予算特別委員会 意見開陳 田中邦友議員

私は、議案第73号 令和5年度墨田区一般会計予算、議案第74号 令和5年度墨田区国民健康保険特別会計予算、議案第75号 令和5年度墨田区介護保険特別会計予算及び議案第76号 令和5年度墨田区後期高齢者医療特別会計予算に賛成の立場から、墨田区議会自由民主党の意見を述べる。
 令和5年度の予算案は「誰もが主役 挑戦・活躍・輝けるまち~未来の”すみだ“に投資する予算」と位置づけられた、山本区長にとっては今期最後の予算編成だった。
歳入の一般会計予算規模は約1269億円であり、前年度比全体ではプラス約42億円となった。要因としては、特別区税全体では納税義務者数の増加や特別区交付金では市町村民税法人分の伸びなどが見込まれている。しかしながら、いまだ混迷を深めるウクライナ情勢の影響による原油価格をはじめとした物価高騰や、金融市場の変動による年度途中での減収リスクも視野に入れる必要がある。
新型コロナウイルス感染症の感染者数は減少傾向にあり、社会経済活動の回復を期待している。同時に、これまでに得た教訓を、しっかり生かしながら区民の安心安全の確保に最大限の努力をはらう事を求める。また、必要に応じて財政調整基金の活用や事業の取捨選択を着実に行いつつ、予算を執行することも求める。
基本計画の財政推計に示された公共施設整備に掛かる経費の約313億円については、昨今の社会経済状況によっては、速やかに見直しを迫られる場面も考えられることから、あらゆる想定を考慮して財政運営を行うことを望む。とりわけ公共施設整備基金の積み立てや活用の方針については、次期基本計画策定を待たず早期に、一定の考え方をまとめられたい。
なお、予算編成の過程において土木費が減額されているが、今後は中長期的な投資の視点に立ち、適切に配分することを望む。
さらに、全ての施策において、DXの推進による区民の利便性向上、質の高い区民サービスの提供と効率的な区政運営を実現する上で業務の選択と集中による行財政改革を推進することを求める。

続いて、款別質疑及び総括質疑で論点となった事項について順次意見を述べる。
 
はじめに、産業観光 振興施策について述べる。
 キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業については、区内個店での消費喚起が大きな目的でスタートした。過去4回の事業の実績では、費用対効果の面でも有効であることが実証されたと認識しているので、来年度もしかるべき時期に積極的に取り組むように強く求める。
区内企業とスタートアップ企業が連携し、先端技術を生み出す、新たな産業の集積地を目指すハードウェアスタートアップ拠点構想が3年目を迎えるにあたり、これまでの実証実験などの成果を踏まえ、新製品の開発や製造などの実績が一日も早く可視化されることを大いに期待する。
また、区内外からの来訪者がもどりつつある中で、本区の魅力をより一層発信するために観光協会を中心とした取り組みを望む。また、同観光協会の自発的・自立的な取組を推し進めるとともに、本格的なDMO法人となるよう、協働していくことを望む。
次に子育て施策について述べる。
  子育て世帯や若年夫婦世帯の確実な定住を目指す為、子育て世帯等定住促進事業、妊娠前から子育て期までの切れ目の無い支援「墨田区版ネウボラ」の推進、引き続き認可保育園や学童クラブの待機児童解消の取組、医療的ケア児に対する保育園等での対応改善を含む支援の充実、また子育て分野の情報連絡システムのDX推進を求める。加えて、公園整備にあたっては子ども目線に沿った整備を求める。  

次に廃プラスティックの資源循環をさらに促進する為の回収事業について述べる。
来年度モデル事業が始まり、公務員でなければ出来ない普及啓発等の業務量の増加が想定される。これまでの技能系職員の退職不補充の方針は踏まえつつも将来を見据えた適切な人員の確保を求める。

 次に教育施策について述べる。
いじめ・不登校対策について、本区においてスモールステップルームが全校に設置されたことは大いに評価しており今後の取り組みを期待したい。一方で、依然として東京都の平均を上まわる不登校の出現率は改善されておらず喫緊の課題として重く受け止めることを望む。 
そして、新たに完成する教育センターの活用によって、今日抱えている様々な教育課題の解決・改善に着実につながることを期待する。
また、わが会派は、給食費無償化については国において一律に行われるべきであると考えており、区独自の給食費の無償化については慎重に検討すべきである。子育て支援については政策効果を勘案の上、総合的な対策を講ずるべきである。
なお、物価高騰対策は喫緊の課題であり、本予算執行中であっても、価格転嫁することの出来ない業種等について不断の支援策を検討することを求める。
 その他、大学のあるまちづくり、部活の地域移行、防災対策、町会・自治会支援、障害者支援、生活困窮者支援、スポーツ振興計画、文化芸術振興等々、本特別委員会を通じて私たち会派から質疑を行った内容については、予算執行に当たり、特に意を用いられることを望む。
なお、日本共産党から提出された令和5年度墨田区一般会計予算の編成替えを求める動議については、私たちと政策の基本的な考え方が異なるため、賛成することはできない。
 最後に、職員の皆様に申し上げます。
 政府は5月8日より新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」へ移行する考えを示しました。来年度の区政運営にあたっては、「5類」へ移行後、区民生活に混乱の無き様、事前の準備をはじめとした しっかりした対応策を望みます。
区長は区政運営の基本的な考え方としてあらゆる施策の多様性と社会的包摂を一層高め〝 夢 実現プロジェクト ″を着実に実施すると表明しています。
職員の皆様におかれては、この点をしっかり念頭におき自身の業務の意義を把握し区民目線にたち区民に寄り添った職務の遂行を強く希望します。
 以上で、墨田区議会自由民主党の意見開陳を終わります。

                                             

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