置並びに子育てひろばの増設を含めた在宅子育ての支援(継続)
6.私立保育園の保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の継続をはじめとした保育士等の職員の確
保対策及び定員割れ対策、施設更新に備えた仮園舎の用地確保等今後を見据えた対策 (継続)
7.私立幼稚園教諭の採用支援 (継続)
8.墨田区私立幼稚園教育事業費補助金の拡充(新規)
9.訪問型保育事業窓口の一本化(新規)
10.5歳児健診の早期実現、専門医の確保(新規)
11.新しい観光施策の推進へ向けた観光協会との更なる連携及び持続可能な財政的支援(継続)
12.受動喫煙防止など分煙環境確立へ向けた公設および民営の喫煙所設置推進 (継続)
13.学童クラブの待機児童解消、放課後子ども教室の確実な計画推進及び一定の基準を満たし
た民間学童への補助制度の創設 (継続)
14.老朽化した児童館の計画的更新(継続)
15.タブレットを活用した授業を促進するための教職員への研修制度の拡充(継続)
16.不登校対策としてのスモールステップルームの有効活用(継続)
17.療育や医療的支援が必要な児童が通うことが出来る保育園の拡大(みつばち園及びにじの
子の体制強化を含む) (継続)
18.健康寿命延伸へ向けた高齢者の健康づくりの推進 (継続)
19.士業によるワンストップサービスの実施 (継続)
20.区内保育所の出欠連絡のオンライン化と児童館・子育て広場・地域集会所のオンライン予約システムの導入 (新規)
21.保育所仮園舎用地(亀沢二丁目)のPPPを活用したプロポーザルの早期実施 (継続)
22.資材高騰に伴う官公需発注額の見直し並びに価格点評価方法及び地域貢献に関する評価点
の改定(継続)
23.キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業第6弾の実施(継続)
24.特別支援学級間の送迎バス事業の実施(新規)
25.新保健センター等複合施設における薬剤管理センターに関する薬剤師会事務所移転支援(新規)
26.おたふく風邪、小児インフルエンザワクチン助成(新規)
27.町会会館建設融資制度の新設及び助成の拡充、地域力向上推進事業補助金の拡充等、町会・自治会及び区民団体への支援強化並びに町会法人化支援及びまちづくり公社所有の町会会館を町会への譲渡を推進(新規)
28.子育て世帯の定住促進に対する支援(新規)
29. 高齢者、子ども、障がい者が安心して暮らせる地域包括ケアシステムの充実による、介護中の家庭への支援拡充(継続)
30. バリアフリー基本構想の早期更新と条例に基づいたベンチ等休憩設備の設置、民間団体への支援等、区民が円滑に移動するための取組推進(新規)
31. スポーツ施設更新、整備促進及び学校跡地などを活用した避難所にも使える第二体育館等新たなスポーツ施設の整備(新規)
要望
1.都有地の有効活用に関する都への提案(都営地下鉄本所吾妻橋駅詰所跡、職業安定所跡、墨
田川高校堤校舎跡地、警視庁本所警察署跡地及び東京消防庁本所消防署緑出張所等)
2.士業の指定管理者選定事前審査、各種審議会への積極的な登用及び各種相談報酬の支給
3.区道の無電柱化の促進と、電線地中化に関わる地上機器(トランス等)諸課題の解決
4.将来的なまちづくりを踏まえた鐘ヶ淵駅前踏切解消への取組
5.スクールロイヤー制度の導入
6.生活困窮者への各種減免制度の周知
7.ドッグラン仮設置からの本格稼働開始と、複数設置へ向けた着実な検討
8.区内イベントにおける熱中症対策啓発事業へのさらなる支援
9.80歳以上の歯科健診の拡充、高齢者福祉課への歯科衛生士の雇用
10.新保健センター等複合施設への交通手段の確保
11.産後ケアの充実(日帰り型産後ケアの回数拡充を含む)及び光熱費・物価高騰対策としての外来型産後ケアの予算引き上げ
12.特別区全国連携プロジェクトの成果を生かした食育学習の推進
13.災害時の食関係の支援物資を扱うハード面の拠点整備
14.区後援イベント等の庁内情報共有、連携の徹底
15.にこにこ入浴事業の抜本的見直し
16.公衆浴場事業者への支援策の拡充
17.解体やリフォーム時に発生するアスベスト対策助成制度の創設
18.介護従事者の人材採用支援
19.商店街街路灯の電気料の補助増額
20.災害など有事の際に対応できるインフラ通信の増強と、各医療関係団体が連携できる
体制づくり
21.ふるさと納税促進のための自販機の設置や返礼品としての知的財産の活用
22.パートナーシップ宣誓制度に関して公正証書作成支援
23.地籍調査の成果資料のオープンデータ化・電子申請制度の整備
(証明書・複写・閲覧をHPで確認できるように)
以上

令和5年09月11日定例会 代表質問 あべよしたけ 議員

 
墨田区議会自由民主党・無所属のあべよしたけです。会派を代表して、大綱4点について山本区長、加藤教育長に質問します。
 
・大綱一点目は、今後のまちづくりについてです。
初めに新耐震基準の木造住宅耐震化促進について伺います。
平成28年に起きた熊本地震において木造の新耐震基準の建築物  877棟のうち無被害の 建物が20%程度しかなかったことから、
耐震診断 と 耐震補強の必要性が問われています。
昭和56年6月から平成12年5月に建てられた 建物は、
グレーゾーン時期と呼ばれ、耐震基準に満たない物件が多く、
耐震指標のIW値が 1.0必要なところ、それに満たない建物が多く残っています。
令和4年6月定例会、令和5年3月6日の予算特別委員会において我が会派の藤崎議員の新耐震基準の木造住宅についての質問に対し、『まずは旧耐震基準の木造住宅の耐震化を優先する』と答弁されていますが、
① 墨田区 耐震改修 促進計画の目標値である 
令和7年度 耐震化率98% 達成に向けてのスケジュールをお示しください。
また、『令和6年度に実態調査の実施について検討したい』
との答弁もありますが
② 4月より東京都が 助成制度・普及啓発を始めており、23区内では 現在5区が平成12年5月以前の新耐震基準の木造住宅に対して
助成制度を設けています。
本区も同様にグレーゾーン時期の新耐震基準の木造住宅に対しても耐震化促進事業として診断・計画作成・工事の助成を進めていく必要があると考えますが区長の所見を伺います。
 
 
続きまして、商店街の住宅化防止について伺います。
商店街は区民の生活に欠かせない役割を果たしています。
しかし、本区では、平成19年に50あった商店街が、16年間で38商店街に減少しています。
これは、後継者問題、店舗の老朽化、大型店との競合などが主な原因とされます。
一方、最近の傾向として、商店街内に専用住宅が建つことが目立ち始め、これも、商店街の弱体化につながると考えます。
商店街は、地域経済の活性化、人々の交流の場、
そして街の防犯として、地域において重要な役割を担っています。
区民の生活に係るコミュニティ機能を担い、それぞれの地域に応じた個性があり、身近な買い物場所としてなくてはならないものです。
そこで、区長に2点質問します。
① 本区内の商店街の維持継続の重要性に対しての認識を伺います。
 
② また、それぞれの商店街の魅力を活かし、活力を維持向上するような例えば【地区計画】のようなまちづくりの推進が必要と考えますが区長の所見を伺います。
 
 
続いて、東武曳舟駅 駅前再開発について伺います。
令和3年12月に、再開発 準備組織が立ち上がり、UR都市機構を
施行(しこう)予定者とした準備組織において、まちづくり案の検討が進められていると聞いています。
まだ事業化が決定したものではないですが、中高層(ちゅうこうそう)建築物(けんちくぶつ)と
地域に開かれた公園を整備するとのことで、
地域住民にとって、とても関心が高い計画であると感じています。
そこで、区長に2点質問します。
① 東武曳舟駅前再開発は準備組織で検討をしている段階ではありますが、現在の進捗状況について伺います。
 
② また、地域住民の期待を、区としてはこの再開発計画にどのように反映させていくのか、区長に伺います。
 
 
・次に、押上駅周辺の開発について伺います。
 押上駅周辺地区は、東京スカイツリーが開業して11年が経過し、区の中心部にふさわしい広域(こういき)総合(そうごう)拠点(きょてん)として位置づけられています。
 現在、進められている東武(とうぶ)鉄道(てつどう)伊勢崎(いせざき)線(せん) 連続(れんぞく)立体(りったい)交差(こうさ)事業(じぎょう)など、
広域(こういき)総合(そうごう)拠点(きょてん)にふさわしい良質な都市機能の更新が図られている事と思います。
そこで『まちづくり元年』という視点を交えて区長に3点質問します。
① 押上・とうきょうスカイツリー駅周辺まちづくりの紹介 パンフレットでは、駅北側のまちづくりについて、「まちづくり整備方針」が位置付けられています。ここに掲げられている内容のうち、まちの顔づくり、駅周辺、
鉄道周辺の賑わいの核づくり、災害に強い市街地の形成について、
現時点では目に見えた進捗を伺うことができません。
これらに関する取組みについて、今後の展開を区長はどのようにお考えか伺います。
 
② 次に、東武伊勢崎線の高架下については、連続(れんぞく)立体(りったい)交差(こうさ)事業(じぎょう)の制度によって利用可能面積の15%が、区が利用できることとなっています。この区の利用範囲については、区民の福祉や生活(せいかつ)利便(りべん)などの増進に資する(しする)よう、適切な機能を検討し適切な位置を獲得する必要があると考えます。そのためにも、東武鉄道と早期に協議を行い、
区がイニシアチブをとっていく必要があると考えますが、
現在の進捗状況と今後の区の協議方針を伺います。
 
③ 次に、スカイツリー南側の『にぎわいゾーン』では、土地売買や独自のまちづくり活動など開発に向けた民間企業の動きが
盛んになってきていると聞いています。
スカイツリーが開業して11年が経過し、こうした民間企業の動きがある中、今後、スカイツリー南側の『にぎわいゾーン』のまちづくりをどのように進めていくのか伺います。
 
 
続いて、特定(とくてい)小型(こがた)原動機付自転車(げんどうきつきじてんしゃ)の利活用について質問します。
令和5年7月1日、道路(どうろ)交通法(こうつうほう)の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)のうち、「特定(とくてい)小型(こがた)原動機付自転車(げんどうきつきじてんしゃ)」いわゆる電動キックボード等の規定が施行されました。
区内でもマンションやスーパーなどの民間施設内に電動キックボード等のシェアリング用ポートの設置、区内事業者が電動キックボードの製造をする動きが出てきています。
住民のみならず、観光客(かんこうきゃく)等(など)が区内観光のツールとしての活用も期待でき、今後 急速に利用者が増えていくことが想定されています。
利用者が増えることで、駐停車可能なスペースを確保していくことも重要になると考えています。
また、令和元年12月1日から令和6年3月31日まで
「墨田区シェアサイクル社会(しゃかい)実験(じっけん)事業(じぎょう)」を実施しており、自転車(じてんしゃ)駐車場(ちゅうしゃじょう)及び区(く)管理(かんり)用地(ようち)の一部をシェアサイクルのポートとして事業者に提供している事例もあります。
そこで区長に2点、質問します。
① 今後、個人で所有する住民が増えていくことを想定して、自転車駐車場に「特定(とくてい)小型(こがた)原動機付自転車(げんどうきつきじてんしゃ)」を駐車できるように、条例改正に向けて取り組むことを求めます。
② シェアリング利用者の増加、また区内観光して頂くきっかけの一つとして、自転車(じてんしゃ)駐車場(ちゅうしゃじょう)、及び、区管理用地のスペースに
「特定(とくてい)小型(こがた)原動機付自転車(げんどうきつきじてんしゃ)」のシェアリング用ポートの設置を求めます。
区長の所見を伺います。
 
 
 
・第二に子ども子育て支援策についてです。
10月から始まる第二子保育料無償化について伺います。
現在、第二子は半額、第三子は無料としてきましたが、6月議会において0~2歳の第2子の保育料無償化にかかる補正予算を議決し、
今定例会においても追加の補正予算について 審議するところでありますが、認可外の一部保育所、いわゆる企業(きぎょう)主導型(しゅどうがた)保育(ほいく)園(えん)については対象外となっています。
東京都では企業(きぎょう)主導型(しゅどうがた)保育(ほいく)園(えん)も対象として予算化されており、
企業(きぎょう)主導型(しゅどうがた)保育(ほいく)園(えん)を除くことは子どもへの等しい対応として問題だと
感じざるを得ません。
そこで区長に質問します。
① 現在対象外となっている一部認可外の保育所等について、東京都が予算化している施設については、認可・認可外を問わずに、
第二子無償化に対応すべきと考えます
区長の所見を伺います。
 
 
 
・次に幼児教育施策について伺います。
私立幼稚園は、それぞれの幼稚園が特色を活かした創意工夫溢れる教育を行っており、その基盤を支えるべく、これまでも保護者の負担軽減や幼稚園教職員の処遇改善に資するための予算の増額を求めてきたところでありますが、児童数減少による教育(きょういく)振興(しんこう)事業費(じぎょうひ)の減少がおき、
幼稚園(ようちえん)経営(けいえい)を逼迫している状況にあります。
そこで、区長に質問します。
① 私立幼稚園等における教育(きょういく)振興(しんこう)事業費(じぎょうひ)補助(ほじょ)金(きん)の見直しや拡充を強く要望いたします。
区長の所見を伺います。
 
次に発達(はったつ)障害児(しょうがいじ)支援(しえん)ついて伺います。
はじめに、本区の健診事業についてです。
本区を含む多くの自治体では、就学時検診までの期間、乳児健診のほか、1歳6ヶ月、3歳児健診のみ実施されています。
発達障害児の早期発見において、3歳児検診では早く、就学児検診では気づきが遅いというケースを防ぐためにも、5歳児健診を導入している自治体は徐々に増えつつあるようです。
5歳児健診は、軽度(けいど)発達(はったつ)障害児(しょうがいじ)を早期に発見し、その後、子ども一人ひとりの特性にあった適切かつ丁寧な支援をしていく中で、子どもの不安感を解消し、少しでも自信をもち、スムーズな集団生活の助けとなります。
23区では千代田区や、板橋区、葛飾区などが実施しております。
① 本区においても5歳児健診を導入すべきと考えます。が区長の所見を伺います。
 
 
 
・第三に高齢者施策についてです。
本区における熱中症対策について伺います。
本年7月の東京都心の平均気温は28.7度に達し、これは平年に比べて3度も高く、平成16年の記録を上回る最高の数値であり、明治8年以降の統計において、7月の平均気温として最も高いものとなりました。
同時に、都心では13日間にわたる猛暑日が観測されるなど、異常気象が続いています。まさに「地球沸騰」です。
このような気温の上昇は、熱中症リスクを高め、区民、特に熱中症弱者といわれる高齢者や子どもの健康に影響を及ぼす可能性があります。
政府は 気候(きこう)変動(へんどう)適応法(てきおうほう) を改正し、今年5月には
「熱中症(ねっちゅうしょう)対策(たいさく)実行(じっこう)計画(けいかく)」を閣議決定し、熱中症関連の死者数を
令和3年から令和6年の平均年間1295人を基準に半減させる目標を
掲げました。
この計画では、自治体によるクーリングシェルターの確保や、高齢者の見守り強化などが具体策として示されております。
そこで、区長に質問します。
① 法改正に基づく本区の行政計画の策定に対する考え方と、今後のスケジュール等について、お示しください。
 
次に、今年度、環境省のモデル事業として墨田区薬剤師会との共同事業により、薬局をクーリングスポット「すみだひと涼みスポット薬局」として開設し、さらには各種イベントでの啓発活動や熱中症に関する講義なども行っております。
この「ひと涼みスポット薬局」の取り組みは全国的にみても珍しい取り組みとして各種メディア等でも取り上げられ、この事業を参考として今後新たな取り組みをしていこうという自治体の他、墨田区内でもこの取り組みに参加したいという団体もあると聞いております。
そこで区長に質問します。
① 今回の薬剤師会と本区との共同事業による熱中症対策事業の効果と、今後、国のモデル事業が終わった後も区独自の事業として継続していく考えがあるか伺います。
 
 
続きまして、高齢者への熱中症対策について伺います。
今年の7月には東京23区内で熱中症による死者数が86人に上昇したとの報道がありました。これは平成18年以降の統計で見ても、平成22年と平成30年に次ぐ3番目に多い数字です。
 
さらに、亡くなる方の約8割が70代以上で、そのほとんどがエアコンが無い、使用していない状態の屋内で発見されていることが明らかになっています。
本区では、これまでも高齢者に対する熱中症対策として、
高齢者施設15か所に「涼み処」を設置するなど、地域レベルでの取り組みが行われております。
これに加えて、区内8か所のみまもり相談室による個別訪問やチラシ配布等の啓発活動も行われており、高齢者の熱中症リスクの軽減に努めているものと認識しております。
そこで区長に質問します。
① 高齢者に対する熱中症対策のこれまでの成果と課題、また法改正に伴って高齢者に対する見守り強化が求められる中、本区の今後の対応について、区長の所見を伺います。
 
 
続きまして、健康寿命の延伸対策について伺います。
本区では「すみだ健康づくり総合計画」の前期終了に伴い、健康寿命をのばし、誰ひとり取り残さない「健康寿命日本一のまち」を実現するために令和4年3月に「すみだ健康づくり総合計画(後期)」を策定しています。その中で区長は、令和7年度までの4年間で区と区民・関係者が具体的に取組を推進する方向を示した計画であると述べていますが、本区の健康課題の一つとしてがんで亡くなる方が多いということが挙げられます。
東京都の「がん検診の統計データ」によると、令和2年の全がん
75歳未満 年齢調整死亡率は、男性は23区平均 人口10万人に対し79人、墨田区では93.1人
また、女性は23区平均 人口10万人に対し54.5人、
墨田区では66.7人と、23区中男性がワースト2位、女性はワースト1位となっています。
がん対策において一番大切なのは、がん予防であると考えます。
区ではこれまでがん教育や普及啓発などに熱心に取り組まれてきたと思います。
① 本区におけるがん予防についてのこれまでの取り組みや成果について、伺います。
 
 
また、がんは、早期発見・早期治療が肝要と考えます。
がん検診受診率の向上は、これまでも我が会派では、委員会などにおいて受信率向上のための取り組みを推進してまいりました。
しかし、令和3年度の墨田区の大腸がん、乳がんの健診受診率は東京都の平均を上回っていますが、胃がん健診受診率は7.2%、肺がんは9.9%、子宮頸がんは19.9%、東京都の平均を下回っている状況です。
① さらなるがん検診の受診率向上を目指すため、さらに一歩進んだ取り組みを求めますが、区長の所見を伺います。
 
 
次に健康寿命延伸に向けた新保健施設の体制について伺います。
現在も、墨田区保健所では、健康寿命UP大作戦としてウォーキングの
推進や野菜摂取の推進などの取組を行っています。
令和6年度には新保健施設等複合施設が供用開始となる予定です。
本施設は墨田区の健康推進の中核を担い、様々な取組が展開されるものと期待しております。
① 新保健施設では、どのような体制で健康寿命の延伸に取り組んでいくのか、区長に伺います。
 
 
 
・第四に教育施策についてです
放課後対策について伺います。
令和5年度、特別委員会で
『放課後(ほうかご)対策(たいさく)・情緒(じょうしょ)障害児(しょうがいじ)等(とう)支援(しえん)対策(たいさく)特別(とくべつ)委員会(いいんかい)』が設置され、
放課後の子どもの居場所についての議論が行われています。
本区の学童の待機児童は旧基準で119名と改善はされているものの、保護者にとって、いわゆる『小一の壁』に直面している家庭もまだまだ存在しています。
また、放課後子ども教室は全校設置を目指す中、小学校25校中4校が未設置となっています。
そこで、教育長に2点質問します。
 
 
① 学童に入れるか入れないか、放課後子ども教室の充実によって、通う学校を選ぶ保護者が増え、区内の児童数に偏りが出てしまっている現状について、何かしらの施策を打つ予定はありますでしょうか?
 
 
 
② 放課後子ども教室について地域での対応には限界があります。地域のみならず見識ある事業者などに入っていただき放課後子ども教室に充実を図っていく必要があると感じています。
教育長の所見を伺います。
 
 
次に、学童災害共済制度の在り方について伺います。
学童(がくどう)災害(さいがい)共済(きょうさい)制度(せいど)は、学校管理下以外である放課後の事故(じこ)等(とう)による
負傷(ふしょう)等(など)が発生した際の見舞金給付事業として、これまで一定の役割を果たしてきました。
条例の制定された昭和56年3月の本区には「子ども医療費(いりょうひ)助成(じょせい)制度(せいど)」はまだ無かったことから、医療費支出に対する家計支援の役割も大きいものだったと思います。
その後、「子ども医療費(いりょうひ)助成(じょせい)制度(せいど)」が創設され、医療費支出に対する家計支援の役割は薄れましたが、怪我・入院等された方々に「見舞金」を贈る制度・事業は有意義な事業だと思います。
 しかし、最近、この事業について、いくつかの課題が浮かび上がってきています。掛金徴収事務は、学校や各校のPTAが担っております。
 
昨今、PTA非加入者が増加していること等で、従来は合理的であったPTA一括加入方式での掛金の徴収が難しくなってきたという現状があります。
個人単位で納付する場合、50円を持参して申し込む事になります。
また、現在は子ども医療費助成制度もある事から、給付要件等は一定の見直しをするべきだと考えます。
そこで、加藤教育長に質問します。
① 事務事業見直しの視点から、さまざまなケース、アイデアを出し合って、学童(がくどう)災害(さいがい)共済(きょうさい)事業(じぎょう)の今後の在り方を考えてみるべき時期と考えます。
加藤教育長の所見を伺います。
 
次に、体力向上について伺います。
区立中学校において、各校で部活動など行われている中、墨田区でも地域移行が行われ、運動部では、剣道部とフットサル部の体験会が行われました。
それぞれの学校にも部活動として陸上部があり、活躍を披露しようと日々努力を重ねています。
毎年、墨田区立中学校連合陸上大会が9月に行われていますが、
以前は国立競技場、夢の島陸上競技場で行われていました。
しかし、令和元年に墨田区(すみだく)総合(そうごう)運動場(うんどうじょう)の竣工以降はこちらで開催されています。区民が待望した陸上競技場であり、多くの用途で利用されている施設ではありますが、諸事情により400Mトラックではない事から、
正式記録が残らない事や、100走でゴール位置が変わってしまう関係で生徒が勘違いをして力を緩めてしまう事が多々あり、連合陸上大会においては課題が出てきてしまいました。
以前の連合陸上大会は国立競技場に区内全校の生徒が応援に行き、学校対抗で競技を競い合うという一大イベントでした。
平成28年6月の定例議会での加藤教育長の答弁で、『総合運動場を活用して、区立中学校の連合陸上競技大会を実施したいと考えておりますが、思い出に残るという意味合いでは、新しい国立競技場での実施も考えられますので、教育的効果や学校や保護者を含めた子どもたちの意向、費用対効果の部分も含めて実現の可能性について考えていきたいと思います。』 とありました。
そこで、加藤教育長に質問します。
① 区内の中学生で全国大会に出場するような選手がいる中、
中学校生活3年間に一度は国立競技場のような舞台での開催を求めますが、加藤教育長の所見を伺います。
 
次に、学校施設の点検方法について伺います。
校舎の窓からの転落、バスケットゴールの落下事故、倒れてきたゴールポストの下敷きになるなど、事故が起こるたびに、子どもの死亡事故などを防ぐため、文部科学省より設備の緊急点検が通達され、実施しているかと思います。
そこで加藤教育長に質問します。
① 緊急点検の際、各学校の職員が目視で点検をしている自治体が多いと聞いていますが、本区ではどのように点検を実施していますでしょうか。加藤教育長の所見を伺います。
 
 
次に、他自治体の点検方法の事例としまして、横浜市立東山田(ひがしやまた)中学校では、「かかりつけエンジニア」という取り組みを行っています。日常の定期点検や緊急点検の際に職員の目視だけではなく、専門の技術者が点検に同行したり、アドバイスを実施したりしています。
その結果、体育館のキャットウォークに置かれた照明に、固定器具に加えてチェーンもつけておくことで落下防止の対策を強化することができています。
 
そこで、加藤教育長に質問です。
① このような取り組みを本区でも取り入れて、事故を未然に防ぐ対策を強化すべきであると考えますが、教育長の所見を伺います。
 
以上で、質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

令和5年09月13日定例会 一般質問 坂井ユカコ 議員

 

墨田区議会自由民主党・無所属の坂井ユカコです。 私からは、先に通告した大要1点について質問させて頂きます。
山本区長には、前向きかつ、心のこもったご答弁をお願い申し上げます。

 

高齢者は誰しも、健康を維持したい、寝込みたくない、と思っています。
自分の足で歩きたい、でも年々、確実に、体は衰えます。
手足に力が入らず、だんだんと、途中で一休みが必要になります。
そんなとき、今、ご高齢の皆さんが、どうしているかというと、電柱やガードパイプにつかまって。休んでおられるのです。
そこに、ちょっと座れる場所があったら。

 

日常の中でちょっと休める、ちょっと座れる場所があると、気後れすることなく、安心して出かけることが出来ます。

 

多くの高齢者から、同様の要望を頂きました。
それでは、中身に入らせて頂きます。

 

・まず、本区の介護予防に対する私の考えを述べます。

 

現在区では、高齢者対象の介護予防事業として、運動する場所や介護予防サポーターの養成、通いの場を支援するなど、いろいろな取り組みが行われております。
とても良いことで、受講者は効果を実感している方が多いと伺いますが、週1日、月1回、受講期間数か月、など、どうしても実践する機会は限られます。
高齢者が気軽に、街へ出かけることができる環境を整えることが出来れば、週一回の、介護予防教室に行くだけでなく、
近くの公園やお買い物、など、日常の街歩きや生活で、介護予防を行うことができるでしょう。
介護予防は、体操教室や病院、自宅、老人クラブといった「点」の充実だけでなく、地域という「面」にも注目し、充実を図っていくべきです、

 

そこでここからは、
・一休みできるウォーカブルなまちづくりについて

 

区は、「墨田区道における移動等 円滑化の基準に関する条例」第41条において、「歩道等には、ベンチ及び当該ベンチのウワヤを適当な間隔で設けるものとする」とし、区民が円滑に移動するために、休憩施設を設置することが必要と謳っています。

他自治体に目を向けますと、23区においても、
世田谷区が、高齢者福祉・地域支援・土木・交通政策などからなる「世田谷区座れる場づくり検討会」を設置し、令和3
年8月、「路上ベンチ等設置指針」をとりまとめました。 現在、「世田谷区座れる場づくりガイドライン」に沿って、区内各地に座れる場所づくりを進めています。
港区では、区の96事業を対象に、公共施設の外構部分などを活用したベンチ等の休憩施設を、区バリアフリー基本構想特定事業計画に盛り込みました。
渋谷区には、敷地内のだれもが座りやすい場所にベンチを設置する場合、費用の一部を補助する「民間ベンチ設置補助金」制度を創設しました。

 

一方、世界に目を向けますと、
アメリカ、ニューヨーク市、シティーベンチプロジェクトがあります。
ニューヨーク市では、2011年から、市の5つの街区にベンチを2000基新設しました。 設置場所はすべてマッピングされています。
ベンチの設置場所は、まず行政主導で行い、例えば高齢者が多い所には多く設置するなど、エリアの特性を踏まえつ
つ、同時に市民からの意見を取り入れ、内容を更新していく、このシステムまで含めた、町の、トータルデザイン戦略が、「シティベンチ」になります。
タイムズスクエアや、コペンハーゲンなどにも。ベンチを核とした先進事例があります。

 

そこで区長に伺います。
今、世界の多くの都市で、まちなかを、車中心から人中心の空間へと転換する取組が進められていますし、
日本も、ウォーカブル政策が、都市再生の切り札のひとつとなっています。
墨田区として、本区のまちづくりでも、実施・検討が可能な施策はあるか。区長のご所見を伺います。

 

・民間の取り組みについて

 

一方、課題に、早くから取り組む、民間団体もあります。
平成28年、医療系多職種連携研修で、圏域の高齢化、孤立化等の課題が上がり、誰でも座れるイスを適所に配置することにより、高齢者の閉じこもり予防、介護予防に役立てよう、という取り組みがスタートしました。

 

地域ケア会議での検討を経て、任意団体としての活動に移行され、現在は、区 北部を中心に、60台のイスを設置・管理されているそうです。
イスの制作・設置・保守・保険にかかる費用は、地域の事業所や、活動に賛同する会員の、少額の年会費から捻出し、設置は、趣旨に賛同する町会、事業所、銀行、商店、個人宅の軒先など、私有地にしていると伺いました。
定期的なモニタリングでは、 「イスがあるから外出できる」 「いつも子どもたちが座っている」 「毎朝登下校の子と挨拶している」 といった、当初の設置目的を上回る高い評価を得ているそうです。

 

そこで区長に伺います。
先達の取り組みに頭が下がる思いですが、区長はこのような、高齢者への取り組みについて、どう評価されているでしょうか。

 

最後に、
・歩道の役割について

 

ご紹介した民間団体の、モニタリング調査からも、道は、移動するためのインフラだけでは無く、居場所として活用されていることが分かります。
居場所としてのベンチがあれば、人はそこに留まります。
人が留まれば、出会いが生まれ、コミニケーションが発生します。
パブリックな空間に、人の滞在時間を増やすベンチは、円滑な移動環境における、休憩施設としての役割にとどまらず、日常の地域活性化にも、寄与するのではないでしょうか。

 

区では基本構想に沿って、 とうきょうスカイツリー駅、押上駅、本所吾妻橋駅、両国駅の半径500m以内の、優先整備地区と、優先整備地区同士を繋ぐネットワーク道路の、大規模改修を行い、バリアフリー化を進めてきました。
「墨田区交通バリアフリー 道路特定事業計画」と銘打った整備期間10年の大事業です。 バリアフリーの関係法令等が改正される中、区は、歩道の幅員や段差、点字ブロックといった、構造上の基準に準じた、バリアフリー整備を行い、その責務を果たしたと認識しています。

 

・最後の質問です。
これらの道は、バリアフリー整備が行われ、歩きやすくなっていますが、私は、「墨田区道における 移動等 円滑化の基準に関する条例」 第41条にある、「歩道等には、ベンチ及び当該ベンチのウワヤを、適当な間隔で、設けるものとす
る」 を形にし、高齢者が道路でも休める場所を、作ってもらいたいと考えています。
まずは、道路バリアフリー整備が行われ、ベンチを置いても、通行の支障とならない、路線の適所に、ユニバーサルデザインを取り入れた、休憩施設を設置してはいかがでしょうか。区長のご所見を求めます。

 

私がこうして質問している今も、区内には、暑い中、電柱やガードパイプにつかまり、休んでいる高齢者がいると思います。
誰しも必ず訪れる老年期へ向け、墨田区が、高齢者に優しく、誰もが暮らしやすい町になることを願い、質問を終わります。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

令和5年06月23日定例会 一般質問 加藤ひろき 議員

 

初めての本会議にて一般質問させていただく機会を頂き、心より光栄に思います。

第一にキャッシュレス決済促進・ポイント還元事業のこれまでの成果と今後について伺います。

キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業は、これまで、コロナ禍での区内事業者への緊急支援策として4回実施され、令和5年1月から2月に実施された第4回目を終え、累計で約60億円近い経済効果を生み出すなど大きな成果を上げてきました。

コロナ禍でダメージを受けた区内事業者や区民の皆様にとって、生活に直結する重要な施策であり、区民の皆様のご意見のほとんどがお褒めの言葉である一方、売り上げデータが活用しづらい現状や、区外へ還元ポイントが流出してしまっていることなど、本来の目的である区内事業所での消費喚起という面から見ると課題もあると考えます。区民の中にも、他自治体で同様の還元事業を行っているから行ってみようと仰る方もおられます。逆の流れも安易に想定でき、観光客の方も多い墨田区にとって還元ポイントの流出には早急の対応が必要と考えます。そこで一点目は区独自の決済プラットフォーム導入の可能性について伺います。世田谷区のせたPAYなどは、独自の決済プラットフォームをもち、キャンペーンにて付与されたポイントの区外流出を防ぐことができ、また売り上げデータ等も独自で管理ができます。本区においても導入の可能性はあるのか、区長のご所見を伺います。 二点目はポイント還元のこれまでの検証結果及び今後の方向性について伺います。令和4年度2月定例会において我が会派の佐藤幹事長が「20%還元を2か月行った第3弾との比較の上、商店の声や政策効果の違いについて」質問をしました。これに対し区長は「政策効果の観点からは、総決済額、いわゆる経済効果については、第4弾のほうが上回っている一方で、費用対効果を比較した場合では、還元率が低くても実施期間の長い第3弾のほうが効果が高いという結果が出ていることから、今後、詳細を検証し検討していく必要がある」との答弁でした。検証の結果とこれから実施予定の第5弾での方向性を伺います。

三点目に今年度の予算について伺います。

昨年度実施の第4弾では8億円近い執行額であったと伺っております。

今年度実施予定の第5弾の当初予算は4億4千万円です。コロナも5類相当となり、人流や消費行動も活発になる中で、現在の予算規模で不足なく十分な効果を期待できるものであるのか区長のご所見を伺います。

四点目に対象事業者について伺います。

この事業は墨田区商店街連合会への補助事業でありますが、過去の4回は商店街に属しているか否かに関わらず、一律の条件で実施されてきました。

今後実施予定の第5弾では、この施策を通して地域活動に関わり、子どもの見守りなどにも尽力して頂いている商店街会員の皆様の組織をより一層強化するためにも、非会員事業者への最低限のメリットを確保したうえで、商店街の皆様に配慮し還元率に差をつける等のスキームの構築が必要ではないかと考えますが、これに対し区長のご所見を伺います。

第二に子育て環境について伺います。

現在、墨田区は人口が28万人を超えた一方、0〜4歳の人口は男女ともに転出超過となっており、出産や子どもの成長を機にファミリー世帯が転出する傾向にあります。

こういった現状の中で、若い世代がこの墨田区で子供を産みたい、育てたいと思える環境を作ることが最優先であると考えます。

そこで子供達を育成する環境をより一層整えるべく、質問をさせて頂きます。

公園の整備について伺います。

現在ボール遊びができるよう整備された公園は一部に留まります。また野球をする子供の保護者からはバットを使って素振りをする場所が欲しいという声も寄せられます。

かねてより議論を頂いておりますとおり、子どもの球技のみならず、色々な競技に邁進する児童にとって公園が良い練習場所となれば理想でありますが、あらゆる年代層の方それぞれの利用方法があり求める理想像は異なります。

現状、公園整備を行う際には地元町会や小学校等に対してのアンケートや、まさに現在、公園マスタープランWEBアンケートを行うなど、ニーズを反映した整備を進めていると伺っていますが、アンケート結果を元に整備内容を決めた場合どの公園も似たような公園になってしまうことが懸念されます。

単純に回答数の多かったものを「ニーズが高い」と捉えて整備するのではなく、例えば町会やエリア・学区などで複数の公園をグループ化して、「ボール遊びのできる公園・広い広場のある公園・遊具が充実した公園・年配の方々の憩いの場となる公園」など、公園マスタープランにある5つの役割に加え、区民の皆様の声を反映させた機能を分散させることにより、あらゆる環境にある方々がそれぞれ満足度の高い公園運営につながり、現状多く寄せられている公園利用に対する苦言や要望の件数も減っていくのではないかと考えます。

参考例として近隣の足立区では「目的に合わせて選べる公園整備」として、大テーマで「にぎわいの公園」と「やすらぎの公園」に分類、さらに公園ごとに「遊ぶ」「休憩」などと機能を割り振り、テーマを設定することで特色ある公園作りを進めています。

公園利用に対し注意喚起や苦言を寄せられる方々もいらっしゃるように、近隣住民の方の理解を得ることが難しいケースも出てくるかと思います。しかしながら現状に満足せず、今ある施設をより良いものとし、全ての区民の方々に満足頂けるためには複数の公園をブロック化しその中で機能を割り振り、区内どのエリアでもお子様から年配の方まで、需要にあった公園を提供し満足度の高さにつなげ、墨田区ならではの特色として頂きたいと考えますが区長のご所見を伺います。

以上で自由民主党 加藤ひろきの質問を終わらせて頂きます。

 

区長答弁

区長答弁PDF

 

 

令和5年06月23日定例会 一般質問 小林しょう 議員

 

 自由民主党・無所属の小林しょうです。初めて質問の場に立ちます。機会を与えてくださった皆様方に心から感謝を申し上げます。

私からは、田中くにとも前議員が熱心に取り組まれてきた「八広駅周辺のまちづくり」について、山本区長に三点お尋ねいたします。

一点目は八広駅の現状について、区長のご認識を伺います。京成押上線・八広駅は、今からちょうど100年前の大正12年7月11日に「荒川駅」として開業しました。平成9年には押上方面に向かう1番線の、2年後の平成11年には青砥方面に向かう2番線の高架化工事が完了し、現在の駅の形となりました。

 区内を走る京成電鉄の「押上駅」と「京成曳舟駅」に比べ、一日の乗降者数平均は昨年度12,118人と中規模な駅ではありますが、墨田区全体の人口増加、曳舟駅を中心とする北部地域の再開発に伴い、近年は駅を利用する年齢層も幅広くなったとの声が地元住民の方から聞かれます。

 

その八広駅は高架化から24年が経過しますが、駅前広場等が整備されることもなく、駅舎下は自転車駐車場やドラッグストアが展開されるにとどまっているのが現状です。また、八広駅の出入口は補助第120号線から荒川方面へ向かう奥まった場所に位置し、“街の玄関口”としての駅の機能を十分に果たしているとは言えません。

 

令和4年9月28日、近隣の東武伊勢崎線・鐘ヶ淵駅が連続立体交差事業の「候補区間」に位置づけられました。危険な踏切が除去され地域の安全性が高まる本事業は、補助第120号線、いわゆる鐘ヶ淵通りの拡幅事業とともに地元から期待されている事業です。20年先、30年先といった時間のかかる事業ではありますが、鐘ヶ淵のまちづくりが一歩前進しました。

また、一駅となりの京成押上線・京成曳舟駅の駅前広場整備事業はつい先日完了し、令和5年6月1日からは区内循環バスがロータリーに乗り入れられ、新たなバス停留所が設置されるなど、近隣住民の移動手段における選択肢が増えました。

こうした周辺駅の一連の動きと比較すると、20年以上前に高架化された八広駅周辺だけが取り残されている印象を感じずにはいられません。ここで山本区長にお尋ねいたします。現在の八広駅周辺の状況を区長はどう捉えているのでしょうか。率直な見解をお聞かせください。

 

二点目は、八広駅周辺の今後の展望についてお伺いいたします。

 

本区の最上位の総合計画である『墨田区基本計画』において、八広地域は「八広駅周辺においては、区北部地域の生活拠点としてふさわしいまちづくりを進めます」と記載されています。

 

また、基本計画などに掲げられた目標達成を目指すとともに、都市計画に関する区の基本的な方針として位置づけられている『墨田区都市計画マスタープラン』において、八広地域は「京成押上線の荒川鉄橋架替え工事や連続立体交差により側道が整備されるなど、周辺の利便性が高まった地区です。このため、鉄道高架下の活用やゆりのき橋通り(補助第120号線)の拡幅などによる沿道のまちづくりを促進し、駅前広場や道路等の都市基盤を整備するとともに、商業やサービス機能を整備・育成します」や「八広駅は、駅前にふさわしい公共空間の整備を促進するとともに、荒川河川敷とのアクセス性を高めるため、都市基盤の強化を図ります」との記載があります。

さらには、「京成電鉄押上線高架下に商業・サービス機能等を誘導し、沿線周辺のにぎわいと魅力的な土地利用を促し、住商工が共存するまちなみづくりを推進します」とまで明記されております。

 

区はかつて、『八広駅前地区整備計画』を作成し、地区整備の目標として「新しい地域の顔としてふさわしい生活文化拠点の育成」「住宅と工業の調和のとれた複合市街地の形成」「地区のイメージアップと自然との調和」の三点を提案していました。結果的に、地元住民の方々との間で合意形成に至らず、このまちづくりが前に進められることはありませんでしたが、具体的な八広の未来図を地域の皆様と検討していた時期もあったと認識しております。

 

そのことを鑑みると、八広駅周辺のまちづくりは当時のそのような動きと比べて停滞している印象を拭えず、私は北部地域のまちづくりにおける課題であると認識しております。

 

ここで区長にお尋ねいたします。先に述べた都市計画マスタープランの策定から5年近くが経過しました。八広地域におけるマスタープランの考え方に基づき、区として今後10年先、20年先の八広駅周辺の街をどのようにしていきたいのか、どんなまちづくりをしていきたいのか、6月13日の所信表明でも言及された「10年後・20年後のすみだの未来、次世代へとつながるまちづくり」を踏まえた山本区長の見解をお聞かせください。

 このことにつきましては、今後、地域から選ばれた区議会議員として機会をとらえ、理事者の皆様と議論をしていきたいと強く思っております。

いずれにしましても、まちづくりや再開発事業は、もっとも影響を受ける地元住民の合意形成なくしては成功しません。土地所有者である鉄道会社や地元住民の方々との調整役を、区に期待しております。

 最後に、八広駅周辺のまちづくりに関連して、八広中央通りについて伺います。駅の利便性は、駅にアクセスするまでの幹線道路が整備されることも不可欠です。本年3月に出された『墨田区自転車活用推進計画』によると、「区内幹線道路における自転車通行の不安や走りにくさ」を調査した結果、交通量の多い国道6号線や都道とならび、区道である八広中央通りで不安や走りにくさを感じる割合が高い結果となりました。

感じる理由については、「自転車の走行空間が狭い」という回答が最も多く約6割、次いで「路上駐車が多い」、「自動車やバイクの通行が多い」がそれぞれ約5割という結果になっています。

自転車に関する区民アンケートにおいて、日常で利用する交通手段を複数回答で尋ねたところ、「自己所有とシェアサイクルを合わせた自転車」が徒歩に次いで多い結果となっていることから、自転車通行のための幹線道路の整備は急務といえます。

八広中央通りは、いまだに自転車走行帯が整備されておらず、ご年配の方が運転する自転車が走行中の自動車と接触しそうになる等、ヒヤヒヤする場面も目撃しており、先日6月5日には事故も発生したという情報も受けております。加えて、八広中央通りは歩道が非常に狭く、歩行者が対面で行き違うのも大変な状況です。

ここで区長にお尋ねいたします。八広中央通りを安全安心に通行できる環境を整えるためには、自転車走行帯の整備を含め、道路空間を早急に見直す必要があると考えますが、区長の見解を伺います。

 

結びに、「住み続けたいまち八広」の実現に向かって、地域住民と行政が一体となった議論がふたたび盛り上がることを願いまして、質問を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。

 

区長答弁

区長答弁PDF

 

 

                                             

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