平成30年度第三回定例会 一般質問 木内清

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについて3点伺います。
第1は、両国国技館で開催予定のボクシング競技についてです。
現在、「あしたのジョー」による気運醸成として、工事現場用PRシートの活用、区内公共施設へののぼり設置等による周知や、「すみだのジョー」ライセンス申請による新商品開発の受付を進めており、区民の間に墨田区はボクシングということが認知されてきたと感じられます。
その一方で、7月以来の日本ボクシング連盟の問題により、日本選手が東京五輪に出場できなくなる可能性が報じられるなど、好ましくない報道が出ています。それ以前に、今年の2月にIOC会長がボクシング競技の東京五輪からの除外に言及し、5月3日及び7月19日のIOC理事会においてもボクシング除外が継続審議になっていることが報じられ、国技館での開催自体が不透明なものとなっています。①現在の状況、今後の動向について把握していることがあればお知らせ願います。
第2は、聖火リレーについてです。
7月12日の報道発表で、聖火リレーが2020年3月26日に福島県を出発し、東京都には7月10日から24日の15日間が割り当てることが明らかになりました。今後、各都道府県でランナーやルートの選定、各日のセレブレーションの内容について検討されるものと聞いています。東京都は62の自治体すべてを1ルートで通ることは決まっていますが、②ランナーの募集時期や人数、各自治体での時間配分等、検討状況や見通しについて区長に伺います。
第3は、墨田区オリンピック・パラリンピック地域協議会についてです。
墨田区でボクシング競技が行われることについては、区民に一定の周知がなされてきたと認識していますが、気運醸成という面では、大会まであと2年を切った現時点でも十分とは言えず、③区民の盛り上がりは今一つという印象ですが、区長の感想をまず伺います。
昨年9月に、区政施行70周年記念式典と同日に、オリンピック・パラリンピックの気運醸成のための地域協議会が設立され、実質的な会合が今年に入ってから行われています。6つの部会で最大4回の会議が行われ、会議録が墨田区のホームページで公表されていますが、打ち水のイベントは行ったものの、未来枠会議でこれまで行われてきたランニングイベントの検討が終了するなど、具体的な取り組みについて中々見えてきません。④地域協議会の各部会の中で、今後行っていく具体的な取り組みや、実効性の期待できる検討事項があればお知らせ願います。
大会が大いに盛り上がり、偉大なレガシーを残すことを我々も期待しています。⑤区長の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への熱意を伺います。

次に、区民による介護予防の取り組みへの支援について伺います。
墨田区の高齢者人口は今後も続く見通しとなっており、それに伴う社会保障費の増大をいかに抑えていくかが大きな課題となっています。その解決の大きな方針として、介護予防の取組の拡充が必要であると我々は考えています。地域包括ケアシステムの充実や、介護保険施設等整備の推進等、要介護になってしまった際の受け皿作りも重要ですが、何よりも介護を必要としない方を増やせるよう努めていくことが重要と認識しているからです。①この考え方についての区長の見解を伺います。
現在、墨田区では介護予防事業として、有資格者による「元気生き生き体操教室」「高齢者パワートレーニング教室」等や、介護予防サポーターによる「げんき応援教室」等の講座が行われています。「げんき応援教室」については、講座終了後、自主グループへの移行支援が行われていますが、他の講座については1回のみしか受講できず、経験者向けの講座等も用意されていません。受講後、区の事業と離れて指導を続けてほしいと希望しても、場所や日程の確保、費用面等で実施が難しいと聞いています。
また、区内では、墨田区の事業以外にも、区民の自主的な取り組みとしてリズム体操や健康体操、ストレッチ教室等が行われています。これらの活動については、非常に安価な月謝で先生が指導しているものが多く、町会会館や地域集会所、学校の空き教室等、利用料金が低廉な施設で行われています。近年の区民の介護予防意識の高まりにより参加者が増加している教室では、現行の教室では手狭となり、地域プラザやみどりコミュニティセンター等の公共施設の利用を検討しても、利用料が高く変えられないという例があるようです。
一方で、本所地域プラザでは、健康体操教室等、地域での自主的な介護予防の取組を、稼働率の低い曜日や時間帯で、指定管理者の自主事業として複数行っています。この場合は、参加者は安価な参加費で利用でき、指導者は施設利用料を気にすることがなく、施設も元々空いている部屋が活用できるという良いモデルケースになっていると思います。
この例を参考に、他の指定管理者が管理している公共施設においても、稼働率の低い部屋や時間帯において、公益性が高く、効果的であると認められる区民による介護予防の取り組みについては、指定管理者の自主事業として実施する価値はあるのではないでしょうか。自主事業であれば、一定の金額の参加費も集めることができるため、「元気生き生き体操教室」や「高齢者パワートレーニング教室」の経験者向け教室も、指導者との協議が整えば実施することができます。②是非とも自主的な活動を行っている方々や、区の普及啓発事業の指導者の方々と、各公共施設の指定管理者との連携を進め、介護予防の取り組みへの支援を行っていただきたい。区長の見解を伺います。

次に、危機管理担当への元幹部自衛官の採用について伺います。
平成30年7月豪雨や、北海道胆振東部地震等、昨今の災害現場での自衛隊の活躍を報道で目にすると、非常に頼もしく感じます。その指揮を執る幹部自衛官は、部隊運用に関わる指揮・統制の実施、各種計画の策定、隊員の教育訓練、関係機関との連絡調整等、部隊の指揮官及び幕僚としての豊富な経験を有しています。また、一般的に地震、台風等の多様な災害派遣を経験しており、職務上、常に即応体制に対する物心両面での準備に習熟しているほか、様々な環境に耐えられる体力を持っています。
これらのことから、東京都庁の他、23区では7区が元幹部自衛官を危機管理・防災関連の部署に多くは管理職として採用しています。東京都庁や品川区では、順次採用を増やしており、その有効性が窺えます。
自治体に採用される元幹部自衛官は、全員が防災士または総合危機管理士の資格を有しています。自衛隊の職務上得た能力と合わせて、平常時には防災・危機管理体制の見直し等の基盤確立のために働いてもらうことが期待できるほか、災害発生時には初動の混乱時でも関係機関との調整、連携がスムーズに行えることや、避難勧告、自衛隊への災害派遣要請等の区長の判断の補佐、自衛隊等関係機関の運用についての助言等、区長のアドバイザーとしての役割も期待できます。この度の北海道胆振東部地震で自衛隊、消防、警察が素早く連携し対応に当たることができているのは、北海道内の多くの自治体で採用されている元幹部自衛官の働きによる部分が大きいのではないかと推察しています。
近い将来、首都直下地震の発生が危惧されるほか、各地で予測を超える豪雨災害が発生するなど、現在はこれまで以上の危機管理や防災体制の強化が求められています。墨田区としても、元幹部自衛官を採用し、常時危機管理体制の充実強化に努めることを検討するべきです。区長の見解を伺います。

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