平成30年度予算特別委員会 意見開陳

私は、墨田区議会自由民主党を代表して、議題に供された議案第2号 平成30年度墨田区一般会計予算、議案第3号 平成30年度墨田区国民健康保険特別会計予算、 議案第4号 平成30年度墨田区介護保険特別会計予算、議案第5号、平成30年度墨田区後期高齢者医療特別会計予算について意見を申し上げます。

 まず歳入についてです。

平成30年度一般会計予算総額は約1193億円と前年度比約81億円の大幅増となっています。基幹的な収入に関しては、人口増や景気回復の影響により、特別区税及び特別区交付金の増収が見込まれています。一方で、地方消費税の清算基準見直しによる減収や、公共施設整備等による財源不足に対応するために、基金からの繰り入れや特別区債の起債を行うなど、全体的には依然として厳しい歳入環境にあります。

 引き続き歳入確保のため特別区税等の収納率向上の努力を続けることを求めます。また、更なる事務事業の見直し、業務改善等による行財政改革の推進による歳出抑制に努め、強固な財政基盤の構築に取り組むことを求めます。

 

 

次に、歳出について述べます。

平成30年度予算案は、区長の掲げる「すみだの夢」実現に向けた着実な取り組みを進めるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック開催とそのレガシーがすみだの未来の礎となる予算として編成されています。

 本予算案で示されている事業には、政策目的については理解できるものの、具体的な事業内容や委託業務の内容が固まっておらず、本特別委員会の質疑の中で明らかにできないものが散見されました。我々の質疑により方向性は定まってきたものの、「予算案は1年間の区民への約束である」と考える我々にとって、このような予算計上が続くことについて大きな懸念を抱いており、まず指摘させていただきます。今後の予算編成において、強く留意していただきたい。

 

 

続いて、本委員会で重要課題として会派が取り上げた内容について述べます。

 ◎大学誘致については、今後大学整備に向けた準備を着実に進めることを求めます。また、文花地区のまちづくりと一体的に捉えた上で、旧文花小学校跡地の活用を含め、地域の活性化が図れるよう慎重に協議を進め取り組まれる事を望みます。

 

 ◎新保健センターについては幅広い関係者とのヒアリングを行い、将来需要を見据えた施設となるよう基本設計を進めて頂きたい。

 

 

 ◎(仮称)総合運動場については、周辺まちづくりと一体的なものと認識し、都有地の土地利用方針の方向性について強い意志をもって都区間で緊密な協議を進めて頂きたい。

 

 ◎荒川緑地フィールドハウスの管理運営費及び修繕費については、極めて民間感覚からかけ離れている予算と言わざるを得ません。土日以外の閉鎖等、即時の管理体制の見直しを求めます。また、当面の修繕費の執行を凍結した上で、平成30年第三回定例会までに、施設の廃止も含めた今後の方向性の報告を求めます。

 

 ◎町会加入促進マンガにいては、現在配布しているリーフレットの充実という観点を優先していただきたい。3月に行う転入者アンケートの調査結果を分析、検証し、議会に報告を行った上で、冊子作製ありきではなく、最も有効な形での執行を求めます。

 

◎ごみ分別チャットボット導入については、期限を定め導入後の効果、実態調査や検証を適切に行うことを求めます。また、今回の導入を契機に、本区がAiを活用することによって行政サービス改革を推進すること、区民の利便性向上と福祉増進に繋いでいくことを求めます。

 

 

 加えて、平成30年度予算の執行にあたっては、本特別委員会の議論の中で我々が提案・指摘・要望した事項については十分斟酌することを求めます。

 

 その他、2年後に迫る2020東京オリンピック・パラリンピック関連予算に関しては、競技会場を有する本区の姿勢をしっかりと保ちつつ、マラソンコース誘致や聖火リレーについても東京都との連携強化に努めて頂きたい。さらに、オリパラ地域協議会の活用、運用についても着実な推進を図られる事を求めます。2020東京オリンピック・パラリンピック開催という好機を十分に活用して頂く事を強く望みます。

また、今後の施策展開においては、依然として予算総額の半分以上を占める民生費の各施策と他施策とのバランスを総体的に考えていく必要があると考えています。会派からの意見としても、福祉施策に配慮しつつも、区民所得の向上に向けての施策展開も大変重要であると指摘をさせて頂きました。その点を十分に熟慮され施策展開に反映される事を望みます。

 

 

 以上主な点について申し上げましたが、各施策を展開して行く上で最も大切なことは、職員の意欲や業務に対する当事者意識、そしてなんといってもチームワークであると思います。区長からは行政運営を進めるにあたって「選択と集中」、「民間感覚」「スピード感とコスト意識」が重要であると示されています。行政手続きを重視し、事業の妥当性を慎重に判断することを大前提としつつも、職員の皆様は、区長と認識を共有し、各所管の横断的な連携はもとより、職員一人一人が自身の業務に対しての全体像を把握し、職務を遂行していただきたい。この事が各施策の効率的かつ効果的な事業展開につながり、持続可能な行政サービスを実現していくのだと思います。

この点を十分斟酌の上、平成30年度の行政運営に反映される事を期待し、今予算特別委員会で議題に供された平成30年度一般会計予算、ほか3件についても賛成をいたします。

 

 

 なお、日本共産党から提出のありました平成30年度一般会計予算の編成替えを求める動議については、賛成する事は出来ません。

 

 

 

                                             

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