定例会代表質問 中沢えみり議員

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平成28年度第三回定例会 代表質問
私は、自由民主党の中沢えみりでございます。会派を代表して、通告してあります大綱 5 点について区長及び教育長に質問をいたします。 明確かつ情熱ある答弁を求めます。

 冒頭に、先の都知事選挙におきまして、新しい都政を統率する、新都知事が誕生いたしました。山積する都政課題が、新都知事によって停滞、後退することのないよう、我々区議会としても厳しく注視していくとともに、新都知事の都政運営に、期待をしたいところでもあります。山本区長におかれましては、この度の結果をどう受け止められ、今後どのように連携されていかれるおつもりでしょうか。

さて、去る9月4日に、平成28 年度、東京都、葛飾区、墨田区、合同総合防災訓練が行われました。集客施設からの避難や搬送等の訓練として、東京スカイツリー周辺で行われました。墨田区が掲げる「国際観光都市―international tourist city」として定着して行くことを考えると、今後も国内外からの観光客をお迎えすることが予想されます。観光客の避難訓練の重要性を再確認させて頂いたのと同時に、外国人観光客のための世界共通語である「英語」での誘導アナウンスは大変重要であります。小池都知事も参加されまして、総評は都知事、区長、議長という順番で述べられました。小池都知事は日本語と英語で述べられました。私だけではなく、参加された多くの方々の注目を集めたことと思います。同時に訓練の様子を映していたスクリーンには、英語の総評文が掲載されていました。大変素晴らしい取組みであると思います。このような訓練の機会だけではなく、墨田区でも、様々な取組みを対外的にアナウンスする機会の多い区長としても、同時通訳を隣に添えて、プレス発表をするや、区長ご自身が、冒頭の挨拶を2言語でされるなど、方法は様々あると思いますが、いかがでしょうか。そうすることによって、海外メディア、インターネットも含め、世界に直接、墨田区の情報を発信できる利点と、各国の方々に、日本の、東京の、墨田区を知ってもらえるよいきっかけになると思います。区長自らが率先し、墨田区を国内外に売り込む姿勢をお見せいただき、区の発展へと導いて頂きたいとおもいます。 よろしくお願い申し上げます。

 大綱1点目、災害・水害対策について伺います。 今年 4 月に発生した熊本地震から明日で5ヶ月。未だ復興途中であります。さらにはこの度の台風10号の影響で、東北地方を中心に冠水被害に遭われ、多くの方が避難されました。被災された方々にご冥福と、お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を切に願っております。第一の質問は、「江東5区大規模水害避難等対応方針」について伺います。墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区の江東5区が検討主体である協議会の中で、水害に対する広域避難を軸とした避難対応について、および、関連する課題の具体化に向けた内容が検討されてきました。先月、対応方針について取りまとめたものが発表されましたので、協議会の議論も踏まえて、墨田区としての具体的な対応策について進捗状況を伺います。

 

二つ目は、災害時の「食支援」に関する質問です。被災直後に支援物資として届けられる食べ物は、生活に必要なエネルギーを確保することを最優先としたものです。例えば、コンビニエンスストア等のお弁当やおにぎり、お菓子やジュース等が届けられます。これらの食品は、輸送面での負担が比較的少なく、菓子類については、手軽にエネルギーを摂取することができるほか、長期的な保存に適しています。しかし、このような食事が長期的に提供されると、健康状態を維持するために必要な栄養素が、確保できず、健康な人も体調を崩す恐れがあります。そのため、東日本大震災や熊本地震でも、長期化する避難所生活での被災者の「食」について、体調維持を考えた、カロリーや栄養バランスにも配慮していかなければならないという課題が浮き彫りになりました。 現在の墨田区においての取組みを伺います。

墨田区の「食」に関連する先進的な取り組みについてこれまで、区民と区が協働で「食育」を総合的、横断的に推進し、様々な分野で支援をする「食育推進ネットワーク」として継続的に活動を行ってきました。その継続的な活動が評価され、内閣府の指名を受け昨年、第 10 回食育推進全国大会 in すみだ2015が開催され、多くの来場者が「墨田区」に訪れたことは記憶に新しいことと思います。大会史上最多の83400 人の来場だったそうです。 大変素晴らしいことだと思います。大会後はその結果を活かし、平時の「食育推進ネットワーク」が「災害時の食支援ネットワーク」として機能できるということで、平成25年度、「災害時食支援ネットワーク検討会」を発足されました。仄聞するところによると、乳幼児、妊産婦、授乳婦、高齢者、傷病者(しょうびょうしゃ)、障がい者の方々への食支援について継続的に検討を行っているそうでが、具体的な内容をお聞かせください。

 次に、「災害時に食への配慮が必要な方への理解と普及啓発」について伺います。「災害時に食への配慮が必要な方」とは、「乳幼児、高齢者、アレルギー、疾病、摂食、嚥下機能→つまり食べる機能が低下している方、宗教、思想への食に関する配慮等が必要な方」とされています。避難所ではこういった方々への「食支援」は健康管理のみならず関連死を防ぐためにも大変重要であります。そこで、墨田区としては現在具体的にどのような取り組みをされているのか伺います。

  次に、避難所生活での「口腔ケア」について伺います。口腔ケアは感染症予防や誤嚥性肺炎予防につながる大変重要なケアであり、災害時には特に、義歯の高齢者の嚥下や誤嚥の問題が深刻です。口腔ケアの必需品として避難所に「歯ブラシ」を備蓄することが大切であると伺っています。区内産業と災害支援物資協定もされているとも仄聞していますので、具体的な状況についてお聞かせください。

 最後に、避難所における食支援や口腔ケアの重要性が、新たな課題として浮き彫りになった結果、全国的には、新潟県、岡山県、香川県、石川県、埼玉県等、「災害時食支援」に関するマニュアルの作成が行われているそうです。 東京都の「食育のハブ」である墨田区としての「災害時食支援」の今後の取り組みについて伺います。

 

大綱2点目は幼保連携型認定子ども園について伺います。

改めて、幼保連携型認定こども園の設置基準は、学校及び、児童福祉施設としての法的位置付けを持つ単一の施設であります。設置主体は、国、自治体、学校法人、社会福祉法人のみであります。財政措置は、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の「施設型給付」で一本化します。消費税を含む安定的な財源を確保し整備されます。学校と児童福祉施設の両方の性格を併せ持ち、教育と保育を提供する施設です。ちなみに、「認定こども園」は幼保連携型、幼稚園型、保育園型、地方裁量型とあります。それぞれの基本的な考え方や基準の詳細はここでが述べませんが、今回はこの類型の中の「幼保連携型」の施設整備が予定されています。本題に入ります。墨田区保育施設整備事業の一つとして来年、平成29年4月に、「幼保連携型認定子ども園」として墨田区たちばな認定子ども園と八広認定子ども園の2園を整備する方針が決定いたしました。

 公立保育園が子ども園へと移行されるため区の直営の施設となります。各地域ブロックの基幹園として位置づけるとされております。開設するにあたり、職員や環境整備などの準備体制の進捗状況を伺います。当然のことながら、一番大切なことは、設置するにあたり、園の教育理念、保育理念、また意義が何かということです。明確な理念なくして子ども達の教育、保育はできません。加えて、教育と保育を同時提供する施設となるわけですので、教職員の質の確保も重要であります。現時点でのお考えを伺います。

 子育て支援や教育を最重要課題として考えられている山本区長ですから、夢あるビジョンと信念のもと整備されることと思います。よい答弁を期待いたします。ぜひとも安心安全を確保するとともに、二度と戻らない子ども達の成長期の、適切な教育環境の充実、質の向上を踏まえ、整備くださることを強く訴えさせていただきます。待機児童問題は、いまだ、特に都市部で深刻な問題として取り上げられており、我が区も例外ではありません。これまでの迅速な対応には一定の評価をいたしますとともに、今後も量的拡充を整えていく一方で、質の確保も徹底して頂きたいと強く要望いたします。

先週、小池都知事は待機児童解消に向けて、保育所の整備費の補助拡充や保育士の確保・定着支援など、11事業を盛り込んだ緊急対策を発表いたしました。また緊急対策に関連し、126億円の補正予算案を都議会定例会に提出することを決定いたしました。緊急対策には、保育事業者の早期の取り組みを促すため、2016年度内に保育所の整備などに取り組んだ場合、補助率を上乗せするなどの、インセンティブも盛り込んだということを踏まえ、墨田区としても、可能な限り、年度内の事業着手を進めていただきたいと強く望みますが、区長の明確な見解を伺います。

 大綱3点目は教育施策について伺います。始めに、文部科学省が平成29年度からの10年間で、2万9760人の公立小中学校の教職員定数を増やし、発達障害やいじめ、貧困など子どもが抱える多様な課題への対応を充実させることを目的に発表された件について伺います。構想1年目の29年度は、3060人の増員を予算の概算要求で求める方針であり、教職員増員のほか、授業や部活動など教員が担う役割を明確にして、負担軽減を目指すとしています。障害のある子どもが必要に応じて別室指導を受ける「通級指導」の担当教員、日本語指導が必要な外国人の子どもの担当教員、いじめや不登校への対応強化、貧困による学力格差解消、教員の質向上のため指導教諭の配置等の課題を踏まえての対応です。今後の日本を担う大切な子ども一人一人の適切な教育環境確保において大変重要なことであると認識しております。国の方針として発表され、人数としては各自治体では一人か二人の配属という計算になります。墨田区においても、上記のような子ども達を取り巻く教育環境の社会情勢を踏まえると、到底充足する人数とは言えません。ですので、墨田区として今後、どのような取り組み、対応を考えておられるのか伺います。

次に、小学校英語教育について伺います。これまで「英語」は外国語活動としておこなわれてきました。すみだイングリッシュの活用も盛んで、子ども達も楽しく外国語活動に取り組んでいます。国際共通語である英語教育の充実は喫緊の課題であると認識しております。言語はツールであり、様々な国の文化とふれあえ、視野を広げることのできる良い「入り口」であると思います。さて、次期指導要領案では、外国語活動は3年生から、5年生からは英語は教科として導入されることが発表されました。このことを踏まえ、現場の指導体制の準備について、具体的にはALT(assistant language teacher)と教諭の合同研修など、どのように取り組んでいかれるのか伺います。実施は平成32年度からですので、あまり時間はありません。せっかくの子ども達にとっての良い経験と学習の機会ですので、実施年まで万全の体制でスタートして頂きたいと強く要望いたします。

 大綱4点目、観光施策について何点か質問いたします。初めに、これまで様々な議論の末、墨田区の宝である絵師、葛飾北斎の美術館、「すみだ北斎美術館」がいよいよ今年11月22日に開館いたします。是非とも墨田区のみならず東京の有名な観光スポットの一つとして長く愛される美術館となるよう、世界中の観光客誘致に向け、引続き墨田区も様々関連施策を展開し、指定管理者と連携し努力し続けて頂きたいと思います。そこで、改めて美術館運営に関して万全の準備を整えて頂きたいという思いを込め、指定管理者としての墨田区文化振興財団の今後のあり方について伺います。公益財団法人墨田区文化振興財団は墨田区における芸術文化活動の振興と時代を先取りした新たな芸術文化の創造及び発信を行い、もって区民生活の向上と文化都市の形成に寄与することを設立目的としています。

現在はすみだトリフォニーホールの管理運営を担っており、11月からの北斎美術館の管理運営を丹青社との共同企業体としてさらに担うことになりました。これまでは音楽ホールの管理運営、これからは、加えて美術館の管理運営の指定管理者にもなります。ノウハウ、専門家の活用、さらには観光施策との連携なども考えて行くと、大変大きな重責を担うことになります。

 これまで区は、同財団に、運営資金として管理運営や事業補助をして参りましたが、毎年区の財政負担が生じていました。この課題については議会において再三議論になってきましたが、今後は自主自立を図りつつ上記、設立目的を体現し、真に本区の文化都市形成に寄与する団体へと発展する必要があると思います。同財団のあり方と区の文化振興組織との役割分担を明確にし、財団の自主自立と責任ある事業運営を積極的に展開していただきたいと思いますが、区長の答弁を求めます。

 

 続いて、具体策に入ります。すみだ北斎美術館のロゴマーク使用について及びミュージアムショップの展開について伺います。去る、8月29日区役所にて北斎美術館ロゴマーク使用説明会か開催されたと仄聞いたしました。説明会案内は区のお知らせとfacebookで周知されたそうですが、150社が参加したことからも、すみだ北斎美術館の注目度が伺えます。そこで、今後ミュージアムショップにそろえる品や、新たな商品開発も含め、産業振興とのコラボレーションなど、現在どのような取組みを進めているのか伺います。美術館内ミュージアムショップは面積が小さく、あまり多くの商品を揃えることが出来ないようにも思います。諸外国の美術館、博物館等の周辺にはsouvenir shopが立ち並び、美術館や博物館の商品だけでなく、地場産業の商品も合わせて店頭に並んでいます。「寄ったついで」に葛飾北斎の品と、墨田区の地場産業の品も紹介できるよい「場」になると思います。また、美術館や博物館を中心に、周辺地域が観光地化している例として、規模は異なりますが、バルセロナのピカソ美術館、ミラノのダビンチ博物館、アムステルダムのヴァン ゴッホ美術館など参考にされると良いと思います。ヴァンゴッホ美術館のオリジナル公式グッズショップのサイトがありますが、「日本で入手困難」や「大量購入可」、「ノベルティーや社名入りなどのカスタマイズにも対応いたします」などと明記されており、公式グッズが多様に展開されています。ヴァンゴッホに影響を与えた葛飾北斎ですから、グッズ展開は多様な可能性があると期待をしています。是非とも行政の役割として、美術館を起爆剤とし、経済波及効果の地盤固めの支援をしっかり行って頂きたいと思います。そこで、まずは今後、北斎美術館近くでスペースをお借りし、第二のすみだまち処のような場を整備していただきたい。その後の展開は民間の方々の豊な想像力にお任せし、周辺地域を少しずつ北斎一色に染めて行くことを期待したいと思います。もちろん予算の問題もございますので、創意工夫をし、進めて頂けたらと思います。区長のご所見を伺います。

 次に、美術館のボランティアについて伺います。開館後は多くの来場者へのおもてなしも含め、通訳ボランティアはもちろんのこと、国内観光客へ説明されるボランティアも必要になってくると思います。現段階でのボランティアに関するお考えをお聞かせください。例として、国立博物館では3年交代でボランティアを募集されているそうです。レポート提出と面接が必須で、50人定員の所500近くの応募があるそうです。国立博物館のボランティアとしての自覚とプライドをしっかりと持ち、歴史、文化、芸術に精通されている方々が多く、博物館の内容のみならず、そういった方々の対応や姿勢も含めての博物館の価値につながるのだと思います。今後もし北斎美術館のボランティア育成事業を展開されるのであれば、参考にして頂ければと思います。

 観光施策の第二に、東京マラソンと2020東京オリンピック、パラリンピックを見据えての墨田区としての準備状況の整理と課題を伺います。まず始めに、東京マラソンについてです。マラソンコースが墨田区を通過するという嬉しいニュースが今年3月に発表されたことは記憶に新しく、墨田区が一つになって招致運動を展開し、9年越しの「すみだの“夢”」がかなったわけでありますと区長も仰っていました。来年の開催は2月26日の日曜日ですが、大変喜ばしいことと同時に、当日の受け入れ体制等に早急に取り組む必要があります。またイベント開催や、周知に関して現在どのような取組みをされているのか伺います。

 次に、2020東京オリンピック・パラリンピックについて伺います。東京都と組織委員会、そして区市町村の役割について、現段階での墨田区としての具体的な動きについて伺います。次に、国や都からの補助金事業や、区独自の事業等様々実施されているとおもいますが、観光協会との連携や、ボランティア育成他、今後更に準備体制を整えるために、担当部署の役割は増えて行くと思います。現段階での総務部オリンピックパラリンピック担当の人員配置は適当と考えられているのかどうか、また今後状況に応じて人員を増やして行く予定はあるのか、ご所見を伺います。

 次に、同大会にて墨田区はボクシング競技が国技館で行われる予定です。今年の第一回定例会質問において、我が会派の現沖山幹事長が、大会に関連して墨田区総合体育館を事前キャンプ場として活用できないかとの提案をさせていただきました。大会期間中の活用としてはどうなるのか現段階での状況をお聞かせください。もし、公式練習会場となるならば、多くのオリンピアン、大会関係者、観戦客、観光客をお迎えすることになります。国技館と墨田区総合体育館の周辺地域の整備は必須です。景観整備も含め国道(京葉道路)の自転車駐車場整備についても進捗状況を伺います。

 大綱5点目、大学誘致について伺います。本年の第一回定例会で進捗状況の報告によると、非常に意欲的な大学が2校あり、引続き協議を行うとのことでした。大学誘致は山本区政にとって早急な対応が求められる重要課題です。本定例会でも報告がある予定ですが、これまでの取組みについてまず伺います。第2回定例会の答弁によれば、進出意向を示している大学の内、一校とは学長自ら区長と複数回面会し、具体的な内容の交渉も行っているとのことです。この大学が墨田区の求めている水準に十分達しているのであれば、優先交渉大学に定めても良いのではないでしょうか。その上で、資金調達や施設のあり方について協議していけば、より質の高い成果が得られると考えます。区長のご所見を伺います。この時期になっても、2校で両面外交のような行為を行うことは、不信感を生むだけで、大学誘致の実現が遠ざかってしまいます。厳に慎んで頂きたいと思います。

 また、学生数や施設規模等の諸条件において、大学側の提案が墨田区の希望と完全に合致することは現実的とは言えません。内容の優位性や将来の展望、本区の地域特性との関連等、十分な提案であるならば、条件に固執する必要はないと考えます。議会としても理解を示すことは可能だと思いますが、区長の見解を伺います。昨今の大学経営を取り巻く環境は非常に厳しい状況です。将来性や大学進出による効果を踏まえた上で、墨田区としても、周辺整備や施設整備への費用負担を覚悟する必要があります。現在どのような検討がされているか区長に伺います。墨田区への進出にあたっては、大学側は大きな覚悟をもって交渉に臨んでいるはずです。今後の交渉に当たっては、出来る限り区長が自ら出席して、大学誘致への熱意を相手に伝えるとともに、提案を直接聞き、意思決定への材料にしていただきたい。その上で、山本区長がリーダーシップを発揮して、早期の大学決定を望みます。我々区議会自民党としても最大限協力していきたいと考えています。区長の決意をお聞かせください。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

 

 

平成28年 第3回区議会定例会 自由民主党 中沢議員への答弁要旨

 

(区長答弁)1 災害・水害対策について ⑴ 江東5区大規模水害避難等対応方針について

先の都知事選挙の結果については、小池都知事は、「都民ファースト」を掲げて選挙戦を戦い、都民の大きな期待と支持を受けて当選されたものと受け止めている。私は、都民ファースト・イコール・区民ファーストであると考えているので、まずは基礎自治体である特別区の実態を十分にご理解いただけるよう働きかけ、その上で都知事には区政の方向性を尊重して頂き、各区が抱える課題解決に向けて、私や区長会とも密に連携を図りながら、都政を推進してもらいたいと考えている。また、プレス発表の同時通訳や私自身による2言語対応での発信については、先日の合同総合防災訓練のように、外国の方が多く訪れるイベント等では、小池都知事のように2言語での発信も、時には必要であると感じた。同時通訳を添えてのプレス発表などを2言語対応で発信することについては、行政特有の言葉や内容があることから、専門の通訳者を置く必要があるので、直ちには難しいと思うが、私自身が冒頭のあいさつを英語で発信するなどのチャレンジを、議員の方々のお力も借りて積極的に試みたいと思う。また、海外メディアにも私自らが売り込んでいく。

「江東5区大規模水害避難等対応方針」を踏まえた区の具体的な対応策については、本区を含む荒川流域の江東5区は、昨年10月に「江東5区大規模水害対策協議会」を設置し、協議を重ね、8月24日には、その検討結果を対応方針として共同発表した。この中で、長雨による荒川の洪水と、東京地方への伊勢湾台風級以上の台風の襲来による東京湾の高潮が、同時に発生することによって、荒川両岸を含む広範囲に浸水被害が生じる大規模水害を想定し、最悪の場合2週間以上にわたる浸水が予想されるため、広域避難をさらに推進すべきとの考え方を示した。また、対応策として、5区による広域避難に向けた共同検討体制、避難情報の共同発表、ホットラインの確立等、大規模水害対策に係る5区の連携体制を構築した。本区としては、まずこの考え方について、パンフレットを作成するほか、防災関係機関連絡会、地域防災活動拠点会議等、さまざまな機会を通じて、区民への周知を図っていく。しかしながら、広域避難を確実に実現するためには、現段階において、具体的な広域避難先、避難手段、避難経路の確保等、多くの課題がある。そこで、これらの課題への具体的な対応策の検討と調整を進めるため、今月7日に「江東5区広域避難推進協議会」を設置した。また、内閣府、国土交通省及び東京都が設置する大規模水害対策に係る独自の会議体とも連携し、犠牲者をゼロとするための具体的な対応策の検討を進めていく。

 

⑵ 災害時の「食支援」について東日本大震災の教訓から、平成24年2月、東京都の「避難所管理運営の指針」において、災害時要援護者への食支援の必要性が示された。そこで、平成25年度墨田区地域防災計画の見直しにあわせて、「災害時食支援ネットワーク検討会」を立ち上げ、区としての対応策について検討を進めた結果、「災害時要援護者の食支援」について必要事項を掲載したほか、関連する災対各部との連携や管理栄養士の役割を明確にした。さらに、平成27年度には、「災害時に食への配慮が必要な方への理解と食支援のポイント」を策定し、この中で避難所における乳幼児から高齢者、アレルギー、疾病、食べる機能等への食に関する理解や配慮、また自助の備えなどについての検討結果を「墨田区避難所運営マニュアル」に反映させた。

 

⑶ 災害時に食への配慮が必要な方について 

避難所での食支援についての具体的な取組については、平時からの備えとして、高齢者や疾病等による摂食機能の低下の方などが、お薬手帳や救急医療情報キット等に、食で配慮してほしい事項を記載しておいて、災害時にわかりやすい形で周りの方々から配慮してもらえるよう、普及啓発を行っている。避難所生活での「口腔ケア」については、本年7月に、全国に先駆けて、災害時の歯科診療、口腔衛生に精通した歯科医師4名を「災害歯科コーディネーター」として委嘱した。また、「歯ブラシ」については、区内のライオン株式会社と本年2月に災害協定を締結し、優先供給をしていただく体制を確保している。本区の「災害時食支援」の今後の取組については、現在策定中の「新たな食育推進計画」において「災害時食支援」を重要課題と位置付け、準備を進めるとともに、着実に実践へと繋げていく。

 

2 幼保連携型認定こども園の整備について

認定こども園開設に向けては、今年度より配置した指導主事を中心に準備を進めている。具体的には、保育士に対する区立幼稚園での保育実習や幼稚園教育の実践を学ぶ講習会の実施、さらには移行予定の両園を指導主事が巡回し、教育の視点での助言を行っている。また、関係職員による定期的な勉強会を開催しており、今後も開設に向けた準備を着実に進めていく。保育園は、これまでも「子どもの心身の健やかな発達を援助する」「子ども達の生活の場として、安全で落ち着いた心地良い環境を整える」といった理念を掲げており、認定こども園移行後は、さらに指導主事の関与も深めて、教育の視点を意図的・計画的に高めることで、就学前の子ども達にとって教育の基礎となる「学びに向かう力」を育てていく。教職員の質については、保育教諭を公立幼稚園の教員向けの研修に参加させるほか、指導案の作成・教材の準備等の時間を確保できる体制を整えることによって、充実を図る。区全般の教育・保育施設の量的拡充と合わせた質の確保に関しては、昨年度から、日常の生活や遊びの中で保育者が子ども達の素朴な声を拾い、共通のテーマに結び付くような環境構成をする、子ども主体の協同的な学びプロジェクトを実践している。こうした試みを今後も続けていく中で、引き続き量的拡充を図りながら、子ども達の安心安全を確保する教育環境の充実も含め、質の向上に努めていく。都の緊急対策を踏まえた取り組みに関しては、本区においても、待機児童対策は最重要課題であるので、都の新規・拡充事業についても積極的に活用を検討し、さらなる保育定員の拡大を図っていく。

 

4 観光施策について ⑴ すみだ北斎美術館について

墨田区文化振興財団の今後のあり方については、私は、設立目的に沿い一層の運営の工夫や努力が必要であると強く感じている。このため、文化振興財団の組織体制を見直し、北斎関連事業補助費を削減するとともに、指定管理業務以外でも区と連携して文化施策を展開できるよう求めていくことにより、財団の自主自立と責任ある事業運営を促していく。その際、区と文化振興財団の役割分担を明確にする必要がある。今後、財団は、その設立目的を達成するために、より専門性の高い組織を目指し、文化芸術活動と観光や教育、福祉などをつなぐコーディネート業務等を行っていく必要があると考えている。同時に区の組織体制も見直し、新たな文化創造のための企画調整機能をもった組織とする。そのうえで、区と財団が連携し、北斎美術館開館を契機に、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、文化芸術を核としたシティプロモーションを積極的に展開していく。すみだ北斎美術館のミュージアムショップ等に関する取組については、ミュージアムショップは、限られたスペースを有効活用するため、すみだ北斎美術館ならではの質の高い、洗練された商品を厳選していく。具体的には、思い出を持ち帰れるような商品や、美術館のテーマにあった「ここでしか買えない」商品、また、「すみだモダン」を始めとした、メードインすみだの商品をラインアップし、海外を含めた国内外の人たちにすみだが誇る「ものづくり」の優れた技術力など、すみだの魅力をアピールする商品展開を考えている。そのために、産業振興部門や墨田区観光協会と連携し、世界に通じるコンテンツである北斎を生かした、高品質かつデザイン性に優れた商品を開発していく。北斎美術館を起爆剤とした経済波及効果の地盤固めの支援に関して、ご提案の第二のすみだまち処のような場の整備については、現在、JR両国駅西口旧駅舎に両国観光案内所を移設し、区内産品等の展示販売スペースも整備する予定なので、北斎通りを中心とする両国周辺の回遊性も図りつつ、その機能を果たしていきたいと考えている。開館を目前に控え、北斎をコンテンツとしたものづくりや物販・飲食等の区内外の事業者の関心も高まっており、区としても北斎通りの歩道修景整備や、シティドレッシングによる地元と連携した賑わい創出を進めている。今後、進出意欲のある事業者の店舗誘致を促進するために、地区計画等の変更も含めた環境整備を検討しながら、経済波及効果の地盤固めの支援をしていきたいと考えている。現段階での北斎美術館ボランティアに関する考え方については、館の基本方針(区民と協働し、ともに育ち、成長し続ける美術館)に賛同いただける熱意のあるボランティアの方々を積極的に受け入れ、美術館と来館者や区民との懸け橋になっていただけるよう、ご紹介の国立博物館の例も参考に、育成していく。

 

⑵ 東京マラソンと2020年東京オリンピック・パラリンピックについて

東京マラソン開催時に実施するイベントについては、交通規制等の関係から、東京都が実施する「マラソン祭り」の一環として位置付けられる必要があり、現在、コースを通る地元地域が、どこまで関わることが可能なのかについて、東京都と調整を行っている。今回からマラソンコースとなる両国地域沿道周辺の方々の関心が高まってきており、地元を挙げての応援等の相談も来ているので、庁内の関係部署とも連携させ、当日の受入体制、イベント開催、区民への周知等の検討を行っているところである。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた、現在の取組状況であるが、本区は開催都市の一員として、大会の成功に向け、東京都や組織委員会に協力するとともに、連携して気運醸成やボランティアの育成、競技会場周辺の環境整備など様々な事業に取り組んでいる。また、庁内の関係部署による検討組織を立ち上げ、大会に向けた本区の取組の基本的な考え方や具体的な事務事業、大会後のレガシーなどを基本方針として取りまとめる作業を進めている。オリンピック・パラリンピック担当部署の体制については、今月19日にリオデジャネイロパラリンピックが閉幕すると、大会に向けた様々な動きが一層加速することに伴い、担当部署の役割、事務量は今後増えていくものと考えているので、組織の在り方や人員配置も含めて、来年度の組織改正のなかで総合的に検討していく。墨田区総合体育館の大会期間中の活用については、第一回定例会での自由民主党・沖山議員の質問に答えたとおり、立候補ファイル作成時点では、総合体育館は、ボクシング競技の公式練習会場として予定されており、現在、組織委員会が競技団体等と調整しているところと聞いている。両国国技館の周辺地域の整備については、大会開催時だけでなく両国周辺を観光する来街者の増加も見据え、周辺道路の主要ルートとなる4路線について、電線類の地中化とバリアフリー化を平成31年度末までに完了させるよう整備を進める。また、地点名標識の英語表記化も行い、誰もが安全・安心で快適に観光などが楽しめる道路環境を整備する。更には、本年7月の公益財団法人日本美術刀剣保存協会による刀剣博物館建設の着工に併せ、旧安田庭園の再整備に着手するなど周辺観光施設の整備も進めている。総合体育館周辺にかかる国道の自転車駐車場整備については、現在、錦糸町駅南口の京葉道路と四ツ目通りの交差点付近への、第3種特定自転車駐車場設置に向けて、道路管理者や交通管理者と協議を行っており、協議が調い次第、整備に着手する。

 

5 大学誘致について

本年第1回定例会での進捗状況の報告以降の取組に関しては、本区への進出に意欲的な2校とは、私が学長等と面談を行い、意向を確認したほか、引き続き協議を進めている。また、この2校とは別に、申し入れがあった法人に対しても、本区の大学誘致の考え方について説明を行った。優先的に交渉する大学の決定に関しては、1つの大学とは、本区への進出について具体的な案が示されているが、その実現性についてはもう少し調整が必要であることから、今しばらくは2校と協議を進める考えであるが、このことが誘致の実現に影響を及ぼさないよう留意して進める。学生数や施設規模等の諸条件については、大学側の提案が、本区の教育力の向上や、地域活性化、イメージ向上につながるならば、本区の希望する諸条件と完全に合致しない場合であっても、区議会や地域住民の理解を得ながら、本区への誘致を進めていく。周辺整備や施設整備への費用負担については、これまでは、大学の規模、学部、整備予定の施設によって大学周辺のまちづくりのイメージが変わることから、誘致決定後に検討していく旨の答弁をしていたが、誘致の協議と併行して検討し、費用負担についても併せて協議したいと考えている。大学との協議にあたっては、可能な限り私が出席して思いを伝えていくことも含め、私が先頭に立って、早期の大学誘致決定に向けて全力を挙げて取り組む。

 

 

(教育長答弁)3 教育施策について ⑴ 公立小・中学校の教職員定数について

文部科学省はこれまで、教職員定数について指導法改善や不登校対策、日本語指導などの加配を行ってきた。本区においても積極的に活用し、少人数習熟度別学習や不登校対策、日本語指導などに50人程度の加配教員を配置し、教育活動の充実を図ってきた。いじめや不登校、貧困など様々な課題の対応のために、教員の質の向上や教育環境の確保がこれまで以上に重要になると認識している。教育委員会としては、まずは、各学校がより組織力を強化し、課題対応力を高めることが重要であると考えている。校長のリーダーシップの下、教職員や学校内の多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、連携して子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることが大切である。一方で、教育環境の整備の観点から、必要な人的支援は行っていく必要があることから、国や東京都の動向を注視しつつ、人員措置については積極的に活用するとともに、これまでも取り組んでいた外部人材等のさらなる効果的な活用も検証し、適切に対応していきたい。

 

⑵ 小学校における英語教育について

本区では現在、小学校において、外国人講師を活用した授業を、1年生から4年生では、年間6時間、5 年生から6 年生では、50時間の授業のうち41時間実施している。特に5・6年生については、英語が教科となることを見据え、平成27年度から14時間増加させて取り組んでいる。こうした外国人講師が関わる授業を効果的に行うため、英語活動研修会では、すべての小学校から教員が参加し、外国人講師も毎回加わる形で実施し、各学校に還元する取組を行っている。また、文部科学省の英語教育推進リーダー中央研修を受けた本区の教員が、各学校の英語担当教員に対して実施する還元研修も区小学校教育研究会外国語活動部会と連携して取り組み、指導方法等の向上を目指している。加えて、平成32年度からの教科化を見据え、今後は東京都教育委員会の英語教育推進リーダー研修を受講した教員とともに、指導主事がすべての小学校の授業を参観し、教材開発、指導案作成、校内研修の進め方、具体的な指導方法等の指導・助言を行っていく。こうしたことにより、還元研修のために実施した国や都の研修を十分に活用するとともに、外国人講師と連携した効果的な指導体制を構築し、授業の質の向上や体制づくりを推進していく。

 

 

*本要旨は聞き取りによるもので公式なものではありません。

 

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