令和6年2月15日定例会 代表質問 藤崎こうき 議員

1 区長の施政方針を受けて

(1) 令和6年度財政の考え方、重点施策について

 質問の1点目は、区長の施政方針についてです。

 1点目は、令和6年度予算における財政運営の考え方と、重点施策についてです。

 山本区長は、令和6年度の予算案を、「つながりが織り成す『人』が輝くまち 明日の“すみだ”を共創する予算」と位置付けました。

 昨年度は、新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の分類が第2類から第5類へと移行し、名実ともにポストコロナの転換点を迎えることとなりました。感染症が無くなったわけではありませんので、決して油断することはできませんが、隅田川花火大会をはじめ、様々なイベントが通常開催され、ようやく『日常』が戻ってきたと感じています。

 一方で、区民・事業者を取り巻く物価高騰の状況は継続しています。我々も会派として、来年度予算編成に向け、区民生活への悪影響を最小限にとどめるべく、区内事業者の事業継続のための支援拡大、教育・子育て施策を含む生活支援施策の継続・拡充等を要望しました。

 持続可能な自治体経営という観点から、より一層の行財政改革による財源確保及び歳出削減は必須でありますが、「明日の“すみだ”」を創り上げていくためにも、必要な予算については、大局的に判断し、大胆に支出していくことも重要であると考えます。

 感染症拡大時には、社会活動に制限がかかったことで、厳しい財政状況になることが危惧されていましたが、昨年度は、納税義務者の転入や、企業収益の改善等により、特別区民税や特別区交付金が増となっており、不安定な世界情勢による先行きの不透明感はあるものの、全体的に、歳入状況は良好であると認識しています。

 こうした中で、来年度の一般会計の予算規模は、1,300億円を超え、過去最大となっていますが、これは、人件費や物価の高騰を受けた自然増によるものであるのか、それとも、積極的に区政運営上の課題に取り組んでいくという意思に基づく予算編成であるのか。今後の人口や税収の見通しを含め、どのような考え方で予算を編成されたのか、区長の見解を伺います。

 また、令和6年度予算における重点施策として、「こどもまんなか すみだ」の実現に向けた取組、多様な「つながり」を地域の課題解決に活かす取組、未来を見据えたまちづくりの推進の3点を掲げられました。

 昨年度の2月議会において、我が会派の佐藤議員からの代表質問における提案を踏まえ、すみだ子ども・子育て応援プログラムが取りまとめられ、重点施策として来年度予算に反映されていることは、執行機関においても、私たち区議会の意見をしっかりと受け止め、取り組んでいただいているものとして、評価いたします。

 行政の政策・施策は、将来を見通しながら、時機を捉え、地域の課題を解決し、まちの発展へとつながるよう展開されていくことが重要です。

 改めて、区長はなぜこの3点を、「つながりが織り成す『人』が輝くまち 明日の“すみだ”を共創する予算」において、令和6年度の重点施策として位置付けたのか。見解を伺います。

 

 (2) DXに対する取組 区民サービスをどのように向上していくのか

 次に、DXに対する取組みについてです。

 区長は施政方針において予算編成の柱や主要な事業にDXを掲げています。公共施設予約システムの再構築やWEB口座振替受付サービスの導入など、区民サービスに直結する分野に予算を積極的に計上していることは評価しています。

 DXは区長が掲げる「区民が主役の窓口」を実現し、区民サービスを向上させるための重要な取組みであると考えます。今後さらに区民の利便性を向上させるためにどのように取り組んでいくのかについて、区長に答弁を求めます。

 

(3) CIO機能の強化を

また、DXは区の全ての分野に関わる包括的な取組みです。それぞれの取組みや使用するシステム等が個別最適になるのではなく、広い視野を持って全体を調整する必要があると考えます。

 現在、各事業でのDXの取組みが広がりつつあり、全体を統括する業務の質・量ともに必要性が高まっているものと考えます。この状況に対応するためには、最高情報責任者(CIO)兼最高情報セキュリティ責任者(CISO)及びそれを補佐する機能の強化が必要であると考えますが、区長の答弁を求めます。

 

(4) 公共施設整備基金等を今後、どのように活用していくのか

 次に、公共施設の改修等についてお聞きします。令和3年度に策定された第3次墨田区公共施設マネジメント計画では、本区公共施設の61%が築30年以上であり、今後の施設の維持・管理・更新費用として、年平均102億円を要することから、施設保有量の圧縮に努めるとともに、計画的な予防修繕による施設の長寿命化等に取組むこととしています。

また、墨田区学校施設長寿命化計画では、学校施設の目標使用年数を80年とすることで、改築更新期間の平準化を図ることとしていますが、そのような対策を講じても、今後、公共施設の更新需要が大幅に増加していくことは明らかです。

一方で、教育環境の向上や区民目線に立った公共施設の整備は大変重要な施策であり、可能な限り、迅速な対応が求められていると考えますが、このような公共施設の更新需要に対応するには、多額の財源が必要となります。

そのため、本区においても公共施設等整備基金の積み増しを図り、令和元年に約57億円だった同基金は、5年度当初には約176億円と大幅に増額され、最終補正においても、さらなる積み立てが予定されています。

今後は、同基金を積極的に活用しながら計画的かつ迅速な施設改修に取り組むべきと考えますが、公共施設等整備基金の活用方針について、区長の見解を伺います。

 

2 防災対策

  • 能登半島地震でどのように支援をしたのか

質問の2点目は、本区の防災対策についてお聞きします。

第1は、被災地の支援についてです。

 本年1月1日午後4時過ぎに発生した、令和6年能登半島地震では、最大震度7を観測しました。

お正月を故郷ふるさとで迎えるために帰省した方もおられる中の甚大な被害に心が痛みます。

災害発生から1か月半が立ちますが、現在でも多くの方が支援を必要としている状況が続いています。

国は、早期に災害対策本部を立ち上げ、被災自治体の要請を待たず物資を緊急輸送する「プッシュ型支援」を行うほか、「暮らしの再建」に向けて、様々な形で被災自治体を支援しています。

また、東京都は被災地支援を表明して、被災者の住宅支援として都営住宅を提供するほか、人的支援等を行っています。

23区においても、各区がそれぞれのつながりのある自治体に、支援物資の輸送や義援金の募集などの支援をする動きがありました。

現在、東京都と連携する「特別区長会」が23区全体調整をして、一体的に支援していくことになったことは承知していますが、能登半島地震について、震災発生後から本区がどのような対応をしてきたか、お聞きします。

区のホームページ等で区の取組が発信されていることは承知しますが、被災地支援の考え方を含めて、今までの「被災地支援の取組」についてお答えください。

 

(2) 新耐震助成のできる限りの前倒しと周知を

次に新耐震基準の助成制度の拡充についてです。

昨年12月の地域産業都市委員会において、新耐震基準の木造住宅について報告がありました。

まず、今回の新耐震基準の助成制度の周知についてですが、区民の皆さんは、新耐震基準の建物なので安全だと思っている方も多数存在すると思います。新耐震基準においては、平成12年6月に「壁の配置バランス」や「接合金物」などが法律に規定されましたので、新耐震基準となった昭和56年から平成12年までに建設された木造住宅は、現行の耐震基準に満たない物件も多く、グレーゾーン時期と呼ばれています。 

 これらのグレーゾーン時期の方々に対して、自分の住宅の耐震性について丁寧に説明することが大事だと思いますが、どのような周知を行う予定ですか。区長にご所見をお伺いします。

また、能登半島地震により、多くの方が犠牲となられました。これらの地区の中には木造密集地域もあり、墨田区内の木造住宅にお住いのみなさまも不安を抱えています。そこで、新耐震基準における助成制度の施行時期については、周知期間を設けた上で、令和6年10月からの施行を予定しているとのことですが、少しでも区民の皆様の不安を解消するために前倒しで行うべきと考えます。その場合、本助成制度の対象としている耐震診断や、補強設計・耐震改修または除却についての施行時期をどのようにすべきかも含め、区長のご所見をお伺いします。

 

3 産業振興について

  • キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業の継続について

質問の3点目は、本区の産業振興についてお聞きします。

 まず初めに、キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業についてです。

この事業は、これまで、コロナ禍での区内事業者への緊急支援策として5回に渡り実施され、大きな成果を上げて来ました。この施策に対する区民の皆様の御意見のほとんどが好意的なものであり、是非またやって欲しいという声がある一方で、還元されたポイントが区外へ流出してしまうことや、ポイントの付与が後からなされるため、事業予算の余剰や不足が起こり得ることなど、予算の適正な執行を求められる行政が携わる事業としての課題もあるものと認識しています。

 我が会派としても、これまで、決算特別委員会や予算要望において、第6弾の実施を強く求めてきたところですが、課題も認識しており、これまでと全く同じ事業の実施を求めている訳ではありません。つまり、事業者支援になることは勿論として、当面の物価高騰等に関して、区民生活に寄り添った生活者支援にも繋がるような政策を求めるものです。

 そこで、区長に質問します。本事業の継続について、我が会派の要望を踏まえ、区としてどのように令和6年度予算案に反映させているのかを明確にお答えください。

さらに、本事業はこれまで、条件が整ってさえいれば誰でも同じポイント還元を受けられるといったものでした。これに対し区民の皆様からは、「墨田区の予算で実施しているのに区民が優遇されないことに不公平を感じる」という意見もあったと仄聞しています。

こうした御意見に対して、どのように対応していく考えなのかお答えください。

(2) 中小・小規模事業者の資金繰り支援について

次に中小・小規模事業者の資金繰り支援についてです。

昨年度、急激な原油価格や物価高騰等の影響により、緊急対策として実施した「原油価格・物価高騰等緊急対策資金」は、保証料や利子を、区の補助により、事業者負担を実質ゼロとする、一歩踏み込んだ融資制度として、厳しい状況におかれた多くの事業者にとって、事業継続のために大変役立った制度であったと認識していますが、緊急対策であったために実施期間は短く、令和4年度末をもって終了しました。

しかし、東京商工会議所墨田支部からの要望にもあるように、区内中小企業のおかれた環境は依然として厳しく、この間、必要な資材・燃料、人件費など、事業継続に必要な経営資源については高止まりが継続しています。

また、急激な物価高騰等の影響もあり、中小企業の多い本区においては、多くの業種で価格転嫁が十分に進んでいるとはいえず、加えて、今年から、運輸業、建築業界などで、所謂いわゆる「2024年問題」といわれる、時間外労働の上限規制が開始されることから、関連事業者の皆様は、さらに厳しい状況となることが想定されます。

区では、この間、景況けいきょう等の変化に対応し、適時適切に融資制度を構築してきたことは高く評価していますが、長期化する物価高騰等の影響などにより、現在も多くの事業者は未だ十分な体力を取り戻していない状況が継続していることから、事業者や業界団体等からの声である東京商工会議所の要望を真摯に受け止め、効果的な施策を早急に実施すべきと考えます。区長のご所見をお答えください。

 

 

4 教育・子育て支援

  • 学校給食費徴収免除はどのようにしていくのか

  質問の4点目は、教育・子育て支援についてです。

1点目は、学校給食費徴収免除についてです。

いわゆる「学校給食無償化」について、特別区では、令和4年9月に葛飾区がその導入を表明し、以後、多くの区が続いて実施しました。

この間、山本区長は、議会において「学校給食法の中に経費負担の考え方が有ること、及びその意義や必要性は、義務教育全体の中で、国が制度や財源に責任をもち実施すべきもの」と答弁され、わが会派もこの考え方を支持してきた経緯があります。

一方、数年来の顕著な円安、原油高に加え、特に令和4年2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、我が国の物価は近年見られなかったレベルで一層の高騰を続け、本区は数々の物価高騰対策を実施してきました。

このような状況の中で、学校給食費については、令和5年6月議会、代表質問において、わが会派が「当面の間、学校給食費は徴収しない取り扱いとすること」を提案し、区長は「子どもの健やかな育ちの支援と長引く物価高騰への対策として、提案内容は有効な方策であり、詳細な内容を検討した後、9月議会に提案する」旨の前向きな答弁が有り、9月議会においては、令和5年10月から令和5年3月分までの食材費を区費負担し、保護者負担をゼロとしました。この際の事業名称は「学校給食費無償化」ではなく、敢えて「学校給食費の徴収免除」としたことも、この時点の判断としては合理性が有り十分に理解できます。

アレルギーや宗教上の問題で全く喫食きっしょくできない子へのフォローや、一定期間不登校状態にあり給食を喫食していない子へのフォローもしている点で、評価すべきものと考えています。

一方、東京都では1月11日に、都知事は会見の中で「公立小中学校の給食費について、保護者向けの支援を行う自治体に、新年度から支援額の半分を補助する」旨を表明しました。この表明を受け、わが会派としてもこれが区の予算に確実に組み込まれるよう、積極的に働きかけていきたいと考えています。

総務省からは、1月19日に令和5年の1年間平均の全国消費者物価指数が発表され、これによりますと、前年同月比3.2%アップとなっています。また、令和5年12月分では、総合指数で前年同月比2.6%アップ、前月比0.1%アップとなっております。

また、政府は、令和6年の消費者物価予測について、総合で前年比2.5%アップとしていますが、いずれにしても、物価は依然として高騰状態にあり、多くの区民生活を圧迫していることに変わりはなく、そのような中で小学校で年間約5万、中学校で約6万にもなる区立学校給食費を臨時的な措置とは言え、私費負担ではなく区費で負担すれば、家計には大きな支援となり期待されているものと考えます。

そこで、区長に伺います。お示しされた令和6年度予算において、学校給食費免除事業はどのように対応されるのでしょうか?また、国の責任と権限により執り行うべき「学校給食費無償化」の実現に向けては、区長ご自身や区長会として、どのように取り組まれる予定でしょうか?

  • 私立学校への支援の考え方は

質問の2点目は、「私立学校等への支援」についてです。

我が会派からは、区立学校における学校給食費について質問させていただいた令和4年6月議会での代表質問において、「私立学校等に就学する児童・生徒にも、区立学校の給食費と同等の金額を給付してはどうか」と提案したところ、「適切な支援のあり方を検討していく」という前向きなご答弁をいただき、さっそく9月議会で、対象者に給付金を支給するための補正予算を編成されました。知り得る限りでは、特別区の中で、区立学校以外に就学する児童・生徒への給食関連の支援を行っている区はなかったと認識していますので、先進的な取り組みであると考えます。

しかし、補正予算で提案された給付金額は一律に一人当たり年間3万円であったことから、その後の常任委員会で3万円という金額では区立学校における給食費支援との差が大きすぎること、かつ半年単位ではなく年間給付額であるとすると、区立支援との乖離額は一層拡大してしまうことを指摘させていただきました。

理事者側の答弁からも、確かに私立校等の給食費の金額は学校ごとに異なることや、そもそも中学校では給食ではなく弁当持参が大勢たいせいであることからは、誰もが納得できる適正額というのを算定することは難しいかもしれません。であるならば、端数はともかくとして区立校の学校給食費の金額にできる限り近い金額が、妥当とも言えます。

そこで、区長に伺います。お示しされた令和6年度予算において、私立校等への就学者の支援事業はどのように対応されるのでしょうか。また、継続される場合、1人当たりの給付金額について、いくらと考えているのでしょうか。

 

 

(3) 区内私立保育園で発生した事案について

次に、区内私立保育所で発生した事案について、何点かお聞きします。

先般、区内の私立保育所の男性保育士が、園児への性的虐待容疑で逮捕されるという事案が発生しました。前代未聞ともいえる卑劣な行為が、なぜ保育所内で起きたのか、想像もつきません。現在、警察において捜査中とのことですが、児童や保護者の気持ちを思うといたたまれません。今回の事件は、保育の実施主体である行政の立場として、この事案に対しどう向き合っていくのか、区長の率直な気持ちをお聞かせください。

次に、園児や保護者等に対するメンタルケアについてです。現在、通園している児童と保護者のみならず、卒園した児童とその保護者の方々も悲痛な思いをしていると思います。また、この園で働く保育士の方々も相当なショックを受けている中で、日々の通常保育に加え、この事案への対応等、相当な気苦労をされていると伺っています。そこで、お聞きしますが、この保育所に関わる様々な方々への心のケアを早急に行う必要がありますが、区としてどのようなケアをしていくのか、具体的にお示しください。

次に、再発防止策についてです。このような事案が今後、二度と起きないよう、様々な視点で考えていかなければならないと思いますが、区としての再発防止策はどのように考えているのか、お示しください。

最後に、区内で働く男性保育士へのフォローについてです。今回の事案を受けて、男性保育士に預けたくないなど、男性保育士に対する風評被害が想定されます。実際には、真剣に保育に向き合っている素晴らしい男性保育士も多くいますし、園児や保護者から信頼のある男性保育士も多いと聞いています。今回の事案受けて、男性保育士に対してのフォローはとても重要だと思いますが、区として考えていることがあればお聞かせください。

 

(4) 部活動の地域移行について

 

最後に、部活動の地域移行について伺います。

 墨田区では、令和5年度、学校部活動の地域移行のモデル試行として、運動部では、剣道部とフットサル部を、文化部では、英語部とエンタメ部の取組が開始されました。また、総合型地域スポーツクラブとの連携として、スポーツドアあずまが吾嬬第二中学校のバドミントン部で、両国倶楽部が両国中学校のバレーボール部での指導を令和6年1月から開始したと聞いています。国や都の方針を踏まえながら、また、他地区での取組等も参考にしながら、墨田区ならではの取組を進めてきたことと思います。一方で、平日の各学校で行っている部活動については部活動指導員が区内で2名しかいないなど、地域移行が進んでいるとはいえない状況です。令和5年度を終えるにあたり、今年度の取組の成果と課題、今後のこの部活動の地域移行をどのように進めていくのか、教育長の所見を伺います。

以上で墨田区議会自由民主党・無所属の質問を終わらせて頂きます。

 

区長答弁

自民党 藤崎議員

 

 

令和6年2月20日定例会 一般質問 たきざわ正宜 議員

一点目は防災対策について質問いたします。

まず初めは、区の情報発信の在り方についてです。

先日の代表質問で我が会派の藤崎議員から、本区の被災地支援の取組についてお聞きしましたが、私もその取組を墨田区の公式YouTubeチャンネルやFacebookで拝見しました。

その中での被災地支援の様子は、報道番組で目にした輪島市の被災場所を本区の車両が走っている様子や、他の官公庁の職員と連携して救援物資を搬入する区の職員の様子、また、本区の小学生から預かった大切な手紙を輪島市の幹部へ届けた様子など、墨田区が被災地の輪島市に支援した内容がよくわかるものでした。この投稿に関しては、視聴者の反応がわかる「いいね」の数が非常に多く、被災地支援についての関心の高さが伺えます。

今回の被災地支援については、私たちはもちろん、区民のみなさまも本区の対応を注視してきたところです。今回のように、区が取組んできたことを適宜、的確に発信することは非常に有意義だと思います。

区長の姿勢を明確に発信することで、区に対する信頼や区民の防災意識も高まっていくと思います。このような災害時など有事の際の、広報や情報発信は重要であると考えますが、区長の所見を伺います。

次に受援体制の強化についてです。

今回の震災では、建物の耐震化、不燃化、ライフラインの復旧等をはじめ、病院や介護施設の機能維持や感染症対策、災害関連死の対策などハード・ソフト両面にわたり、多岐に渡る課題があることを改めて実感しました。

中でも、物資をはじめ必要な支援が被災者のもとに、スムーズに行き届かなかったように感じます。もちろん、道路が隆起し地割れが起こるなど、支援物資を載せた車両の運行に支障があったことなどは、報道されているとおりですが、まずは、被災者に必要な支援がいち早く行き届くことが重要であり、被災者の安心にもつながることだと考えます。また、大規模災害後の復旧を進めていく上で、ボランティアの活動は重要な要素だと思います。しかし、過去の大規模災害においては、ルールなきままボランティアが被災地に集中し、現場が混乱してしまい、復旧活動に影響がでたという話もよく聞きます。せっかく、被災地を支援しようという気持ちで参加しているボランティアの方に、うまくお手伝いいただけないというのは、非常に残念なことだと思います。

今回の地震発生後の翌朝、本区は災害協定を結んでいる日本海側の福井市や新潟市などへ安否確認をすると共に、救援物資の支援や人の応援をいつでもする準備がある旨を伝えたと伺っています。本区では、墨田区地域防災計画の第6章 第2項 の中で、

「他自治体等から本区への応援職員の受け入れや物的支援、ボランティアの受入れ等の「受援体制」について、職員災害対策マニュアルへの反映等、体制の整備を図る。」と示されています。

そこで、質問いたします。本区の受援体制整備の現状と今回被災地の現場を見た経験を活かした今後の「受援体制の強化」についてどのように考えているのか区長の所見を伺います。

 

次に要配慮者の支援体制についてです。

今回の能登半島地震の報道から、医療的なケアや介護が必要な要配慮者に対して、災害時に、どのような支援をしていくかは、大きな課題であると実感しました。

まずは、命を守る行動が重要となりますが、避難生活が長期化するにつれて体調を崩される方も多くなっているのが実態です。

特に要配慮者の方は、健康状態が悪化しやすく、精神的な不安を取り除くためのメンタル的なケアも必要です。

当面の避難生活で体調を崩される方も多く、1.5次避難、2次避難等の報道もされていますが、避難生活を少しでも、安心して安全に過ごせるように避難先の環境を整えることの重要性も実感しました。

そこで改めて、本区の災害弱者の命・健康を守るための「要配慮者支援体制」がどのようになっているか、非常に重要な課題であると考えますので、区長の所見を伺います。

 

2点目は公共施設整備について質問いたします。

初めに、学校や児童館の改築・改修についてです。

先日議会に上程されました補正予算では、公共施設等整備基金について、約74億円を積み立てることとしており、今年度当初176億円となっていた基金がさらに大きく積み上がることとなります。

来年度予算案では、公共施設の整備等に係る費用に充てるため、公共施設等整備基金から18億円を繰り入れることとしていますが、それでもなお200億円を超える積立額を有することとなります。

公共施設等整備基金は、条例において、「公用又は公共用に供する施設の建設並びに計画的な修繕及び更新に必要な資金に充てるために設置する」と規定されており、あらゆる施策について、自由に活用できるものではありませんが、どのような施設の整備や改築を優先的に行っていくのかという点では、区長の政治的な判断が求められます。

我が会派の藤崎議員が、先日の代表質問において、当該基金の活用について質問をしたところですが、私としては、学校や児童館など、子どもが使用する施設の改築等を積極的に勧めるため、活用すべきであると考えております。

区長は、昨年の選挙においても、公約の一つ目に、子育てと教育の環境をしっかり整えていくことを掲げて当選され、6月議会における所信表明においても学校施設の改築計画を策定することが示されました。また、来年度予算では、児童館リニューアル計画を策定することが盛り込まれています。

令和6年度の主要な事業でもある「こどもまんなか すみだ」を実現するため、子どもが成長する環境について、ハード面からも取り組んでいくことは、大変重要だと考えており、こうした方向性については賛意を示すものです。

一方で、施設の改修は、多額の経費を要することから、時間がかかるということは理解できますが、子どもたちにとっては、まさに今過ごす場所であり、一日も早く、環境が改善されていくことが求められます。

学校や児童館について、改築の方針等を取りまとめたうえで、今後策定される予定の次期基本計画に反映させ、予算の裏打ちを持って、可能な限り速やかに進めていくべきであると考えます。

現時点において、学校や児童館の改築・改修についてどのように考えているのか、また、今後どのように進めていこうとしているのか、区長の所見を伺います。

次に、すみだ保健子育て総合センター等についてです。

いよいよ、本年秋に、新保健施設等複合施設「すみだ保健子育て総合センター」が開設予定となっております。この間、向島・本所の2つの保健センターで業務が行われてきました。両施設とも昭和40年代に建設した施設で、機能面でもいささか古くなっているのが現状だと考えます。それが、区民の健康づくりや母子保健、災害医療体制の拠点として、多様化する健康課題に迅速に対応するため、保健所・子育て・教育の機能を複合化した最新のデジタル環境を備えた、総合的な保健施設として開設することは区民にとっても利便性が向上するものと期待しております。

この複合施設の今後の具体的な展開について区長のご所見を伺います。

また、すみだ保健子育て総合センターの開設に伴い、現在曳舟にある、子育て支援総合センターがこの施設に移転することになると思いますが、曳舟駅周辺地区は、再開発が進んでおり、人口も増加している中で、このセンターの跡地は有効に活用していくことが求められます。来年度予算案の中で「公立学童クラブを3か所新設」と記載されており、その中の一つにセンター跡地が示されています。

施設の規模からすると、学童クラブだけではではなく、他の利用も考えられると思いますが、具体的な活用策について区長の所見を伺います。

区長答弁

自民党 たきざわ議員

 

 

令和6年2月20日定例会 一般質問 堀 よしあき 議員

 

まず、ふるさと納税について伺います。

墨田区は、令和4年度に9億7000万円余りの寄付額を達成し、その数字は都内において5年連続で第1位の数字となっております。
また、同制度において令和3年度から私自身も繰り返し提案していた、北斎ふるさと納税のトリフォニーホールをはじめとした文化芸術振興の積み立ても可能となり、今年度より開始して頂いた事は高く評価致します。
これまで、墨田区ではふるさと納税の返礼品として、「モノ」の返礼品が多かった一方で、墨田区ならではの体験を寄付者に還元できる「コト」の返礼品があまり見受けられず、今後更なる競争激化が予想される「ふるさと納税」において、本区の魅力を全国に発信できる「コト」の返礼品が不可欠であると考えます。
以前から提案していた、ふるさと納税が文化芸術振興にも活用できるようになったことを踏まえ、隅田川花火大会において協賛席のあり方を見直し、ふるさと納税向けの専用観覧席も設け、返礼品として打ち出してみてはいかがでしょうか。同花火大会は毎年100万人の観覧客が訪れる、日本最大級の花火大会であり、ふるさと納税の返礼品としてもブランド価値があり、墨田区の魅力を全国的に広げるシティプロモーションとしても起爆剤になることを期待しています。
現在、隅田公園と両国親水テラスは既に協賛席として使用していますが、ふるさと納税の専用席にも活用を図り、その他にも桜橋のたもとのテラス等、観覧席として活用できる区有地等を早急に検討して頂き、ふるさと納税の返礼品に加えて頂くことを求めますが、区長の考えをお聞きします。
もう一つ、ふるさと納税における「コト」の返礼品の提案として、相撲部屋の見学ツアーをご提案致します。ご承知の通り、本区には相撲の聖地と言える国技館が所在しており、江戸文化の象徴とも言える国技が区内に存在するのは、墨田区が有する大きな文化財の一つであると考えています。
区内には14もの相撲部屋が存在しており、現在一部の相撲部屋では個別で朝稽古等の見学を行っていますが、令和4年に公益財団法人日本相撲協会と本区の間で、包括連携協定を結び、協定内の連携・協力事項においても文化及び観光振興に関することが目的の一つに掲げられており、ふるさと納税の返礼品にもその趣旨は合致するものではないでしょうか。
是非、日本相撲協会とも意見交換をし、ふるさと納税の趣旨に賛同して頂ける区内の相撲部屋を募り、墨田区が誇る日本の国技の魅了を区内外に更に幅広く発信し、競争が激化するふるさと納税において、墨田らしい魅力を持った返礼品の一つとして、観光協会とも連携し相撲部屋見学ツアーを検討して頂きたいと思いますが、区長のご所見をお聞きします。

 

次に、観光施策について伺います。

新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済に大きな減速が起こる中で、その影響を色濃く受けた産業の一つが観光です。ご多分に漏れず、本区もその影響を受け、区内の観光産業に大きな影を落としました。墨田区観光協会もコロナ禍で、自主財源である物販が大きく落ち込み、協会の運営自体にも多大な影響を与えたのは記憶に新しいかと思います。
そんな中、昨年5月には新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、円安も後押し今後はコロナ禍前を超えるような訪日外国人が訪れる事が予想される中で、観光産業は墨田区においても「主翼の産業」になる大きな可能性を秘めていると、個人的には分析をしています。そこで伺いますが、墨田区として、ポストコロナの観光施策の戦略は具体的にどのような方針を持たれているのか、また来年度の予算案において具体的にどういった施策において反映されているのか、区長のご所見を伺います。
一方で、昨年オープンした観光協会の自主財源の一助となる「コネクトすみだまち処」の現状はどのようになっているのでしょうか。同施設を開設するにあたり、私的に懸念したのが「物販の売り上げ」と、「設置目的」の2点です。
当該施設には、かつて「すみずみ」という「コネクトすみだまち処」と極めて類似する施設が所在し、コロナ禍の影響もあったかと思う一方で、3年間で6000万円の運営費がかかったのに対し、売り上げは3年間で累計2000万円しか得る事のできなかった、コロナ禍ではあったものの収支状況をみれば、設置目的、また収益性に大きな課題があった施設であったと言わざるを得ません。
結果として「すみずみ」は閉店となり、同施設の効果検証や総括も十分にされない中で、息をつく間もなくコネクトすみだまち処が開設となりましたが、賑わいを見せている施設とは言い難いのが現状ではないでしょうか。この点については、観光協会の自主財源の確保という課題から具体的にどのくらいの収益を生み出す施設であると目標を定めていたのか、また実際の収支状況について具体的に現在どのようになっているのか伺います
こうした、一観光施設の状況を危惧し、一般質問で取り上げる大きな理由は、墨田区から観光協会に対し毎年支出している補助金が各観光施策に有効に結びついているのか、また長年の懸案事項となっています観光協会の自立性と自主財源の確保の課題を議会としても適切にチェックするためです。
様々な課題もあり、墨田区基本計画後期の中間改定に合わせ、物販事業からの脱却を掲げ、観光施策の評価指標も大きく見直されました。そんな中、損益分岐点の岐路に立たされていた物販事業の象徴とも言える「すみだまち処」を令和4年度に閉館をし、「迎えるから出迎える」という新たな方針を掲げ、観光施策の転換を図ったと認識をしています。
その賛否はここでは申し上げませんが、結果として物販への回帰を図り、その拠点となる「コネクトスミダまち処」の収支状況が仮に赤字状態だとすれば、本末転倒の結果であり、逆に観光協会の財務を圧迫するのではないかと危惧をしています。物が売れないという事は、その要因としてニーズの有無や販売方法、店舗の立地など、必ずどこかに要因があるはずです。来年度に向け、低迷する要因を分析し、同施設の運営を続けるのであれば、収益アップに繋がる施策を早急に起案するべきだと思いますが、区の考えをお聞きします。
次に観光プロモーションカーについて伺います。令和4年度より「迎える」から「出迎える」をコンセプトに導入した、観光プロモーションカーですが、これまで具体的にどういった施策効果があったと分析されているのでしょうか。今年度の具体的な取り組みや、また物販の売り上げ状況など、まずは現状の総括ついて伺います。
「迎える」から「出迎える」というコンセプトは、新たな観光協会のアイディアとして評価をするものであり、より一層、この観光プロモーションカーの活用を図るべきであると考えます。この施策の最大の利点はモビリティであり、「人が多く集う場所」、「人が多く集う時間」に対し、可変的に観光プロモーション、物販の販売をできる点です。
多くの人が集う、東京スカイツリータウンや錦糸町、また開催中は国技館前、また各種大型イベント等により一層出向き、観光PRだけにとどまらず、観光協会の自主財源の確保にも繋げて頂きたいと思いますが、実際にはこの施策のKPIは存在せずに運営をされている状況だと側聞しています。各年度の具体的な戦略、また物販をはじめとしたKPIをしっかりと定め、PDCAサイクルを含め来年度は戦略性をもって事業を展開していくべきだと思いますが、区の認識を伺います。
観光施策に関して厳しい事を申し上げて来ましたが、それも円安の風を大きく受け墨田区において観光は「稼げる産業」であると期待しているからです。一方で、インバウンド需要が今後更に拡大する事が予想される中で、現在、墨田区が行っている訪日外国人向けの施策は区内の飲食店の紹介やメニューを英語に翻訳する「Oishii Sumida」事業がありますが、現在、同サイトは月に平均して3万~4万回のアクセスがある一方で、掲載されている店舗は一部に限ります。是非区側からも観光協会に対し、観光協会の職員自身が実際に街に出てもらい、こうした個店に対してメニューの翻訳のサポートや同制度を周知する、街と観光客を繋げる「コンサルタント」的機能を期待していることを伝えて頂き、円安の追い風がある中、訪日外国人に区内の個店で消費をしてもらうよう、「Oishii Sumida」の店舗拡充の取り組みを求めますが、区の見解をお聞きします。
また、同制度は英語のみ対応しており、訪日外国人の多くを占める中国語や韓国語への対応も含めたメニューの多言語化の拡充を求めますが、区の考えをお聞きします。
この質問の最後に、来年度以降、更なる訪日外国人が本区を訪れる事が予想される中で、国際文化観光都市を目指す本区においては、より訪日外国人をターゲットにしたインバウンド向けの観光施策の拡充が必要だと思いますが、その点の認識についても合わせて伺います。

次に職員の働き方改革について伺います。

新型コロナウイルス感染症の影響により、社会全体の働き方が多様化し、在宅で仕事が可能なテレワークが一般化しています。
一方で、区役所を見てみるとシステムやネットワーク等の課題が挙げられ、またテレワークには専用端末が必要という事もあり限定的な運用となっていますが、現状でテレワークを実施できている職員はどの程度いるのか。また、合わせてテレワークにおける現状の課題等があればお示し下さい。
DXを推進している墨田区職員の職場環境がデジタルではなく、アナログであり、また多様な働き方が社会的に広がる中で、区役所のみ時計の針が止まってしまっていることに強い危機感を覚えています。その影響は多様な働き方を希望する新卒世代にも大きく波及しており、令和2年度の特別区Ⅰ類採用試験事務の応募者数が約1万4300人、採用倍率が4.7倍であったのに対し、今年度は応募者数が約8500人、採用倍率が2.5倍となり、その数字が半減近くなるなど、過去最低の数字を記録しました。
こうした背景には、民間企業と比較した場合の給与面やテレワークをはじめとした働き方のニーズ、また福利厚生が挙げられる中で、報酬面は特別区人事委員会で議論がなされるべきものですが、テレワークをはじめとした多様な働き方の各特別区の取組は、今後優れた人材確保において不可欠な要素になると感じています。
現在テレワークできる職員は育児や介護等の職員に限られますが、来年度は更にテレワークが可能である部署において、それ以外の職員も希望があれば対応できるよう、専用端末の拡充が必要だと思いますが、区の考えをお聞きします。
もとより、職員の多様な働き方を推奨するには、システムや庁内ネットワークの再構築が不可欠ではないでしょうか。マイナンバーを取り扱う部署や窓口課をはじめ対面が必須な部署ではテレワークの実施は難しい事は理解しますが、その他の部署において希望があれば、テレワークができる体制の構築は、今後激しくなるであろう自治体間の職員の確保においても優位性を示せるものであると考えます。是非、庁舎においても早期にテレワークを拡大するのに必要なシステムの構築を求めますが、区の考えをお聞きします。
また、新卒職員の受験者数が過去最低になっていること以外にも、若年退職や中途退職を希望する職員が増加している事を懸念しています。側聞するところ、事務、福祉職では既に現時点で昨年度と比較して2倍近くの職員が若年退職や途中退職を希望しており、その数は過去最大級となっています。こうした背景を踏まえ、退職の詳しい要因分析や職員のメンタルヘルス体制の見直しが必要だと思いますが、その点の方針についても合わせて伺います。
次に庁舎におけるフリーアドレスの導入について伺います。フリーアドレスとは、オフィスの中で固定席を持たずに、ノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くワークスタイルのことで、その時オフィスにいない人のスペースを有効活用できる制度です。
 昨年の9月より、墨田区でもICT推進担当課において試験的に導入されていますが、導入後約半年を経過し現時点でどのような波及効果があると考えているのか、その点の認識についてまず伺います。
また、現在進められている庁舎リニューアルプランでも、今後庁舎内のフリーアドレスの考え方はどのように反映させて行くお考えなのでしょうか。フリーアドレスは先述した、テレワークやペーパーレスとも密接に関係するものであり、同時進行で推し進めていくものであると考えています。フリーアドレスのメリットとして場所の有効活用、ペーパーレス化の推進、また行政の縦割り文化をなくす、職員同士の横の連携などのメリットが期待でき、国が推し進める働き方改革の一環として注目をされています。その導入率は10年前と比較して2倍に増える中で今後、庁舎内においてはどういった方針のもとフリーアドレスに取り組まれていくのか、その点の基本的な考えをお聞きします。

 

最後に、廃プラスチックの分別回収・再資源化の本格実施に伴う職員体制について伺います。昨年、モデル実施を開始するにあたり、新たに4名の新規職員を約10年ぶりに採用しましたが、来年度4月からの本格実施に向け、清掃事務所の更なる職員体制の強化が求められるかと思います。
現在のモデル実施ではプラゴミの収集量が約281トンとなっていますが、本格実施ではその数が約2650トンとなることが予想され、その数が約10倍へと膨れ上がることが想定されています。現在、委託している民間事業者では、ゴミ袋の回収はできるものの、例えば法令に基づく排出事業者への指導をはじめ、実際にゴミ袋を空け分別の指導等は法令上できず、その指導ができるのは直営職員のみに限られます。
本格実施に向け、収集量が約10倍に増え業務量が今より増大する中で、現状の職員体制では、円滑な収集業務に支障が生じ、かつ仕分けに対する排出指導にも影響を及ぼすことが予想されます。また、職員の平均年齢も53.9歳と高くなっている事を踏まえると、持続可能な清掃業務を将来的に維持するには少なくとも来年度の新規職員の採用は欠かせないのではないでしょうか。来年度の本格実施に向け、清掃職員の更なる新規採用が必要であると思われますが、区長のご所見を伺います。

 

区長答弁

自民党 堀議員

 

 

 

令和6年2月20日定例会 一般質問 加藤ひろき 議員

本区におけるEVの普及状況について質問致します。

EVとは、エンジンを使用せずモーターを動力として走行する電気自動車のことで
あり、走行時に二酸化炭素を排出せず、地球環境負荷の小さい自動車として注目されています。「EVシフト」とは、ガソリンなどの化石燃料を使用する自動車からEVへの転換をさしています。
2015年のCOP21で採択されたパリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち(2℃目標)、1.5℃に抑える努力をする(1.5℃目標)」ことが約束されました。ここでは地球温暖化を抑止するために、温室効果ガスの排出を削減することが各国に求められています。二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」の構築が急がれており、日本でも2050年カーボンニュートラルが宣言されました。
脱炭素社会を実現するための世界の取り組みはいよいよ本格化しています。
化石燃料を使用する従来型の自動車と比較して、EVは走行中の二酸化炭素排出量がゼロであり、地球温暖化の主要な要因である温室効果ガスの排出削減に大きく貢献します。また、大気汚染物質の排出もないため、大気質の改善にも寄与します。
さらに、エネルギー効率の高さもEVの大きな利点であります。電気エネルギーは、石油やガソリンと比較して、より効率的に動力に変換されます。更に再生可能エネルギーの導入拡大と連動することで、持続可能なエネルギーシステムの構築にも貢献する可能性があります。
このように、EVの普及は、環境、経済、エネルギー政策の各面で重要な意義を持ちます。また区民の生活を圧迫している燃料費の高騰に対しても、EVシフトは車両維持費の削減につながります。

 

日本では、当時の菅総理大臣が2021年1月18日の施政方針演説において、「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」ことを宣言しました。この目標では、電動車としてEVだけでなくHVやPHEV、FCVなども含めています。世界的なEVシフトへの潮流のなかで、日本でも明確な方針が打ち出されたことで、国内のEVシフトは、徐々に進んできていますが、地域により差が生じています。
自動車メーカーもEVシフトへの姿勢を表明しており、例えばトヨタは、2030年までに自動車の電動化投資として8兆円、そのうちEVに対しては車載電池の開発など4兆円をあてることを発表しました。また、トヨタはこれまでは「2030年までにEVとFCVをあわせて世界販売台数200万台」を目標としていましたが、「2030年までにEVだけで世界販売台数350万台」と目標を大幅に引き上げました。他の自動車メーカーも各社EVシフトの方針を打ち出しており、EVの普及が更に加速的に進んでいくと思われます。

 

現代社会において、環境保護と持続可能な交通システムの構築にEVシフトは有効な手段の一つでありますが、残念ながら墨田区では普及が遅れていると感じられます。地球温暖化と大気汚染の対策として、温室効果ガスの排出削減は急務であり、EVはその重要な役割を担います。しかし、その普及には複数の障壁が存在し、これらを乗り越えるための積極的な施策が求められています。

 

EVを購入する際に受けられる支援として、主に国からの補助金となる「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」と、地方自治体独自の補助金の2種類があります。これらは併用として受け取ることが可能となっています。
国は、CEV補助金の目的として”2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、環境性能に優れ、災害時にも非常用電源として活用可能な車両について、需要創出及び車両価格の低減を促すと同時に、車両の普及と表裏一体にある充電・水素充電インフラの整備等を全国各地で進めること”だと述べています。
また自治体の補助金を用意する東京都でも、”「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、都内で新車販売される乗用車を2030年までに100%非ガソリン化することを目指しています”と述べており、二酸化炭素の排出量を削減することを大きな目的として実施されている施策であるとわかります。

 

現在、本区では「墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度」のひとつとして充電設備の設置者に対して、工事費用の5分の4、上限7万5千円の補助をしており、令和5年度当初予算内では予定件数26件、予算額1,950千円が計上されておりましたが利用者は5件に留まっています。この低い利用率は、補助制度の認知度不足や手続きの煩雑さが原因と考えられますが、区長の所見を伺います。また利用率向上には普及啓発が必要な手段と考えますが併せて区長の所見を伺います。

 

現在、墨田区ではEV購入者に対しての補助制度はありません。しかし近隣区では江東区、足立区、江戸川区などで平均10万円、葛飾区では最大25万円の車両購入補助が行われています。他の事例を参考にしながら、本区においても購入時の補助制度を導入すべきと考えますが区長の所見を伺います。

 

同時に考えなくてはならないのは充電環境への不安であり、大きな普及の妨げとなっています。
昨年10月に経済産業省より発表された「充電インフラ整備促進に向けた指針」においてEVの普及に必須となる充電器のインフラ整備指針を整理し、「2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%」という政府目標の実現に向けた充電器設置方針をまとめております。
他区でも急速な設置が進んでおり、先進的な例として世田谷区では公共施設や
商業施設に多数の充電ステーションが設置され、利便性が向上しています。世田谷区では特に、住宅地域における充電ステーションの設置に力を入れており、EVユーザーの日常生活を支えるインフラが整備されています。
また隣接の江東区でも50を超す充電設備が区庁舎・区立公園や商業施設の駐車場などに設置されており、区内外の方が多く利用されています。
一方墨田区ではEVの認知度が低いうえに充電ステーションが自動車販売店など民間施設を含め約20箇所しかなく、充電インフラの整備が不十分です。
EVの急速充電設備は、ガソリン車やディーゼル車におけるガソリンスタンドに相当します。
普通充電設備は、旅行先など長時間の充電時間を確保できるケースに有効なため宿泊施設等への設置が進むべきであり、短時間の滞在となる施設や充電目的で来訪するスポットへは急速充電の設置を早急に行う必要があります。
先述の経済産業省発表の「充電インフラ整備促進に向けた指針」の中で充電器設置目標は、従来の「2030年までに15万口」から「30万口」に上方修正されているなかで、本区においても急速な充電設備の普及が必要と考えますが区長の所見を伺います。

 

EVの普及には、区民の意識の変革も重要です。現状、多くの区民はEVのメリットや使用方法、充電インフラの利用方法に関して十分な情報を持っていません。この情報不足は、EVの普及を阻害する大きな要因の一つとなっています。
EVが普及している渋谷区では、区民への啓蒙活動に力を入れており、EVのメリットや使用方法に関するワークショップやセミナーが定期的に開催されています。これにより、区民のEVに対する関心と理解が深まり、普及が加速されています。
これらの課題を踏まえ、まず補助制度の周知と手続きの簡素化を図るべきです。
オンラインでの申請や、補助金に関する十分な告知が効果的と考えます。

区民に身近な部分で、区内循環バスにおいても令和3年に運行終了となっていた電気バスの運行が車両の進化により令和6年3月初旬より再度導入を予定されている今だからこそ、EVのメリット、使用方法、維持費用、充電方法などに関する正確な情報を提供し、企業や商業施設と連携をとり、EVに関するプロモーションや試乗イベントを開催することなどにより、EVに対する興味と関心を高めることができると考えます。

 

そして繰り返しになりますが、充電インフラの拡充が急務です。購入を検討し断念した方の声を伺うと、充電に対する不安を多く耳にします。特に、大型商業施設や公共施設周辺に充電ステーションを増設することで、EVの利用者にとって大きなメリットとなります。
墨田区におけるEV普及は、環境保全のみならず、住民の生活の利便性向上にも寄与する重要な取り組みです。区民の生活に直結する選択肢を持てる他区の事例を参考にしつつ、墨田区ならではの施策を展開することで、この課題を乗り越えることができると考えます。
世界的な環境保全のため、国・都として急速に進んでいくであろうこの取り組みに、本区としても遅れを取らず、先進的に進んでいくことにより、古く良き歴史と先進的取り組みが共存する墨田区を目指していくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 

区長答弁

自民党 加藤議員

 

 

令和6年2月20日定例会 一般質問 井上裕幾 議員

■1点目1点目の質問としまして、庁内ネットワークの在り方、について伺います。

そこで、今回は、「三層の対策」について伺います。
三層の対策、三層分離とも呼ばれていますが、平成27年から「三層の対策」によるセキュリティ対策の強化が行われています。

それぞれがセキュリティ対策をして、「三層の対策」がおこなわれています。
この3層ごとに扱う業務や主な業務端末がどこのネットワークに配置されているかによって、モデル名が決まっています。呼び方が3つあり、αモデル、βモデル、β’モデルと言われています。
主な業務端末をLGWAN接続系に配置するのが「αモデル」です。先述のとおり、ネットワークは3層とも完全に切り離されていますので、それぞれに専用端末を配置して、必要に応じて専用端末を使用する形になります。 セキュリティの観点からみますと、それぞれが分離していますので、強固に組まれていますが、それぞれの端末で作業をして、データ連携ができず、業務フローの中に確実にアナログの対応が残る箇所となりますため、業務負荷が上がる原因となってしまっています。
令和2年12月の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーガイドライン」の改定により、全てを信用しないという考えである、ゼロトラストセキュリティの考え方を取り入れた「三層の対策」の見直しが実施されました。見直しでは、従来のαモデルに加えて、各端末のセキュリティ対策や不正な挙動を検知し、早期対処する仕組み等のセキュリティ対策を実施した上で、インターネット上のクラウドサービスの活用や、テレワークの円滑な実施ができるよう、業務端末をインターネット接続系に配置する新しいモデルであります、βモデル、β’モデルが提示されました。
βモデル、β’モデルでは、αモデルと同様に個人番号利用事務系とはネットワーク上で完全に切り離された状態ですが、LGWAN接続系とインターネット接続系の相互利用は大幅に改善されるものであると考えています。DXを力強く進めていくためには、表向きのシステム導入だけを進めるのではなく、必ずアナログ業務で対応しなくてはいけない箇所が残る、この「三層の対策」、ネットワークの在り方を日頃から検討をしていく必要があると考えます。
また、この見直しはデジタル庁が発足する以前のものでありますので、今後変化のスピードが急速に早まる可能性もあります。
そこで、区長に伺います。 ①庁内ネットワークの在り方として、現状をどのように捉えており、今後検討を
進める考えがあるのかそして、 ②どのように検討し導入の実施していくのか区長の考えを答弁ください。

■2点目(1500文字)2点目の質問として、メール送受信の方法について伺います。

はじめに、脱PPAPの対策について伺います。
メールを送信する際に、必要に応じてデジタルファイルの資料を送信したい場合があります。今まで一般的に行われてきた方法として、「1.メールにパスワード付きのZIPファイルを添付して送る」、「2.別のメールでパスワードを送る」、という2段階の方法をとることが、セキュリティーの観点からも良いと考えられていました。この方法を「PPAP」と呼ばれており、「Password(P)付きファイルを送ります。」「Password(P)を送ります」「暗号化(A)」「Protocol(P)」の頭文字をとった言葉です。
しかしながら、この方法には、ファイルのウィルスチェックが稼働しない、暗号化を解除する、復号化パスワード自体の脆弱性、利便性が悪いなどの問題点があり、活用を疑問視する声があがってきました。そして、2020年11月には、政府より「脱PPAP」の発表がありました。
この間、民間企業では、脱PPAPが進み、利用しないのはもちろんのこと、受信したメールにファイルが添付されている場合は、メールを受け取らず返送するような仕組みを導入している企業もあります。
対策として、クラウドサービスにファイルを格納し、格納されたファイルを確認、閲覧する方法などがあります。また、自治体では、北海道庁などで脱PPAPの取り組みが進んでいます。
本区でも、本格的に実施に向けた検討を進めるべきではないでしょうか。
そこで、区長に伺います。
今後、脱PPAP、メールにファイル添付をせずに、ファイルのやり取りができる
仕組みを導入する考えがあるのか
区長の考えを答弁ください。次に、送信メールの宛先について伺います。メールの送付先である宛先の設定はTO、CC、BCCの3個所があります。
TOは、「あなたに送っています」の意思表示、処理や作業をして欲しい人を指す場合に使います。CCは、「TOの人に送付したため、念のため見てください」という意味や、参考・情報共有に使います。BCCは、他の受信者にアドレスが見えないように連絡できる方法です。他の受信者がいることを隠したい場合や、他の受信者のメ.ルアドレスが分からないようにして送りたい場合に使います。
受信者側は、CC、BCCで送信されてきたメールは、基本的には主担当者ではないメールと捉え、返信をおこなうメールではないという認識になる可能性があります。また、自分のメールアドレスがどれに設定されているかによって、フォルダ分けをして、確認の優先順位としてTO、CC、BCCとする方法が多いかと思います。
本区では、住民、企業など、インターネットを経由してメールを送信する場合、全ての宛先をBCCに設定し、送付されるようになっています。
民間企業では、メールのやり取りを社内共有するために、主担当者をTO、関係者をCCに設定し、多数のアドレスを設定して送信する場合があります。その返信が全てBCCになりますと、主担当者が関係者のメールアドレスに届いているかわからないため、毎回、転送対応、区側に返信する際に、TO、CCに再度設定し直してから送信する必要がでてきます。そのタイミングで、転送先、TO、CCの設定間違いが発生するリスクが相当上がってしまうのと、業務負荷の向上につながってしまいます。
全てをBCCに設定することで行政側のメール誤送信の対応になっているとは思いますが、住民や民間企業に対して全く一般的ではない方法で送付しているため、相当な不便をかけているという認識を強く持つべきかと思います。誤送信対策ということであれば、様々な対策ソフトが出ていますので、導入の検討もおこなうべきと考えます。
そこで区長に伺います。
今後、BCCではなく、TO、CCを使用した一般的な仕組みに切り替える考えが
あるのか
区長の考えを答弁ください。

■3点目3点目の質問として、送付先変更の一括手続きについて伺います。

親が区からの郵送物を管理できず、紛失してしまうことが発生してしまいました。そこで今後の対策として、郵送物の送付先を娘が変更する手続きを区役所で行おうとしました。今回紛失してしまった郵送物については、担当課に行き、再発行の手続きをして無事に再発行されました。その課で郵送物の送付先変更をしたところ、その課が担当の郵送物は変更できましたが、他の課の郵送物はそれぞれの担当課にて変更しないと対応が難しいという状況となってしまいました。
どの課で変更すればいいか全て把握することができれば、仕事を休んで区役所中を回って対応したり、どこまで変更完了したか、手続きれがないかを管理したりすることで対応することはできるかもしれないが、その対応を住民に強いるのは、かなり酷なことであると思います。また、今は郵送物のない課でも、今後郵送することができるかもしれません。
郵便局の転送サービスを利用することで全ての郵送物を転送することができる

これから高齢化社会が進んでいく中では、同様の問い合わせ、対応が増えていくことも想定されます。
各所管で管理している個人情報を統合することは、個人情報保護法の目的外利用にあたるため、課題が多くあるという認識はしております。

区長に伺います。 ①郵送物の送付先変更を一括で変更できない現状をどのように捉えており、
今後一括で変更できるように検討する考えがあるのか
そして、 ②どのように検討し導入を実施していくか区長の考えを答弁ください。

区長答弁

自民党 井上議

 

 

                                             

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